二日酔いを治す果物は「リンゴ」。その成分から見る効果効能。

イギリスには「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」ということわざがあります。

このことわざは1860年代に誕生したといわれ、今では世界各地で広く知られるようになりました。

それほど栄養価が高いと評価されてきたリンゴには二日酔い効果もあるとされていますので、二日酔いで困りなら試してみる価値がありそうです。

それでは、リンゴには本当に二日酔い改善効果を期待できるのか、その成分から検証してみることにしましょう。

 

成分から紐解くリンゴの効能

それではまず、リンゴに含まれているおもな成分と、それらの特徴についてご紹介します。

 

ビタミンC

果物には多くのビタミンCが含まれています。
しかし、リンゴにはそれほど多くのビタミンCが含まれているわけではありません。

ではなぜ二日酔いにリンゴがおすすめなのかというと、ある医学的な実験によると、リンゴには体内のビタミンCを増やす働きがあることがわかっているからです。

ビタミンCには二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドの分解促進作用があるため、リンゴで体内のビタミンCを増やすことが、ツラーイ症状の改善に役立つでしょう。

リンゴポリフェノール

リンゴに含まれているリンゴポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素除去効果を期待できるといわれています。

ポリフェノールにはさまざまな種類がありますが、リンゴに含まれるプロシアジニンB2というポリフェノールにはとりわけ強い抗酸化力があります。

アルコール成分は肝臓で代謝されますが、その際には体内で多くの活性酸素が発生します。そして、発生した活性酸素をそのまま放置していると、活性酸素によって健康な肝臓の細胞が傷付けられることも考えられます。

そうならないためには、なるべく普段からリンゴを食べて、体内の活性酸素発生量を抑えておくと良いでしょう。

ペクチン

リンゴの実と皮の部分に存在するペクチンという水溶性食物繊維は、腸内環境の向上効果を期待できます。お酒の席ではさまざまな料理やおつまみを食べますが、栄養素が偏ったり油分が多い料理を多く食べると、翌日になって便秘や下痢になることがあります。つまり、腸内環境が悪化しているということですが、このようなときに活躍するのがペクチンです。

このペクチン、一時期放射能を身体から排出するという噂が立ちましたね。実際のところエビデンスはありませんが、その頃からサプリメントも一気に増えた印象です。

ちなみにペクチンにはコレステロールの急上昇を抑える働きもありますので、肥満を予防したい方にもおすすめできる成分だといえるでしょう。

果糖

リンゴに含まれている果糖には、二日酔い時の糖分不足を補う働きがあります。

低血糖などになりやすい二日酔い時に、糖を補うと、寒気や頭痛などを緩和できる効果があります。

 

なお、これらの成分は果肉と皮の中間部分に最も多く存在しているといわれていますので、なるべく皮ごと食べることが望ましいでしょう。

 

リンゴに期待できる二日酔い改善効果

それでは、もう少し具体的なリンゴの二日酔い改善効果についてご紹介しましょう。

アセトアルデヒドの分解促進効果

リンゴに含まれるビタミンCにはアセトアルデヒドの分解促進効果が期待できますので、これだけでも二日酔い時にリンゴを食べることが有効だということがわかります。

しかし、ビタミンCの効果はそれだけに留まらず、免疫力アップ効果や鉄やカルシウムの吸収促進効果も期待できます。

特に鉄やカルシウムなどのミネラル成分は飲酒によって大量に失われることがあり、この状態になると貧血やイライラなどの症状が現れやすくなります。

そして、このような症状の改善に役立つのがビタミンCというわけです。

整腸効果

食物繊維には不水溶性と水溶性があり、これらをバランス良く摂らないと便秘や下痢になる確率が高くなります。

水に溶けにくい不水溶性食物繊維は穀類や根菜、豆類に。
そして、水に溶けやすい水溶性食物繊維は果実に多く含まれています。
お酒の席に口にするメニューって、どちらかというと不水溶性に傾いていると思いませんか?不水溶性食物繊維ばかり摂取してしまうと、翌日になって便秘になることがあります。

これは、不水溶性には便の質量を増やす働きがあるからで、長く腸内に留まるうちに腸壁に水分を吸収されて固くなり、体外に排出されにくい状態となっています。

二日酔いだけでも辛いのに、便秘まで起こってしまったらその辛さは倍増するに違いありません。このような状態に役立つのが、リンゴに含まれる水溶性食物繊維です。

果糖による糖分補給効果

二日酔いで低血糖が起こっているときには糖質を摂取する必要があります。

そして、最も手っ取り早く糖質を摂るのであれば、サプリ、次に、おにぎりや和菓子、ラムネ菓子などがおすすめできますが、空きっ腹にこれらの食品を入れると血糖値が急上昇して、肥満や糖尿病のリスクが高まります。

一方、リンゴに含まれている果糖は、空きっ腹に入れたとしても血糖値急上昇の原因になることはありません。

その上きちんと糖質を補給できることになりますので、二日酔いで辛いときには、なるべくリンゴの果糖で糖質不足を解消しておくことが賢明でしょう。

なお、果糖の含有量が最も多いリンゴは「ふじ」ですので、二日酔い改善目的でリンゴを購入するのならなるべく「ふじ」を選ぶことをおすすめします。

口臭予防効果

二日酔いと抱き合わせで起こるのが、酒臭い息です。

リンゴポリフェノールには二日酔い時の口臭予防効果も期待できますので、酒臭い息が気になったときにはぜひ、リンゴを食べてみてください。

 

生リンゴとジュースならどっちがおすすめ?

最もおすすめできるのは、生のリンゴを綺麗に水洗いしてそのまま食べるという方法で、この方法であればリンゴの栄養素を残さず体内に取り込むことができるでしょう。

 

一方のジュースの場合では、自家製ジュースと市販のジュースで効果が異なります。

まず自家製ジュースですが、リンゴをご自宅のミキサーにかけると、ビタミンCの残存率は約6%と大幅に下がってしまいます。
つまり、リンゴからビタミンCを摂りたいのなら、この方法はおすすめできないということです。

また、市販の100%リンゴジュースでも製造の段階でビタミンCが破壊されますが、製品として販売されている100%ジュースであれば、あとからビタミンCを添加していますので、しっかりとビタミンCを摂ることができます。つまり、おすすめできるのは市販タイプのリンゴジュースということになります。

 

ただ、手を加えられていない状態のほうがしっかりとリンゴの栄養素を摂れることは事実です。皮ごと食べればペクチンも十分摂取できます。

二日酔いでも固形物が食べられる状態なら、まずは生のリンゴをそのまま食べてみて様子を見るという方法が最もおすすめできそうですね。