世界のウイスキーの種類を知る/国ごとに違う特徴と味の傾向

ウイスキーが生まれ500年以上。世界中で様々な種類のウイスキーが生まれ、今なお進化を続けています。
このページでは「ウイスキーをこれから飲んでみたい」「国ごと、地域ごとに違う色々な種類を飲んでみたい」という初心者の方に向けて、ウイスキーの種類や味の特徴について解説します。日本のウイスキーしか飲んだことがない方も、このページを読めば様々な国の銘柄に出会えます。

ウイスキーの種類 「世界5大ウイスキー」

ウイスキーは穀類から造られる蒸留酒なので、地理的な制限はなくどの国でも製造は可能です。ただし製造に向く土地や風土はあり、スコットランドをはじめ、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本、インド、台湾、フランス、イタリア、オーストラリア、ドイツ、ウェールズ、フィンランド、スウェーデン、スイス、タスマニア、イスラエルなどで製造されています。
その中でも以下の5種類のウイスキーが、品質や生産量ともに高く、その卓越した技術は世界的な評価を受けています。
ここからは世界5大ウイスキーの種類と傾向をご紹介します。

スコットランドのウイスキー「スコッチ」

スコットランドのスコッチスコッチウイスキーとは

イギリスを構成する4地域のうちのひとつが「スコットランド」です。この国で造られているのがスコッチウイスキー。
面積で言うと日本の北海道より少し小さいくらいなのですが、全世界のウイスキー消費量の60%を占めていると言われています。自然環境に育まれた個性豊かなウイスキー蒸留所が100ヵ所以上存在し、まさにウイスキー界のキング的立ち位置にいるスコッチ。この記事ではスコッチがどんな風土でどのような歴史を辿ってきたのかを解説します。
詳細はこちらから


ハイランドモルト広大に土地に多彩な種類「ハイランドモルト」

スコットランドの北部の最も広大な地域がハイランドです。起伏の激しい地方で、1,000mを超える山々が連なる雄大な自然が特徴です。規模が大きいので東西南北+中央と5つのエリアに分けて説明されることも多いです。ウイスキーの種類も多種多様で、その傾向を捉えるのは難しいですが、東部はフローラルで上品な銘柄、西部はフルーティでスパイシーな銘柄、南部は穏やかで軽く、北部は力強くややピーティな銘柄が多いと言われています。ちなみに映画ハリーポッターに出てくる「ホグワーツ魔法魔術学校」がある地方としても知られています。
詳細はこちらから


スペイサイドモルト華やかな香りのウイスキー「スペイサイドモルト」

ハイランド地方の北東部に位置し、サーモン釣りで有名なスペイ川流域で造られているウイスキーの種類です。ウイスキーの黄金の三角地帯と呼ばれ、スコッチ最大のウイスキー生産区です。このごく小規模なエリアに50以上の蒸留所が集中しており、スコッチ界では並々ならぬ存在感を放っております。
スペイサイドウイスキーは古くから華やかでエレガント、花や果実に例えられるタイプのウイスキーが多く、繊細なイメージでした。現在ではそのイメージを払しょくするかのように様々なフレーバーを醸すウイスキーが造られています。ビギナーから愛飲家まで人気の名酒が揃うエリアです。
詳細はこちらから


アイラモルト世界を驚かせるピートフレーバー「アイラモルト」

スコットランド海岸から約27km、原始的な自然に囲まれた人口わずか3,000人の小島。荒々しい波が打ち寄せる島は、面積の4分の1程度が泥炭(ピート)に覆われています。最大の特徴は口の中燻されているかのようなスモーキーフレーバー。このヨード臭やピート香に誘われて、世界中から観光客が訪れます。日本でもこのアイラモルトウイスキーのファンは多く、様々なBARでも飲むことができます。香りや味のメリハリをつけるため多くのブレンデッドスコッチウイスキーにもアイラモルトは使われています。代表的な8つの蒸留所の特徴とボトル種類や味を解説します。
詳細はこちらから


アイランズモルト神話を宿す風光明媚な島々「アイランズモルト」

上記の”アイラ島”を除いたスコットランドの北岸から西岸にかけて点在する島々を指します。各島に存在します蒸留所の個性が強く、多彩なウイスキーの種類が存在します。島のモルトらしいスパイシーで潮を感じさせるスカイ島のタリスカーやマル島のレダイグ、マイルドでスムースなジュラ島のアイル・オブ・ジュラ、ヘザーハニーの甘い香りとスモーキーさが楽しめるオークニー諸島のハイランドパークなど、どっしりと腰を据えて飲み進めたい銘柄がたくさんあるのが楽しいです。
美しい島々を想像しながら多様なウイスキーを味わう旅に出ましょう。
詳細はこちらから


キャンベルタウンモルト栄光と挫折の港町が紡ぐウイスキー「キャンベルタウンモルト」

スコットランドの南西にひっそりとある港町、キャンベルタウンは100年ほど前までは世界のウイスキーの首都とまで呼ばれていました。かの竹鶴政孝が研修で滞在したこともあります。しかしその後ウイスキー産業は衰退。現在では3つの蒸留所、5種類のウイスキー銘柄が造られています。
特徴は油性が強くオイリーであること、香りはスモーキーで麦芽風味が強いことなどがあげられます。ブリニーと呼ばれる塩辛さがあることも個性のひとつです。様々な時代の変遷を生き抜いたキャンベルタウンウイスキーを解説します。
詳細はこちらから


ローランドモルト繊細でドライなハーブの質感「ローランドモルト」

スコットランドの南側、イングランドのすぐ真上に位置するローランド地方。首都エジンバラやグラスゴーなどの主要都市が存在し、全人口の80%が集中しています。かつては北のハイランドモルトと激しい競争を繰り広げ、数十の蒸留所を擁していましたが徐々に衰退し今に至ります。非常に多くのグレーンウイスキー蒸留所があり、スコットランドの7軒の蒸留所のうち6軒がこのローランドのあります。
最大の味の特徴は3回蒸留による軽快なフレーバー。酒質はライトでややオイリー。花とハーブのニュアンスを含んだドライなスタイルが多いです。スコットランドの6つの代表的なエリアの中で最も飲みやすい味わいと言われています。昨今では新たな蒸留所を建設する兆しもあり、多くの投資家や起業家にも注目されています。
詳細はこちらから


アイルランドのウイスキー「アイリッシュ」

アイルランドのアイリッシュウイスキーアイリッシュウイスキーとは

南北に500km、東西に300km程の島で、人口は650万人程度。アイルランド共和国と北アイルランドという二国にまたがる地域で造られるウイスキーの種類をアイリッシュウイスキーと呼びます。18世紀末には2,000以上の蒸留所が存在し、ジョン・ジェムソンらが中心となり発展していきました。
アイリッシュウイスキーはとても酒質がライトでクリーンです。中でもシングルポットスチルウイスキーという種類が存在し、大麦麦芽以外に未発達の大麦、オート麦、小麦、ライ麦などを混ぜて原料にし単式蒸留器で3回蒸留するという伝統の製造方法を用います。独特なオイリーなフレーバーと雑味の少ないマイルドな風味が特徴です。
代表的な蒸留所は4軒ですが、銘柄はとても多くの種類を造っています。
詳細はこちらから


アメリカのウイスキー「アメリカン」

アメリカンウイスキー/バーボンアメリカンウイスキーとは

アメリカンウイスキーはアメリカで造られるウイスキーの総称で、主に「バーボン・ウイスキー」と呼ばれる種類がケンタッキー州で、「テネシー・ウイスキー」と呼ばれる種類がテネシー州で造らています。もともとはイギリスによる植民地化から逃れたヨーロッパの移民が造り始め、ウイスキー戦争や禁酒法などの激動の時代を経て、スコッチやアイリッシュと異なる独自の文化や味を育んできました。
ベースがトウモロコシなので、甘いニュアンスが強く、バニラやカラメルのような香りとチョコレートやメープルシロップのような風味を持ちます。焦げた木材のような深みを感じますが、これは内側を焦がした新樽によって熟成されるのが原因で、荒々しく力強いと表現されます。
アメリカの政治経済にも大きく影響を与えた”魂の酒”を紐解いていきましょう。
詳細はこちらから


アメリカンウイスキー/テネシーテネシーウイスキーとは

アメリカンウイスキーの95%近くはケンタッキー州で造られていますが、テネシー州はその真下にあります。バーボンとの違いですが、バーボンはアメリカのどこで造ってもバーボンを名乗れますが、テネシーウイスキーはテネシー州で造られてなければなりません。これは創業者の「バーボンではなく、あくまでテネシー州発のウイスキーとしてアメリカのトップブランドになる」という強い信念によるものです。テネシーウイスキーを代表するジャックダニエルは見事、世界一売れているアメリカンウイスキーとなりました。
味の特徴はチャコールメローイング製法と呼ばれる樽詰めする前の原酒をサトウカエデの炭でろ過する手法。このろ過製法が若い蒸留酒の味の尖りを取り除き、ウイスキーにかすかなスモークの香りと、ガラスのようになめらかな舌触りと、とろみのある甘さを与えます。日本ではロックミュージシャンが飲んでいるお酒というくらいしか印象がないテネシーウイスキーですが、実はたくさんの種類があります。
詳細はこちらから


カナダのウイスキー「カナディアン」

カナダのカナディアンウイスキーカナディアンウイスキーとは

カナダのその広大な土地はロシアに次いで世界2位の規模を誇ります。さらにウイスキー生産量もスコットランドに続く2位という大国。もともとはビールを造っていた醸造所に蒸留装置が併設されウイスキーの生産が始まったとされています。1776年のアメリカ独立宣言の際に、独立に批判的なイギリス系農民がカナダに移住してからは大きく発展、禁酒法時代には輸出を禁止しなかったカナダは黄金時代を迎えました。現在はカナダ国内のアルコール規制により低迷していますが、以前アメリカでの人気は高いです。
フレーバーリングウイスキーとベースウイスキーという2種類が製造されており、この両者を足したカナディアンブレンデッドウイスキーが良く飲まれています。シナモンのようなスパイスと、トーストしたパンのような香ばしさ、カラメルのニュアンスを含んだ非常に飲みやすいフレーバーが特徴的です。日本ではカクテルばかりに使われ、なかなか飲まれませんが実はたくさんの種類が存在します。この記事でカナディアンウイスキーを知ってください。
詳細はこちらから


日本のウイスキー「ジャパニーズ」

日本国産のジャパニーズウイスキージャパニーズ(国産)ウイスキーとは

本格的に日本がウイスキー造りを開始したのは1923年。鳥居信治郎と竹鶴政孝の協力によって誕生しました。5大ウイスキーの中でも最も歴史が浅く、当初はスコッチウイスキーのコピーという誤った認識があったものの、独自の進化を遂げ、今や世界的なコンペティションの常連となっています。製品の分類はスコットと同じモルトウイスキーとグレーンウイスキーの2種。その2種類を混合したブレンデッドウイスキーが造られています。
世界的に有名なブレンダーが織り成す優美で繊細な香味が魅力で、複雑で味わい深いと評価されています。原酒の熟成にミズナラの木材でできた樽を使用し、フレーバーに独特な奥行きを与えるなど、世界的にも珍しい手法もとります。スコッチに比べて穀物の風味はあまり感じられないのも特徴の一つでしょうか。そして大手メーカーが蒸留所を所有しているので品質の安定性は高いと言えます。
詳細はこちらから


 

五大ウイスキーの種類と原料を表で見る

上記のように五大ウイスキー中にも造られているウイスキーの種類があり、その材料が異なります。造られたウイスキーをそのままボトリングする場合もありますし、ブレンドして味を調整する場合もあります。ウイスキーの原料は主に穀類ですが、どのような種類があるのかは【ウイスキーの原料を知る】のページで解説しています。

ウイスキー樽の種類

ウイスキーを貯蔵する『樽』。それはウイスキーの風味と酒質を決める最も重要な要素です。ニューポットと呼ばれる蒸留したての無色透明の液体は、アルコールの刺激が強く荒々しい飲みにくいお酒です。これをウイスキーらしい深みのあるまろやかな味と美しい黄金色に仕上げるのが樽熟成です。
ウイスキーは『樽に使われている木材の種類』や『樽のサイズ』、さらには『樽に入っていたお酒の種類』で風味がかなり異なります。ひとくちに”シェリー樽で熟成したウイスキー”、”ワイン樽で寝かせたウイスキー”と言っても、その中には多くの種類があるのです。
多種多様に存在する樽の世界ををご案内します。
詳細はこちらから

ウッドフィニッシュ

WHISKY?WHISKEY?綴りの種類

コンビニエンスストアやスーパーマーケットでウイスキーボトルを手に取ってみると、「WHISKY」と「WHISKEY」の2種類のスペルがあることに気が付きます。これはスペルミスではなく製造国によって表記に種類があるのです。
スコットランドや日本、フランスなどでは「WHISKY」の表記、アイルランド、アメリカでは「WHISKEY」の表記が用いられるのです。
表記が分かれた理由は諸説ありますが、アイルランド人が自らが出荷するアイリッシュウイスキーをスコッチと差別化するために「E」を足して表記するようになったと言われています。アメリカのバーボンもアイルランドの流れを汲んだ「WHISKEY」の表記がほとんどですが、これはアメリカでウイスキー蒸溜所をつくった創設者は、アイルランド出身の移民が多かったからと言われています。