米国TTBのラベルデータベースに『キルケラン トリプルディスティルド』が登録されました。
これまで単発でしか出てこなかった3回蒸留のキルケランが、グレンガイル蒸溜所の定番ラインに加わる見込みです。
ラベル上の表記はスモールバッチ、熟成年数の記載はありません。

年12週の稼働、そのうち一週だけの造り
キルケランの生産期間は年間12週です。
そのうち大半をライトリーピーテッドの2回蒸留に充て、3週をヘビリーピーテッドに、そしてノンピートと3回蒸留にそれぞれ一週ずつ割り当てる。これが公表されている造り分けです。
つまり3回蒸留の原酒は、年間の蒸留期間のうち12分の1しか生まれていません。
しかも一年のうち9か月は蒸留器が止まっているわけですから、絶対量として相当に少ないわけですね。
これを定番商品として切らさずに出し続けるというのは、供給の設計としてはかなり無理のある話に見えます。
これまでオープンデー限定などの単発リリースに留まっていたのも、当然といえば当然でした。

スモールバッチという但し書きの意味

ラベルに『スモールバッチ』と入っている点は、そのまま読んでよさそうです。
定番といっても、いつ行っても棚にある種類の定番ではなく、バッチ単位で断続的に出るタイプのレギュラー品になるということだと思います。
スプリングバンク社の製品群は元々そうした売られ方をしていますから、方針としては一貫しています。
一方で度数については、複数の情報で数字が食い違っているため、ここでは触れないでおきます。現物のラベルが出回れば確定するはずです。
生産を増やさずレンジを広げる
グレンガイルは1872年の創業後に長い休止期間を経て、2004年に再稼働しました。
蒸溜所名の『グレンガイル』が別社に商標登録されていたため、製品名にはキルケランが使われています。2016年に12年をコアレンジとして出し、そこから徐々に定番の顔ぶれを増やしてきました。
キャンベルタウンという産地そのものについては、こちらもどうぞ。
今回の動きで興味深いのは、蒸溜所の規模を大きくしないまま製品の幅を広げようとしている点です。
稼働週を延ばすでもなく、設備を増やすでもなく、もともと持っていた造り分けの一つを製品として独立させる。
そうやってレンジを組み立てていく手つきは、この会社らしいと思います。
3回蒸留のキルケランがどんな顔をしているのか、単発品を逃してきた人にとっては、ようやく順番が回ってきたことになりそうです。










