鹿児島県内でウイスキーを造る酒造会社6社が「鹿児島ウイスキートレイル協議会」を立ち上げ、9月9日に塩田康一知事へ発足を報告しました。
蒸溜所を巡るツアーなどを通じて、今秋から「鹿児島のウイスキー」を地域ブランドとして国内外に発信していきます。
焼酎蔵6社が肩を並べる顔ぶれ
協議会は今年4月に発足していて、会長は本坊酒造の本坊和人社長が務めています。参加するのは次の6カ所です。

- マルス津貫蒸溜所 本坊酒造
- 嘉之助蒸溜所 小正嘉之助蒸溜所
- 日置蒸溜蔵 小正醸造
- 御岳蒸留所 西酒造
- 小牧蒸溜所 小牧醸造
- 火の神蒸溜所 薩摩酒造
いずれも焼酎づくりを本業に持つ蔵元。これまでは各社がそれぞれのブランドを個別に発信してきました。
県内でウイスキーを造る蒸溜所は2023年度時点で13カ所あり、全国最多とされています。今回の6カ所は、その半分ほどということになります。
8月に「霧島531」を出した横川蒸留所などは今回の名簿に入っていませんが、協議会は意欲のある蒸溜所が加われる枠組みを整えていく方針です。
まずは地図とツアー、その先に共同ボトル

当面の動きとしては、年内をめどに公式サイトとガイドマップをつくり、各蒸溜所を巡るツアーを企画するとのこと。
本坊会長は知事への報告後、将来的に各社の原酒を持ち寄ったオリジナルウイスキーの販売や、ビジターセンターのような情報拠点も構想していると話しています。
原酒を持ち寄る発想は、6月に三郎丸と嘉之助が原酒を交換して出した『龍虎』とも地続きの話と言えそうです。今度は県内の6社で同じことをやろう、というわけです。
産地名で売るための、次の一手

手本にしているのは、蒸溜所を巡る旅が定着しているスペイサイドや、ケンタッキーのバーボンの産地です。
背景には数字の事情もあります。県によると、2024年度の鹿児島のウイスキー・リキュール等の輸出額は2億4,000万円。県が今年3月にまとめた輸出拡大のビジョンでも、伸びが期待される品目に入っています。
その一方で、県産としての認知度の低さも指摘されてきました。
嘉之助の海外展開や、小牧の屋久杉樽のように、蒸溜所ごとの個性はすでに知られ始めています。
ただ、海外の飲み手から見ると「鹿児島」という産地名はまだ一つにまとまっていません。焼酎で培った蒸留の技術と温暖な熟成環境を、産地の顔としてどう打ち出すか。今回の協議会は、その最初の一歩ということでしょう。
知事も、焼酎のPRにつながることへの期待を口にしていました。ウイスキーが入口になって焼酎蔵そのものに人が向かう流れができれば、県にとっても蔵元にとっても大きな意味があるのではないでしょうか。










