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キルケランを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

キルケランの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/12年・8年・15年・ヘビリーピーテッド

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オーツカ

ざっくり覚える!

キルケランはスコットランドのキャンベルタウンにてつくられているシングルモルトウイスキーです。

「キルケラン」というのはあくまでブランド名で、つくられているのはグレンガイル蒸溜所です。

リリースする際、「グレンガイル」という商品名が既にグレンスコシア蒸溜所によって登録されていたため、キルケランと名づけられました。
つまり商標権の問題でグレンガイルを名乗れなったわけです。

グレンガイル蒸溜所はスプリングバンクの資本のもと製造・販売が行われています。

歴史ある古い蒸溜所ですが、長きにわたり閉鎖しており、本格稼働したのは2004年。

リーズナブルなのにとてもバランスの良い味わいで、キルケランファンが急増中!

今後が楽しみな蒸溜所でもあります。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

あらゆる方面のウイスキー有識者やドリンカーが「初心者におすすめするシングルモルト」で名を挙げているキルケラン。

これまでビギナーが思っていたウイスキー像を良い意味で破壊してくれるボトルです。

非常にキャッチ―なハウススタイルを持っており、甘、辛、酸のバランスがとても優れています。

おすすめの飲み方は特にありません。どんな飲み方でもおいしい万能選手。

ストレートでしっかりとした旨味が堪能でき、加水で甘味が増します。
ハイボールでは酸味、ロックでは心地よい渋み。レベルの高い多彩なシングルモルトと言えます。

バーボン樽がベースで薄くシェリーがかかるオフィシャルボトルはスプリングバンクよりも僕は好みです。

テイスティングノートで「リコリス」という表現をよく見かけるのですが、僕が最初にリコリスを見かけたのはこのキルケランでした。

リコリスって学名だけで調べると「彼岸花」に当たるんで、最初は「彼岸花に香りなんかあるの??」と思ったものですが、これは北欧の「リコリス菓子」を指しているのだと理解しました。

主に「スペインカンゾウ」という甘草から作られているお菓子でアイスクリームやグミ、キャンディに使われていることが多く、食品にも甘味料(カンゾウエキス)として加えられています。北米地域やヨーロッパで食されていて甘苦い漢方や丸薬のような風味があります。

食べてみて初めてわかるんですが、この漢方薬のような味がリコリスなのです。
ウイスキーでこの風味を感じると複雑性が高く、味のレイヤーが増したように思えます。

リコリス菓子を食べる機会があれば、せひキルケランと比べてみてください。

キルケランの発祥と歴史

グレンガイル蒸留所にあるラベルデザイン元となった小窓

概要でも紹介しましたがキルケランはグレンガイル蒸溜所にてつくられています。

キルケランというブランドを語る上で欠かせないのがグレンガイル、そしてスプリングバンクという2つの蒸溜所です。

現グレンガイルはスプリングバンクのオーナー、ヘドラー・ライト氏によって再建された蒸溜所で、そもそもの創業は1872年にさかのぼります。

当時、スプリングバンクのオーナーの弟ウィリアム・ミッチェル氏の手によって建設されたのがはじまりです。

スプリングバンク蒸溜所

ウィリアム氏はスプリングバンク蒸溜所のオーナーだった兄と飼っていた羊のことで喧嘩をして、別の蒸溜所を建ててしまいました。

そんな些細な理由で!?とも思いますが、創業当初の19世期後半、キャンベルタウンは全盛期でウイスキー製造や造船業、漁業などで栄えており、特に人気のウイスキーはつくればいくらでも売れた時代でした。
本当にウイスキーバブル真っ只中でしたから、ガンガン蒸溜所を立ててウイスキーをつくれば飛ぶように売れたわけです。なので理由はあんまり関係ない気もします。

こうしてグレンガイルはスプリングバンクの姉妹蒸溜所としてスタートしました。

©late 1870s, Argyll & Bute District Archives

隆盛を極めたかのようなキャンベルタウンでしたが、20世紀入ると次第に情勢が悪化。

もともと30を超える数のウイスキー蒸溜所がありましたが次々と閉鎖していきます。

残念ながらグレンガイルも1925年に稼働停止、閉鎖へと追い込まれました。

このとき蒸溜所内に残っていた原酒や樽も売却を余儀なくされます。

最終的にキャンベルタウンで生き残ったのはスプリングバンク蒸溜所だけでした(もちろんスプリングバンクも何度も稼働停止に追いやられたことがあるくらい経営の道のりは険しいものでした)。

1940年代になると蒸溜所と「グレンガイル」のブランド商標がブレンダーのブロックブラザーズに買収されます。
同社はグレンスコシア蒸留所も保有している大手のブレンダー社でした。

この際にグレンガイル蒸溜所再建計画が浮上しましたが、第二次世界大戦の影響により中止。

この時はまだ若干の原酒ストックが残っていたらしいです。
うーん残念。

1957年当時のオーナー、キャンベルヘンダーソン社のもと、蒸溜所を復活させる計画がありましたがこれも頓挫。

なかなかうまくいかない再建計画。
その後、蒸留所跡地はライフル射撃場などとして使われることになります。
フロアモルティング用のスペースは1970年代までキンタイア農業協同組合の事務所として使われ、キルンは動物用飼料の袋詰め作業場となりました。

 

長い時を経て、グレンガイルが再建したのは2000年のこと。

キルケランがつくられているグレンガイル蒸溜所

ヘドラー・ライト氏が農業組合の事務所とライフル射撃場を全て買い戻し、蒸溜所を再建しました。

2004年12月から約80年ぶりに蒸溜がスタートし、グレンガイル蒸溜所はついに復活を遂げました。

「よーし、これでシングルモルト グレンガイル爆誕!」…と思いきや、ロッホローモンドディスティラーズ擁するグレンスコシア蒸溜所から「グレンガイル」という名前のブランドが既に発売しており、商標登録がなされていたため同じ名前ではリリースできませんでした。

古い伝説的な蒸溜所名をブランドにつけることはスコットランドのウイスキー業界ではよくあること。
これも仕方ないことでしょう。

そこでキャンベルタウンの旧名(キンロッホキルケラン)である「キルケラン」というブランド名でシングルモルトを発売する運びとなったわけです。(ちなみにキルケランという名称はアイルランドの十二使徒のひとりに数えられる聖キアランに由来すると言われています。)

キルケランの製法

キルケランがつくられているグレンガイル蒸溜所の発酵槽

グレンガイル蒸溜所にて造られるウイスキーの原料、麦芽は全てスプリングバンクにてフロアモルティングにより造られたものを使用しています。

ピートは蒸溜所から数キロ離れた場所にあるマクリハニッシュ炭田のものを主に使用(マクリハニッシュはゴルファーには有名なリンクスです)。

麦芽のフェノール値もスプリングバンクと同じ15ppmとなります。

麦芽の粉砕機はクライゲラヒ蒸溜所で使われていた中古品を使用。

キルケランがつくられているグレンガイル蒸溜所のポットスチル

ちなみに初溜・再溜で計2基あるスチルも北ハイランドにあったベンウィヴィス蒸溜所で使われていたものを買い取り使用しています。

それ以外マッシュタン、カラ松製で4基ある発酵槽は全て新品を使用しています。

キルケランの蒸溜回数は2回。
スプリングバンクで造られている中でスプリングバンク が2.5回、ヘーゼルバーンが3回という蒸溜回数の中、キルケランはロングロウと同じ蒸溜回数となります。

貯蔵庫にはスプリングバンク蒸留所のボトルとして発売されている、ロングロウ、スプリングバンク、ヘーゼルバーンの樽も寝かされています。

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キルケランのラインナップ

キルケラン12年

バーボン樽70%とシェリー樽30%を使用した12年もののキルケランのスタンダードボトル。

毎年キルケランが限定本数リリースしてきた「未完成」を意味する「Work in Progress(ワークインプログレス)シリーズ」。

このたびついにWork in Progressの文字が取り除かれ、キルケランの1つの完成系がリリースされました(ワークインプログレスシリーズはこちらで解説しています)。

潮っぽさのあるピーティな香りとライムやレモンピールのフルーティさ、そしてよくキルケランが例えられるリコリスのアロマ。

味わいは海風にさらされたハチミツ、透き通った味わいのバニラのラクトアイス。中盤はメロンとキャラメル、後半はショウガのようなスパイシーさとスモーキーな余韻。

複雑味たっぷり、そして絶妙なバランスが魅力。

毎年リリースは少なめなブランドですが、多くのモルトマニアからも高評価を得ている作品で、昨今ではビギナー必飲のボトルのひとつに挙げられています。

キルケラン8年 カスクストレングス

こちらはバーボン樽にて8年間熟成したキルケランのカスクストレングスにてボトリングしたもの。

香りはグリーンアップル、ぎゅっと凝縮されたイメージで、ほのかピート香とモルトのリッチなアロマ。

味わいはクリーン、とてもスムーズで甘いナッツとバター、メープルシロップをたっぷりかけたトースト、ミルクチョコ、うっすらとした塩気。

フィニッシュはピートスモークとホイップクリームを乗せた麦芽のクラッカー。

少量生産のヤングエイジ。

キルケランファンは飲んでおくべきボトルです。

キルケラン 8年 カスクストレングス オロロソシェリーカスク

こちらはキルケランをリチャーのオロロソシェリーカスクにて8年間熟成させ、カスクストレングスにてボトリングしたもの。

グラスに注ぐと、スモーキーなベーコンとドライプラムを載せたクラッカーの香り。イチゴジャムと蜂蜜のような印象も。

味わいは完熟チェリーやサルタナの豊潤な甘み、ダークチョコのコク、クローブやジンジャーのスパイス感も同居しています。

フィニッシュはバタートーストの香ばしさ、少しゴムのようなニュアンス、コーヒー、土っぽさ。

100%オロロソシェリー樽熟成原酒を使用したレアなボトルでキルケランの原酒の強さを楽しめる1本です。

キルケラン ヘビリーピーテッド

よりピーティなウイスキーが好きなコアファンに贈るフェノール値84ppmの超ヘビリーピーテッドの麦芽を使用した新しいタイプのキルケラン。

キルケランに使われる麦芽はスプリングバンクと同じ15ppm程度のものなので、それの約5倍のフェノール値となります。

2016年からスタートしたプロジェクト、“ピート・イン・プログレス”シリーズの第一弾。

バーボン樽とシェリー樽の原酒をヴァッティングしてつくられており、そのバランスは見事の一言。

香りはアンズ、ストロベリージャム、バニラクリーム、ズシリとした土っぽいスモーク香りが同居します。

口に含むと84ppmの麦芽からくるピーティでオイリーなスモーク香がバフッと鼻腔を突き抜けた後パイナップルキャンディ、ドライプラム、バニラの濃厚な甘み、木苺のフルーティな甘酸っぱさ、後半にはレモンピールの爽やかさも顔を出します。

アイラモルトとはまた違ったスモーキーフレーバーを味わえる面白いボトルです。

キルケラン2004 15年 オロロソシェリーカスク

2019年日本市場限定で発売、一瞬で完売してしまったキルケランの話題作です。

なんだかこのあたりから一気にキルケランが入手困難になったような、、、、、。

グレンガイル蒸溜所の創業年、2004年に蒸溜された原酒をオロロソシェリー樽で10年間熟成、その後リフィルバーボンホグスヘッドで5年間熟成してつくられた15年熟成のキルケランです。

リリースは日本市場のみ。シングルカスク、カスクストレングスとなります。

香りはダークチョコ、エスプレッソコーヒー味のキャンディ。レーズンや熟れたオレンジなどの甘いフルーツ系のアロマ。

口に含むと、チョコレートとスモーク、タンニンの強い紅茶のキャンディ、マーマレード、ビターチョコのほろ苦さ、

穏やかなスモークが長く伸び、ウッディな余韻が続きます。

開栓時は少し単調でサルファリーが強く感じましたが、日を追うごとによくなり、中毒性のあるどっしりとした味わい。
飲み応えバツグンの1本です。

ちなみにフィノ樽、ポート樽、マディラ樽、バーボン樽などの15年ものも国外では販売されており、バーボン樽の評価がめっちゃ高いです。

キルケラン ワークインプログレス

2004年に仕込んだ原酒を用いて、2009年から2015年まで毎年リリースされていた「Work in Progress(ワークインプログレス)」シリーズ。

Work in Progressは「成長中」や「準備期間」といった意味で、ラインナップには熟成期間5〜11年の7つがあり、飲み進めていくとキルケランの成長ぶりを確認できます。

キルケランをメジャーにしたのはこのシリーズあってこそ。

キルケランの若々しい一面を感じつつ、今後育っていくであろう伸びしろのある風味をイメージできるストーリーを感じさせる商品なのでした。

第一弾の5年ものはバーボン樽熟成で蜂蜜と麦、ミカンのような芳香が淡く感じられる程度でしたが、第七弾の11年ものになるとシェリー、バーボン共に高い評価を得ました(バーボン樽のほうが評価が高かったように思います)。

オークションなどを探せばまだ見つかるかもしれませんが、かなり価格は高騰しています。

基調となるパッケージデザインは同じながらラインナップごとに背景色に変化があり、ペールトーンで彩るレトロなグラフィックスは
古書と一緒に本棚に並べたくなる素敵なデザイン。

コレクター要素も相まって人気です。

 

オーツカ

キルケランが人気なのはそのレトロモダンなラベルにもあります。

蒸溜所の窓から見えるキャンベルタウンの街の教会。

さながらタロットカードのようなデザインはバックバーにも映えます。




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