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ロングモーンを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

ロングモーンの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/16年・15年・18年・23年

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オーツカ

ざっくり覚える!

「スペイサイドの隠れた宝石」と呼ばれる実力派の銘酒、ロングモーンです。

スコットランドのスペイサイド地方でつくられるシングルモルトウイスキーで、スムースな飲み口、フルーティで華やかな風味、スペイサイドを代表する素晴らしいブランドですが、日本での知名度は決して高くなく、どちらかといえばマイナーな部類に入ります。

ただ昨今、日本のウイスキーの父と言われる「竹鶴政孝氏」が最初にウイスキーづくりを学んだ蒸溜所として知られるようになりました。

ブレンデッドウイスキーとしても供給されており、過去にはクィーン・アンやサムシング・スペシャル、現在はシーバスリーガルやロイヤルサルート、100パイパーズ、パスポートなどを支えるトップドレッシング(ブレンダー用語で、より深みと奥行きを与える最上のモルト)のひとつです。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

巷ではまだまだマイナーですが、多くのモルト通から名前が挙がる筆頭が「ロングモーン」でしょう。

爽やかで噛み応えのあるコク旨スペイサイドモルトで、伝説的なボトルも数多く残しています。

まずは、現行品のディスティラーズチョイスを試してください。
穏やかでクリーミーな味わいで、
ストレート、水割り、ハイボールと万能選手です。

やや若さが目立つのですが、加水に強く、ネガティブな要素が消せます。
オイリーでクリーミーなテクスチャを生かした飲み方がよいと思います。(ただ個人的には以前の16年のほうが飲みごたえがあって好きでしたが。)

 

ちなみに新作の「ロングモーン シークレット・スペイサイド・コレクション」では18年がおすすめです。
やっぱりロングモーンは48度でなきゃ!
そして、23年はあんまりおすすめしません。値段と不釣り合いなバランスの悪さを感じました。

オールドボトルで言えばサマローリからリリースされた「ロングモーン 1964(ダッシ―向け)」や「ロングモーン 1974 シェリーウッド」、そしてゴードン&マクファイル社の「ケルティックラベル1964や1969」などが有名です。
日本ではスリー・リバース社のオリジナル商品「ライフ」シリーズの第八弾である「ロングモーン1972」などが有名でしょうか。

90年代半ばに蒸溜方法が変わり、こざっぱりとドライな味わいになってしまったロングモーンですが、60年代~70年代のボトルは現行品とは一線を画します。
当時の原料はもちろん、蒸溜法、使用している樽が現行とは大きく異なり、特にシェリーカスクは原酒に熟れた黄色い果実のアロマ、トロピカルなフレーバー、そして圧倒的な陶酔感を宿します。

この頃の長熟モルトは買うとなるとかなり高額なので、バーでハーフショットで飲んでみるのが良いでしょう。
もしくは、本当に本当に大切な、人生で最大のお祝い事のために今からボトルを購入して仕込んでおくというのもいいでしょう。

それから、マックルフルッガ」という蒸溜所を明かしていないシングルモルトがあるのですが、こちらはバーボン樽を利用したロングモーンです。個人的にはこちらのほうが現行品より味のブレが少なくて好きです。見た目もかわいいし。

ロングモーンの発祥と歴史

どこで作られているのか?

ロングモーン蒸溜所

ロングモーンの創立は1893年。一大ウイスキーブームの真っただ中に創業しました。
創立者はベンリアックの創始者としても有名なジョン・ダフです。

ジョン・ダフは19世紀のウイスキー界に名を刻む人物で、グレンドロナックでマネージャーを務め、1876年にはグレンロッシーを建設しています(さらに南アフリカでもウイスキー蒸留所を設立を試みましたが、失敗しています。チャレンジャー!)。

ロングモーン建設の4年後には、隣接するようにベンリアック蒸溜所が建設され、2つは姉妹蒸溜所としてスタートを切っています。
(この頃はベンロマックのページでも触れましたが、1898年に起きるパティソンズ社の倒産の直前です。過激ともいえるマーケティングの末、巨万の富が生まれては消えていった時代で、多くの蒸留所がこの頃に設立されています。)

スコットランドエルギンの町付近

ロングモーン蒸溜所が建てられた地はもともと教会があった場所で、それから粉挽き工場に変わり、蒸溜所へと建て変わりました。
「聖人の地」というネーミングは修道院のチャペルが存在したことに由来するものだと考えられています。

この付近はエルギン大聖堂をはじめ、歴史的な宗教建造物が多いことで有名です。

 

ロングモーンはエルギンの町からA941号線を南へちょうど5kmほど下った場所にあります。

ロングモーン蒸溜所

©ペルノリカールジャパン

ここは水源に恵まれており、当時開通したてのグレート・ノース・オブ・スコットランド鉄道にも近く、レアック・オ・マレイ産の良質な大麦が手に入り、マノックヒルから掘り出されるピートも容易に取り寄せできる、というウイスキー造りにとっては超・超・超好立地でした。

それに加え蒸溜所には大きな水車があり、必要なメイン動力を提供してくれています。

ロングモーン蒸溜所があるスペイサイドエリアはスコットランドの中でも特に蒸溜所が密集している地域。

ロングモーンから数km圏内はグレンエルギン、マノックモア、グレンロッシーなど日本ではマイナーではあるのですが、フルーティーな麦甘シングルモルトの聖地と言われるほどm蒸溜所がひしめき合っているのです。

ロングモーンとはゲール語で「聖人の場所」という意味ですが、一方で古英語の「ランモーガンド(聖人の地)」に由来するという説もあります。

駅舎も建設したロングモーン

ロングモーンのロゴ

創業者ジョン・ダフのウイスキーづくりへの情熱は、並大抵のものではありませんでした。

自らが作り上げた最高品質のウイスキーを世界中のウイスキーファンにとどけるため、なんと、蒸留所の目の前に駅を建設し、線路を引いて汽車を走らせてしまったのです。このことに由来して、オフィシャル商品のブランドロゴには蒸気機関車が描かれているわけです。

この小さな駅は1968年に閉鎖され、その後はウイスキーの原料も車で運ばれてくるようになったのですが、駅舎そのものは綺麗なまま保管されているので観光スポットとなっているようです。

ロングモーン蒸溜所にある古い蒸気機関のエンジン

なおロングモーンの蒸溜棟には、1890年代に製造された古い蒸気エンジンも残されています。
大型水車の補助や初溜釜の内部を撹拌する動力として導入された設備で、1979年までは30〜40馬力のパワーを供給していたといいます。

竹鶴政孝の来訪

復刻版竹鶴ノート

復刻版竹鶴ノート

若き日の竹鶴政孝氏が、インターンのためにロングモーンの門を叩いのが1919年4月(ダジャレではない)。

彼はここでウイスキーづくりを学び、その技術を日本へと持ち帰りました。

彼はロングモーンで実際見習いとして働きマッシングの温度や樽の違いでウイスキーの風味が変わることや、スチルの表面を叩いて蒸溜の進捗を確認する技術などを学び、それをノートにまとめます。

このノート(竹鶴ノート)に書き留められたさまざまな「気付き」が、今日あるジャパニーズウイスキーの技術、そして文化を作り上げていきました。

ロングモーンのオーナーの変移

シーバスブラザーズのロゴ

1899年にジェームズ・R・グラントとエディンバラのブレンダー、ヒル・トムソン(後に合併:ザ・グレンリヴェット・ディスティラーズ社)により買収。

1970年にはグラント家とヒル・トムソンがグレンリベットやグレングラント蒸溜所と合併してグレンリベット・ディスティラリーズを設立、ロングモーンもその傘下に入ります。

1977年にグレンリベット・ディスティラリーズがシーグラムに買収されその傘下に。

2001年にペルノ・リカールがシーグラムのウイスキー部門、シーバスブラザーズを買収します。
ロングモーンは現在シーバスブラザーズの傘下として稼働しています。

70年代以降、巨大資本に支えられているロングモーンではありますが、試練も多くありました。

過去、大戦の不況により一時的に閉鎖に追い込まれる蒸溜所が多かった中、創業以来絶え間なくウイスキーをつくり続けてきた数少ない蒸溜所のひとつです。

幾多の修羅場を潜り抜けたタフネスと、実直なウイスキーづくりには定評があります。

ロングモーンの製法

ロングモーンの原料となる麦芽は地元レアック・オ・マレイ産のものを主に使用。

仕込み水はミルビュイズの泉のものを使用しています。

糖化槽はステンレス製で容量は8.5トン、これはブリッグズ社のフルラウター式でグレンリベットやグレンキース蒸溜所で使用されているものと同じものを使用しています。

かつて製麦にはフロアモルティングが取り入れられていましたが1971年に廃止(一部のフロアモルティングは姉妹蒸溜所であるベンリアックで継続)されました。

発酵槽はステンレス製で1基39,000ℓのものが10基あり、約50時間かけて発酵が行われます。
糖化・発酵槽は2012年に行われた大掛かりな設備改修の際に取り付けられました。

蒸溜器はストレートヘッド型で初溜4基、再溜4基のあわせて8基設置されています。

ロングモーン蒸溜所のポットスチル

蒸溜器の歴史を辿るともともと2対(溜2基・再溜2基)だったものが1972年に3対に増やされ、古い再溜器2基が石炭による直火加熱式から水蒸気加熱式へと変えられました。

1974年に蒸溜器を4対に増設し、現在のかたちに収まったということです。

この増設の際、古い再溜器2基が設置してある場所に初溜器1器を新設し、樽詰作業場を蒸溜棟に改築し再溜器をそちらに移転しました。
以来ロングモーンでは蒸溜棟が2棟存在し、初溜器と再溜器が別々の部屋に設置されています。

しばらくの間、初溜器4基が石炭直火焚式、再溜器4器が水蒸気加熱式という運用を行いますが1992年に初溜釜も水蒸気式に変更されました。

日本のニッカの余市蒸溜所にあるポットスチルは、このロングモーンをモデルにして造られたといわれています。

蒸溜所内にダンネージ式の貯蔵庫が数棟ありますが、現在生産されたスピリッツはすべてキースとマルベンの町にタンカーで輸送され、ペルノ・リカールが運営する巨大な貯蔵施設で熟成が行われています。

もし竹鶴氏が今のロングモーンを訪ねたとしたら、このウイスキーづくりの変遷にきっと驚くことでしょう。

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ロングモーンのラインナップ

ロングモーン ザ・ディスティラーズ・チョイス

こちらは2016年1月に発売された、ロングモーンの新シリーズ。
年数表記の無いノンエイジボトルとなります。

香りは軽やかで若草のような爽やかさ、バニラの甘みと杉の材木のようなエステリーさ。奥に若干の柑橘系。
干しイチジクはシェリー樽の影響か。

味わいもライトでクリーミーな飲み口、レーズンとミルクチョコレート。中間から麦芽クッキー、加糖したコーヒー、キャラメル、余韻は杉の粉のようなスパイシーさが程よく続きます。

アタックにやや若さが感じられますが、ライトでドライな口当たりが好きな方はストレートでも美味しく頂けます。

ロングモーン 16年

近年廃盤となった以前のフラッグシップ的ボトル。
ボトルネックから飛び出したマフラーのような金属タブがとてつもなくかっこよく、ボトルだけでも保管しておきたくなるビジュアルをしています。

香りは洋ナシのマーマレード、バナナ、メープルシロップ、オーク材の古い家具。うっすらとシェリー。クッキーのような柔らかくて甘い麦芽。

若干オイリーでとろみを感じるボディ、ジューシーなリンゴとオレンジピールの柑橘感。ミントのハーブ感、後半にオークのスパイシーさが訪れます。

16年熟成が紡ぎだす、シナモンやジンジャーなどのスパイシーさが余韻に感じられ、バランスが良いだけでなく、クセになるポイントをしっかりと組み込んだニクいボトルです。

ロングモーン 18年

ペルノ・リカール・グループが保有するスコットランド・スペイサイド地方のウイスキー蒸留所の中から、18年以上の熟成年数を誇るシングルモルトウイスキーを精選した『シークレット スペイサイド』コレクション。

「キャパドニック」、「グレンキース」、「ブレイズ・オブ・グレンリベット」、そして「ロングモーン」が発表されました。

こちらはアメリカンオークバレル&ホグスヘッドで熟成した18年物のロングモーン。

アタックはやや強い。香りはフレッシュでフルーティー。やや酸味のある若い桃、パイナップル。ホワイトオークのアロマ。

味わいはロングモーンらしい粘性のある口当たり。コクがあり歯ごたえがある。
マンゴーとアップルパイ。バニラアイスを添えたホットケーキ。

フィニッシュはドライでオーク材のスパイシーさがある。余韻はミディアムショート。

開けたてなので、まだまだ溌溂としていました。開栓後1か月くらい待ってみたいですね。

ロングモーン 23年

アメリカン・オークバレル、ホグスヘッドで熟成した23年もののロングモーン。

香りはミルクチョコレート、熟した洋ナシ、ラズベリー、中国茶(白茶)。やや酸味が強く、ゴムのようなニュアンスが少しある。

オイリーなテクスチャでアタックは穏やか。熟した洋ナシと甘い赤リンゴ、レモンキャンディ、クリームパイ。
後半は乾燥した木材とジンジャーのスパイス、カンゾウ、オレンジピール。

余韻はやや収斂味のある渋い味わいで、下に張り付くように残る。

18年よりアルコールアタックは感じませんが、なんだかチグハグなバランスだなと思いました。

2016年頃に同じく48度でオフィシャルから23年物がリリースされており、確かジム・マーレ―が93ポイントつけていましたが、こちらも愛好家達には「?」が多いようです。

23年はロングモーンの鬼門なのか!

ロングモーン 25年

アメリカンオークバレル、ホグスヘッド、バットを使用した25年物。

編集部未飲のため、オフィシャルより転載します。

熟したプラム、フレッシュな桃と、香り豊かなサルタナやシナモンの香り、驚くほど甘く、スパイシーな風味に、赤リンゴやマンダリンオレンジ、

ロングモーン 15年(旧ボトル)

こちらは90年代に流通した当時のフラッグシップ的ボトルです。
1980年代はトールボトルでもっと素朴なラベルでした。

香りはベイクドオレンジ、焼きたてのクロワッサン。徐々にプラムやレーズンのフルーティさ、タンニンが強いブドウ。

味わいは滑らかな口当たり、粘性は強いが現行品よりはシャープ。
ボディが厚く、アプリコットジャム、甘みのあるミルクコーヒー、キャラメル、充実した濃い味わいです。フィニッシュにはシナモンアーモンドとコショウ、赤ブドウの皮。ややサルファリー。

フルーティな酸味と長めのオーキーな余韻が楽しめるボトルで、ロングモーンのハウススタイルがよく出ていると思います。

そして熟したサルタナが調和した味わい。余韻はドライさが感じられる。

 

オーツカ

ロングモーンなくしてはジャパニーズウイスキーは存在しえなかったかもしれない、「ジャパニーズウイスキーの母」ともいえる蒸溜所

品質は高いのですが、新作の18年はちょっと高いんですよね。
他蒸溜所で替えがきいちゃうというか、グレンモーレンジ18年ってやっぱすげえなぁって。

 




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