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レダイグの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/10年・18年・20年・1974

レダイグの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/10年・18年・20年・1974




レダイグの概要

レダイグは、スコットランドの海に浮かぶスカイ島とジュラ島のちょうど中間地点にある大きな島、「マル島」でつくられているシングルモルトウイスキーです。

マル島にあるトバモリー蒸溜所ではノンピートの「トバモリー」と、ピートを焚いた麦芽を使用したヘビーピートの「レダイグ」の2ブランドがリリースされています。

スプリングバンク蒸溜所から、ヘーゼルバーンやロングロウといった別のブランドがリリースされているのと同じブランド戦略です。

「レダイグ」とはゲール語で「安全な港」という意味。
まさに浜辺の先端に建つ蒸溜所ならではのネーミングですね。

ノンピートの姉妹品トバモリーとはまるっきり方向性が異なるレダイグは、アイランズモルトらしい潮気、出汁、スモーキーかつオイリーで、実に男らしい風味を持ち合わせたブランド。

スモーキーといっても隣のアイラ島でつくられるラフロイグやアードベッグ、スカイ島のタリスカー、ジュラやアランといったアイランズモルトとも違うニュアンスを有しています。

モルトの甘さと濃厚なコク、そして個性豊かなスモーク香が口中で膨らむ妙味あふれる通好みのブランドです。

レダイグの発祥と製造場所、歴史の紹介

トバモリーの街とカモメ

レダイグがつくられているトバモリー蒸溜所は漁港に面して建てられています。

創業は1798年。
もともとはビール醸造所として海運業を営んでいたジョン・シンクレア氏によって建設されました。

ちなみに設立時の名称はトバモリーではなく「レダイグ」と名乗っていました。

これは醸造所が建てられた場所がレダイグと呼ばれる土地だったためです。

歴史を紐解くと当時はイギリスとフランスが戦争をしている最中で、穀物を確保するために新たなウイスキー蒸溜所の設立は制限されていました。

従ってシンクレア氏が国に申請したウイスキー蒸溜所の建設も保留にされてしまいます。

しかしおかしな話で、ビールの醸造所としての許可が下りたのです。
シンクレア氏の蒸溜所はビール工場としてスタートすることになります。

ビールも思い切り穀物原料なのですが。。笑

古いビール醸造所

まぁ建ってしまえばこっちのもの。
ビール工場のレダイグは裏でウイスキーの蒸溜をガンガン行う違法蒸溜所となりました。

国がこれを黙認していたのは、自らが出したおかしな条件に疑問を感じていたから…なんでしょうか。

とにかく国からウイスキー蒸溜所としての許可が下りる1823年まで、表向きはビール工場として裏でウイスキーを続けました。

ウイスキー蒸溜所はダメでもビール醸造所ならOK!…ややこしい政策はいつの時代も存在したようです。笑

というわけでレダイグはスコットランドでもっとも古い蒸溜所のひとつとなりますが、経営の道のりはとてつもなく厳しく、設立から実に半分の月日が閉鎖状態にあるという不遇な蒸溜所でした。

古いトバモリー蒸留所

トバモリーのページにも書きましたが、その閉鎖の歴史を見てみると

1837〜1878年に閉鎖。

売却と統合を繰り返し、1928年から40年閉鎖。1972年に再稼働。

1972年から1975年は小期間ながら再稼動し、その後再度閉鎖。

1993年にバーンスチュワート社が蒸溜所を買い取るまでまたまた稼働を停止します。

止まってばっかりです。

もともと蒸溜所の名称は「Ledaig(レダイグ)」でしたが、1970年代から「Tobermory(トバモリー)蒸溜所」と呼ばれるようになり、その多くはブレンデッドウイスキー用に使用されていました(なお、この頃のトバモリーはタリスカーやジュラなど近隣のアイランド系モルトを掛け合わせたヴァッテッドモルトのものも存在します)。

シングルモルトを売り出したのはバーンスチュワート社がオーナーになってから。

つまり昔トバモリー(またはレダイグ)という名前でリリースされていたボトルはヴァッテッドモルトの可能性が高い…ということになります。

昔のトバモリーからはピートがしっかりと感じられるボトルが多く存在するのはこのためですね。

レダイグがつくられているトバモリー蒸留所のビジターセンター

ウイスキー需要の高まりから1970年代に3年ほど稼働したトバモリー蒸留所ですが、低迷期だった当時、現在のようにピーテッドとノンピートによるブランドの棲み分けができず、ちぐはぐで風味にばらつきがあるブランドでした。

だから評価も低く、他蒸溜所のように伝説的なオールドボトルはありません。

このネガティブな要素をバーンスチュワート社が設備投資を繰り返し行って改善し、現在のトバモリーやレダイグの優れた風味を生み出していきました。

色々と紆余曲折はあったのものの、現在は

  • トバモリー=ノンピート
  • レダイグ=ピーテッドモルト

という棲み分けでしっかりとブランディングされています。

ちなみに現在リリースされている「レダイグ」シリーズは2000年に入ってから発売されたものです。

レダイグの製法

トバモリー蒸留所

レダイグがつくられているトバモリー蒸溜所は1993年にバーンスチュワート社が蒸溜所を買い取って以来、設備投資を行い続け、絶え間なく改修工事が行われてきました。

これによりスピリッツの風味が安定し上質化がなされたのはいうまでもありません。

改修前、蒸溜所内の設備はひどく劣化しており、特に古いマッシュタンは傷みが激しく丸ごと交換しなければならない状態でした。

200年以上も前につくられた蒸溜所ですから駆動輪の図面など残っているはずもなく、チームは一から図面を書き直して鋳型を作り直さなければならなかったそうです。

それでもなるべく昔からある設備を大切にして、使える部分は使うスタイルで改修が行われてきました。

たくさんのレダイグ

つくられる2大ブランドのトバモリーはノンピート、レダイグはピーテッドとなります。

レダイグに使われる麦芽のフェノール値は35ppm。

これはラフロイグやラガヴーリンなどと同値で、麦芽自身にハーブや柑橘を彷彿させる風味を持っています。

ピート焚きした大麦はアイラのポートエレンでつくられたものが使用されています。

蒸溜所は年間約100万ℓのスピリッツの生産が可能ですが、この数年はそれを少し下回り現在の年間生産量は約80万ℓ程度。
トバモリーとレダイグはほぼ均等に造られているので、それぞれ40万ℓ程度となります。

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レダイグのラインナップ

レダイグ 10年

レダイグ 10年

バーボン樽にて熟成を行った10年もののレダイグ。

レダイグを知るにはまずこれを飲むべしという、スタンダードボトルです。

香りはややワクシーでピーティー。磯場で海藻を焼いたようなスモークとレモンピール。シダ、腐葉土のような土っぽさと松ヤニ。

味わいはアルコールの刺激がスモーク香とともに一気に広がりレモンの柑橘系、うっすらとシトラスとミント、後からバニラアイスやクッキー様のほんのりとした甘味が感じられます。

フィニッシュには貝の出汁、ホワイトペッパーやクローブ。ドライからスイートに変化する余韻が楽しい。

オイリーでいて、10年とは思えないしっかりとした骨格が特徴。

アイラモルトとは異なるアイランド系の無骨なスモーク香を味わえる男らしいボトルです。

レダイグ 18年

レダイグ 18年

バーボン樽、そしてシェリー樽にて熟成を行った18年もののレダイグ。

レダイグらしいオイリーなスモークさとピート香。うっすらベリーと奥にハチミツ、メープルシロップ、スコーン。

口に含むと焦がした塩キャラメルのような苦み、プラム、海辺のBBQの煙、サンマの塩レモン風味。

フィニッシュはカンゾウ、ホワイトペッパー、BBQの煙とウッドスパイス。長くスパイシーな余韻。

リッチなフルーティーさとガツンとしたスモーキーさが同居したボトル。

ただし、シェリー樽+ピートが苦手な方にはNGなバランスかも。

レダイグ 10年 ボルドー赤ワインカスク

レダイグ 10年 ボルドー赤ワインカスク

こちらはボルドーの赤ワイン樽で10年間熟成した10年もののレダイグ。ラベルがめっちゃかわいい。

香りは熟れた完熟プラム、梅、ビスケット、スモークチキン、オレンジピール。

味わいは熟したブラックベリー、苺ジャム、ドライプラム、フルーツピーマン、スコーン、ベリー系アイス、オレンジなどの甘味と香ばしさ、全体を包み込むかの様なスモーク&ピート。

ボルドーのリッチなベリー系フルーツとレダイグ特有のスモーク感が見事にまとまった逸品。

限定品なので見かけた際には是非お試しください。

レダイグ 19年 オロロソシェリーカスクフィニッシュ

レダイグ 19年 オロロソシェリーカスクフィニッシュ

こちらも1998年に蒸溜された原酒を使った限定品で、6年間バーボン樽にて熟成させた後、オロロソシェリーの樽に移して13年間熟成して造られた19年もののレダイグ。

2400本のみ発売されたパープルカラーのレダイグです。

香りはドライフルーツとオーク。フレッシュなレモン、クリーミーでいてベーコンとコショウのような若干の食事っぽさ。

味わいはバニラとシナモン、ドライアプリコット、フルーツケーキ。中盤にクルミ。その後やや灰っぽいニュアンスとカンゾウ。

フィニッシュには焦げた木材とクルミ、キャンプファイヤー、遠くにジューシーな桃。

レダイグの特徴であるオイリーさとオロロソの芳ばしさがマッチした作品ですが、やや軽い印象を受けました。

レダイグ 20年 モスカテルフィニッシュ

レダイグ 20年 モスカテルフィニッシュ

こちらはバーボン樽で熟成後、スペインの強化ワイン「モスカテルワイン(シェリー)樽」にて仕上げられた20年もののレダイグ。

香りはフローラルかつスモーキー、オレンジやレモンの皮、スモークチキン、オイリー、ふくよかなピート。

味わいはモスカテルワイン由来のふくよかな甘味、アプリコットの果実味とカラメル、スモークチキン、若干の土っぽさ、黒胡椒のスパイス。

シェリー樽が強いレダイグはホワイトペッパーよりもブラックペッパーを強く感じる気がしますね。

オーキーかつスモーキーな余韻を長く楽しめる1本です。

レダイグ 1974

レダイグ 1974

こちらは1990年台前半に流通していたレダイグ。
年数表記はありませんが16〜19年熟成の原種が使用されているので70年代蒸溜でしょう。

香りは柔らかなクッキー、麦菓子、ひんやりした炭の味わい。いぶりがっことクリームチーズ。

口に含むと爽やかなシトラス、ポン菓子の甘味と香ばしさ、アイランズらしい塩気が見事に溶け合って、まるでアーモンドフロランタン塩キャラメルVerといった様相。

後半までしっかりと感じる麦の旨味とスモーク。

フィニッシュはショート~ミディアム。ユーカリやペッパーを感じるシャープでスパイシーな消失感。

安定しないと言われた70年代のレダイグですがしっかり、良くできた味わいに仕上がっています。

バーなどで見かけた際には是非!

レダイグ 20年(旧ボトル)

レダイグ 20年(旧ボトル)

こちらは70年代に造られ熟成、90年代にボトリングして流通していた20年もののレダイグ。

バーンスチュワート社がトバモリー蒸溜所を改良する以前につくられた原酒が使われています。

香りは柔らかなスモークと軽めのピート、レモンピール、オイリー、ウッドスパイスとラムレーズン、炭っぽさ。

口に含むと肉や魚を焼いたBBQの煙が鼻腔を抜け、後からレモンピール、キャラメル、タバコ、プラム、黒胡椒、ジンジャー。

後半はハチミツレモンのような爽やかさが訪れ鼻腔の煙とともにゆっくり消えていきます。

1970年代のレダイグは使用設備の劣化や樽の品質低下、そして原酒不足と低迷期だったといわれています。

荒々しいアタックはあるもののボディに厚みがなく樽の個性やスモーク・ピートの重厚感もいまいち感じられない…というボトルが多いようです。

風味の複雑さ、全体的なまとまりは現行のオフィシャルボトルが優っているように感じられます。

新・旧両方あるお店を見つけたら飲み比べしてトバモリー蒸溜所の変化を感じてみるのも一興です。

レダイグのおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

先日のトバモリーに続いて、同蒸溜所から出ている別ブランド「レダイグ」です。

休止期間が長く、混迷を極めたこのウイスキーがまともに評価されだしたのは最近です。

トバモリーと同じく、オフィシャル10年はかなり出来がよく、2015、2016とワールドウイスキーズアワードを連破しています。

オイリーでクリーミー、そしてヘヴィなスモーク。
やや出汁っぽさ、いぶりがっこに似た和風味を感じさせつつも、後半に感じられる甘じょっぱい風味はトバモリー蒸留所ならではと言えます。

おすすめの飲み方はトバモリーと同じくストレート、ロック、ハイボールと万能。
アタックは強いですが、原酒のタイプとしてはライト寄りなので、こちらも飲みすぎ注意なボトルです。

18年はシェリーの影響がやや強く、ともするとチグハグに感じてしまう方もいるかもしれません。
タリスカーなどと比べてしまうと、価格帯的にもやや相手が悪いか。

昨今、ボトラーズも多くリリースされていて、短期熟成でもミディアム~フルボディと感じさせるものも出てきました。
当たりボトルと外れボトルの味わいの差が激しく、まさに玉石混合といった様相を呈しています。

トバモリー同様、スペックが良いからと言って安易に手を出すと痛い目を見るブランドでもあります。

バーなどでいただくオールドボトルは軒並みおいしいです。

特に1974はいくつかバッチがありますが、個人的にも好きでオールドボトル特有の「枯れた」とか「こなれた」というアクセントがとてもマッチする味わいです。

軽くてモルティで、しみ込むようなピートと冷たい炭が、フルーティーなリンゴと共にバターの海に沈みます。
度数落ちしているのがまた上品で、中盤あたりに方向性の切り替えとして飲むと次のモルトに最高のバトンを渡してくれます。

閉鎖の歴史は長いですが、もともとビール醸造所として立ち上がったユニークな蒸溜所です。

過去のトバモリーの街の歴史を紐解きながら飲むのも面白いですね。

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