グラスを拭いても拭いてもとれない白いケバ、指紋の跡、ガラスのくもり。
みなさんも経験あるのではないでしょうか。
お気に入りの相棒(グラス)やカトラリーは美しく保っておきたいものです。
素敵なグラスを手に入れたら併せて持ちたいのが「グラスクロス」。
ミクロのゴミや、ケバはもちろん、油性の汚れや指紋跡も残さないグラス拭き専用の布巾です。
今回はおすすめのグラスクロスをはじめ、洗い方、拭き方、磨き方、保管方法などを紹介していきたいと思います。
もう毛羽立たない!おすすめグラスクロス
圧倒的おすすめ「リーデルのグラスクロス2枚セット」
いきなり結論です。とりあえず買っておいて損なし。そんなグラスクロスがこちら。
![リーデルのグラスクロス(ふきん・布巾)2枚セット](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/0215whisky-1.jpg)
「RIEDEL リーデル マイクロファイバー・ポリッシング・クロス」。
まずはこちらを購入し、戦い(グラス拭き)に備えてください。
わかってます。reziのグラスクリーニングクロス、ソムリエ御用達のトレシー業務用も悪くないですよね。
でも僕はリーデル派なんです。
クリスタル製品専用のマイクロファイバー布巾は各社から出ていますが、50cm×70cmの使い勝手のよさと手触り&速乾性&耐久力でこちらを選んでます。
後述しますが一枚1,000円を下回るグラスクロスは消耗が早いです。
しっかりしたクロスを2枚は手に入れるようにしましょう。
ご家庭でのグラスの洗い方
続いてワイングラスやテイスティンググラスの洗い方も解説しておきましょう。
特にハンドメイド製のクリスタルグラスはとてつもなく薄く割れやすいので、洗い方には気を付けましょう。
特に気を付けたいのは以下4点。グラスを洗う際の落とし穴です。
- 洗っている最中に蛇口にぶつける
- 水を切ろうとグラスを空中で振って蛇口ぶつける
- スポンジを突っ込みすぎて手の甲でグラスを圧迫して割る
- プレート(底部)を持ちながら洗ってステムを折る
では、この落とし穴に気を付けてグラスの洗い方を見ていきましょう。
①蛇口をどかす!
![グラスを洗うときは蛇口をどかす](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-8.jpg)
コレ!
意外とみんなやってないんです。
酔っぱらってるとついつい頭から抜けがちな蛇口の存在。
特に複数のグラスを洗っている時は蛇口にぶつけて割ることがかなり多いので、まずは蛇口を避けて安全に洗える環境を作りましょう。
②油分が気になる場合は中性洗剤をつける
![グラスは中性洗剤で洗う](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-9.jpg)
だいたい42~45度程度のお湯で流せばほとんど汚れはとれます。
香りや油分が気になる場合は中性洗剤をやわらかいスポンジに含ませてやさしく洗ってください。
普通のスポンジでは怖いと感じる人は、グラス専用スポンジを使ってもいいでしょう。
研磨剤入りのスポンジ、金属たわし、クレンザー等の使用はガラス表面を傷つけるのでNG。
②やさしーく洗う
![テイスティンググラスやワイングラスはとにかく優しく洗う](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-10.jpg)
とにかくやさしくやさしく。
捻り洗いでステムをへし折ったり、スポンジを突っ込みすぎて内側からの圧力でグラスを割る事案が多発しています。無理はしない。
ぬるま湯でしっかりと洗い流す
![グラスはぬるま湯で洗い流す](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-11.jpg)
ここでも蛇口の攻撃には気を付けて。
そして洗剤で滑りやすくなっているのでグラスを落さないようにしてくださいね。
ちなみに熱湯で洗い流すのはやめましょう、急な温度変化でグラスが割れます。
グラスの拭き方・磨き方
グラスを洗ったらなるべく早めに拭きあげます。
水垢・ウォータースポットの防止になります。
テイスティンググラスやワイングラスの拭き方でおすすめしたいのは
二枚拭きです。
![これが二枚拭きだ!](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-13.jpg)
これが二枚拭きだ!
なんで2枚セットを買ったのか。
その答えがここにあるのです。
リーデルのグラスクロスはとても大きいので一枚でもグラスは拭けますが、やはり指や手のひらが当たってしまうことがあり、手の脂や指紋が付くことがあるのです。
その点を完全にカバーする二枚拭き。
すさまじく拭きやすく、余裕をもってグラスを扱えます。
グラスを落としにくいですし、クロスも長持ちする拭き方なのでぜひお試しください。
①グラスを持って、左手で底部を支える
![グラスを持って、底部を左手で支える](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-14.jpg)
僕は右利きなので、左手でプレートを掴みます。
②プレートをキュッキュと拭く
![プレートをキュッキュと拭く](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-15.jpg)
僕は台座から拭きます。右手をプレートに持っていきふきふき。
③ステムもシュッシュと拭く
![ステムもシュッシュと拭く](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-16.jpg)
同じようにステムもふきふき。
④ボウルにクロスをいれていく
![ボウルにクロスをいれていく](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-17.jpg)
無理に詰め込まず、ふわふわといれていく。押し込むとグラスが割れます。
⑤左手でボウルの下部を包み込む
![左手でボウルの下部を包み込む](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-18.jpg)
ここで必ず左手を持ち変える。左手をプレートからはずし、ボウル下部を支えます。
![ステムを折る危険な拭き方](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-21-1.jpg)
プレートを持ったままボウルを拭いてしまうと、ひねる形になりステムが折れます。
⑥やさしく回して拭きあげる
![やさしく回して拭きあげる](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-19.jpg)
ボウルの内側と外側をやさしく拭きあげる。僕は親指を中に入れる派です。
⑦完了!
![グラス拭き完了](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-20.jpg)
早めに拭けば水垢防止にもなります
というわけで二枚セットで買っておきましょう!
注意したいクロス・ふきんの洗濯方法
続いてグラスクロス本体の洗濯方法です。
過去に何枚かのグラスクロスを使用した(ダメにした)経験から、クロスの洗濯には気を付けて欲しい点がいくつかあります。
それは
- 60℃以上の高温で洗わない
- 粉末洗剤・柔軟剤・漂白剤を使わない
- 洗濯機を使って、他の洗濯物と一緒に洗わない
- 乾燥機を使わない
- 直射日光・紫外線を当てない
- アイロンは使わない
です。
そう、結構注意点があるんです。
グラスクロスったらデリケートですね。
![](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass03-22.jpg)
使い古したグロスクロス達。雑に扱ったのもありますが、これで1年ちょっとくらい。
洗濯機ならオシャレ着洗いで液体洗剤のみを使ってお洗濯しましょう。
漂白剤は繊維が傷みますし、粉末洗剤、柔軟剤は吸収性を阻害します。
なお、毛足の長い洗濯物と一緒に洗うと繊維が付着し毛羽立つ場合があるのでできればクロス単体で洗いましょう。
手洗いの場合は40℃程度のぬるま湯で台所用の中性洗剤を少量で揉み洗いしましょう。
絞る際は、ねじらず、軽く叩くようにして水気を切ってください。
繊維の劣化を防ぐため直射日光に当てたり、アイロンがけはしないように。
リネンのクロスも丈夫で毛羽立たない
余談ですが普段使いならリネンクロスもおすすめです。
クリスタル製品専用のグラスクロスよりは劣りますが、吸水性もあり毛羽立ちも少ない。
何よりリネンはタフです。めっちゃ耐久性があります。
![リーノ・エ・リーナのリネンふきん](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass06-2.jpg)
お気に入りのリーノ・エ・リーナのリネンクロス。色合いが素敵。
僕は普通の食器やコップはリネン系、テイスティンググラスやワイングラスは専用クロスで使い分けています。
リネンクロスのおすすめはフォグリネンワーク/fog linen work、もしくはリーノ・エ・リーナ/Lino e Lina。品質、デザインともにGood。
水垢・ウォータースポット(イオンデポジット/シリカスケール)などの白いミネラル汚れ
グラスにポツポツと白い輪染みが、、、水垢かな?
![](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass07-1.jpg)
洗ったグラスを自然乾燥させると白い水垢のようなシミが、、、こんな経験ありませんか?
水にはカルシウム、マグネシウム、シリカ、鉄分など様々なミネラル、金属イオンが溶け込んでいて、水分が蒸発するとこの金属イオンの残留物がグラスなどに付着し白濁するのです。
この白い輪染みをウォータースポット(イオンデポジット/シリカスケール)と呼びます。
特に硬度の高い水(コントレックスなど)を使った後にグラスを放置すると顕著に現れます。
ウォータースポットは汚れではないので人体に害は無いのですが、甲羅のようにグラスに付着するためイメージを悪くし、洗うほどに蓄積し目立ってきます。
なお、手洗いよりも食器洗浄機を使用するほうがより目立ちます(短時間で乾燥するため)。
ウォータースポットを防ぐ対策
![](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass09-1.jpg)
ウォータースポットの対策方法はいろいろありますが、一般的にはグラスを洗ったら、なるべく素早くグラスクロスで拭き取ることです。
汚れがひどい場合は「酸」を使って対処します。
ウォータースポットはアルカリ性なので酸で溶けるわけです(ちなみに食器用洗剤は中性なので、頑固なアルカリ汚れには向かないのです)。
なのでクエン酸やレモン果汁(ポッカレモン)、お酢などを入れた水にグラスに浸け置きするとキレイになります。
クエン酸なら1Lに大匙2杯程度、お酢なら水の5分の1くらい入れて一晩おいてみましょう。
![](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/519ED7JipXL.jpg)
もうひとつ。
お金に糸目をつけないなら「浄軟水器」や「純水器」を取り付けるという方法もあります。
ウォータースポットの原因はミネラル分なわけですから超軟水や純水で洗えば、そもそもウォータースポットすら発生しないということです。
「浄軟水器」や「純水器」を使った場合、自然乾燥でもほぼほぼ気にならないレベルまでグラスの美しさを保てます。
拭く手間や拭き上げ時にグラスを割ってしまうリスクも回避できると思えば、業務店には安い投資かもしれません。
少しでも時間を短縮したいBarや飲食店の方にはおすすめしておきます。
マイクログラスクリーナー
グラスを美しく保つにはこんな商品もあります。
難しい形をしたグラスやデキャンタなどのガラス製品を、浸け置きだけできれいにする洗浄液です。
前回レビューした1920sプロフェッショナルブレンダーグラスみたいなおかしな形をしたグラスにはいいかもしれません。めちゃくちゃ洗いにくいので(笑)
天然やし油から抽出した非イオン系界面活性剤を使用して「しぶ味汚れ」や「油膜」を落とし、なおかつ除菌効果も発揮します。
当然ですが、人体にも無害です。
食器洗浄機による洗浄
![グラスを食洗器(食器洗浄機)で洗う場合](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/tpoiuy.jpg)
最近では業務店はもちろん、ご家庭でも食洗器を使っている方も増えています。
先日レビューした5,000円以下のおすすめテイスティンググラスもほとんどが食洗器対応。
マシンメイドのものはほぼ大丈夫ですが、バカラなどの酸化鉛を多く含むクリスタルガラスにはいくつかの注意点があります。
酸化鉛を豊富に含むグラス(フルレッドクリスタルガラスなど)は何度も洗浄すると徐々に虹のように青光りし、再生不可能なブルーに変色してしまうことがあります。
その結果、白い濁りが目立つようになります。
白く濁る原因は、クリスタルグラスの成分の「酸化鉛」が洗剤のアルカリ分で溶け出し、表面が荒れて酸化が進むからと言われています。
グラスの表面に洗剤が付着したから溶けるわけではなく、洗剤と洗浄時の温度(70~80度)の影響を受け、素材そのものが変化してしまうからだそうです。
30度以上の温水だけで洗浄した場合にもゆっくりですが、この白濁現象が起こるという調査報告があります。
グラスの保管方法
![テイスティンググラスたち](https://www.barrel365.com/wp-content/uploads/2020/02/glass08-1.jpg)
テイスティンググラスは立てて保管しましょう
グラスを保管する際は、グラスを伏せずに上に向けて置くようにします。
テイスティンググラスは立てた状態で重心のバランスが保たれるようになっているので、逆さにすると倒れやすくなるので注意してください。
ホコリが入らないようになどの理由から飲み口を伏せて保管されている方も多くいますが、使用する時と同じく飲み口を上にして保管することをおすすめします。
ワイングラスで使用するグラスホルダーにかけるという方法もありますが、テイスティンググラスはプレートが小さく落下の恐れがあるので避けましょう。
グラスは大切に、育てるような気持で
今回はテイスティンググラスをキレイに保つおすすめのグラスクロス。
そしてグラスの洗い方、拭き方、磨き方、保管方法に至るまで詳細に解説してみました。
日々の晩酌で必ず顔を合わす相棒(グラス)は欠かすことのできない存在です。
グラスという存在は使えば使うほど愛着が沸き、種類を扱えば扱うほど形状と特性に学びがあります。
その日の体調や注ぐウイスキーの種類によって克明に表情を変えるのです。
僕クラスになるとグラスの機嫌までを伺うようになります。
「今日、自分が何を飲みたいか」と同時に
「今日、相棒はどんなお酒がお好みかな?何を注いでやろうか?」
まで考えるのです(狂気)。
冗談はさておき、大切なグラスをいつまでも末永く使えるようしっかりとお手入れをして、大切な時間をお過ごしください。
↓テイスティンググラスレビューも合わせてご覧ください↓