ウイスキーの格安試飲通販ショップ

オリジナルウイスキーグラス、そしてKYKEY-キキ-というブランドをつくりました

先日ウイスキープロダクトブランドKYKEYを設立しました。
そしてそのプロダクト第一弾として「AROMA GLASS BASIC」を発表させていただきました。

グラスは販売と同時に大反響をいただきまして、初回納品分はすぐに完売となりました(再販分もなんと6分で完売、、、)。みなさま本当にありがとうございます。

オーツカ

この記事ではウイスキーグラスを製作した経緯などを語っていけたらと思います。

 

500日前、80,000文字のグラスレビューを書きました

思い返せば2年前、ウイスキーをストレートで飲むためのグラス。いわゆるノージンググラスや、テイスティンググラスと呼ばれるグラスを買いあさり、国内市場で販売されているほとんどを試しました。

たくさんのストレートグラス

こちらはほんの一部ですが、どれも形状の違うノージンググラスたち

 

そして10カ月程度かけて、短編小説半分の文章量に及ぶ比較記事を執筆。

今思えば、狂気的な情熱の燃やし方でした。写真もしこたま撮りまして、グラス撮影が上手になった日々でした。

 

「メーカーさん、一緒にグラスつくりませんか?」のコメントを残してから、500日が経過したのでした。

理想のグラスを考え抜く日々

グラスに対しての知見とアイデアをひっさげ、何社かのメーカーさんへ打診を繰り返しました。着々と開発準備は整っていきます。
しかし一番重要な点がまだでした。

 

そもそも「誰にとっての“理想のグラス”なのか」。ターゲットを思い浮かべた時に

 

「僕(オーツカ)が使いやすいグラス」

というのはあまりに排他的でマニアックだと思ったので、これを明確に定義することにしました。

 

今回のグラスのテーマは「暮らしに馴染む、扱いやすいグラス」です。

 

高級感、重厚感といった元来グラスに求められる特性を一旦横に置き、機能美に特化したものをつくろうと決めました。

自宅やBarで、ふと気づけば毎日使ってしまう、とびきり「使い勝手の良いグラス」。そういうスタンダード品をつくる。

素材をフルレッドのクリスタルにしたり、ハンドカットや切子といった造形美は後回しです。まずはベーシックを抑えてから。

ターゲットはブレンデッド、シングルモルを問わず、ウイスキーをストレートで飲んだことがある層すべて、つまり「ストレートグラスを使ったことがある人」がターゲットです。

 

さらに、グラス以外のプロモーションにも趣向を凝らすことで、プレゼント需要に応えることも視野に入れます。
普段ウイスキーをハイボールやロックでしか飲まない方が、「え、グラスで味って変わるの?ストレートでも飲んでみようかな」と思うきっかけをつくることを理想としました。

開発にかけた時間は1年以上

形状にこだわる

コンセプトと方向性を決めるのに約4カ月。
そこからグラススケッチを描き溜め、イラストレーターで図面を引いていきます。

今回のグラスは「BASIC」の名の通り、どのウイスキーでもオールマイティにそのポテンシャルを引き出す形状に仕上げたいと思いました。

 

なお、現代のグラスづくりは、いきなり金型をつくるのではなく、3Dモックアップを制作します。
おすすめはDMM.makeです。
グラスの金型を新規につくると1つ10万円以上かかるのですが、3Dであれば1万円程度。かなり精巧ですし、ウイスキーなどのハードリカーを注いでもごく短時間であれば変質しません。

たくさんのグラスモックアップ

実際の3Dモックアップ。1基8000円~11000円くらい。

まず十数個のサンプルを出力し、基準となる形状を決めたら、実際に複数種のウイスキーを注ぎ、香り立ちや口当たりなどを計算していきます。

日を置き、じっくり時間をかけて、持ちやすさ、取り回しの良さ、洗いやすさなど試験していきます。

 

自身の体調による飲み心地の変化なども鑑みて、かなり細かく数値を調整していきます。

とにかく仕事、プライベート問わず使いまくることで、ターゲットになりきっていきます。何が足りないか、どこが過剰なのかを書き出し、微調整を繰り返します。

ここまででだいたい8カ月。

3Dで形状が決まったら、いざ本番。グラスの金型をつくり、サンプルを仕上げてもらっている間にプロモーションの準備にかかります。

プロモーションにこだわる

僕は小売店とのつながりはありません。
可能なのはインターネットでの販売のみなので、プロモーションはゴリゴリに凝るべきだと思いました。
初動が良ければ小売店にも置いてもらえる可能性が増えると思ったので、予算が嵩んでも箱や付録にはこだわるべきと判断しました。

豆本

まず絶対にやると決めていたのが、ウイスキーの飲み方を記した豆本です。
ウイスキーは好きだけど、飲み方のうんちくを読むのは面倒だし、わざわざ調べたことないなぁ~という方が、肩の力を抜いて閲覧できる、気軽で可愛い付録があるといいなと思って作りました。

豆本のデザインを凝ることで、ウイスキーにあまり興味がない方(知人友人、奥さんなど)にも「あら、なんかおしゃれな本」と目に留まってくれることも狙いです。

妻の小言がひとつ減り、友の趣味もひとつ増す。そういった布教しやすさ、ハードルの低さを作り出したかったのです。

 

イラストレーターにはずっと一緒に仕事をしたいと思っていた【ウイスキーボトルをひたすら描く】さんを起用させていただきました。ボトルさん、素敵なイラストをありがとうございます。

 

オリジナルボックス

父の日プレゼント ウイスキーグラスイメージ9

今回の人懐っこさには外装も重要です。
これまでリーデルやツヴィーゼル、モーゼル、バカラ、カガミ、スガハラ、樹など、高級ハンドメイドグラスを展開するブランドの箱を見てきましたが、これらとは違ったものにしたいと思いました。

高級品は桐箱や布張りが多く、どうしてもエレガントやクールなイメージになりがちです。これを払拭したかった。

ナチュラルでマットな質感があるボールチップを採用し、手触り感を重視。高級感よりもシンプルでスタイリッシュなデザインにしました。

デザイナーは僭越ながら、わたくしオーツカが担当。人懐っこさはこういう手作りな感じ(クラフト感)から生まれると信じています(笑)

 

パンフレット

巻三つ折りパンフレットには、こんな感じに適したウイスキーのタイプが書いてあります。
そして箱は「AROMA GLASS SERIES」となっています。

そうです。「シリーズ」ということは、そういう可能性があるということです。

 

巾着

今後どうなるかはわかりませんが、初期ロットにはスタンプを手押しした巾着をつけようと思っています。
グラスを持ち歩くことはあんまりないと思うのですが、プレゼントとしてお渡しするときに地味に嬉しいかなと思い頑張ってスタンプを押しました。リリース直前は徹夜の連続でした。。。

 

ホームページ

KYKEYというブランドを立ち上げにあたり、BARRELとは別のホームページを立てたことも大きなプロモーションのひとつです。
オリジナル製品を販売し、長く愛されるものをつくるにはしっかりしたホームページが必要不可欠。

そもそも僕は10年ホームページのデザインもやっていたわけなので、ここで頑張らないでどうする、と。

特集ページにはcafe&bar TEN オーナーである岡村 天翔さんを迎え、初心者~上級者まで楽しめるコンテンツを展開しました。

ウイスキーをもっと詳しくなりたい!と思う人も、ウイスキーを飲みながらの読み物をお求めの方も、ぜひご覧になってみてください。

そしてこだわりのグラスが完成!

父の日プレゼント ウイスキーグラスイメージ24

今回グラス制作に携わっていただいたメーカーは木村硝子店さん。言わずと知れたグラスウェアの老舗です。製作を担当いただくのは国内でも屈指の技術力を持つ硝子職人の皆さま。

ハンドメイドならではのゆらぎ、手触り感が楽しめるグラスに仕上がりました。

 

ここからはKYKEYのホームページでは書ききれなかった、オーツカのこだわりポイントをいくつかご紹介します!

使い続けてもらう絶対条件のひとつ、軽量であること!

たくさんのグラスを扱ってきた経験から、どうしても重量を100g~120g程度に落ち着けたいと思っていました。僕個人が長期間グラスを使い続けた場合、重量感のあるグラスの使用頻度が減っていく点に気づいたからです。

場の演出という意味で、高級感を出すためには重量や高さがとても重要ですが(人間は心理的に、凝縮感があり、重量のあるものを貴重と感じる)、今回はコンセプトが違います。毎日使うことや、スワリングコントロールを考えると、軽さを優先すべきと考えました。

結果、グラス重量は100gを切ることに成功。ハンドメイドなので個体差はありますが、だいたい85g~95g程度に収まりました。

 

難しくてもやりたかった「深めのかえし」

グラス製造の経験がある方はわかると思いますが、グラスはステムを取り付けた後、高さを揃えて上面をカットします。

ステムの長さが数ミリでも違うと、グラスの全高が変わり、上面のカット位置が変わるのです。つまり、「かえし」の反り方に個体差が出ます。
かえしがなく、口径がすぼまっているグラスや、真っすぐ上に伸びているグラスは、上面をカットしても個体差が少ないというメリットがあります。

それでも「かえし」をつけたのは「BASIC」の名前に恥じぬスタンダードなグラスにしたかったから。

  • 味の印象に大きなインパクトを与える、口当たりをよくしたい
  • ボウルが大きいため、飲む際にこれ以上首を倒させたくない
  • かえしがあれば口径が広がるので、洗浄時のスポンジが入りやすい

など、かなり様々な意図がありました。

 

ステムは指二本が入る程度

ステムの長さやプレートの大きさは最後まで悩み、金型ができてからも、ちょうどよいサイズをみつけるまで試行錯誤しました。

自宅には高さが違うサンプルがいくつもあります。

よく見るとプレートの大きさも違います。納得するまで何度も変更を繰り返しました。

 

今回は造形美に振りすぎないことを心にとめ、とにかく扱いやすさを優先。
軽いスワリングが実現でき、洗浄時の危険性も少ないギリギリのラインでステムを調整した結果です。

ただ、引き足の長いものの需要もあるかとは思います。需要が高まれば作るかもしれません。

 

金額はなんとか5000円くらいに

父の日プレゼント ウイスキーグラスイメージ10

こういったニッチ分野の商品を、なるべく多くの人に知ってもらうには価格も重要です。

ハンドメイドグラスの良さを多くの人に知ってもらいたいし、ウイスキーをストレートで楽しむ層が増えてほしい、投機目的じゃなくてウイスキーそのものを味わう人が増えてほしい、という願いも込めて税込み5500円としました。

ぶっちゃけると、付録やらなにやらいっぱいつくってしまったので、何千個か売らないと赤字です、、(汗)なので、バーやリカーショップなどでも扱っていただけるようこれから営業も頑張りたいと思います!誰か助けて~

 

各方面でとても素晴らしい評価をいただけました

SNSなどでも色々なグラスと比較し、評価していただけたようで、本当に時間をかけて作ってよかったと思っています。

上記はほんの一部です。みなさまからの数百件に及ぶコメントツイート、ひとつずつすべて拝見しております。

協力いただいたみなさま、手に取ってくれたみなさまに感謝いたします。次回作も頑張るぞ!


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