スペイサイド・モルト・ウイスキーとは?/味の特徴や飲み方、種類やおすすめ銘柄をご紹介

スペイサイド・モルトウイスキーとは

スペイサイドってどこにあるの?

イギリス・スコットランドの北東にスペイ川という川があります。
この川はとっても大きく、全長170km以上あります。(日本最大の信濃川は367kmあるぞぅ)
スコットランドでも最も急流な河川として知られていて、サーモンフィッシングが盛んに行われています。なので釣り好きの人は知っているかもしれませんね。

スペイ川

出典:wikimedia

スコットランド最大のウイスキー生産エリア

ここスペイサイドは、もともとハイランドの一部として紹介されていましたが、近年、蒸留所が多すぎて分けてカウントされるようになりました。
それもそのはず、スコットランドの全蒸留所のおよそ半分、50あまりの蒸留所がこのスペイ川流域に集中しているのです。

なんでこの一箇所に集中しているの?

スコッチウイスキーの密造時代

出典:http://whisky-mania.jp/wp-content/uploads/2016/05/what-the-first-place-is-scotch-00.jpg

まず、スコッチ・ウイスキーには密造していた時期がある、ということが起因しています。
1707年に、スコットランド王国とイングランド王国とがくっついて、連合王国となりました。当時イングランドは財政難に苦しんでおり、スコットランドで盛んに作られていたウイスキーに目をつけて、増税を決定します。増税額はなんと、それまでの15倍。このすさまじい増税にウイスキーをつくっていた生産者達はイングランド政府に嫌悪感をあらわにします。
そして、その税から逃れるためスコットランドの北部、ハイランド地方で隠れながらウイスキーを作ることにします。

ハイランドにはグランピアンという非常に険しい山脈があり、潜伏して内緒でウイスキーを作るのにバッチリでした。特にこのスペイサイド地方で盛んに密造酒を作っていたようです。
役人の目を逃れるために、蒸留したウイスキーは木樽に隠し保管していました。
その頃のウイスキーは無色透明だったのですが、その時に偶然木樽に隠したがゆえに、現在見慣れている琥珀色のカラーや木の香りがついたのです。

次に環境面が良いことが挙げられます。
先程述べたグランピアンズという山脈からウイスキーづくりに欠かせない良質な湧き水が豊富に流れ出ています。
さらには寒く湿った土地。ウイスキーを木樽で保管する際に、気温が高く乾燥した環境では、水分が多く蒸発してしまい、熟成が早く進みすぎてしまうのです。スペイサイド地方は夏でもひんやりとした空気をまとっています。その寒冷で湿潤な気候は、ウイスキー樽を乾燥から守り、芳醇な香りを封じ込めてくれるのです。

味や香りの特徴は?

花のような香りや、若草のような青々しい香りのものが多く、華やかでフルーティー。
口当たりもマイルドで、味も甘いものが多い印象です。
体調にもよりますが、『ウイスキーなのにッ!アルコール度数が強いのにッ!幾らでも飲めてしまうッッッ!』という錯覚に陥ります。
甘みや辛みのバランスも良く、多くのブレンデッドウイスキーのキーモルトに使われることも多いです。
(キーモルトとは色々ウイスキーを混ぜてつくるブレンデッドウイスキーの中で味の中心となるウイスキーのこと)

どんな銘柄があるの?

とてつもなく多いので、シングル・モルトの代表的なものだけあげさせてもらいます。

マッカラン

シングル・モルトのロールスロイスと言われる『日本で一番売れているシングル・モルト』。ゆえにウイスキーを嗜む人間であれば日本人で知らない人は居ないと思います。
これぞスペイサイドのスコッチと思わせる華やかで濃厚なシェリーの香り、そして上品な口当たり。
無垢材のマホガニーを思わせる赤みをたたえた気品ある黄金色。
18年、25年、30年などのラインナップがありますが、値段はとっても高いです。

マッカラン12年

グレンフィディック

洋ナシがドーン!!!
いや、ほんとにコレを飲むまではウイスキーがフルーティとか思ったことはなかったんですが、とにかくフレッシュな果実香に驚かされます。
創業は1887年。元々は貧乏な仕立て屋の息子が作った貧相な中古蒸留所だったようです。
ライトでスムースな飲み口は、いつしか世界で評価されるウイスキーとなりました。
先程のマッカランが日本一なら、このグレンフィディックは世界一売れているウイスキーなのです。

グレンフィディック

グレンリベット

前述した”ウイスキー密造時代”に終止符を打ったと言われるスコッチ。
1823年に酒税法が改正されて、翌年1824年に、政府公認の蒸溜所ライセンスを一番に獲得したのがこのグレンリベットです。
軽快で飲みやすいのはグレンフィディックと同じですが、柑橘系の香りがします。
オレンジの皮を絞ったようなビターで甘すぎない味わいが魅力です。

グレンリベット

 

ですが、僕がすすめるのは、

グレンエルギン

このグレンエルギンを僕が勧める理由は単純です。
スペイサイド=マッカランのように過去に多くのオジサマ達に言われてきたからです。
もちろんマッカランはとても良いスコッチですし、スペイサイドを代表するウイスキーだと思います。
ですが、マッカランしか知らないマッカラン信者の方も多くおりますし、無難だからと言って一辺倒に勧めるのはあまりに思いやりの無い理由だなぁと思います。
僕はこれからウイスキーを好きになる方々に色々な銘柄を楽しんでもらいたいので、マイナーですが、飲んで損はないところをいかせてもらいます。
グレンエルギンはスペイサイドならではのキレイであたたかい味、蜂蜜にも似た甘さが特徴の柔らかいスコッチです。マッカランやグレンフィディック、グレンリベットを飲んできた方も、こいつを口にすると、あ、なんかいい具合に全部混ざってるじゃん。。と絶妙なハーモニーに心打たれることでしょう。

グレンエルギン

まとめ

スペイサイドという地域は、スペイ川という大きな川を中心にたくさんのウイスキー蒸留所があって、200年以上前から栄えてきました。
現在もスコッチウイスキーを牽引するマッカランやグレンフィディックを作っている、世界的に有名な土地であるということ。
そして初心者に勧めるにも飲みやすく、とっつきやすい味の銘柄が多いということですね。
是非ウイスキーに飲みなれていない方はこの地域のモルトから飲み始めていただきたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

オーツカ

ウイスキーをもっと身近に感じてほしい。小難しいウイスキーの世界を分解して、わかりやすく整理する「ウイスキーオーガナイザー」です。 まだあまりウイスキーを知らない人がウイスキーを好きになる「きっかけづくり」をできればと思っています。 日本最大級のウイスキーメディアBARRELを企画、運営、編集及びカメラマン、さらには執筆もしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です