アイリッシュウイスキーとは?/味の特徴や飲み方、種類や蒸溜所をご紹介

アイリッシュウイスキーを知ろう

世界5大ウイスキーのひとつに数えられる『アイリッシュウイスキー』。
アイルランドで造られるウイスキーだから『アイリッシュ』と呼ばれます。スコッチ、バーボン、ジャパニーズに比べると、日本で飲んでいる方は少ないですね。スコッチの”アイラモルト”と間違えて覚えている人も見かけます。うーん、悲しい。

しかし1900年頃までは、世界の6割近いウイスキーシェアを占めていたと言われる大御所です。
飲んだことがある方も、まだ飲んでない方も、サクッと知識を入れておいても損はないはずです。
今回もオーツカがわかりやすく語っていきたいと思います。

アイリッシュウイスキーってどんなウイスキー?

どこで生まれたの?

アイリッシュウイスキーの発祥の地アイルランド

アイリッシュウイスキーはアイルランドにて生まれました。
南北に500km、東西に300km程の島で、人口は650万人程度。気候は安定しており、涼しい東京といった感じです。
ちなみにみなさん、アイルランドには2つの国があるの知っていました?アイルランド共和国と北アイルランドです。
隣接しているのですが、アイルランド共和国は内戦によってイギリスから独立しているんですね。
このふたつの国で作られるウイスキーを“アイリッシュウイスキー”と呼びます。

いつ頃生まれたの?

1600年前アイルランドにキリスト教を伝えた聖パトリックが伝えたとか、海賊によって伝えられたとか様々な説がありますが、記録として残っている最も古い情報は1172年です。
この頃にはウスケボー(ゲール語で命の水)という名前で飲用されていました。
元々は蒸留したてのニューポットを薬として飲んでいたようで、教会の修道士達が主に作っていました。

スコッチよりメジャーじゃなくなった理由

アイリッシュウイスキーが衰退した理由

かつてはアメリカをはじめ、イギリス、カナダ、南アフリカでも人気だったアイリッシュウイスキー。
厳しい密造酒摘発などにもさらされながら大量生産を行っていました。(ピークは1900年頃)
しかし1920年以降、禁酒法時代から第二次世界大戦にかけてスコッチブレンデッドウイスキーが大流行します。隣のお国のスコットランドが美味しいお酒を発明しちゃったわけですね。もちろんスコッチ(ブレンデッド)が安価で美味しかったのが大きな理由ではあるのですが、ウイスキーを販売するマーケティング戦略も上手だったと言われています。徐々に市場を奪われ、アイルランドの蒸留所は次々と閉鎖されます。
現在は4つの蒸留所が残るのみで、そこですべての原酒を生産しています。

どんな種類があるの?

スコッチと同じくモルトウイスキーグレーンウイスキーが作られています。おさらいすると、モルトウイスキーは大麦麦芽だけを使ったウイスキーで、グレーンウイスキーはトウモロコシやライ麦、小麦などを原料にしています。
あとは色々な蒸留所のウイスキーを混ぜ合わせたブレンデッドウイスキー(アイリッシュブレンデッドウイスキー)があります。
特筆すべきはもう一種類。
シングルポットスチルウイスキー。もしくはピュアポットスチルウイスキーなるものが存在します。
大麦麦芽に未発達の大麦やオート麦、小麦、ライ麦などを混ぜて原料にし、単式蒸留器で3回蒸留する、アイリッシュ伝統の造り方です。
現在このシングルポットスチルウイスキーを作っているのは新ミドルトン蒸留所のみとなっています。(最近ではオート麦、小麦、ライ麦は使わないようです。)

“アイリッシュウイスキー”の条件

アイリッシュウイスキーを規定している「Irish Whiskey Act,1980」には次のような定義があります。

  • ウイスキーをつくる原料は穀物類を使いましょうね
  • 麦芽に含まれる酵素(ジアスターゼ)で糖化しましょう
  • 酵母の働きで発酵させましょう
  • 蒸留の時はアルコール度数94.8%以下じゃなきゃダメよ
  • 木製の樽に詰めましょうね
  • アイルランド、または北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させなきゃダメよ

北アイルランドはイギリスに属していますが。アイルランドで作られるウイスキーはすべてアイリッシュウイスキーに分類されます。

スコッチウイスキーとの違いは?

酒質が軽く油っぽい。雑味が少なくマイルド。というのが最大の違いです。
前述のシングル(ピュア)ポットスチルウイスキーの造り方にそのヒミツがあります。
まず、原料を石臼で粉砕し、糖化します。大麦麦芽以外の穀物の殻が固いため、パワーのある石臼を使うのです。
さらに大麦麦芽100%ではないので糖化に長い時間がかかります。
これがアイリッシュ独特のオイリーさ(油っぽさ)を生んでいるのです。
次にスコッチに比べ大きめな単式蒸留器で3回蒸留を行い、アルコール度数80%以上の蒸留液を作ります。蒸留を重ねることで雑味が少なく、酒質がライトでクリーンなものになるのです。熟成が早く進むといった特徴もあります。
ちなみにスコッチは基本2回蒸留でアルコール度数は63~73%。ローランドモルトにはこのアイリッシュの影響を受け、3回蒸留をしているものもありましたね。

主な蒸留所

ブッシュミルズ蒸留所

ブッシュミルズ蒸留所

世界で最古の蒸留免許を持っている蒸留所です。代表的な銘柄「ブッシュミルズ」は日本での愛好家も多い逸品です。

 

新ミドルトン蒸留所

新ミドルトン蒸留所

シングルポットスチルウイスキーをはじめ、モルトウイスキー、グレーンウイスキーと3タイプのウイスキーを作る巨大な蒸留所です。アイリッシュウイスキーでは日本一有名であろうジェムソンを作っているのはこの蒸留所です。

 

クーリー蒸留所

クーリー蒸留所

アイリッシュの第三勢力と言われ、1987年に北アイルランドの国境沿いに誕生しました。シングルモルトのカネマラはスコットランド産のピート麦芽を利用したピーティーなアイリッシュウイスキー。面白いので一度は試していただきたいです。

 

キルベガン蒸留所

キルベガン蒸留所

1757~1954まで稼働していた蒸留所。クーリー蒸留所が2007年に復活させました。ブレンデッドアイリッシュウイスキーのキルベガンはアイルランドでは家庭用として人気のある飲み口の良い作品。お手軽な金額も魅力です。

アイリッシュウイスキーの魅力

アイルランドの街並み

ライトボディで飲みやすく、ウイスキーをまだあまり飲んだことのないビギナーにもお勧めしやすい点でしょう。
炭酸水やジンジャーエールなどで割るアイリッシュカクテルもおすすめです。アイリッシュコーヒーなんかも有名ですね。
料理の邪魔もしませんし、一杯目や食中にもぴったり。
食事をしながら甘いお酒はダメ、でもビールはお腹がが膨れちゃうという方、ソーダとライムでさっぱりと爽快にいただけますよ。
オーツカはスコッチやバーボンに飲み疲れた時に、アイリッシュウイスキーをストレートでもらうことが多いです。
ホッとするんですよね。

近年では小さな蒸留所がポコポコとでき始めており、上記の4つ以外にも3蒸留所が稼働中です。
よくよく考えれば蒸留技術が上陸したのもアイルランド。
連続式蒸留器が発明されたのもアイルランド。
ウイスキー業界の先頭にいたのはいつもアイリッシュウイスキーだったのかもしれません。

次回はアイリッシュウイスキーはどの銘柄をどう飲んでいったらよいのか、おすすめ銘柄を見つけるための記事を書いていこうと思います。
お楽しみに。

↓↓というわけで書きました!是非お気に入りの一本を見つけてみてください。↓↓

アイリッシュウイスキーのおすすめの銘柄や美味しい飲み方をご紹介

2017.07.09

ABOUTこの記事をかいた人

オーツカ

ウイスキーをもっと身近に感じてほしい。小難しいウイスキーの世界を分解して、わかりやすく整理する「ウイスキーオーガナイザー」です。 まだあまりウイスキーを知らない人がウイスキーを好きになる「きっかけづくり」をできればと思っています。 日本最大級のウイスキーメディアBARRELを企画、運営、編集及びカメラマン、さらには執筆もしています。

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