まとめて試飲できる!オリジナルのカリラセット
リーズナブルにカリラを堪能する飲み比べセット
カリラを知らずしてアイラモルトは語れません!スタンダードから長熟まで一気に試せるセットをご用意しました。
最近、ボウモアやラフロイグ、アードベッグといったアイラモルトの価格が爆速で高騰していますが、カリラは比較的リーズナブル。アイラの最後の良心のハウススタイルをまずは確認です。
- カリラ 12年 (43度)
- カリラ ディスティラーズエディション (43度)
- カリラ モッホ (43度)
30mlセットと100mlセットから選べるので、少しずつ飲み比べて、カリラの香りや味の違いを確かめてください。
おすすめの飲み方・飲み進め方
ピーティーで強い磯っぽさの中に、レモンやライムの酸味、あまり甘くないビスケット(乾燥麦芽)のような香りを内包しているカリラ。口当たりは非常にまろやかでスイート。シルキーという言葉がよく似合います。
ストレートで飲むとハウススタイルがよくわかります。ドライでスパイシーな余韻も特徴的なので、ロックやハイボールにして飲む方も多いですね。
ラフロイグやラガヴーリンよりはヘヴィではないので、食前食中にも合います。
魚料理、貝料理とは非常に相性がよく、アサリの酒蒸しや明太子パスタなどと食べると非常にGOOD。
カリラのオールドボトルは麦芽のイメージが強く、出汁のような塩気、そしてスパイシーさを感じるものが多い印象です。
昨今はボトラーズからも次々とリリースされており、25年以上の長熟のカリラは、段違いのスイートさを持っています。オフィシャルスタンダードとは似ても似つかぬものも存在し、パイナップルやマンゴーのような南国風味を感じるとてもフルーティーなカリラもあります。
長期熟成のアイラモルトが高くなってきた今、まさに「アイラ最後の良心」。僕を含め、熱烈なファンが多くいます。
人によるとは思いますが、カリラは飲み疲れの少なく、熟成による経年変化が大きい銘柄と思っているので、現行品のスタンダード(モッホや12年)を一杯目に飲んでから、徐々に長熟ものを縦飲みしていくのもおすすめできます。
カリラの発祥と歴史
どこで作られているのか?
ポートアスケイグ港から北に約1kmの場所に位置する全面ガラス張りでてきた蒸溜所。
中にはズラリと並ぶ巨大なポットスチル。
窓のすぐ下にはアイラ海峡、向かいにはジュラ島という壮大な景色を堪能できます。
蒸溜所の裏にはロッホ・ナム・バン湖があり、カリラ蒸溜所ではこの石灰岩をくぐり抜けたミネラル豊富な湧水を仕込水として使用しています。
また蒸溜所の隣には黄色い一軒家がぽつんと建っています。
この家は「イエロー・ロック・ハウス」と呼ばれ、1人の女性が住んでいました。
彼女の名前はリリー・ローガン。
アイラモルトファンなら「ローガン」の名前を見ただけでピンとくる方がいらっしゃるかもしれません。
彼女は現在ボウモア蒸溜所に勤め、アイラ島のツアーガイドを務めているクリスティーン・ローガンさんのお母さんにあたる方。
リリーさんは2014年の7月に他界、彼女はなんと100歳!までカリラ蒸溜所のすぐ側で生涯暮らし、誰にも束縛されない自由な生活を愛していました。
リリーさんはアイラ島で初めて車の運転免許を取った女性でもあります。
自ら車を運転してフェリーに乗り込み、キャンベルタウンまで魚を売りに行くような溌剌とした方でした。
リリーさんはキャンベルタウンでも有名な方で、リリー・ザ・フィッシュというニックネームで呼ばれその後も語り草となったそうです。
大の日本通でもあり、飼っていた二匹の黒猫にスシとノリと命名。
リリーさんの他界後、ノリが亡くなりましたがスシはまだ生きており、カリラ蒸溜所に住まいを移し蒸溜所で働く職人さん達と静かに余生を送っているそうです。
カリラ蒸溜所へ見学に行ったらスシに会えるかもしれませんね。
カリラの歴史
カリラ蒸溜所は1846年ヘクター・ヘンダーソンによって設立。
その後買収を繰り返し1920年、DCLの傘下になり一旦落ち着きます。
その後大戦による操業停止を繰り返しながら経営を続け、1972年〜74年にかけて熟成庫以外の全ての施設を大改装。
この時ポットスチルが6基に増設されます。
1986年にギネスに買収、1997年にギネスとグランド・メトロポリタンの合併によりディアジオ社(Diageo)が誕生。
以後、現在に至るまでディアジオ傘下について製造を行っています。
歴史の長いカリラですが、長らくシングルモルトに対しては販売予定がなく、そのほとんどをブレンデッド用の原酒として提供していました。
しかし1988年にラガヴーリンが「クラシックモルト」という肩書きで売り出されてからカリラでも「花と動物シリーズ」のアザラシが描かれた(かわいい!)カリラ15年が数量限定で販売され、ウイスキーファンの間で密かに話題となります。
そして転機が訪れたのが2002年。
ヒドゥンモルトシリーズとしてカリラから12年、18年、カスクストレングスの3種類販売されました。
ヒドゥンモルトシリーズでは他にもクライヌリッシュ、グレンエルギン、グレンオードが同時に販売されましたが1度に3種類のボトルをリリースしたのはカリラだけ。
これは当時、アイラモルトウイスキーが世界的ブームとなっており、チャンスと見たカリラがとった販売戦略でした。
この波に乗りシングルモルトとして一気に3種類のボトルをリリースしたカリラは狙い通り大人気となり、それ以来徐々に設備投資を重ね10年で生産量を約2倍にまで伸ばしました。
カリラの製法(作り方)
前述した通り生産量は年間で650万ℓ以上と非常に多く、ブレンデッドを含めたスコッチ業界でなんと10番目の規模となります。
ディアジオ社で製造しているブレンデッドだけでなく、他社にも原酒を提供しているのでこの様な生産量が必要になったともいえます。
カリラの生産工程ですが、まず麦芽はラガヴーリンと同じポートエレンで収穫したものを使用。
ピートの度合いを表すフェノール値は34〜38ppm程度。
ラフロイグやラガヴーリンも同じ様なフェノール値で、ズッシリとフルボディなウイスキーですが、カリラはスッキリとして軽やかな風味を持ちます。
糖化槽はフリッグス製のフルロイタータンで13tの麦芽から6.3万ℓの麦汁が抽出されます。
使用する酵母はラガヴーリンと同じリキッドイースト。
発酵槽はオレゴンパインが8基、ステンレス製のものが2基の計10基となります。
ここで55〜58時間かけて発酵させアルコール度数8.5〜9%のもろみを完成させます。
ポットスチルは初溜3基、再溜3基の全部で6基ありいずれもストレートヘッドのものを設置。
カリラの軽やかなボディ、華やかな風味はこのポットスチルが大きく影響しているのかもしれません。
仕込水は蒸溜所近隣にあるロッホ・ナム・バン湖の湧水を使用。
この水はピートの地層をくぐり抜けた湧水ですので、水自体にもピート感を含んでいます。
ウイスキー「カリラ」のラインナップ
カリラ 12年
現在のカリラにおけるレギュラー的立ち位置のボトルといえます。
ヨード香・フルーティ・ピーティのバランスがよく取れたボトル。
スモークハムとハチミツマリアージュそして岩場でのキャンプファイヤーの煙。
ラフロイグやラガヴーリンのオイリーさが苦手、もう少し軽くアイラモルトを楽しみたいと思っている方におすすめできるボトルです。
余韻はスパイシーで流木が焼けたあとのような余韻も、これぞカリラ!というイパクトを与えてくれます。
カリラ 18年
以前は正規ラインナップとして販売されていましたが、現在は年に1度数量限定リリースされる希少なボトルとなりました。
カリラ12年と比べるとピート香が軽く、よりフルーティ。
味はまろやかで、全体的に甘みとボディが増した印象です。
香りは煙、潮、ドライベリー、そしてバニラ。
口に含むとスルスルと滑らかで、焦げたキャンディ、バタースコッチ、ドライフルーツの甘みとオークのスパイシーさがたまらないボトルです。
余韻は長く、甘くスモーキー。バニラを強く感じます。
カリラ 25年
2010年9月に14,000本限定でリリースされたボトル。
18年よりもやや濃くなったゴールド。
炭で焦がしたブラウンシュガー、甘くてスパイシーな香り。
砂糖漬けの果実のフルーティ、濃厚なバニラクリーム、上品なピート感。
スモーキーさとヨード香りは奥に引っ込み、甘みと深みのコクが更に増したボトル。
深いオークの余韻と潮の香りを心ゆくまで楽しめる、カリラの極みともいえる一品です。
また長期熟成モルトながらおよそ3万円以内で購入できる為、コストパフォーマンスの高いボトルとして人気です。
カリラ モッホ
MOCH(モッホ)とはゲール語でDAWN(夜明け)という意味を持ちます。
これはつまり通常より若い原酒が使われていることを意味しています。
推定ですが酒齢8年程度の原酒が使われているのではないでしょうか。
香りは軽やかなピートとレモン、麦芽の香り。
薄めのゴールドカラーで、カリラらしいライトでなめらなかな口当たり、スタンダードの12年よりも軽めのボディ。
口に含むとオーキーでドライ。スモーキーさの中にフレッシュな柑橘を感じます。
軽いですが、カリラのスパイシーさは健在。
少しの酸味とフルーティな味わいがあるのでハイボールにもピッタリです。
カリラ カスクストレングス
こちら2010年9月、25年と同時にリリースされた限定ボトル。
樽出しの原酒をそのままボトリングしているのでカリラ本来の力強い味わいを堪能できる1本。
香りはバニラとピート、そしてナッツ。
口に含むと海での焚き火のような薫香のあと、ピートと軽やかな花の香りが感じられます。
スタンダード商品である12年と比べると、ボディは厚めのミディアム。
甘みが強く、ドライフルーツ、ハチミツ、シナモンスパイス、ナッツ、ほんのりローズを感じます。
余韻は非常に深いオークと磯の香り。
一口目のインパクトとは対照的で品の良い余韻を楽しめます。
カリラ ディスティラーズエディション
こちらは熟成年数未表記のノンエイジのボトル。
バーボン樽で熟成させた原酒を更にモスカクテルシェリー樽で追熟させて作られました。
ピート香とカリラらしい塩っぽさを感じながら、シェリーの甘さも感じる事ができる不思議なボトル。
但し12年で感じられるようなカリラらしいスパイシーさが引っ込んでいるため、比較的おとなしい仕上がりとなっています。
香りは磯の焚き火、バニラ、ナッツ、ドライプルーン、少しカシス。
味わいはスモーキーの後にドライフルーツ、ビターチョコ、バニラ、仄かな梅の酸味。
やさしいカリラを飲んでみたいなと思う方におすすめなボトルです。
カリラ 10年 アイラフェス2018
毎年アイラ島で行われているウイスキーのイベント「アイラフェス」の2018年向けに作られたボトル。
香りは鋭いピートの中に麦芽の甘みを感じます。ドライアプリコットのようなニュアンスも。
口に含むと先ずカリラならではのピートが鼻を抜け、その後にアプリコットジャム、ナッツ、後半で潮風、スパイシーで焚き火のような余韻が残ります。
あまり見かけないボトルですが、12年よりも酸やフルーツ感が強いイメージです。
2020年には新しいビジターセンターがオープンしたカリラ。同時に35年もののカリラ(1984年蒸溜)もリリースされましたね。2018年のスペシャルリリースで出た35年のカリラも驚くほどフルーティでパワフルだったので、きっとこれもおいしいはず。
ちょっと無理してでもカリラの長期熟成ボトルは飲んだほうがいいです。
ざっくり覚える!
カリラはアイラ島で作られるシングルモルトウイスキー。
「カオールイラ」と読めちゃいますが、「カリラ」です。名前の由来は「Caol(海峡)」、「Ila(アイラ島)」で「アイラ海峡」という意味を持ちます。
ボウモアやラフロイグ、ラガヴーリンといった人気蒸溜所がひしめくアイラ島で、カリラは660万ℓとアイラ島最大のウイスキー生産量を誇ります。
もともとはジョニーウォーカーなど原酒として、生産量の95%を提供してきたため、シングルモルトとしてのリリースは極めて少なく入手困難なボトルでした。
しかし2002年にリリースされたヒドゥンモルトシリーズのカリラ12年、18年、カスクストレングスが絶大なる評価を受け、その後は比較的良心的な価格で入手可能となりました。
現在はアイラモルト人気で、15%をシングルモルト用に製造しているようです。
アイラらしいスモーキーフレーバー、軽やかな口当たり、糖蜜の甘味はラフロイグともラガヴーリンとも違う唯一無二の風味です。