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伊勢神宮のお膝元に蒸留所直売所、樽を見せる新スポット

伊勢神宮のお膝元に蒸留所直売所、樽を見せる新スポット

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三重県伊勢市の酒造会社・伊勢萬が、伊勢神宮内宮前のおかげ横丁に「伊勢萬 伊勢蒸留所直売所」を8月6日にオープンします。看板商品「神路」を試飲しながら、蒸留や熟成の様子まで見せる体験型の店舗です。

オーツカ
品薄アピールより「現地で飲む体験」を売る発想の転換、悪くないと思います

発売から4年、着実に評価を積んできた「神路」

神路は2021年12月に発売された、伊勢志摩地方で初めてのクラフトウイスキーです。

十数年にわたりホワイトオーク樽で貯蔵してきたカナダ産グレーンスピリッツと、自社蒸留のモルトウイスキーを組み合わせた一本で、発売初年度からISC2022でゴールド賞を獲得。

2024年にはISCで再びゴールド、さらにIWSC2024のワールドワイドウイスキー部門で部門最高点となる98点を記録し、最高金賞「Gold Outstanding」を受賞しました。2023年には長期熟成のスコットランド産モルトをヴァッティングした「ピュアモルトウイスキー神路」も加わり、ラインアップは着実に広がっています。

なお、グレーン原酒の一部を輸入に頼るこの構成は、2024年4月に本格施行されたジャパニーズウイスキーの自主基準(糖化・発酵・蒸留・熟成をすべて国内で行うことが要件)に照らすと、「ジャパニーズウイスキー」表記の対象からは外れうる設計です。

もっとも伊勢萬は神路を「国産ウイスキー」「伊勢志摩発のクラフトウイスキー」と表現し、グレーン原酒の原産地もカナダ製造と明記しており、輸入原酒の存在を隠す姿勢は見せていません。

現在は自社の公式オンラインストアで、ブレンデッド・ピュアモルトとも通常価格で常時購入できる状態です。

なぜ今、蒸留所直売所なのか

新設される直売所は、伊勢萬が清酒「おかげさま」を手がける内宮前酒造場の中に設けられます。

有料試飲でウイスキーやジンを味わえるほか、蒸留に使うポットスチルの実物大写真パネル、2003年から実際に熟成に使われてきた樽の展示も予定されており、単に商品を並べるだけの店ではなさそうです。

オープン当日には、昨年12月のオンライン先行販売で3日間とも1分で完売した「シングルモルトウイスキー伊勢-2025edition-」を10本限定で販売するとのこと。

伊勢志摩地域では初となるシングルモルトで、こちらは神路とは違い実際に争奪戦になった実績を持つ一本です。

背景には、2033年に控える伊勢神宮の式年遷宮があります。

20年に一度、社殿を一新するこの神事に向けて今年から関連行事が本格的に始まっており、伊勢への観光の関心は今後さらに高まっていく見通しです。蒸留や熟成の過程を見せる体験型の店舗は、参拝のついでに立ち寄れる観光コンテンツとしての側面も持っています。

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直売所という選択、クラフト蒸留所の生存戦略として

ウイスキー文化研究所の年鑑によれば、国内で稼働する蒸留所は2026年時点で126カ所に達し、過去最多を更新し続けています。

新規蒸留所の乱立が進むなか、大手のようなブランド力や流通網を持たないクラフト勢にとって、蒸留所そのものを観光資源に変え、現地でしか買えない・飲めない体験を用意することは有力な差別化策になりつつあります。

北海道・富良野で計画が進む富良詩蒸留所も、見学ツアーやペアリングレストランに加えて直売所を併設する構想を掲げており、製造と販売、観光を一体で設計する動きは各地に広がっています。

神路自体はもう普通に買える銘柄になった今、伊勢萬が直売所に投資するのは、品薄商法ではなく、参拝のついでに寄れる場所そのものを作りにいく動きと見たほうが正確そうです。




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