ディアジオが、シングルモルト「ザ・シングルトン」のコアレンジのパッケージデザインを刷新すると発表しました。
対象は欧州向けの「ダフタウン」とアメリカ向けの「グレンデュラン」の2ラインで、2026年7月から世界各国で順次展開されます。
深まるティールと、書き込まれたモルトマスターの署名
新デザインは、ブランドの象徴である鮭のロゴマークをメタリック仕上げでより際立たせ、全体の色調も従来より深みのあるティールへと変更。
質感のある仕上げのラベルとあわせて、棚での存在感を高める狙いがあるとされています。

あわせてテイスティングノートの表現もより踏み込んだ内容に書き直され、全ラインナップにモルトマスターであるクレイグ・ウィルソン博士のサインが刻まれるようになりました。
ウィルソン博士は、シングルトンだけでなくモートラックやブローラも手掛け、毎年恒例の「ディアジオ スペシャルリリース」の選定にも携わってきた、ディアジオ社を代表するブレンダーの一人です。
2017年には「アイコンズ・オブ・ウイスキー」でマスターブレンダー・オブ・ザ・イヤーを受賞している人物で、今回のサイン入りデザインは、この人物の関与を消費者に直接示す狙いがあると読めます。
ちなみに「ダフタウン」のパッケージが大きく手を加えられるのは今回が初めてではありません。
2018年、日本の定番がグレンオードからダフタウンへと切り替わった際にも、19世紀のヒップフラスコを思わせるデザインへの刷新が行われ、このときすでにウィルソン博士のサインが初めて採用されていました。今回はその路線をさらに深化させた形と言えそうです。
日本の棚に届くのは「ダフタウン」、届かないのは「グレンオード」
シングルトンは、ダフタウン(欧州向け)、グレンデュラン(アメリカ向け)、グレンオード(アジア向け)という3つの蒸溜所の原酒が、同じブランド名で市場ごとに売り分けられているという少し変わった構造を持つブランドです。
日本では2018年9月まではアジア向けのグレンオードが定番として販売されていましたが、それ以降はダフタウンに切り替わり、現在まで続いています。
つまり今回の刷新でパッケージが変わる「ダフタウン」は、実際に日本の酒販店に並ぶボトルそのものです。
一方で、本来「アジア向け」と位置づけられているはずのグレンオードは、今回の発表には含まれていません。
グレンオードは現在もディアジオ スペシャルリリースなどでは日本に入ってきますが、コアレンジとしては国内でほとんど見かけなくなっている銘柄でもあり、この巡り合わせは少し皮肉にも映ります。
こうしたコアレンジのパッケージ刷新は、シングルトンに限った動きではありません。
2026年に入ってからも、グレンカダムが1月に、グレンフィディックが2月に、トマーティンが3月にそれぞれ主力ラインのデザインを一新しています。
折しも業界全体は、パンデミック期に積み上がった熟成在庫の重圧を抱え、ディアジオ自身も経費削減プログラムを進めながら設備投資を絞り込んでいる局面にあります。そうした中でも主力ブランドの見た目への投資は続けるという判断は、限られた資源をどこに集中させるかという各社の姿勢の表れとも言えそうです。









