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三郎丸と嘉之助が初タッグ。原酒交換『龍虎』で世界へ

三郎丸と嘉之助が初タッグ。原酒交換『龍虎』で世界へ

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富山の三郎丸蒸留所と鹿児島の嘉之助蒸溜所が、初のコラボレーションボトル「三郎丸 龍虎 ~DOUBLE DISTILLERY~ SABUROMARU×KANOSUKE」を6月18日に数量限定で発売します。

ブレンデッドモルト・ジャパニーズウイスキー、アルコール50%、700mlで税込22,000円。

これは両者が原酒を交換して生まれた一本です。同時に嘉之助側からも、立場を入れ替えた「嘉之助コラボレーションシリーズ01 KANOSUKE×SABUROMARU」が出ます。

同じ素材から二つの蒸留所がそれぞれの一本を仕立てる、という構図です。

オーツカ
スモーキーとメロー、真逆の個性をぶつけてくるあたりが面白いですね。どちらが主役かで表情が変わるはずです。

三郎丸が続けてきた「原酒交換」の系譜

唐突なコラボに見えて、実は地続きの話です。

三郎丸は2021年3月、長濱蒸溜所と日本初となるクラフト蒸留所同士の原酒交換を行い、三郎丸が「FAR EAST OF PEAT」、長濱が「INAZUMA」をそれぞれ700本限定でリリースしました。

その根っこにあるのは、5代目・稲垣貴彦氏の問題意識だと思われます。日本の蒸留所はスコットランドに比べて数が少なく規模も小さい、原酒交換の伝統もないため使える原酒の幅が限られる。だからこそスコットランドのように原酒交換が活発に行われる文化を日本にもつくりたい、というのが三郎丸の一貫した主張でした。

今回の龍虎は、その相手を長濱から嘉之助に替えた「次の一手」にあたります。両者はともに2017年に本格的なウイスキーづくりへ踏み出した同期生でありながら、直接組むのはこれが初めて。プレスでも樽交換の新たなステージという言葉が使われていて、単発の話題づくりでないことがうかがえます。

コラボレーションの背景

SABUROMARUは、日本でも稀有なヘビリーピーテッドスタイルを追求し、力強く重厚なスモーキーさで独自の存在感を確立してきました。

一方、KANOSUKEは、温暖な気候と潮風のもとで育まれた、芳醇でメローな味わいを特徴とするウイスキーを生み出してきました。

三郎丸は日本酒蔵として1862年、嘉之助は焼酎蔵として1883年に創業。そして2017年、三郎丸蒸留所では5代目・稲垣貴彦が蒸留所を再生し、嘉之助蒸溜所では4代目・小正芳嗣が新たなウイスキーづくりへの挑戦を始めました。両蒸留所の個性は対照的ですが、その背景には世代を超えて継承されてきた酒造りの歴史があります。

両者が目指すのは、「世界で通用する、個性が際立つウイスキーをつくる」こと。そして、その先にある、「日本のクラフトウイスキーの可能性と多様性を押し広げる」こと。このコラボレーションは、その最前線に立つ2つの蒸留所の歩みと、ジャパニーズウイスキーに対する強い熱意が重なり合い、生まれたものです。

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どんな一本に仕上がったのか

龍虎の土台になっているのは、三郎丸のヘビリーピーテッドモルトです。バーボン樽に加えて焙煎樽でも寝かせた原酒に、嘉之助のノンピート・バーボン樽原酒を重ねています。

片やピートの効いた力強いスモーク、片や温暖な気候と潮風のもとで育った丸くメローな酒質。

性格の振れ幅が大きい二つを、50%という強めの度数で、それぞれの輪郭を残したまま一本にまとめた格好です。

香ばしさをもたらす焙煎樽が、スモークと甘やかなメロー感のあいだをつなぐ役回りを担っていそうですが、ここは発売後の実飲で確かめたいところです。

面白いのは、嘉之助側から出る「01」が逆の設計になっている点です。あちらは嘉之助のメローな酒質を主役に、三郎丸のピートを後ろから差す構成。

同じ原酒を交換しても、主役を入れ替えれば見える景色が変わるわけで、飲み比べてこそのシリーズだと言えると思います。

商品概要

三郎丸蒸留所のヘビリーピーテッドモルトを原料とし、バーボン樽や焙煎樽などで熟成した原酒に、嘉之助蒸溜所のノンピート・バーボン樽熟成原酒を絶妙なバランスでバッティング。スモーキーなSABUROMARU。メローなKANOSUKE。互いの魅力を際立たせる、唯一無二の一滴が生まれました。

商品名1:三郎丸 龍虎 ~DOUBLE DISTILLERY~ SABUROMARU×KANOSUKE

品目:ブレンデッドモルト・ジャパニーズウイスキー

原材料名:モルト

アルコール分:50%

内容量:700ml

希望小売価格:22,000円(税込)

発売日:2026年6月18日(木)

製造者:若鶴酒造株式会社 (三郎丸蒸留所)

販売先:国内(直営店、オンライン含む)・海外

※数量限定品につき、無くなり次第終了となります

商品名2:SABUROMARU×KANOSUKE コラボレーション2本セット(60セット限定)

セット販売商品内容:

□三郎丸 龍虎 ~DOUBLE DISTILLERY~ 三郎丸×嘉之助 700ml 1本

□嘉之助コラボレーションシリーズ01 KANOSUKE×SABUROMARU 700ml 1本   

販売価格:44,000円 (税込)

発売日:未定、三郎丸蒸留所公式SNSにて発売日時を後日配信*

販売先:若鶴酒造 大正蔵ショップ内 (富山県砺波市三郎丸208)

販売数量:60セット限定  ※お一人様1セットまで購入可

見落とされがちな「ジャパニーズウイスキー定義」

日本洋酒酒造組合が定めた「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」は、2021年に運用が始まり、3年の経過措置を経て2024年4月から本格施行されました。

糖化・発酵・蒸留から熟成・瓶詰めまでを日本国内で行うことなどを求める、いわば「日本産であること」の線引きです。BARRELでもこの基準の法整備の動きを取り上げました。

小規模なクラフトにとって、この線引きはなかなか厳しいものです。自社だけで多彩な原酒を揃えるのは難しく、かといって海外の原酒を足せば「ジャパニーズ」を名乗れなくなります。

その点、日本の蒸留所同士で原酒を交換するという方法は、定義を守りながら使える原酒の幅を広げられる、数少ない正攻法です。龍虎は両蒸留所の国産モルトだけで構成され、堂々とブレンデッドモルト・ジャパニーズウイスキーを名乗ります。

基準が完全に効き始めた時代において、原酒交換という手法がもつ意味を、分かりやすく示す一本だと言えると思います。

同じ「世界」へ、違う道で

二つの蒸留所は、出自も酒質も対照的です。けれど向かう先は同じで、どちらもはっきりと世界を見ています。

三郎丸は1862年創業の日本酒蔵をルーツに持ち、70年以上スモーキーなウイスキーにこだわってきた北陸最古の蒸留所です。

2019年には高岡銅器の鋳造技術を使った世界初の鋳造製蒸留器ZEMONを生み出しました。銅と錫を組み合わせたこの自社開発のスチルは、稲垣貴彦氏が日本と英国で特許を取得したもので、富山でしかつくれないウイスキーを世界へ届けることを掲げています。今回の龍虎も、三郎丸が主導するグローバル市場向けの新シリーズ第1弾と位置づけられ、販売先には海外も含まれます。

対する嘉之助は1883年創業の焼酎蔵、小正醸造がルーツです。ワームタブを備えた容量違いの3基のポットスチルや、米焼酎メローコヅルの熟成に使った樽など、焼酎の蓄積をウイスキーへ越境させてきました。そして2021年にはディスティル・ベンチャーズを通じてディアジオの少数株主出資を受け、世界最大の酒類企業の資本と販路を背景に世界へ挑んでいます。

外部の大資本を取り込んで一気に押し出す嘉之助と、独立を保ったまま自社技術と蒸留所同士の連携で押し広げる三郎丸。

進む道の異なる二社が、龍虎という一本で交わったところに、本当の面白さがあります。

値付けと希少性をどう受け止めるか

最後に正直なところも書いておきます。

熟成年数を表記しないブレンデッドモルトで、1本税込22,000円。両者を組んだ2本セットは60セット限定で税込44,000円です。クラフトの意欲作とはいえ、日常的に手を伸ばす価格ではなく、明確にコレクション寄りの値付けと言えるでしょう。

それでも、大手に依存しないクラフト同士が原酒を融通し合うこの仕組みは、三郎丸が描く「独立したまま世界へ」という道そのものです。龍虎はその一歩を示す一本として、価格以上の意味を持ちそうです。

オーツカ
立場の違う二社が同じ世界を見て組んだ、というのが今回の妙ですね。この連携がもう一回り広がれば、ジャパニーズの地図はだいぶ豊かになります。



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