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ロングロウの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/レッド・14年・18年・21年




ロングロウの概要

ロングロウはスコットランドのキャンベルタウンにてつくられているシングルモルトウイスキーです。

製造を行なっているのはスプリングバンク蒸溜所。

同蒸溜所からは主力となるスプリングバンク、そしてヘーゼルバーンというタイプの異なるシングルモルトがリリースされています。

ロングロウ最大の特徴は、力強いスモーク香とオイリーさの中に「モルトの香水」と称されるスプリングバンクならではの甘やかで華やかなアロマを内包しているところ。

ミストシャワーのように降り注ぐ潮っぽさは愛好家の舌と心を満たします。

キャンベルタウンの雄、スプリングバンクの新たな一面を楽しめるウイスキーでもあり、その原酒の評価はすなわちスプリングバンクの評価にもなります。

スプリングバンクやヘーゼルバーンを並べて比べ飲みすると個々の違いが分かり非常に面白い体験ができます。

ロングロウの発祥と製造場所、歴史の紹介

過去のロングロウ蒸溜所

ロングロウが造られているのはスプリングバンク蒸溜所ですが、今から2世紀年近く前、ロングロウという名の蒸溜所が実在しました。

ロングロウ蒸溜所は現在スプリングバンク蒸溜所に隣接するように1824年に設立。70年あまりで閉鎖になった比較的短命な蒸溜所でした。

蒸溜所は閉鎖後もしばらく残されていましたが、1896年に解体され跡地はスプリングバンク蒸溜所の駐車場として使われています。

ロングロウ蒸溜所が建てられた4年後(1928年)にはスプリングバンクが稼働を始めています。

それからロングロウが閉鎖するまでの72年間、2つの蒸溜所は隣り合わせで月日を送りました。

スプリングバンク蒸溜所がはじめてピーテッドの原酒をつくったのが1973年。

その後約2年間、試験的にブレンド用としてピーテッド原酒がつくられました。

ロングロウのロゴ

この酒質が非常に良かったため、1985年にシングルモルトとしてリリースされたのがロングロウでした。

過去、ロングロウ蒸溜所で造られていたウイスキーが、現在リリースされているロングロウと同じようにピーティかつオイリーな風味だったのかは不明です。

しかしその昔同じキャンベルタウンの地で、隣り合うように活躍した蒸溜所に敬意を払い「ロングロウ」というブランド名がつけられました。

スプリングバンクも過去に2度閉鎖に追い込まれた時期があるように、キャンベルタウンの蒸溜所が歩んできた道はとても険しいものでした。

歴史が違えばスプリングバンクが閉鎖して解体されたかもしれません。

スプリングバンクにとってロングロウはそれだけ特別な存在の蒸溜所だったということです。

ロングロウの製法

スプリングバンク蒸溜所

ロングロウに使われる麦芽は全てスプリングバンク蒸溜所内にてつくられています。

フロアモルティングで仕込まれた麦芽はハイランド産とキャンベルタウン産ピートを48時間焚いて乾燥させています。

50〜55ppmというフェノール値はアイラモルトのボウモアやラガヴーリンよりも高く、強烈なピート香を持つアードベッグと同程度の数値となります。

アイラモルトをも上回るロングロウの燻香はキャンベルタウンはもちろんハイランドやローランドにおいても突出した存在と言えるでしょう。

地元の原材料をしっかりと選び、手間を惜しまず造る…職人的こだわりを感じますね。

またスプリングバンクは2.5回蒸溜するのに対し、ロングロウは2回蒸溜となります。

他にもスプリングバンクの特徴的は直火式蒸溜釜や、スピリットスチールのワーム浴槽による時間をかけた冷却方法もロングロウのどっしりとした味わいに由来します。

ロングロウのラインナップ

ロングロウは現在

  • ロングロウ(ピーテッド)
  • ロングロウ レッドシリーズ
  • ロングロウ18年

という3つのシリーズが(限定品を除き)毎年リリースされています。

いずれも46%に調整され、着色無し、冷却濾過を行わずボトリングされています。

同蒸溜所は1969年にボトラーズのケイデンヘッド社を買収しており、敷地内には実に様々なタイプの樽が無造作に置かれいます。
その中には超希少な樽も少なくないんだとか…!

スプリングバンク蒸溜所の貯蔵庫

同じ蒸溜所からスプリングバンク、ロングロウ、ヘーゼルバーンというそれぞれ個性の異なる風味のブランドをリリースできるのもこのように多様な樽を所有していることが関係しているといえるでしょう。

またスプリングバンクは製麦からボトリングまでを行えるスコットランドでも数少ない蒸溜所です。

現在スプリングバンク蒸溜所で造られる原酒の約20%がロングロウとしてリリースされています。

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ロングロウのラインナップ

ロングロウ

ロングロウ

こちらがロングロウのスタンダードボトル。

キャンベルタウン産ピート(最近はハイランドのものも使っているとか)で48時間乾燥させたフェノール値50-55ppmの麦芽を用い、2回蒸溜でつくられるオイリーな酒質。

様々な熟成年数の原酒をミックスし、バランスよく仕上げています。

香りは強烈なスモーク香と灰。バニラ、はちみつ、カスタードクリーム、レモンケーキ。わずかにココナッツ。

口当たりはオイリーだがドライ。クリーミーで塩気のあるバニラアイス。レモンとグレープフルーツの柑橘の中にジンジャーのスパイスを纏う。

どこか懐かしいキャンプファイヤーやたき火を想起させる味わいで、この感覚を共有したくなる一杯と言えます。

ロングロウ CV

ロングロウ CV

こちらはCV(履歴書)の名の通り、熟成年数6年〜14年、シェリー、バーボンななどの樽種、樽のサイズ(50〜500L)など、様々な樽で熟成された原酒をヴァッティングしてつくられたノンエイジボトル。

原酒の個性を際立たせ、ロングロウとしての魅力を最大限に表現したボトルです。

香りはカラメルとピートスモーク、マカロン、焼いた温かいレモンに海藻、ウエハース。

味はハニーレモン、トフィー、リンゴ、磯辺のBBQ。ややミネラル感が強い。

ノンエイジながらフルボティ、スモーキーでフィニッシュの長い、飲み応えある1本です。

ロングロウ14年 2003〜2018

ロングロウ14年 2003〜2018

2018年にリリースされた限定ボトルはリフィルのオロロソシェリーバットにて14年熟成。

シェリー樽だけで熟成を行った珍しいボトルです。

香りはフルーティさが強く、トフィー、赤リンゴ、いちごジャム。スモーキーさもしっかりあって、いぶりがっこのイメージ。

スモークチキン、いぶりがっこの旨味、チョコレート、蜂蜜、レーズンやオレンジチョコの甘み。

シナモンスパイスが良いアクセントになっています。 

シェリー由来のフルーツとロングロウのスモーキーさが見事に調和した1本です。

世界9000本限定リリース、日本へは僅か600本のみ入荷されました。

どこかで見かけた際にはぜひお試し頂きたいボトルです。

ロングロウ 18年

ロングロウ 18年

オフィシャルよりリリースされている18年もののロングロウ。

リフィルのシェリー樽60%、バーボン樽40%を使用して造られています。

香りは蜂蜜の甘味を纏う落ち着いたスモーキーさ。焦がしたリンゴと麦芽クッキー、少しアマニ油のようなニュアンス。

テクスチャはオイリーで、味わいはどっしりとしています。

クリーミーな口当たりで、熟したプルーンと灰、マスクメロンのようなやや硬質さを感じる甘味の直後にスパイシーなオークのニュアンス。

後半はベイクドオレンジ、ミルクチョコ、ウエハースなどの甘みとスモークベーコンのような風味が鼻腔を抜けます。

まずはスタンダードを試して、気に入ったらこの18年を購入してみてください。

ロングロウ 21年

ロングロウ 21年

こちらは380本限定リリースされた21年もののロングロウ。

使われている原酒はシェリー樽が60%、バーボン樽が40%という構成です。

香りは非常にフレッシュ。パイナップルにマンゴー、煮込んだフルーツ、完熟メロン。そしてスモークしたイベリコ豚のベーコンのような旨味の後、トフィー、ハニーポップコーン。

味わいはドライプラム、ミルクチョコ、バニラアーモンドアイスなどの甘味と松ヤニ、オレンジピールのアクセント。

好みによりますが18年よりもハツラツとした印象を受けました。

スウィート&スモーキー、そしてミネラリー。

〜ロングロウ レッドシリーズ〜

ロングロウ レッドは毎年異なるタイプの赤ワイン樽で仕上げられた個性豊かなカスクストレングスタイプのシリーズです。

カベルネ・ソーヴィニヨン カスク(11年)/第1弾 2013年リリース

ロングロウ レッド カベルネ・ソーヴィニヨン カスク(11年)/第1弾 2013年リリース

こちらはリフィルバーボン樽で7年間熟成した後、オーストラリアのワイナリー、Angove Long Rowのカベルネ・ソーヴィニヨンに使用された樽で4年間追熟したもの。

ロングロウらしいスモーキーかつオイリーな風味に加えラズベリージャムの甘み、ラズベリーやチェリーなど酸味のある赤く黒い果実、ミントなどのハーブのアクセントが感じられる1本です。

オーストラリアン・シラーズ・カスク(11年)/第2弾 2014年リリース

ロングロウ レッド シラーズ・カスク(11年)/第2弾 2014年リリース

リフィルバーボン樽で6年間熟成した後、第1弾同様オーストラリアのAngove Long Rowのシラーズ品種を使ったワイン樽にて5年間追熟、カスクストレングスでボトリングしています。

豊かな葡萄、濃厚プラム、浜辺のバーベキュー、甘い麦芽で、上質なベーコンのピートスモーク、オーク、葡萄が開花します。

アルコールのアタックも少なく、スイスイ飲めるデザートモルトです。

このあたりからレッドの人気がジワジワ出てきたように思えます。

フレッシュ・ポートカスク11年/第3弾 2015年リリース

ロングロウ レッド フレッシュ・ポートカスク11年/第3弾 2015年リリース

こちらはポルトガルの酒精強化ワイン、ポートワインのファーストフィルの樽で11年間熟成し、カスクストレングスにてボトリングしたもの。

香りは濃厚な甘さの中にピリッとしたスパイシーさが感じられます。

味わいはプラム、葡萄、ブラックベリー、レッドルバーブの酸味と甘み、カカオの渋みとナッツの香ばしさも感じられます。

スプリングバンク特有の華やかな原酒にスモーキーさが乗り、さらにタンニンの渋みが加わった見事なバランスの逸品です。

フレッシュ・ピノノワール・カスク/第4弾 2016年リリース

ロングロウ レッド ピノノワール・カスク/第4弾 2016年リリース

バーボン樽で11年間熟成した後、ニュージーランド産ピノ・ノワールの赤ワイン樽で1年間追加熟成を行い、カスクストレングスでボトリングしたもの。

香りはベイクドオレンジ、イチゴ、柚子の甘み、ふわりと広がるスモーク香。

味わいはイチゴジャム、スポンジケーキ、トフィー、蜂蜜などの甘みがメイン。

フィニッシュにロングロウらしいどっしりとしたピートスモークが鼻腔に広がります。

ピノノワール樽の特徴がよく出ているかどうかはわかりませんでした。

マルベックカスク(13年)/第5段 2017年リリース

ロングロウ レッド マルベックカスク(13年)/第5段 2017年リリース

こちらはバーボン樽で12年間熟成後、南アフリカ産マルベックの赤ワイン樽で15ヵ月間追加熟成し、カスクストレングスでボトリングしたもの。

香りは海辺の潮風、チェリー、ブラックベリー、フサスグリなどの後に柔らかなピートスモーク。

味わいはアプリコット、ドライプラム、ブルーベリージャムの甘みの後、強めにスモークしたハムのような旨味が広がります。

フィニッシュはスウィート&スモークと赤ワインのタンニンからくる渋みが絡み合い長い余韻を楽しめます。

カベルネ・フランカスク/第6弾 2018年リリース

ロングロウ レッド カベルネ・フランカスク/第6弾 2018年リリース

こちらはバーボン樽で9年間熟成した後、南アフリカ産カベルネ・フランの赤ワイン樽で2年間追加熟成し、カスクストレングスでボトリングしたもの。

香りは柔らかなピートの後にラズベリー、ストロベリー、バニラアイス、焼きたてのクッキー。

味わいは強めに焦がしたカラメル、トフィー、焼きリンゴ豊かな甘み、ラズベリーなどの甘酸っぱさ、カカオ率の高いビターチョコ、ベーコン様の旨味が広がります。

カベルネ・フラン種由来のエレガントなベリーの味わいとロングロウのピートスモークの絶妙な絡みを楽しめる1本です。

ピノノワール・カスク (12年)/第7弾 2019年リリース

ロングロウ レッド ピノノワール・カスク (12年)/第7弾 2019年リリース

バーボン樽で8年間熟成した後ピノ・ノワール種の赤ワイン樽で3年間追加熟成し、カスクストレングスでボトリングしたもの。

香りはちょっと焦がしたフルーツタルト、リンゴ、麦芽クッキー、マドレーヌ。

味わいはラズベリージャム、クランベリーの赤い果実系のフルーティさ、タバコの葉、最後にふわりと香るエレガントなスモーク香。

華やかなピノ・ノワールとロングロウのスモークが調和しており、第四弾よりもグラマーな印象でした。

ワイン樽の影響は強いのですが、なぜかベーコン入りのマフィンを食べているような感覚にもなりました(笑)

チリアン・カベルネ・ソーヴィニョン・カスク (13年)/第8弾 2020年リリース

ロングロウ レッド チリアン・カベルネ・ソーヴィニョン・カスク (13年)/第8弾 2020年リリース

最初の10年間は​​バーボン樽とリフィルシェリーホグスヘッドの樽で熟成。

その後はカベルネソーヴィニョン樽で3年間熟成させています。

このカベルネソーヴィニョン樽の出所は、チリで最も優れたカベルネを生み出すと言われているアンデス山脈の麓、アルトマイポ。

そこで1993年に創立されたモントグラス社のブランド「イントリガエステート」のものです。

イントリガエステートはパワフルで大胆、個性的なフレーバーを持ちます。

ロングロウのおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

本当になんとなくですが、最近ファンが増えてきたんじゃないかなぁと思っているロングロウ。

近年のスプリングバンクが好きな人はめっちゃ好きだと思います。

ピーティなアイラモルトに比べてテクスチャは非常にオイリーでクリーミー。ドライで刺激的なスプリングバンク蒸溜所の懐刀です。

スタンダードはフレッシュで切れ味が鋭い印象で余韻は短め。胃袋や口内には残りにくい、フラッシュダウン的なパンチを持っています。

夏はハイボールも涼し気でいいと思います。
レモンメレンゲのような甘く硬質的な酸が立っておいしい。
ソーダを入れすぎるとややトーンが高く、味が飛び気味になりますのでそんな時は少しロングロウを足すか、ストレートで味わってみてください。

ロングロウレッドシリーズはワイン樽熟成の限定品です。

僕はあまりワイン樽が得意ではないですが、ロングロウはワイン樽のタンニンと相性がよく、レッドシリーズのバランスは好印象です。
こういった限定シリーズで「あぁ今年のロングロウはニガテだな」とか「前回のワイン樽よりも今回のが好き!」とか自分の好みを着々と知っていけるのは面白い体験です。

発売すると大抵のモルトバーは入れていると思うので、試してみてください。

オールドボトルは1970年代の蒸溜所ラベルやサマローリ、ダンピーボトルが有名です。

特にシェリー樽のものは評価が高く、ラガヴーリン並みの評価を得ている印象です。

表紙写真の19年シングルカスクもリフィルのオロロソシェリーバットなんですが、古酒になるともっとよくなるようなイメージがありました(おいしいけれどパワフルさが前面に出ていてチグハグなところがある)。

こういうグイグイと押してくるパワータイプを落ち着かせて、馴染むのを待つというのもウイスキーの楽しみのひとつです。

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