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ウイスキー駒ケ岳の味やおすすめの種類、飲み方/津貫・屋久島・リミテッドエディション

ウイスキー駒ケ岳の味やおすすめの種類、飲み方/津貫・屋久島・リミテッドエディション




ウイスキー駒ケ岳の概要

駒ケ岳はマルス信州蒸溜所でつくられているモルトウイスキーです。

最近出回っている駒ケ岳は限定品が多く、選び抜いた上質な樽から取り出したものを加水せずそのままボトリングするシングルカスク、カスクストレングスのリリースです。

樽出しのウイスキーで、原酒本来の力強い味わいにこだわったブランドといえますね。

また冒頭であえて「モルトウイスキー」と紹介したのは、ラインナップの中には(例えば10年もの)「ピュアモルト」と表記のものが存在するからです。

ピュアモルトは信州蒸溜所でつくられたモルトウイスキーと、他のグループ蒸溜所でつくられたモルトウイスキーをヴァッティングしてつくられています。
「単一の蒸溜所でつくられていない」ということで、あえてピュアモルト表記にしているというメーカー側の意図があるのです。

ただしこのような変化球的ボトルはほんの1部。
大半はマルス信州蒸溜所でつくられたモルトウイスキーのみを使ったシングルモルトとなります。

近年、岩井喜一郎氏が設計した“岩井式”ポットスチルでつくられた深い味わいの駒ケ岳は国外からも高い評価を受けています。

【掲載写真の一部は本坊酒造様から転載許可をいただいております】

ウイスキー駒ケ岳の発祥と製造場所の紹介、製法

長野県マルス信州蒸溜所

駒ケ岳の原酒は長野県にあるマルス信州蒸溜所にてつくられています。

しかし原酒の熟成に関しては現在3か所のウェアハウスを使用しています。

本坊酒造が所有するウェアハウス(熟成庫)は

  • マルス信州蒸溜所
  • 津貫蒸溜所
  • 屋久島(熟成庫のみ)

の3か所。

標高約800mにあり冬はマイナス15度にもなる信州蒸溜所、九州の最南端鹿児島にある津貫蒸溜所、そして鹿児島から更に南へ60km離れた屋久島。

北から南まで見事にバラバラな場所に建てられています。

本坊酒造では2つの蒸溜所、そして3つのウェアハウスによりさらにバリエーション豊かな原酒の作り分けしているのです。

同じ日本でこれだけ場所が離れていればもちろん気候や環境が大きく異なるため、同じオーク樽でもエイジングの進行が違ってきます。

はてしてどのくらい違いが出るのか?

樽熟成する過程の中で、水分とアルコールが少しずつ蒸発する現象「エンジェル・シェア」を比較してみると年間でかなりの差が出ていることがわかります。

マルスの熟成庫
    • 屋久島…8%
    • 鹿児島…6%
    • 信州…2〜3%

こう見ると南の土地は暑いのでエンジェル・シェアが多いのが見て取れます。

ちなみに気候が異なるということは温度はもちろん、湿度も異なります。

そうなると熟成のスピードが変わり、口当たりや風味に影響を及ぼすのです。

マルスでは今後この3か所で熟成した原酒を使い分けて更に色彩豊かな風味を表現しています。

マルス信州蒸溜所は「岩井の記事」で紹介しましたが、津貫蒸溜所に関してはまだでしたのでこちらに記していくことにしましょう。

2016年設立、最新鋭の津貫蒸溜所

マルスウイスキー第二工場 鹿児島県南さつま市津貫蒸溜所

津貫蒸溜所は2016年、マルスウイスキーの第二工場として鹿児島県南さつま市に設立されました。

国内酒造メーカーで2つ以上蒸溜所を所有するのはサントリー、ニッカウヰスキーに次ぐ快挙といえるでしょう。

これでマルスウイスキーを販売する本坊酒造は

蒸溜所…信州・津貫

ウェアハウス(熟成庫)…信州・津貫・屋久島

という2蒸溜所、3ウェアハウスを所有することになりました。

本坊酒造の社長、本坊氏には「同じ原酒を環境の異なる3つのウェアハウスで熟成させたらどのような違いが出るのか。今後3つの蒸溜所でそれを試し違いを見てみたい」という目論見があります。

津貫という場所は山に囲まれた盆地で年間通して寒暖の差が激しい場所です。

この寒暖差はウイスキーの熟成に少なからず影響を与えるのです。

標高800mの信州、年間通して高温多湿の屋久島、そして盆地で寒暖差の激しい津貫…それぞれ独特の環境下で熟成させその違いを活かしたラインナップを開発しよう、という大胆、そしてスケールのある企画なのです。

津貫蒸溜所の設備

さらに本坊酒造の蒸溜所の特徴といえば、設立当初から来場者が見学できる順路やショップを用意し、試飲アイテムなどを充実させているところ。

マルス信州蒸溜所、津貫蒸溜所ともに観光客の誘致に積極的に取り組んでいるとても“ひらけた”蒸溜所なのです。

津貫蒸溜所では信州蒸溜所となるべく異なるタイプの原酒を製造しようと日々奮闘しています。

麦芽もピート、ノンピートタイプを使い分けしていて、使用する酵母も発酵段階で信州と同じ3タイプの酵母を使い分けしています。

津貫蒸溜所の様子

糖化槽はロイター式でステンレス製(5kl)のもの。
側面に覗き窓がついており、上の泡表面だけでなく横から麦汁のレイヤーの厚みを確認しながら効率よく糖化を進めることができます。

発酵槽はステンレス製で6klのものが5基。

発酵槽に麦汁を移すときには温度を低くし、わざと酵母にとって厳しい環境をつくり発酵を促します。

こうすることでより芳醇な香りのもろみができ上がるそうです。

ポットスチルはタマネギ型のものが初溜・再溜用に各1基ずつ設置されています。

津貫蒸溜所のポットスチル

蒸溜においてもスピリッツにリッチでクリーンな風味を宿すため温度調節を行なっているそうです。

使用する樽は半数がバーボン、残りがシェリー・バージンオーク・ラム・ブランデー、そしてラフロイグ に使用していた樽もあります。

また津貫では樽詰めの温度も研究しており、現在55%〜67%の各アルコール度数のスピリッツを樽詰めのしており、過程・完成をチェックします。

津貫蒸溜所の熟成庫

培ってきたウイスキーづくりのノウハウをより細分化しながら活かすことで、信州とはまた一味違う原酒がつくられるのです。

その個性はこの瞬間も磨きかけられ、輝きを増しています。

ウイスキー駒ケ岳のラインナップ

限定品が多いため生産量が限られている駒ケ岳。

人気商品は通販でもすぐに売り切れてしまいますが、発売間もないものや生産量が比較的多いものはAmazonや楽天でも見つかります。

ここではその一部のみ紹介します。

モルテージ駒ヶ岳 ピュアモルトウイスキー 10年

モルテージ駒ヶ岳 ピュアモルトウイスキー 10年

こちらは概要でも紹介したシングルモルトではない「ピュアモルト」ウイスキー。

使われている原酒はマルス信州蒸溜所と他社で造られたモルトウイスキーを使用しているとのこと。

他社はもちろん企業秘密だそうです。

香りはアンズや洋ナシの甘み、スコーンのようなモルトの香ばしさ、奥に微かなスモーク。

味わいはバニラやレーズンのコク、ウエハースの香ばしさ、プラム、ダークチェリー、ビターチョコ。

フルーティさと品のあるシェリー感がバランス良く同居しているボトルです。

駒ヶ岳 津貫エイジング Bottled in 2019

駒ヶ岳 津貫エイジング Bottled in 2019

2016年に信州蒸溜所で造られた原酒を、津貫蒸溜所の石蔵で熟成してつくられたボトル。

バーボンバレルで熟成されたモルト原酒を主体にヴァッティングしています。

香りは熟したりんご、アプリコット、パイナップルなどのフルーティさに麦芽ウエハースの香ばしさ、バニラの甘やかさ。

味わいはクリーミーかつミルキー、ホイップクリームを乗せたラスク、若いパパイヤ、ナッツ入りのバニラアイス、ミルクチョコレート。

しっかりとしたボディ、リッチな味わいのボトルです。

限定2,382本リリースということで希少価値も高くなっています。

駒ヶ岳 屋久島エイジング Bottled in 2020

駒ヶ岳 屋久島エイジング Bottled in 2020

マルス信州蒸溜所で蒸留し、鹿児島本土より南南西約60kmの海上にある世界自然遺産の島・屋久島で熟成させたシングルモルトウイスキー。

マルス屋久島エージングセラーの中から、バーボンバレルで熟成させた原酒を主体にヴァッティング。

2020年はやや本数の多い3,012本リリース。

年を経るごとによくなっていっている印象で、マルスの酒質を屋久島の温暖な熟成環境によくアジャストしていっている印象です。

ほのかなピートが若々しさを打ち消し、バニラやキャラメルのアロマを引き立たせます。

やや粘性のある口当たりとバナナマフィンのような味わい。

どこかカバランに似た南国フレーバーと深い森を感じさせるハーバルなアロマ。

今後も楽しみな一本です。

駒ヶ岳 屋久島エイジング Bottled in 2019

駒ヶ岳 屋久島エイジング Bottled in 2019

2015年にマルス信州蒸溜所で蒸溜し、本坊酒造が所有する屋久島のウェアハウスで熟成させた2019年リリースの屋久島エイジング。

厳選されたシェリー樽で熟成させた原酒を主体にバーボン樽など複数樽とヴァッティングしています。

香りは少し酸味のあるカカオ比率の高いビターチョコ、カフェオレ、奥からふわりと立ち上がるスモーク。

味わいはチョコレートやガムシロップをたっぷり入れたカフェオレのスイート、コクのあるレーズン、中盤からオレンジとパイナップル、後半はカカオのビター。

シェリー主体、ビター&スイートのバランスが取れたボトルです。

1,760本の希少性の高いボトルです。

駒ヶ岳 ダブルセラーズ Bottled in 2018

駒ヶ岳 ダブルセラーズ Bottled in 2018

こちらは信州蒸溜所で蒸溜した原酒をマルス信州蒸溜所とマルス津貫蒸溜所の2か所で熟成させてつくられたボトルです。

限定3,800本にてリリースされました。

使用樽はバーボンバレルとアメリカンホワイトオークの新樽を主体にヴァッティング。

香りは焼きリンゴ、アプリコット、チェリーの果実味に加えレモンの爽快さ、ピートもほのかに感じられ、焦げたオークのビターが続きます。

味わいはバニラや蜂蜜の甘みが先に来て、後からアプリコット、レーズンのフルーツ、後半にココアのような苦みからシナモンスパイスが訪れます。

気候の異なる場所で熟成させた原酒を掛け合わせることで、実に様々な表情を楽しめるボトルです。

駒ヶ岳 ダブルセラーズ Bottled in 2019

駒ヶ岳 ダブルセラーズ Bottled in 2019

こちらは信州蒸溜所で蒸溜した原酒を異なる2か所の蒸溜所で熟成しヴァッティングする「シングルモルト駒ヶ岳 ダブルセラーズ」の第二弾となります。

各ウェアハウスのエイジングの個性を調和して楽しめるのがこのシリーズの素晴らしい点です。

このボトルでは信州蒸溜所、マルス屋久島エージングセラー、この2か所で熟成された原酒が使われています。

使用樽は

信州…アメリカンホワイトオーク、バーボンバレル、シェリーカスク

屋久島熟成…バーボンバレル

という構成。

香りはカカオの効いたチョコレート、アンズ、シトラス、バニラビーンズ、よく熟成させたレーズン。

味わいはバニラ、ミルクチョコ、レーズン、ウエハース、微かな干し草、クローブのスパイス、余韻は長めのウッディネス。

屋久島熟成からくるスパイシーさとソルティ、複数の樽種やピートの特長を引き出しながらもバランス良く仕上げた1本です。

加水してもおいしい。

シングルモルト駒ヶ岳 リミテッドエディション2019

シングルモルト駒ヶ岳 リミテッドエディション2019

こちらは信州蒸溜所にて蒸溜した原酒を使用、熟成にバーボンバレル・アメリカンホワイトオークで熟成した原酒を主体にヴァッティングして造られています。

2019年、11,497本限定でリリースされました。

香りは浅煎りのコーヒー、ママレードジャム、カリン、アンズ。

味わいはたっぷりと加糖したエスプレッソ、完熟の柿、アンズ、カリンのシトラス感。

コクのある甘みですがしつこくなく、スッキリとした飲み口。

絶妙なバランスのボトルです。

シングルモルト駒ケ岳 リミテッドエディション2018

シングルモルト駒ケ岳 リミテッドエディション2018

こちらは2018年、10,000本限定リリース。

信州蒸溜所で造られた原酒で、3年以上の熟成期間を経た樽の中から良質なバーボン樽とアメリカンホワイトオーク樽を選び抜きヴァッティングしました。

香りは熟したプラム、レーズン、フローラルなバラの花、やさしいピート。

味わいはバニラや黒糖飴の甘み、オレンジピールや桃などの果実感、どっしりとした樽香の長い余韻。

複雑な風味をしっかりとまとめあげた素晴らしき逸品です。

シングルモルト駒ヶ岳1986 AGED 30 YEAR シェリーカスク

シングルモルト駒ヶ岳1986 AGED 30 YEARシェリーカスク

こちらは信州蒸溜所創業翌年(1986年)に蒸溜したモルト原酒を2つのシェリーカスクに詰めて熟成、これをヴァッティングしてつくられた稀少な30年ものの駒ケ岳です。

2016年にボトリングされ619本限定でリリースされています。

香りは華やかで濃縮したリンゴ、熟したプラム、完熟のアンズ、生チョコレート。

味わいはバニラビーンズ、濃厚チョコタルト、アンズ、ウエハース、エスプレッソ。少しだけベビーパウダーのような残り香。

強い樽感がありますが、濃厚で複雑な甘み深いコクを楽しめます。

信州蒸溜所の歴史と共に歩んできたともいえる極上の1本です。

ラベルには日本画家・池永康晟氏の作品「うつふせて泣いたるきみは未だ夏果の微匂ひ・樹子」が描かれています。

なお、同じブレンド比率でカスクストレングスバージョンでリリースされている「シングルモルト駒ケ岳 30年 シェリーカスク ナチュラルカスクストレングス 53%」も存在します。

シングルモルト駒ヶ岳1986 AGED 30 YEARS

シングルモルト駒ヶ岳1986 AGED 30 YEARS

こちらもマルス信州蒸溜所開設の翌年1986年に蒸溜した原酒をアメリカンホワイトオーク樽で熟成、そのうち4樽をヴァッティングしてつくられた30年ものの駒ケ岳です。

2016年に1,137本限定でリリースされています。

アルコール度数61%、カスクストレングスの飲み応えも十分。

ラベルの絵は日本画家・池永康晟氏の作品「泡疼ぐ(あわひいらぐ)・真美」が起用されています。

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駒ケ岳のおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

昨今はリリース直後に売り切れてしまうほどの人気を誇るマルスの人気ブランド「駒ケ岳」。

マルスとは軍神のことを指しますが、まさに戦の神のごとき精力的なリリースを続けています。

比較的手に入りやすいのはマルスが毎年リリースするリミテッドエディションでしょうか。

常に48度に加水調整され、生産量も多いので、通年出荷されるスタンダードボトルとして定着する可能性もあるかなと思います。

ピートをほとんど感じさせないプレーンなオークフレーバーで、スコッチのスペイサイドモルトを彷彿とさせる可憐なウイスキーといったイメージ。

おすすめは飲み方はストレート。

まだまだフレッシュで若い原酒ではありますが、柿やアンズのようなやや和を感じる国産モルト原酒をじっくり感じてみてください。

少量の加水で粗さが落ち着き、マイルドになります。

限定生産なのでリーズナブルとはいえない駒ケ岳ですが、複数の熟成環境や様々な樽の個性がぶつかり合う興味深いリリースが多いブランドです。

屋久島エイジングなどはタイワニーズウイスキーのカバランやインディアンウイスキーのアムルットなどに共通する南国感が感じられます。

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