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キルホーマンを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

スコッチウイスキーキルホーマン

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オーツカ

ざっくり覚える!

キルホーマンはスコットランドの「ウイスキーの聖地」アイラ島で作られているシングルモルトウイスキーです。

創立は2005年。ずっと同じ顔触れだったアイラ島の蒸溜所に、124年ぶりに誕生した新しい蒸溜所でした。

キルホーマン蒸溜所の特徴は、アイラ島で唯一、大麦栽培・製麦・糖化・発酵・蒸溜・熟成・瓶詰というウイスキー造りにおける全工程を自社で行える「100%アイラ産」を可能とした蒸溜所でもあります。

その中でも特筆すべきは原料となる大麦の栽培も行なっている「ファーム・ディスティラリー(農業型蒸溜所)」だということです。
手間、管理事項が増え、生産量は必然的に少量となりますが、現在では新しいキルンも完成し、麦芽の30%近くを自家製麦芽で賄っています。

アイラモルトらしいピート、そしてぎゅっと濃縮したリッチな麦感。ビッグで豊満なボディを持つ、素晴らしいボトルを多くリリースしています。

近年まで1番若手のフレッシュな蒸溜所でしたが、2015年にガートブレック蒸溜所が、2018年にはアードナッホー蒸溜所が設立され、少しずつ先輩の威厳を醸しつつあります。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

生まれも育ちもアイラ島!旨味の詰まったミーティなスモーキーさと、バタークリームの香り、その後に続くシトラスやレモンのようなフルーティ&フローラルさがウリ。
飲み込むとわかるバニラアイスがけのホットケーキや、バターシュガーのクレープのような風味もわかりやすい特徴です。

甘くしっかりしていますが、そこまで飲み疲れません。個人的にはハイボールが断トツでおすすめです。特にファーストフィルバーボン樽のキルホーマンは脳汁が出るほどハイボールがうまいです!

まずは通常ラインナップである「マキヤーベイ」、「サナイグ」、「ロッホゴルム」は必飲です。キルホーマンのハウススタイルを知るためにも、樽の違いを確認しましょう。

機会があれば「100%アイラシリーズ」や「シングルカスクシリーズ」を飲んでみるとよいでしょう。

麦の栽培、製麦、蒸溜、熟成、瓶詰のすべての工程をアイラ島で行った「100%アイラ」シリーズは毎年人気で、2019年末にリリースされた「100%アイラ 9thリリース」から練度が一気に上がったように思えます。パイナップルやレモンキャンディを思わせる南国フレーバーで、8thまでに感じたネガティブなゴム感も感じさせない、良リリースでした。現在は11thまで販売されています。

シングルカスクリリースはどれも高品質で熟成感があります。一時期はファーストフィルバーボン樽ばかりでしたが、シェリー樽熟成のボトルも増えてきました。昨今はこのシェリー樽熟成の評価が高くなってきているように思えます。価格もだんだんと上がってきているので、今のうちに飲んでおいてほしいボトルです。

キルホーマンの発祥と歴史

どこで作られているのか?

キルホーマン蒸溜所

キルホーマン蒸溜所はアイラ島の北西部に位置します。

キルホーマンができるまでブルックラディ が島の最西端にある蒸溜所でしたが、キルホーマン蒸溜所はブルックラディから車を使って西方向に20分ほど先の場所に建てられました。

そのため現在はキルホーマンがアイラ島最西端にある蒸溜所となります。

また海岸から1kmほど離れた場所にあり、海に面して立てられていないところも特徴的です。

キルホーマン蒸留所の近くにある「マキヤーベイ」ビーチは超神秘的

ボウモアやラフロイグ、カリラ、ラガブーリンなどアイラ島にある蒸溜所は大規模なものばかりですが、これらと比較するとキルホーマン蒸溜所はかなり小規模です。

その代わり、大麦の栽培から始まり原酒の精製、熟成、ボトリングに至るまでこだわりがあり、上質なウイスキーを造り上げることに情熱を持っています。

自社の畑を所有して大麦を栽培して管理し、蒸溜所の周辺で採れたピートを使う…これはその昔、スコットランド全域で一般的に行われていた生産方法でした。
スコットランドではもともと小規模に、そして個人的にウイスキーが作られていたからです。

農業が盛んだったスコットランドでは仕事の片手間に自家栽培した大麦を使ってウイスキーをつくっていたといいます。

キルホーマンはそんな旧き良き時代の上質なウイスキーを造ることを第一に、小規模ながら伝統的な農場型蒸溜所にこだわっているのです。

自社の大麦畑を所有している蒸溜所は珍しく、「ファーム・トゥ・グラス(畑からグラスへ)」を唱えるクラフトウイスキーの先駆けとなった蒸溜所です。

キルホーマンの歴史

キルホーマン蒸溜所の歴史はまだ浅く、創立は2005年の12月14日。

創業者はアンソニー・ウィリス氏とロックサイド農場のオーナー、マーク・フレンチ氏の二人。共同出資者として始まりました。

14〜15世紀に建てられた古いケルト十字のそば、ロックサイド・ファーム(農場)で使われていた建物の一部を改装し蒸溜所を建設。

農家のマーク氏が関わっていたのは理由があり、キルホーマン蒸溜所はアイラ産100%にこだわり、ウイスキーの原料となる大麦を栽培しようとしたからです。

それは現在かたちとなり「ファーム・トゥ・グラス」を実現することが出来ました。

創業当時、発酵槽は2基でしたが現在は6基に増設されています。

2009年に記念すべき「INAUGURAL」ファーストリリース。

その後も質の高いボトルを次々にリリースしています。

2011年にはボトリングの設備を取り入れ大麦作り〜蒸溜〜ボトリングまでの全工程を行えるようになりました。

2015年にマーク氏が引退。その後アンソニー氏が代表を務めています。マーク氏が大麦を作る農業からも手を引いてしまったため、現在はアンソニーさんが蒸溜所と農家を兼任し多忙な日々を送っています。

2019年には世界的なアイラモルトブームを受け、売り上げが急増。生産設備を倍増しています。

ビジターセンターもリニューアル。すごく広くてすばらしい。

キルホーマンの製法(作り方)

使用される大麦のうち25%が自社栽培したものを使用。

使われる製麦所はポートエレン製麦所と自社の2つを利用しています。

フェノール値は

  • ポートエレン製 50ppm
  • 自社製 25ppm

となりキルホーマンではそれぞれの麦芽を混ぜることなく別々に仕込みます。

蒸溜所では昔ながらのフロアモルティグを行い、麦芽づくりしています。

年間に使用する麦芽の量は350トン。こちらは同じアイラ島の巨大蒸溜所「カリラ蒸溜所」で使用する麦芽の2週間分にも及びません。

製麦はワンバッチ 2トンで、浸麦に3日、フロア5日、計8日で行います。

使用するピートは地元アイラ産、乾燥はピートの焚きつけが7〜8時間、その後35時間は熱風にて行われます。

マッシュタンのサイズは1.2トン、仕込みは週に5回。
糖化槽はセミロイタータン製で一度に抽出される麦汁の量は約6,000リットル。
これに15kgのマウリ製のイースト菌を加えて醗酵させます。

もろみのアルコール度数は7〜7.5%。

醗酵槽は全てステンレス製が計6基、ポットスチルは初溜・再溜の計2基が設置されています。ちなみに、糖化槽、発酵槽、スチルに至るまですべてフォーサイス社製のものに統一されています。

2019年には生産設備を倍増し、新マッシュタンと6基のステンレス発酵槽、そして2基のスチルを導入し、まったく同じ蒸溜設備を整えました(2倍!)。

キルホーマンの初溜・再溜に要する時間はどちらも 3時間半程度、再留は 5分がヘッド、1時間がハート(ミドルカット)、 2時間がテールという具合に分けられます。

再溜されるアルコールのうち全体の74〜68%が、ミドルカットの分量となり、樽詰めされていきます。

キルホーマンはアイラ島にある他の蒸溜所よりもミドルカットの時間を短縮し、テールの部分をカットしています。
これはテール部分を除くことにより、原酒の熟成スピードを上げるためといわれています。
スピーディに熟成感を持った製品をリリースしたいと考えたからでしょうか。

熟成に使用する樽の8割はバッファロートレースのフレッシュバーボンカスク。こちらはピートの乗り(味わい)が良くわかるという理由から使われています。
その他、オロロソシェリー樽や、マディラ・ワイン樽の熟成も試みています。

なおキルホーマンは自社でボトリングも行える数少ない蒸溜所のひとつです。

スタッフが常駐しており、レーンにボトルを置くと自動的にウイスキーが詰められ、栓がされていきます。

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ウイスキー「キルホーマン」のラインナップ 

キルホーマン マキヤーベイ

こちらは3〜5年熟成した原酒をバランス良くヴァッティングし、つくられたボトル。

ラインナップの中ではスタンダードに近い存在のボトルです。

マキヤーベイとはキルホーマン蒸溜所から800mほど距離に位置するアイラ島で最も美しいといわれるビーチの呼び名。

香りはアイラモルトを象徴するかのうような正露丸、力強いピート、焚き火の後の岩場のようなスモークを感じます。

味わいはヨードとスモークを感じますがシトラス、レモンピールなどの爽やか路線の風味もあり、バニラの甘みもしっかりと感じる複雑さを持ち合わせています。

ボディはミディアム、滑らかな舌触りでフレッシュかつピーティな印象のボトルです。

キルホーマン サナイグ

「マキヤーベイ」はバーボン樽の個性を前に出していますが、このサナイグは対照的に、オロロソシェリー樽の特徴を活かしたボトルとなります。

サナイグはキルホーマン蒸溜所から北西に位置する小さな入り江の名前。
とても静かな入り江で華やかなサンドビーチ「マキヤーベイ」と対照的な場所であることからこの名前が付けられました。

香りはキャラメル、ベイクドオレンジ、マーマレードの甘さと、どっしりとしたピート&スモーキー。

味わいはトフィー、チョコ、塩キャラメルの濃厚な甘み、オレンジピール、パイナップルの爽やかさ、全体をスモークが包み込むイメージです。

キルホーマン ロッホ・ゴルム

こちらは年に1回リリースされるシェリー樽を使った限定品ボトルです。

キルホーマンでは生産量の8割がバーボンバレルを使って熟成させているため、シェリー樽を使った原酒は希少となります。

オロロソシェリーバットのみを使用した7〜8年熟成の原酒が使われています。

ヘビーピーテッドならではのスモーキー、ヨードに加えシェリー樽からくるドライフルーツやカカオの甘みとほろ苦さが加わったボトルで、香りはピートに加えビターチョコ、ラムレーズンを感じます。

味わいはドライフルーツ、プラム、ビターチョコの甘みとスモーキー&ヨードが鼻孔を抜けます。

後半はシナモン、クローブのスパイシー甘く豊かな余韻が長く続きます。

キルホーマン ポートカスク

こちらはポルトガル産酒精強化ワインのルビーポートの樽で熟成した原酒を使ったカスクストレングスタイプのボトルです。

短期間のフィニッシュではなく、熟成時間の全てを強化ワイン樽に詰め、寝かせています。

そのためキルホーマンのスモーキーでリッチな味わいに強化ワインならではのフルーツティ、特にベリーが加わり見事に調和しています。

香りはレーズン、ドライベリー、シトラス、力強いピート&スモーク。

味わいはジャム、砂糖漬けのレモンピール、バニラクリーム、などの甘みがメインですがシナモン・クローブのアクセントがあります。

塩気を伴ったキャラメルの甘さにピート・ヨードがゆっくりと溶け込んでいきます。

キルホーマン ソーテルヌカスク

世界で10,000本のリリースで、日本へは480本の限定入荷のボトル。

ヘビーピーテッド麦芽を使用し、バーボンバレルで5年間熟成後、大貴腐ワインの一つ、ボルドーのソーテルヌワインの空き樽で5カ月間追熟したボトル。

アイラ島特有のピートスモークの中に、華やかなパイナップルやシトラスのやや酸のあるアロマが感じられます。

味わいはリンゴのコンポート、シナモン、甘草、塩キャラメル、ナツメグ。

ハチミツの甘やかなフィニッシュを伴い、ゆったりと流れる舌触りを楽しめます。

キルホーマン シングルカスクシリーズ

毎年限定本数でリリースされるキルホーマンのシングルカスクシリーズ。朱を帯びたラベルが印象的です。

これまでにバーボンバレルやシェリーバット、ソーテルヌカスクフィニッシュなどがリリースされています。
(ちなみに上記は「キルホーマン2008年1st10年シングルカスク」という商品。)

シングルカスクシリーズは原酒を単一樽から取り出しそのままボトリングしたもので、カスクストレングスでボトリングされています。

シングルカスクなので、味わいやキャラクターはそれぞれに異なります。

リリース本数が少ない人気商品ですが、愛飲家たちの評価は軒並み高い作品でもあります。

キルホーマン INAUGURAL 100% ISLAY

2009年9月9日には、ファーストリリースのボトル。

「INAUGURAL」とは就任、または就任式を意味します。

バッファロートレースに使用されていたであろうバーボンの樽で3年間熟成後、半年間シェリーの樽で後熟してつくられました。

香りはアイラモルトらしいピートと正露丸のヨードがしっかりと感じられます。

味わいもアイラモルトならではのしっかりピーティなのですがレモンのような若くて爽やかな酸味が感じられます。

熟成年数が少ないためアルコールの刺激は否めませんが中間にはバニラの甘みがあり、荒々しくもクリーミーな印象を持ちます。

8,450本の限定ボトル。キルホーマンが目指した方向性が感じ取れる作品です。

 

オーツカ

「若いウイスキーは美味しくない」という思い込みを覆そうとしたアイラモルトウイスキー界の新生キルホーマン。「100%アイラ産」というコンセプトを武器に、見事その野望を叶えたと思います。

今後20年、30年と時を経た際に、どんな風に昇華していくのか楽しみなブランドです。




最高品質のショットグラスで刻む、至高のウイスキータイム。

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