ラガヴーリンの味やおすすめの種類や銘柄、おいしい飲み方をご紹介

ラガヴーリンのグラス

ラガヴーリンの概要

ラガヴーリンはスコットランドのアイラ島で作られるシングルモルトウイスキーです。

独特の薬品香と分厚い骨格を持つアイラ島を代表するウイスキーで、その極めてスモーキーかつピーティな味わいは「正露丸の味がする!」とも揶揄され、好きか嫌いかがはっきり分かれるウイスキーでもあります。

ラガヴーリンという名前は「湿地の中の粉挽き小山」という意味をもち、蒸溜所一帯は昔からの湿地帯で、蒸溜所の目の前にあるのはラガヴーリン湾が広がります。

その為、蒸溜所にも同じ名前が付けられたのでしょう。

地元の島民にも古くから愛されるウイスキーでラフロイグとボウモアに抜かれるまではアイラ島で最も飲まれていたウイスキーでした。

 

ラガヴーリンの発祥と製造場所の紹介

ラガヴーリン蒸溜所はアイラ島南の玄関口ポートエレン港から海岸沿いに東へ4kmほど進んだ場所にあります。

ラガヴーリン蒸溜所としての正式な稼働は1816年ですが、1700年代には既にこの一帯に密造酒造の蒸溜所が10箇所ほど存在したという記録が残されています。

一帯は湿地帯で、深い場所になると腰の位置まで浸水するような深度になるといいます。

蒸溜所前にはラガヴーリンをキーモルトとしているホワイトホースの看板があり、その存在感をアピールしています。

それもそのはず、ラガヴーリンはホワイトホースの創業者ピーター・マッキーがウイスキー造りを学んだ蒸溜所としても知られています。

蒸溜所の目の前にはラガヴーリン湾の大パノラマ。
蒸溜所はこの湾に面して建てられており、美しい景観を誇ります。

仕込みに使われている水はソラン湖の湧水。

ぶ厚いピートの地層をろ過するようにしてくぐり抜けてきたこの水もラガヴーリンの風味に欠かせない一要素です。

美しい自然の景観と清らかな水に恵まれたこの土地で、アイラの巨人はすくすくと育まれています。

ラガヴーリンの歴史

ラガヴーリン蒸溜所は1816年から稼働しており、その歴史はなんと200年以上!

日本ではまだ江戸時代、文化13年。明治が始まるなんと52年も前の出来事です。

因みにアイラ島の最古の蒸溜所はボウモアの1779年、ついでにアードベッグの1815年。次いでラガヴーリンは3番目に古い蒸溜所ということになります。日本の発展と比べると差を感じますね。

創業者はジョン・ジョンストンですが彼の死後に何度かの買収があり、1889年に蒸溜所を買い取ったのがジェームズ・ローガン・マッキーでした。
彼はホワイトホース創業者ピーター・マッキーの叔父にあたります。

叔父ジェームズが運営するラガヴーリン蒸溜所でピーターはウイスキーのイロハを学びます。
ジェームズ亡き後は蒸溜所長にも就任しました。

そして独立後、ウイスキーづくりを学んだラガヴーリン蒸留所の原酒をキーモルトに、伝説のブレンデッドウイスキー「ホワイトホース」を作り上げるのです。

ラガヴーリンに対するピーター・マッキーの熱い思いが感じられる、感動的な話ですね。

1927年になるとDCL(Distillers Company Ltd)により買収されその流れでギネス→現在はディアジオ社の傘下として製造を行っています。

そんなラガヴーリンが世界に知られたのは1988年。

旧UD社(現ディアジオ社)のクラシックモルト6種にラガヴーリンが選ばれ、アイラ島を代表するモルトとして全世界に向けたマーケティングが展開されました。

これがきっかけとなりシングルモルト人気と相乗してラガヴーリンの名は全世界に広まっていきます。

また翌年の1989年、ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン氏が出版した「モルトウイスキー・コンパニオン」にてラガヴーリンのことを「アイラの巨人」「まるでラプサンスーチョンのようにスモーキー」と絶賛し、人気の高まりに拍車をかけることとなりました。

ちなみにラプサンスーチョンとは中国産の非常にスモーキーな紅茶で、紅茶好きの英国人が好んで飲む通好みの紅茶のこと。

この絶妙な例え。さすがマイケル氏!と叫びたくなるポイントですね!

好調に見えたラガヴーリンでしたが、1990年〜2000年にかけて売り上げ量がラフロイグとボウモアに抜かれてしまいます。

その理由は、スタンダードボトルの熟成年数にありました。

ラガヴーリンはホワイトホースなどのブレンデッドウイスキーに原酒を提供している他、シングルモルトも最低16年熟成してからリリースしている為、需要に対する生産量が追いつかなくなってしまったのです。

ラフロイグは10年、ボウモアは12年熟成したものをスタンダードとしていた為、回転効率がいいわけですね。この結果は仕方がないとしかいいようがありません。

また1980年代の不況時代には、週に2日しか蒸溜所が稼動できないということも影響して、2000年になると16年ものの原酒が枯渇するという深刻な事態に陥ってしまいます。

その結果、1990年になると売り上げはボウモアとラフロイグに抜かれてしまったのです。

現在の販売数量は

ラフロイグが350万本

ボウモアが200万本

ラガヴーリンが190万本

という結果。

その次にはアードベッグが年間100万本に迫っている状況です。

ウイスキーの小瓶売り

ラガヴーリンの製法(作り方)

原酒の仕込みはワンバッチ4.4トン。

麦芽は1974年まで自社にてフロアモルティングを行なっていましたが、現在はポートエレン製麦所で作られたものを使用しています。
ポートエレン製麦所は旧UD社(現ディアジオ社)が建てたもので、カリラやラガヴーリンなど自社の蒸溜所のほかにアイラ島全域の蒸溜所のモルトを供給するために建てられた製麦所でした。

ラガヴーリン用の麦芽は16時間かけてピートを焚きながら発芽させたもので、フェノール値34〜38ppm程度のヘビリーピーテッドに仕上げられています。

この麦芽の香りがラガヴーリンのスモーキーな風味を決定づけます。

マッシュタンはステンレス製のフルローイタータンで得られる麦汁は21,000リットルと大容量です。

使用されている酵母は英国本土から専用のタンクローリーで運ばれるマウリ社製のイーストリキッド。

発酵時間は55時間でアルコール分9%のもろみが生成されます。

発酵槽はカラマツ製のものが計10基、ポットスチルは玉ねぎ型のものが4基設置されており、初溜2基・再溜2基となります。

スチルはいずれもストレートヘッドのタイプのものでラインアームはかなり急で下向きに伸びています。

このスチルの形状やラインアーム、そして初溜に5時間、再溜に10時間というスローディスティレーションが、ラガヴーリンのスモーキーかつ図太くフルーティな味わいを原酒に与えているといわれています。

熟成に使用されている樽はアメリカンオークのバーボン樽、そしてヨーロピアンオークのシェリー樽です。

それぞれの樽で熟成させた原酒を掛け合わせボトリングされていきます。

ウイスキー「ラガヴーリン」のラインナップ 

ラガヴーリン 16年

16年以上の原酒を掛け合わせてつくられたスタンダード的位置づけのボトル。

スタンダードで16年熟成というのは珍しく、非常に完成度の高い人気商品でもあります。

ドライでスモーキー、ヨード臭と潮の風味が上手くまとまり、シェリー樽からくる甘味・フルーティがうまく同居しているスタンダードにして傑作ともいえるべきボトル。
一度口にすれば記憶に残る銘柄となるのは間違いありません。

蒸溜所からは「16年物には、シェリー樽を使用していない」と公表していますが、ウイスキー愛好家達の間ではセカンドフィル(シェリー樽の再々使用)以降の樽を使用しているとのではないか…という憶測が立てられています。

香りは薬箱や歯医者を彷彿とさせるような薬品香、しかし奥にはバニラと花の蜜が潜みます。

味わいも実にスモーキー&ピーティ、そして正露丸のヨード香、磯の香りが一気に押し寄せます。

その後におそらくシェリー樽からであろうドライフルーツ、バニラのような甘みもしっかりと感じられます。

ラガヴーリン 8年 200周年記念ボトル

こちらはラガヴーリン蒸溜所創業200周年を記念してリリースされた限定ボトル。

2018年5月からは通常ラインナップ化しています。

伝説のウイスキーライター、アルフレッド・バーナード氏が1887年にラガヴーリン蒸溜所を訪れ、8年物をテイスティングし絶賛したという逸話が残っています。

色は薄いですが、強烈なスモーキー&ピーティ&ヨードが香ります。

中間にフレッシュなオレンジ、ドライアプリコットといったフルーツ。若葉やアーモンドのこうばしい香りを感じます。

味わいはスタンダーに比べるとフレッシュな風味。

力強いモルティーさ、生ハム、甘さを抑えた麦芽クッキー、奥にオレンジを感じます。

16年ものに比べると8年も若い原酒を使っているにも関わらずアルコールの刺激はあまり無く、とろみのある厚めのボディが印象的。

スモーキー&ピーティは健在ですがスタンダードに比べるとやや甘みが抑えられています。

ラガヴーリン ダブルマチュアード

こちらミレニアムにリリースされたUDV社のクラシックモルトシリーズ。

2016年まで販売されました。

「ダブルマチュアード」とは、『二種類の樽で熟成させた』という意味合い。

通常のバーボン樽で熟成させた後、ペドロヒメネスのシェリー樽にて追熟したものと考えられています。

スタンダードの16年物に極甘口のシェリー、ペドロヒメネスからくるレーズン、ドライプラムなどの濃厚な甘みが追加されてコクが増した印象のボトル。

揮発性のオーキーな香りの中に、ラガヴーリンらしいスモーキーさとピーティさ。そしてアプリコット、レーズン。

口に含むとスモーキーと一緒にレーズンの甘みが押し寄せます。

バニラアイスにドライフルーツをかけ、それをバーナーで炙ったような味わいです。

のど越しはかなりビター。余韻ではヨード香で口の中が満たされます。

ボウモアとも異なるアイラ系のフルーティさを堪能できる良くできたボトルです。

ラガヴーリン 12年 リミテッドエディション

ラガヴーリンのリミテッドエディションと銘打たれた12年物。

酒齢12年以上、状態の良い樽の原酒のみが選ばれそれらを掛け合わせています。

樽出しのカスクストレングスの仕様で、アルコール度数も55〜58度と非常に高めです。

香りはクリアでフルーティ。バニラをサンドしたクッキー、パイプタバコ、心地よい煙のアロマです。

味わいは、オフィシャル16年物の個性をそのままグッと前に押し出したダイナミックな味わいとなります。

まさにラガヴーリン蒸溜所の真骨頂。ごまかしのない原酒の強さが分かる逸品です。

ラガヴーリン 21年

ヨーロピアン・オーク樽のスパニッシュ・シェリー樽で21年以上熟成させた原酒を使用し作られたボトル。

6642本の限定モデルです。

長期熟成からくる樽の影響と、経年によるまろやかさ、濃い甘み。

「アイラの巨人」を地で行く、まさに圧巻の味わいです。

やや硫黄を感じる中に、サンダルウッドや松のような繊細な樹木の香り。

口当たりは極厚のフルボディ。濃厚なカラメルソース、ラムレーズン、完熟ブラックベリー。

バニラアイスに焦がしたカラメルソースをトッピングしたような風味を楽しめます。

香りと甘みの絶妙なバランスを楽しめる素晴らしき1本です。

ラガヴーリン 25年

ラガヴーリン創業200周年を祝ってリリースされたプレミアムボトル。

シェリー樽で25年以上熟成した原酒が使われ、カスクストレングスにてボトリングされています。

円熟したブランデーのような古酒感、シェリーからくるプラムをはじめとしたドライフルーツの甘み。

ラガヴーリンらしいスモーキーさヨードも丸みを帯びて、上品さ華やかさが数段増しています。

後半はピートの中に、ハーバルな薬草、そしてカカオのビター。

シェリー樽をイメージさせる深くて長い余韻もさすが25年ものだけあります。

オレンジ、レーズン、アプリコットなどの分厚いフルーティさも感じることができる多層的な一本です。

ラガヴーリンのおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

数あるスコッチの中でも最も分厚い骨格を持つ、ヘビーなウイスキーでしょう。

まさに巨人。非常にわかりやすい、「これがフルボディだ!」と言わんばかりの強烈なフレーバーを持っています。

アイラモルトの中では、ボウモアから始まり、ラフロイグ、アードベッグなどを経由してラガヴーリンにたどり着く方が多く、好きな人は病みつきになる中毒性を持っています。

飲み方のコツとしては、酒席の「後半に飲むべきウイスキー」ということでしょう。

圧倒的なスモーキーさ、ボディの強さ、シェリー樽の濃厚なフルーティさは、早いうちに飲むと舌がマヒします。

色々なお酒を楽しんだ後、じっくり最後の一杯に選択すれば、非常に満足度の高い夜を締めくくれることでしょう。

ストレート、トワイスアップといった飲み方が基本となりますが、少し重めなハイボールを楽しみたいという方には、ホワイトホースのソーダ割りの上にラガヴーリンを少しだけフロートする「スーパーハイボール」という飲み方もおすすめです。

他にもIPAやスタウトビールなどとも相性がよく、ビールをチェイサーにラガヴーリンをちびちびやるという通な飲み方をする酒豪の方もいます。

21年、25年は貴重な品です。運が良ければ飲めると思うので、ぜひBARを探索してみてください。

ちなみにオーツカは以前飲んだOB15年のセラミックデキャンタのフルーティな味わいに惚れてしまいました。

ラガヴーリン15年

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