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アードベッグの味やおすすめの種類/おいしい飲み方/10年・ウーガダール・コリーヴレッカン・アンオー

アードベッグ10年・ウーガダール・コリーヴレッカン・アンオー




煙りに包まれた甘美な咆哮。アードベッグの概要

アードベッグはアイラ島南部に位置する岬で製造されているシングルモルト・ウイスキーです。

アードベッグの特徴は磯臭さ、そして強烈なスモーク&ピート香です。

同じアイラモルトではラフロイグもかなり強烈ですが、スモーキーさでいけば断然アードベッグが上です。

ウイスキーのスモーキーさを計測するフェノール値を見ると、ラフロイグが40~45ppmに対してアードベッグが55ppm

まさにアイラモルト代表する強烈な個性を持つシングルモルトだということです。

ただし、ただ煙たくてピート臭いウイスキーというわけではありません。

ボディ、モルト感は厚く、オイリーでしっとりとしていますが、意外なほどフルーティで爽やかな余韻を楽しめます。

確かにとっつきにくい香りではありますが、その味わいの奥深さも底知れぬポテンシャルもったウイスキーなのです。

ページのラストには3種類の「アードベッグを少しずつ体験できるウイスキーセット」をご用意

ぜひお試しください。

アードベッグの発祥と製造場所の紹介

アードベッグとはゲール語で「小さな岬」や「小さな丘」を意味し、蒸溜所が建つその場所からこのように命名されました。

そしてここに初めて蒸溜上ができたのは1794年。あれ?冒頭でアードベッグって1815年創業って言ってなかっけ?とお思いでしょう。

それは確かにその通り、事実です。

実はアードベッグ蒸溜所が出来る前に前身となる蒸溜所が建てられていたのです。

しかしこの蒸溜所、当時多かった密造酒のひとつで、政府に見つかり廃業へ…。

その後に建てられのがアードベッグ蒸溜所だったということです。

アードベッグの歴史

Ardbeg workforce, 1850s/1860s: Colin Hay is thought to be the large figure near the middle, with a dog at his feet (Photo: The Museum of Islay Life)

蒸溜所ができたのは今から200年以上前の1815年、創業者のジョン・マクドーガルによって建てられました。

創業から20世紀に入るまで、度重なるオーナーチェンジが行われ、運営が難航を極めた1980年には遂に生産中止となってしまいます。

歴史を辿ると…

 

1815年~1970年

創業以降、約150年は同族経営を行う。

1973年

カナディアン・クラブで有名なハイラム・ウォーカーとDCL(Distillers Company Ltd.)が共同で蒸溜所を買収、1977年  ハイラム・ウォーカーがDCL所有の株式を買取り、正式にハイラム・ウォーカーがオーナーになる。

1981年

操業停止。

1987年

アライド・ライオンズがハイラム・ウォーカーを買収、1989年に操業を再開。

1996年

アライド・ライオンズがアードベッグ蒸溜所の売却を決定、操業を停止。

1997年

グレンモーレンジィ社がアードベッグ蒸溜所を買収、操業再開。この頃から安定して製造が行われるようになる。

2004年

グレンモーレンジィ社がモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の参加になりアードベッグ蒸溜所の実質的なオーナーとなる。

 

というわけで実質的に廃業に追い込まれたのを復活させたのはグレンモーレンジィ社だったということ。

現在はモエ・ヘネシー社がオーナーですが製造の鍵を握っているのは子会社となるグレンモーレンジィ社であることは間違いありません。

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アードベッグの製法(作り方)

製法で特筆すべき点は、「ノンチルフィルタード」を取り入れているところ。

一般的なウイスキーは「チルフィルタード」といって、原酒を冷却濾過させます。

樽で熟成したウイスキー原酒は、温度が低くなると溶け込んでいる香味成分の一部が飽和状態となって白濁し沈殿します。

発生した沈殿物は不純物とみなされてしまう為フィルターで濾して取り除きます。

この工程をチル(冷却)・フィルタード(濾過)といいます。

 

しかしアードベッグで行われているのはノン・チル…というとで、冷却濾過を行わない製法のことを指します。

『それって沈殿物が浮いたままなんじゃないの?』と疑問に思うかもしれません。

確かに、ノンチルフィルタードのウイスキーでは微量の沈殿物の混入はいなめません。

しかし、冷却濾過して取り除いた不溶性分には樽や原料から由来する香り成分も含まれます。

それなら敢えて冷却濾過せずそのままの旨味を味わってもらおう、というのがノンチルフィルタードなのです。

 

ざっくり言えば

「美味しいから多少の澱(おり)は我慢して!」

ということです。

 

個人的にもアードベッグ楽しむなら澱まで味わおう!くらいの大らかな気持ちでお願いしたいと思います。笑

それに常温ではしっかりフィルターにかけているので、樽の破片など明らかな不用な物がボトルに入っていることはありません。(ご安心ください!)

またアードベッグはアイラ島の上質なピート層で濾過されたウーガダール湖の水を仕込み水で使用しています。

この水は「黒い水」と呼ばれており、アードベッグの旨味を十二分に引き出す鍵となっています。

アードベッグは好き・嫌い、がハッキリ分かれるウイスキーではありますが、その魅力にはまってしまうと病み付きになってしまう…そんなクセのあるウイスキーです。

ウイスキー「アードベッグ」のラインナップ

ウイスキーの飲み進めの基本は『縦飲み』です。

垂直飲みともいいますが、同じ銘柄で年代の違うものを飲み比べていきます。

同じ銘柄であれば、基本的な味の傾向が共通しているため、失敗が少ないからです。

オーツカ
まず、僕が現在販売中である『アードベッグ』のラインナップ、及び過去販売されていたボトルなどをご紹介していきます。

既に終売してしまった銘柄、原酒不足のため休売してしまった銘柄なども随時更新する予定です。

過去のものでも個性や特徴は引き継いでいるものが多いので、参考になさってください。

アードベッグ 10年

アードベッグ 10年

こちらはファーストフィルとセカンドフィルのバーボン樽で10年以上熟成させた原酒をヴァッティングしたボトルです。

アルコール度数は46度とオフィシャルボトルのスタンダード品としてはやや高め。

口に含んだ瞬間アイラモルトを象徴するかのような強いヨード・ピート・タバコに近いスモーク、そして磯臭さが口中に広がります。

しかし、これらが通り過ぎてからしっかりとしたモルト感、バニラ、青リンゴ、レモンピール、ほのかにウエハースが余韻として残ります。

入り口は強烈ですが、余韻は甘く爽やか。

アードベッグファンはこの2面性を楽しんでいると言えます。

2008年にはワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

アードベッグ アン・オー

アードベッグ アン・オー

バーボン樽、PX(ペドロ・ヒメネス)シェリー樽、アメリカンオーク新樽でそれぞれ熟成させた原酒をヴァッティングしたボトル。

アルコール度数は46度、年数表記は非公開、つまりノンエイジです。

アードベッグ10年と比較すると元来の強いヨード・スモーキーさを引き継ぎながらもペドロヒメネスの甘み、レーズン感、さらにアメリカンオークの新樽からくるであろうスパイシーさが特徴的なボトルです。

10年よりも甘さが前に来て、まろやかな味わいとなり、強烈なクセは少し引っ込んだ印象を受けます。

スタンダードよりは値が張りますが、アードベッグを初めて飲む方はこちらを入り口にするのもよいでしょう。

アードベッグ ウーガダール

アードベッグ ウーガダール

こちらはバーボン樽(アメリカンオーク)、オロロソ・シェリー樽(ヨーロピアンオーク)、この2つの樽でそれぞれ熟成させた原酒をヴァッティングしたボトル。

酒齢は非公開、こちらもノンエイジとなりますがアルコール度数は54.2度とかなり高めです。

ただし、カスクストレングスではなく、若干の加水を行っているようです。

オロロソ・シェリー樽からくる甘み、そして爽やかな酸味が加わったスモーキー&スウィートな一本です。

とはいえ、アードベッグらしい強い燻煙香は健在。

ガツンとしたスモーキーさを味わった後に、まるでご褒美かのように甘美なフルーツ感が訪れる、そんなボトルです。

ウーガダールとは上記した通り、仕込み水を使用している湖の名前。

ゲール語で「暗くて神秘的な場所」という意味があるそうですが、まさしくそれを表したかのような味わいです。

2009年にはワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

アードベッグ コリーヴレッカン

アードベッグ コリーヴレッカン

コリーヴレッカンはバーボン樽(アメリカンオーク)、フレンチオーク新樽の2つの樽で熟成させた原酒をヴァッティングしたボトルです。

上記で紹介したウーガダールが元来のスモーキーさに甘みを加えたものに対し、こちらはフレンチオークの新樽からくるスパイシーで力強い味わいが印象的なボトルです。

こちらも年数表記なしのノンエイジ、アルコール度数は57.1度。

ラベルにカスクストレングスの記載はないものの非常に高い度数で凝縮感があります。

ヨード・ピート・スモークに更にスパイシーさを与えた、地響く咆哮かのような激しい味わいのボトルです。

ちなみにコリーヴレッカンとはアイラ島に近いジュラ島とスカバ島に挟まれた海峡の名前。

荒々しい潮の流れがあり、ラベルに書かれるように渦潮が現れるそうです。

2010年にWorld’s Best Single Malt Whiskyで受賞歴がある評価の高いボトルです。

アードベッグ パーペチューム

アードベッグ パーペチューム

パーぺチュームは2015年にアードベッグ蒸溜所創業200周年を記念して作られた限定ボトル。

世界経済の変化により経営情勢が揺らぎ、幾度と操業が止まる危機に直面しながらも創業当時から行われていた泥炭を用いた伝統的製法で風味・個性を守ってきたアードベッグ蒸溜所。

ラテン語で「永久」を意味するパーペチューム。

200年という節目を祝いつくられた記念ボトルです。

  • アメリカンオークのバーボン樽
  • ヨーロピアン・オークのシェリー樽

の2つの樽熟成した原酒をヴァッティングして作られました。

香りは豊満かつ大胆。アードベッグらしいピートと燻煙香が鼻を覆います。

しかし口に含むと煙の後にシナモン・ナツメグ、さらにはコリアンダーの種のようなスパイス。そして滑らかでクリーミーなバニラ・ホワイトチョコのニュアンスが追いかけ奇跡的なバランスの風味となります。

余韻は仄かにシェリー樽由来のタンニンを感じさせる渋みのニュアンス。そして鼻腔に残るはアイラの煙です。

アードベッグ グルーヴス

アードベッグ グルーヴス

こちらは2018年6月にリリーされたボトル。

アイラ島では毎年5月最終週から6月第1週にかけて、ウイスキーの祭典「アイラ・ウイスキー・フェスティバル」が開催され、期間中は日替わりで各蒸溜所が施設を開放します。

これはオープン・デーと呼ばれ、各蒸溜所はその日にしか買えない限定ボトルなどを販売する為、期間中は世界中のモルトファンがアイラ島に集まります。

そしてこの期間最終日のオープン・デーがアードベッグ蒸溜所の日で、別名「アードベッグ・デー」と呼ばれています。

そして同蒸溜所からは毎年アードベッグ・デーに合わせて毎年限定ボトルリリースしており、グルーヴスは2018年の記念ボトルとなります。

2018年のテーマは“ラブ&ピート”。

特徴としては蒸溜所で作られた原酒を木の表面までしっかり跡がつくほど焦げ付かせたワイン樽で熟成させた点。

香りはいつものアードベッグらしいピーティ・スモーキーさに加え洋梨や青リンゴの香りが潜み、口に含むとこれらのフルーツ感が開きます。もちろん余韻はスモーキーですが、ワイン樽からくる渋みや酸、柑橘系の複雑さを兼ね揃えたボトルです。

パッケージのイメージ通り、飲んでいて楽しくなるたくさんのヒントをもたらしてくれるアードベッグ。

アードベッグのおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

日本でも熱烈なファン(アードベギャン)を持つアードベッグ。

麦芽に焚きこむピート度合いは業界一とも言われ、スモーキーでピーティなヨード香から感じられる潮のニュアンスが特徴。

ただ煙たいわけではなく、その裏にクリーミーなバニラの味わいやリンゴや柑橘のスイートな甘味を隠すおいしくニクイウイスキー。

おすすめの飲み方は俄然ストレート。
加水やロックではこの甘さとスモーキーのマリアージュの真骨頂は確かめられないでしょう。

むしろグラスにこだわって、リムが薄くステムの長いテイスティンググラスから、背の低いショットグラスまで試してみましょう。アードベッグはグラスの口当たりでかなり味が変化します。お試しあれ。

 

オフィシャルボトルではウーガダールが完成度高く、ファンの評価も高いのでスタンダード10年を味わった後はぜひ飲み進めてみてください。

オールドボトルでは1970年代ヴィンテージのアードベッグが軒並み高評価。熟した果実に沁み込むようにピートが溶け込み、うっとりするような妖艶な色気を持っています。

価格は高いですが、バーなどで見かけた際はぜひ注文してみてください。

 

毎年恒例で5月~6月にはアードベッグデーが行われます。

熱烈なアードベギャンたちが集い乾杯するお祭り的イベントで、限定ボトルの発表も兼ねているのです。

限定ボトルは通常ラインナップとは異なる仕様で、焚きこむピートの量や熟成樽を変化させ、一風変わった、より個性的なアードベッグがリリースされます。

リリース前後はSNSなども限定ボトルの話で大盛り上がり。アードベッグ好きは要チェックのイベントです。

なお、アードベッグの公式サイトではアードベッグコミッティーの会員になれる仕組みがあります。

メンバー証が発行され、最新のニュースなども届くので気になる人は登録してみてね。

アードベッグセット 30ml~100ml

アードベッグセット

強烈なスモークとりんごと麦芽の甘やかな味わいが魅力のアードベッグをいろいろ試してみたい!という方へ特別セットをつくりました。

スタンダード品のアードベッグ10年をはじめ、愛好家からもベストバランスと評される人気のウーガダール、スパイシーで香り高いコリーヴレッカンのセット。

30mlセットと100mlセットから選べるので、少しずつ飲み比べて、アードベッグの香りや味の違いを確かめてください。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

オーツカ

ウイスキーをもっと身近に感じてほしい。小難しいウイスキーの世界を分解して、わかりやすく整理する「ウイスキーオーガナイザー」です。 まだあまりウイスキーを知らない人がウイスキーを好きになる「きっかけづくり」をできればと思っています。 日本最大級のウイスキーメディアBARRELを企画、運営、編集及びカメラマン、さらには執筆もしています。