アードベッグの味と種類。『その次』に飲むおすすめウイスキー

アードベッグの味と種類。『その次』に飲むおすすめウイスキー

このページでは有名ウイスキー銘柄『アードベッグ』の解説と、アードベッグのラインナップの解説。

そして『その次に飲むべきおすすめウイスキー銘柄』を紹介していきます。

ゲストには洋酒専門店『リカーマウンテン銀座777』の新美店長を迎えております。

概要を飛ばして『アードベッグの次に飲むべきおすすめウイスキー銘柄』をすぐに見たいという方は以下のボタンから。

 

煙りに包まれた甘美な咆哮。アードベッグの概要

アードベッグはアイラ島南部に位置する岬で製造されているシングルモルト・ウイスキーです。

アードベッグの特徴は磯臭さ、そして強烈なスモーク&ピート香です。

同じアイラモルトではラフロイグもかなり強烈ですが、スモーキーさでいけば断然アードベッグが上です。

ウイスキーのスモーキーさを計測するフェノール値を見ると、ラフロイグが40~45ppmに対してアードベッグが55ppmとなります。

まさにアイラモルト代表する強烈な個性を持つシングルモルトだということです。

ただし、ただ煙たくてピート臭いウイスキーというわけではありません。

ボディ、モルト感は厚く、オイリーでしっとりとしていますが、意外なほどフルーティで爽やかな余韻を楽しめます。

確かにとっつきにくい香りではありますが、その味わいの奥深さも底知れぬポテンシャルもったウイスキーなのです。

アードベッグの発祥と製造場所の紹介

アードベッグとはゲール語で「小さな岬」や「小さな丘」を意味し、蒸留所が建つその場所からこのように命名されました。

そしてここに初めて蒸留上ができたのは1794年。あれ?冒頭でアードベッグって1815年創業って言ってなかっけ?とお思いでしょう。

それは確かにその通り、事実です。

実はアードベッグ蒸留所が出来る前に前身となる蒸留所が建てられていたのです。

しかしこの蒸留所、当時多かった密造酒のひとつで、政府に見つかり廃業へ…。

その後に建てられのがアードベッグ蒸留所だったということです。

アードベッグの歴史

Ardbeg workforce, 1850s/1860s: Colin Hay is thought to be the large figure near the middle, with a dog at his feet (Photo: The Museum of Islay Life)

蒸留所ができたのは今から200年以上前の1815年、創業者のジョン・マクドーガルによって建てられました。

創業から20世紀に入るまで、度重なるオーナーチェンジが行われ、運営が難航を極めた1980年には遂に生産中止となってしまいます。

歴史を辿ると…

 

1815年~1970年

創業以降、約150年は同族経営を行う。

1973年

カナディアン・クラブで有名なハイラム・ウォーカーとDCL(Distillers Company Ltd.)が共同で蒸溜所を買収、1977年  ハイラム・ウォーカーがDCL所有の株式を買取り、正式にハイラム・ウォーカーがオーナーになる。

1981年

操業停止。

1987年

アライド・ライオンズがハイラム・ウォーカーを買収、1989年に操業を再開。

1996年

アライド・ライオンズがアードベッグ蒸溜所の売却を決定、操業を停止。

1997年

グレンモーレンジ社がアードベッグ蒸留所を買収、操業再開。この頃から安定して製造が行われるようになる。

2004年

グレンモーレンジ社がモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の参加になりアードベッグ蒸留所の実質的なオーナーとなる。

 

というわけで実質的に廃業に追い込まれたのを復活させたのはグレンモーレンジ社だったということ。

現在はモエ・ヘネシー社がオーナーですが製造の鍵を握っているのは子会社となるグレンモーレンジ社であることは間違いありません。

アードベッグの製法(作り方)

製法で特筆すべき点は、「ノンチルフィルタード」を取り入れているところ。

一般的なウイスキーは「チルフィルタード」といって、原酒を冷却濾過させます。

樽で熟成したウイスキー原酒は、温度が低くなると溶け込んでいる香味成分の一部が飽和状態となって白濁し沈殿します。

発生した沈殿物は不純物とみなされてしまう為フィルターで濾して取り除きます。

この工程をチル(冷却)・フィルタード(濾過)といいます。

 

しかしアードベッグで行われているのはノン・チル…というとで、冷却濾過を行わない製法のことを指します。

『それって沈殿物が浮いたままなんじゃないの?』と疑問に思うかもしれません。

確かに、ノンチルフィルタードのウイスキーでは微量の沈殿物の混入はいなめません。

しかし、冷却濾過して取り除いた不溶性分には樽や原料から由来する香り成分も含まれます。

それなら敢えて冷却濾過せずそのままの旨味を味わってもらおう、というのがノンチルフィルタードなのです。

 

ざっくり言えば

「美味しいから多少の澱(おり)は我慢して!」

ということです。

 

個人的にもアードベッグ楽しむなら澱まで味わおう!くらいの大らかな気持ちでお願いしたいと思います。笑

それに常温ではしっかりフィルターにかけているので、樽の破片など明らかな不用な物がボトルに入っていることはありません。(ご安心ください!)

またアードベッグはアイラ島の上質なピート層で濾過されたウーガダール湖の水を仕込み水で使用しています。

この水は「黒い水」と呼ばれており、アードベッグの旨味を十二分に引き出す鍵となっています。

アードベッグは好き・嫌い、がハッキリ分かれるウイスキーではありますが、その魅力にはまってしまうと病み付きになってしまう…そんなクセのあるウイスキーです。

 

ウイスキー「アードベッグ」のラインナップ

ウイスキーの飲み進めの基本は『縦飲み』です。

垂直飲みともいいますが、同じ銘柄で年代の違うものを飲み比べていきます。

同じ銘柄であれば、基本的な味の傾向が共通しているため、失敗が少ないからです。

オーツカ
まず、僕が現在販売中である『アードベッグ』のラインナップ、及び過去販売されていたボトルなどをご紹介していきます。

既に終売してしまった銘柄、原酒不足のため休売してしまった銘柄なども随時更新する予定です。

過去のものでも個性や特徴は引き継いでいるものが多いので、参考になさってください。

アードベッグ 10年

アードベッグ 10年

こちらはファーストフィルとセカンドフィルのバーボン樽で10年以上熟成させた原酒をヴァッティングしたボトルです。

アルコール度数は46度とオフィシャルボトルのスタンダード品としてはやや高め。

口に含んだ瞬間アイラモルトを象徴するかのような強いヨード・ピート・タバコに近いスモーク、そして磯臭さが口中に広がります。

しかし、これらが通り過ぎてからしっかりとしたモルト感、バニラ、青リンゴ、レモンピール、ほのかにウエハースが余韻として残ります。

入り口は強烈ですが、余韻は甘く爽やか。

アードベッグファンはこの2面性を楽しんでいると言えます。

2008年にはワールド・ウィスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

アードベッグ アン・オー

アードベッグ アン・オー

バーボン樽、PX(ペドロ・ヒメネス)シェリー樽、アメリカンオーク新樽でそれぞれ熟成させた原酒をヴァッティングしたボトル。

アルコール度数は46度、年数表記は非公開、つまりノンエイジです。

アードベッグ10年と比較すると元来の強いヨード・スモーキーさを引き継ぎながらもペドロヒメネスの甘み、レーズン感、さらにアメリカンオークの新樽からくるであろうスパイシーさが特徴的なボトルです。

10年よりも甘さが前に来て、まろやかな味わいとなり、強烈なクセは少し引っ込んだ印象を受けます。

スタンダードよりは値が張りますが、アードベッグを初めて飲む方はこちらを入り口にするのもよいでしょう。

アードベッグ ウーガダール

アードベッグ ウーガダール

こちらはバーボン樽(アメリカンオーク)、オロロソ・シェリー樽(ヨーロピアンオーク)、この2つの樽でそれぞれ熟成させた原酒をヴァッティングしたボトル。

酒齢は非公開、こちらもノンエイジとなりますがアルコール度数は54.2度とかなり高めです。

ただし、カスクストレングスではなく、若干の加水を行っているようです。

オロロソ・シェリー樽からくる甘み、そして爽やかな酸味が加わったスモーキー&スウィートな一本です。

とはいえ、アードベッグらしい強い燻煙香は健在。

ガツンとしたスモーキーさを味わった後に、まるでご褒美かのように甘美なフルーツ感が訪れる、そんなボトルです。

ウーガダールとは上記した通り、仕込み水を使用している湖の名前。

ゲール語で「暗くて神秘的な場所」という意味があるそうですが、まさしくそれを表したかのような味わいです。

2009年にはワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

アードベッグ コリーヴレッカン

アードベッグ コリーヴレッカン

コリーヴレッカンはバーボン樽(アメリカンオーク)、フレンチオーク新樽の2つの樽で熟成させた原酒をヴァッティングしたボトルです。

上記で紹介したウーガダールが元来のスモーキーさに甘みを加えたものに対し、こちらはフレンチオークの新樽からくるスパイシーで力強い味わいが印象的なボトルです。

こちらも年数表記なしのノンエイジ、アルコール度数は57.1度。

ラベルにカスクストレングスの記載はないものの非常に高い度数で凝縮感があります。

ヨード・ピート・スモークに更にスパイシーさを与えた、地響く咆哮かのような激しい味わいのボトルです。

因みにコリーヴレッカンとはアイラ島に近いジュラ島とスカバ島に挟まれた海峡の名前。

荒々しい潮の流れがあり、ラベルに書かれるように渦潮が現れるそうです。

2010年にWorld’s Best Single Malt Whiskyで受賞歴がある評価の高いボトルです。

『アードベッグ』の『次』に飲むウイスキー

では、アードベッグと似た傾向を持つウイスキーとはどのような銘柄なのでしょう。

洋酒専門店『リカーマウンテン銀座777』の新美店長におすすめしていただきました。

オーツカ
では新美さん、アードベッグ好きな方におすすめの銘柄を教えてください。
新美さん
はい、僕は以下を選びました。

おすすめ銘柄①:カリラ 12年

カリラ12年

新美さん
ゲール語で”アイラ海峡”の意味をもつ、この「カリラ」はアイラ島の北に位置しており比較的軽くドライな味わいですがアイラ特有の個性はしっかり感じられます。

ピーティーでスモーキーな味わいの中に、蜂蜜のような甘さも感じられる1本です。

以前はUD花と動物シリーズの1つとしてアザラシが書かれたラベルの商品が販売されていましたが、現在はディアジオ社のヒドゥンモルトシリーズとして新たに「12年」や「18年」などが販売されています。

アイラ初心者にも玄人にもおすすめの1本です。

おすすめ銘柄②:ビッグピート

ビッグピート

新美さん
おじさんが描かれたポップなラベルが特徴的な「ビッグピート」です。

老舗ボトラーズ、ダグラスレイン社リリースしているスコットランド各地区のモルトをブレンドした、リマーカブル・リージョナルモルトシリーズの先駆けとなるのがこのビッグピート。

2009年に発表され、超稀少な閉鎖蒸留所ポートエレンを含んだアイラ島のモルトをブレンドしたブレンデッドモルトとして瞬く間に市場の注目を集めました。

ラベルのインパクトに負けない、力強いスモーキーさが感じられる1本です。

おすすめ銘柄③:スモークヘッド

スモークヘッド
新美さん
ダークなグランジテイストが少年心をくすぐる逸品。

ボトラーズのイアン・マクロード社が出している蒸溜所非公開(笑)のアイラモルトです。

中身はもちろん世界中で大人気の超有名なアイラモルトです。

アードベッグ10年と比較してしまうとやや若い感じやソフトな部分はありますが、ピートスモークの感じられる比較的コストパフォーマンスの良い1本です。

アードベッグがお好きな方は、話のネタになるので一度飲んでみると良いかもしれません。

 

オーツカ
新美さんありがとうございました。

僕もビッグピート大好きです。

完成度高いなぁと毎回のリリースで驚かされます。

他の銘柄も特集しています!以下のリンクからご確認ください。

 

リカーマウンテン 銀座777店
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目7番7号
電話番号:03-6255-1515
営業時間:11:00~翌4:00 年中無休
公式HP:https://likaman.co.jp/special/ginza777/
Facebook:https://www.facebook.com/likaman.ginza777/

ABOUTこの記事をかいた人

オーツカ

ウイスキーをもっと身近に感じてほしい。小難しいウイスキーの世界を分解して、わかりやすく整理する「ウイスキーオーガナイザー」です。 まだあまりウイスキーを知らない人がウイスキーを好きになる「きっかけづくり」をできればと思っています。 日本最大級のウイスキーメディアBARRELを企画、運営、編集及びカメラマン、さらには執筆もしています。