サントリーは11月5日、山崎・白州・響を含む364品目を、2027年4月1日出荷分から値上げすると発表しました。
山崎NVと白州NVは8,250円から8,800円に、響 ジャパニーズハーモニーは8,800円から9,350円になります。
価格はどれも税込の希望小売価格となります。

2027年4月、人気の3ブランドが再び値上げ

対象は364品目で、上げ幅は2〜15.2%。ウイスキーでは、山崎・白州のNVと響 ジャパニーズハーモニーが、6〜7%ほど上がります。
NVとは、熟成年数を表示していない定番品。
出荷分とは、メーカーが酒販店などに出す分。店頭の値札が変わる時期は、店ごとに異なります。
サントリーが示した理由は、世界的な物価上昇です。包材などの原材料や輸入商品の仕入れ価格が、年々上がっているとしています。
12年や18年など年数表示のある商品の新価格は、発表されていません。
山崎NVの定価は、3年で4,950円から8,800円に

山崎は、1984年発売のシングルモルト。2024年4月の値上げ前、山崎NVの定価は4,950円でした。
その後は2024年4月に7,700円、2026年4月に8,250円と上がっています。2027年4月には8,800円になり、約3年で1.8倍。
2024年4月の値上げは、発表時に記事にしています。
白州NVも、同じ価格で、同じ回数だけ上がります。
響 ジャパニーズハーモニーは、2022年の値上げ前に5,500円。今回の9,350円は、その約1.7倍です。

年数のある商品は、上げ幅がさらに大きくなっています。
山崎25年・白州25年・響30年の3本は、2024年4月に税別16万円から36万円へと、2倍以上になりました。
山崎12年は、2022年の値上げ前に税別8,500円。2026年4月に16,000円になり、約1.9倍です。
値上げの間隔は縮まり、理由は品薄から原価高へ
2016年4月には、角瓶が32年ぶりに値上げされ、税別1,590円になりました。
国産ウイスキーの値上げは、そこから2022年4月まで6年の空白。その後は2024年、2026年、2027年と連続。

間隔は、2年、2年、1年と短く。
理由も変わっています。2022年の理由は、需要の増大に合わせた生産設備の増強。
2024年の発表で、サントリーは熟成に長い年月がかかり、需要に十分応えられていないと説明しました。蒸溜釜や貯蔵庫の増設を進めてきたとも案内しています。
2023年には、山崎と白州の両蒸溜所の改修に、100億円規模の投資も発表。
2026年と2027年の理由は、原材料や仕入れ価格の上昇。2022年や2024年とは、挙げた理由が違います。
ニッカとキリンは、2024年に値上げ
ニッカウヰスキーを持つアサヒビールは、2024年4月に17ブランド68品目を値上げしました。余市と宮城峡のNVは、約56%の上げ幅。
アサヒが挙げた理由は、原材料や物流費の上昇と、余市・宮城峡の設備増強です。
ニッカの値上げも、発表時に記事にしています。
キリンは2024年9月に、32品目を8〜37%値上げしました。輸入のジョニーウォーカー レッドラベルやホワイトホースも対象。
理由は、輸入先からの引き渡し価格が、輸送費や原材料の高騰で上がったためです。キリンの値上げも記事にしています。
売上が落ちたディアジオは、手頃な価格の新作を出す

ディアジオは、ジョニーウォーカーやタリスカーを持つ英国の大手。2月25日の中間決算(2025年7〜12月)では、売上が前年同期より4.0%減りました。
通期の売上も、為替や事業売却の影響を除いて2〜3%減の見通しに引き下げています。
ルイスCEOは、大衆向けの価格帯で商品が大きく不足していると認めています。
3月に発表したジョニーウォーカー レッドソウルは、レッドラベルを甘く飲みやすくした一本。英国の希望小売価格は25ポンド(約5,300円)です。
ディアジオは、手頃な価格帯の品ぞろえを強めるための一本と位置づけています。ウイスキーを飲まない人向けと案内していて、欧州と中東・北アフリカで先行発売しています。
日本は先行発売の対象外です。
レッドソウルの発表時の記事はこちら。
日本では、4月7日にジョニーウォーカー ブロンドが発売されました。700ml・40%で、日本が初めての正規発売国になりました。
これまでは並行輸入品だけで、ブランドはミックス向けの一本と位置づけています。
9月1日には、日本限定のホワイトホース なごみが登場。700ml・40%で、和食に合わせた味わいを目指したと案内しています。
ブロンドもなごみも、キリンが全国で発売するオープン価格の商品です。オープン価格とは、メーカーが希望小売価格を決めず、店が価格を決める方式のことです。
海外の大手では、ペルノ・リカールも値下げと小さな容量の商品づくりを進めています。
サントリーは山崎・白州・響の定価を上げ続け、ディアジオは売上が落ちるなか、手頃な価格帯の品ぞろえを強めようとしています。











