スコットランドを代表するシングルモルト「グレンフィディック」が、主力ラインナップのボトルおよびパッケージデザインを大きく刷新し、2026年4月より世界市場に向けて順次発売を開始します。
伝統と現代の洗練を融合させた新たな装いは、同ブランドがシングルモルトというカテゴリーを世界に知らしめた1960年代の美学から強いインスピレーションを得たものと言えます。
シングルモルトの夜明け、1960年代へのオマージュ

かつてブレンデッドウイスキーが輸出市場を支配していた1960年代、いち早くシングルモルトの価値を海外、特にアメリカ市場へと売り込んだのがグレンフィディックでした。
今回のデザイン変更は、スコッチウイスキーの歴史を変えたとも言えるその挑戦的な時代への回帰を明確に意図しています。
ボトルの中心には、1960年代からブランドの象徴として採用されている「牡鹿(スタッグ)」のロゴが堂々と配置されています。
1851年に描かれた絵画『谷間の王者(The Monarch of the Glen)』にインスパイアされたこの意匠は、より立体的で躍動感のあるタッチへとアップデートされ、創業年である1887年の数字によって縁取られています。
棚に映える引き算の美学と、受け継がれる家族の刻印
視覚的な変化として最も顕著なのは、無駄を削ぎ落としたクリーンなレイアウトと、ブランドロゴの書体変更です。
従来のフォントから、すっきりとしたサンセリフ体へと移行し、より現代的で視認性の高いルックスを獲得しています。
余白をたっぷりと活かしたミニマルなデザインにより、バックバーや小売店の棚においても、年数表記などの重要な情報が消費者にダイレクトに伝わる設計と言えるでしょう。
同時に、パッケージには創業者であるグラント家の紋章と、「Stand Fast(確固たる姿勢で)」という一族のモットーがエンボス加工で刻み込まれています。
139年に及ぶ家族経営の誇りと、最新のブリティッシュ・ラグジュアリーアイコンとしての洗練が同居する、極めて計算されたパッケージングとなっています。
中味のウイスキーは伝統の製法と味わいを完全に堅持
パッケージが大胆な進化を遂げる一方で、ボトルの中を満たす液体そのものに変更はありません。
ロビー・デューの泉の湧き水を使用し、スペイサイドの伝統的な製法で造られるウイスキーは、引き続き6代目モルトマスターであるブライアン・キンスマン氏の厳格な指揮下で生産されます。
果樹園のフルーツを思わせる華やかな香りと、麦芽の甘みを持つクリーンなプロファイル。
世界で最も数多くの賞を受賞しているシングルモルトとしての確かな品質は、新しい装いの中にもそのまま引き継がれるというわけです。
苛烈な競争が繰り広げられるグローバルなウイスキー市場において、ブランドの信頼性を保ちながら現代的にアップデートを図るという難易度の高いミッションを形にした今回の新デザイン。
スコッチの新たな章を予感させるこの新しいグレンフィディックのコアレンジは、2026年4月から世界各国の市場へと順次出荷される予定です。













