スコッチウイスキーの聖地、キャンベルタウンでカルト的な人気を誇る伝説の蒸溜所、スプリングバンクが、ウイスキー史に新たな章を刻む「ヴィンテージシリーズ」の始動を発表しました。
長年愛されてきた「スプリングバンク 25年」に代わるこの新シリーズの幕開けを飾るのは、26年以上の熟成を経たシェリー樽原酒のみで構成された、まさに至高の一本「スプリングバンク 1998 ヴィンテージ」です。
時が織りなす芸術。100%シェリー樽熟成の26年物

シリーズの栄えある第一弾として登場した「スプリングバンク 1998 ヴィンテージ」は、その名の通り1998年に蒸留され、全てシェリー樽で26年以上の長い眠りについていた原酒のみをヴァッティング。
全世界でわずか1,500本という極めて希少な限定品として、2025年にボトリングされました。
加水や冷却ろ過を一切行わない「ナチュラルカスクストレングス」(アルコール度数48.5%)で瓶詰めされており、スプリングバンクの力強く複雑なスピリッツが持つポテンシャルを、最もピュアな形で堪能できます。
公開された公式テイスティングノートは、その深遠な世界観を物語っています。
スプリングバンク 1998ヴィンテージ テイスティングノート
- 香り: 芳醇なメジョールデーツとブラックベリーの果実香に、ホワイトチョコレートとキャラメルの甘美なアロマが重なり合う。
- 味わい: 口に含むとまず現れるのは、キャンベルタウンモルトらしい土っぽさ。時間と共に、ショートブレッドやブランデーバター、そして温かみのあるクローブの風味が花開く。
- フィニッシュ: ニスを塗った古木、ナツメグ、そして砂糖漬けのジンジャーを思わせるスパイシーなノートが、荘厳で長い余韻を残す。
ファン歓喜!粋な計らいで「幻の一杯」を現実に
高価で入手困難なボトルに、多くのファンがため息をついてきた現実。しかし、スプリングバンクは違います。
今回のリリースで最も称賛すべきは、この「1998 ヴィンテージ」のサンプルボトルを含む、特別なテイスティングパックを用意したことです。これにより、ボトルを手にすることが難しいファンも、この歴史的な一杯を味わう機会を得られるのです。
このテイスティングパックは、同蒸溜所系列のボトラーズ「ケイデンヘッド」のショップを通じて40ポンドで販売され、以下の垂涎のラインナップが含まれています。
- ヘーゼルバーン 8年 オロロソカスク・マチュアード 48.2%
- スプリングバンク 8年 ローカルバーレイ 58.1%
- キルケラン 8年 カスクストレングス 55.6%
- スプリングバンク 1998 ヴィンテージ 48.3%
- ロングロウ 100プルーフ バッチ1 57.1%
- キルケラン ヘビリーピーテッド バッチ12 58.4%
さらに、2025年7月17日にはオンラインでのライブテイスティングイベントも開催予定となっており、ファンとの繋がりを何よりも大切にする蒸溜所の哲学が色濃く反映されています。
伝統から、新たな伝説へ
この「ヴィンテージシリーズ」は、単なる限定品の枠を超え、スプリングバンクの方向性を示しています。
特定の熟成年数ではなく「蒸溜年(ヴィンテージ)」に焦点を当て、樽の影響を最大限に引き出すことで、コレクターや愛好家に新たな収集の道と、ウイスキーの熟成がもたらす無限の可能性を提示します。
「スプリングバンク 1998 ヴィンテージ」は、一つのウイスキーであると同時に、未来へと続くレガシーの始まりです。
この記念すべき一本が示す道を、そしてこれから毎年紡がれていくであろう新たな物語から、一瞬たりとも目が離せません。