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トーモアの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/14年・16年・12年

トーモアの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/14年・16年・12年
オーツカ

ざっくり覚える!

スペイサイドのシングルモルト、トーモア。
すべてのウイスキー蒸留所の中で、建築学的にもっともエレガントな蒸留所」と評されただけあって、まるで枯山水のような風情のある体裁をしています。

ロングジョン、バランタイン、シーバスリーガルなどのキーモルトとして使用されていますが、世界的なシングルモルト需要によって、少しずつ掘り起こされてきた隠れた佳酒。

オフィシャルボトルの評価が高く、12年→14年→16年と着々とレベルを上げており、長期熟成にも耐えられるポテンシャルを見せています。

トーモアの種類と味わい

トーモア 14年

数少ないオフィシャルリリースのひとつの14年ものでアルコール度数は43%

現在市場にでているのはこの14年ものと16年ものしかありません。

厳選されたアメリカンオーク樽で熟成されており、冷却ろ過工程を施さないノンチルフィルタード。数量限定の商品です。

滑らかな特徴を持っていて軽やか。そしてフルーティー。

香りは甘く、ほんのりスパイスが効いており、クリーミーなトフィーとバニラのが口の中に広がり、最終的には長く繊細なペッパーのような後味に変わります。

トーモアの「まずはここから!」な一本です。

トーモア 16年

現時点、数少ないオフィシャルリリースではもっとも長期熟成になる16年もの。度数は48%とちょっと高め。

14年と同様に、厳選されたいくつかのアメリカンオーク樽をヴァッティング、数量限定で生産されています。

14年以上に味わいには厚みがあり、豊かな質感を生み出しているように感じます。

香りは結構エキゾチックで、グアバやオレンジの果実感があります。
味わいはクリーミーでネクターのよう。こってりとしたフルーツタルト。
人によってはかなり甘く感じたり、ぺたっとしたテクスチャが重く感じるかもしれませんが、結局なんども確かめたくなってしまう魅力があり、ぜひ試していただきたい。

沈み込むように眠りたい夜にストレートやロック、加水して変化を楽しみながらじっくり嗜むのはいかがでしょう。

トーモア 12年

現在終売していますが、もしかしたらどこかでお目にかかれるかも?な12年熟成ボトル。

2010年あたりまで流通していたボトルで、3〜4,000円で販売されていました。

仕上がりとしてはシンプルでとても飲みやすい印象。

フレッシュさがありながら、トーモア独特のオイリーさがどこか感じられます。

現在出回っている14年、16年のルーツを辿れる一本ではありますが、ほとんどおみかけしないので、頭の片隅においておくくらいでいい気がします。

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

ドマイナーなブランドでしたが、オフィシャルの評価が地味に上がってきているトーモア。

16年は濃くクリーミー。アプリコットやマンゴーの乗ったフルーツタルトのようです。タンニンがややありますが、嫌みはなくクローブとシナモンのスパイシーさが心地よい。ストレート、トワイスアップ、ロックもいけます。

元々ボトラーズからのリリースは少なかったトーモアですが、数年前から25年オーバー、30年オーバーといった長期熟成ボトルもチラホラ出ています。
10年前後の短熟品にはバーボン樽が多いですが、ラムバレルとかもあります。

オフィシャルの16年が好評なので、こちらを飲んでみて気に入ったらボトラーズも試してみてください。

オールドボトルはアライドグループから出た15年ものや、1980年代流通の5年もの、10年ものなどがあります。90年代に流通した水彩画ラベルはとても美しくコレクター心を打たれます。

当時最新鋭の蒸溜所が作り出した味わいは、意外とミネラルあって紙っぽい!?

トーモアの発祥と歴史

どこで作られているのか?

トーモア蒸留所があるのはスペイサイド地域の南側、スペイ川の上流に位置します。

イギリスの内で最も高い山々と、最大の原生林が見られるケアンゴームズ国立公園の端っこにひっそりとたたずんでおり、ここは海抜約1000〜1200 mの高原で、ドーム型の山の頂は約1300mにも達します。

これらの山々はトーモアの名の由来とされており、ゲール語の「TorraMhòir」から取られたもので、「大きな丘」を意味しています。

トーモア蒸溜所は「極めて美しい蒸溜所」として知られており、建築学上の評価も高いといいます。

これは元ロイヤルアカデミー会長のアルバート・リチャードソン卿(1880-1964)が設計したもの。白壁とモスグリーンに塗られた屋根、アーチ状の装飾、石造りのバルコニーを備えた花崗岩でつくられた建物。
ひと目ではまさかウイスキー蒸溜所とは思えない、まるで大レジャー施設のような外観です。

15分ごとに4つの異なるスコットランドの曲を演奏する時計があることは有名で、1986年にイギリスの指定建造物のステータスが法的に付与されるほど価値が高いのです。

1963年には「トーモアの物語」という18分の短編映画もつくられ、当時話題になりました。

「The STORY OF TORMORE」で調べると実際に見ることができ、蒸留器が設置される様子など、貴重な映像が残されています。

このトーモア蒸溜所を設計したアルバート・リチャードソン卿は、彼が生きた時代における主要な建築家の1人であり、1947年に王立英国建築協会(RIBA)にてロイヤルゴールドメダルを授与されています。

トーモア蒸溜所のユニークな点のひとつですが、敷地内に人工の池があって、冬季にはカーリング場になっているそうです。

カーリングはゴルフと同じくスコットランドが生んだスポーツ。スペイサイドはカーリングの故郷でもあります。

蒸溜所の職人たちの間では冬のレクリエーションとして、各蒸溜所対抗試合が盛んだったといいます。

それまでは凍った池や別の施設で楽しんでいたそうですが、わざわざ蒸溜所の前に専用でつくってしまうのですから、どれだけ熱心に取り組んでいたかがわかりますね。

歴史

1958年にトーモア蒸溜所は設立。実際の生産は1960年からスタートされました。

20世紀になってから初めてスペイサイドに新設で建てられた本格的蒸溜所で、当時大きな注目を集めました。

ちなみに1957年にスペイサイドにて、グレンキース蒸溜所が建てられていますがストラスアイラの第2工場としてスタートしたためトーモアほど大々的ではありませんでした。

それまでの歴史を振り返ってみると、スペイサイドでは1898年に設立されたキャパドニック蒸溜所以来。相当の期待をされたことでしょう。

創業したのは大手酒類メーカーのシェンレー社、子会社はブレンデッドウイスキー「ロングジョン」を手掛けるロングジョンディスティラーズ社。

北米を主要な売り手としていたロングジョン。
そのブレンド用原酒をつくることを求められて、トーモアは建設されたのでした。

このトーモアが建設された時代、1960年代から70年代にかけては多くのビール会社がスコッチ産業に参入した時期であり、トーモアもその一つでした。

70年代になるとビール会社の最大手であるウィットブレッド社が買収。

1989年にはアライド・グループが所有。

2005年にはペルノ・リカール社が買収が買収し、2012年には新たな設備投資も行われ、現在はロングジョンだけではなく、バランタイン、シーバスリーガルの原酒をも製造。

2022年にはエリクサーディスティラリーズ社がペルノ・リカール社からトーモア蒸溜所を買収する契約を締結しました。

近年ではシングルモルトのリリースもあり、現在も稼働しています。

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トーモアの製造方法

ケアンゴームズの田園風景の中に位置するトーモア蒸留所は、環境への配慮を大切にしている蒸溜所です。

今後何世代にもわたって景観が影響を受けないようにするため、あらゆる努力を払っているといいます。

そんな蒸溜所の生産能力は年間480万リットル。仕込みはワンバッチ10.4トン。

仕込み水は蒸留所を通り過ぎて約1マイル離れた、スペイ川に流れるアクポッキー川から調達。

この小川の水は、ピート香をほのかに含んだ軟水で、ウイスキー造りに最適と昔から言われてきました。

マッシュタンはフルロイタータン。

発酵槽はステンレス製が11基。2012年に木製8基から置き換えられています。

蒸留器は体育館のように天井の高い建物内に初留4基、再留4基の計8基。

1972年に2組4基から4組8基に増築されました。

どれもカタチはストレート型で、容量は初留釜が18,500リットル、再留釜が13,900リットル。

ラインアームが地面と水平で、かなり短めなのが特徴です。

トーモアの作り出すスピリッツはフルーティで軽やかな仕上がりになるといいますが、その要因のひとつとして、全ての蒸留釜に精留器(ピュアリファイヤー)がついているということ。

これによってブレンド用原酒に求められる軽くてスッキリとした酒質のスピリッツができあがります。

熟成では主にアメリカンオークのバーボン樽で熟成されています。

信濃屋さんのトーモア30年も話題になりましたね©信濃屋

かつては独自の樽詰め施設がありましたが現在はなく、蒸留されたてのスピリッツは大型タンクローリーに乗せられ、ペルノ・リカール社が所有する施設で行われています。

大部分のトーモアの原酒はペルノ・リカールグループが所有する、その他倉庫で熟成されますが、一部の樽はトーモアへと戻り、敷地内のスチールラックとパレット倉庫に保管されています。

オーツカ

まだまだ地味な印象のトーモアですが、しっかりファンがつきそうな味わい、そして風味、美しさを秘めています。




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