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オールドクロウを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

オールドクロウ

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オーツカ

ざっくり覚える!

オールドクロウはアメリカのケンタッキー州でつくられいるバーボンウイスキーで、現在はビームサントリー社の傘下にあります。

かなり歴史のあるブランドではあるのですが、今やジムビームホワイトと同列程度の扱いです。
生産量が少ないのでジムビームよりはやや高めですが、恐らく現行品の熟成年数は3年程度かと思います。

口当たりなめらか、バランスのとれたさわやかな風味で人気となり“気軽に飲めるバーボン”として多くのウイスキーファンに親しまれています。

ボトルにあるカラス(クロウ)の絵が有名ですが、これは後付けでデザインされたもので、オールドクロウの「クロウ」は創始者のジェイムズ・クロウにちなんで命名されました。

著名人では名優、松田優作氏が愛したウイスキーで、今でも彼の行きつけだった下北沢のバーには彼がボトルキープしていたオールドクロウが飾られているそうです。

また彼が出演した1979年公開の映画「処刑遊戯」の中で、実際にオールドクロウを飲むシーンがあり、日本でも一躍有名になったブランドです。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

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オールドクロウといえば松田優作氏扮する「鳴海昌平」愛飲のバーボン。

処刑遊戯ではオールドファッションドグラスをその長い指でなまめかしく扱い、謎めいた女性と杯を重ねるシーンが印象的です。

「男の色気というのはオーラから」というのを体現していたように思えます。

まぁその後、鳴海は怪我した腕に消毒液代わりにオールドクロウをぶっかけたり、ボトルを重りにして筋トレしたりという謎な扱いもするのですが(笑)

日本では良くも悪くもサブカルチャーに彩られがちな商品なのですが、オールドボトルはバーボン愛飲家の中でも伝説的な名品となっています。

現行品はフルーティーで飲みやすく、ライブハウスなどでは無性に飲みたくなるバーボンウイスキーでもあります。
飲み方は多様で、ハイボールかロック、次点でストレート。

市場の凋落が始まった1960年代後半から1970年代にリリースされたオールドボトルは、とても味が落ち始めたとは思えないようなスイートで物腰の柔らかい風味で上品なフィナンシェやマドレーヌを思わせるよう。オールドバーボンらしいキャラメル香やスパイスを愉しめます。

この頃に限定リリースされたチェスの駒を題材にしたセラミックデキャンタシリーズ「オールドクロウ・セラミック・チェスメン」は、とてつもないインパクトを持っています。たまーに海外オークションなどに出ていますが、各16個のボトルには10年物のオールドクロウが入っており、その味わいの評価はとても高いです。

興味のある方は調べてみてね。

オールドクロウの歴史と発祥・製造場所の紹介

オールドクロウの生みの親はジェイムズ・クロウ。

彼はスコットランド生まれで化学と医学を修め、発想力に富んだ天才でした。

彼は化学的側面からバーボン作りに取り組んだちょっと変わった方で、現在バーボンウイスキーやテネシーウイスキーの製法として当たり前のように取り入れられている「サワーマッシュ」という製法を開発した人物です。

1820年代にフィラデルフィアからケンタッキーに移り住んだクロウは、医者としては主に無料診察を行い、空いた時間にウッドフォード郡のいくつかの蒸溜所で働いていました。

その後、オールド・オスカー・ペッパー蒸溜製造所(現在はウッドフォード・リザーヴ・ディスティラリー)に腰を据えます。

1830年代のアメリカンウイスキー業界は昔ながらの素朴な製法、そして新技術と方法論が入り乱れる時代であり、しっちゃかめっちゃかに散らばった情報と知識を収集し、論理的にまとめるあげる「頭脳」を必要としていました。

そこで登場したのがクロウです。

彼は化学と医学の卓越したスキルを用いて、発酵、蒸溜、衛星、温度に関する実験を数多く行い、バーボンの味を追求しました。

そうして完成したのがサワーマッシュ製法のプロセスです。

こうして出来上がったウイスキーは、奥行きがあり、バタースコッチのように香ばしく、爽やかな風味を実現しました。

当時の人々から熱い指示を受けたこの名品は、国内売り上げトップクラスのブランドにまで上り詰めます。

あまりの出来の良さに蒸溜所の上司であるオスカー・ペッパーはクロウのウイスキーに相場の倍以上の値段をつけました。

それでもクロウのウイスキーは飛ぶように売れ、他の蒸溜所も次々と真似をし、全国的なバーボンブームを作り出します。

彼の功績は現存するすべてのバーボンに見てとることができます。

クロウはまさにバーボン界のスティーブ・ジョブスなのです。

また政界などにも多くのファンを持ち、著名なところでは

  • アメリカ第7代大統領、アンドリュー・ジャクソン
  • 国務長官、ダニエル・ウェブスター
  • アメリカ第9代大統領、ウィリアム・ヘンリー・ハリソン
  • アメリカ18代大統領、ユリシーズ・グラント
  • 南北戦争時の南軍 将軍、ジュバル・アーリー
  • ケンタッキー州出身の政治家、ヘンリー・クレイ

など、彼らもオールドクロウの大ファンだったそうです。

 

またクロウはレシピを厳重に管理したことでも知られていました。

しかし1856年に彼が亡くなられたタイミングでレシピがうまく引き継がれず、ここでオリジナルとしてのオールドクロウの風味は失われたといえます。

出典© scisettialfio

その後、蒸溜所はゲインズ社(ゲインズ、ベリー・アンド・カンパニー)に買収されます。

ゲインズ社は奮闘します。既にクロウのオリジナルレシピは残されていないものの、「今までと全く同じようにクオリティの高いバーボンをつくれ」と職人達に指示を出し、品質維持に努めました。

その努力が報われ、1868年に改組しWAゲインズ・アンド・カンパニーとなった後はエルミタージュ蒸溜所を建設し、世界で最高の「サワーマッシュ」ウイスキーの最大の生産者となりました。

クロウ死去からおよそ100年はオールドクロウはアメリカ発展の波に乗って順調に事業を拡大し、数多くの人々に人に愛されます。

しかし、1960年代、サワーマッシュのリターン率は徐々に変わっていき、結果スピリッツの風味が悪くなっていきます。

これを改善できる能力、または意思がオールドクロウ蒸溜所に無かったため、顧客離れが生じ1980年代後半に入ると急激な売り上げ低下を招いてしまいます。

そして1987年、ついに経営不振に陥り、かつてはバーボンウイスキー売上一位の座を競い合っていたビーム社に買収されました。

その後ビーム社はオールドクロウ蒸溜所を取得と同時に閉鎖しました。

これはビーム社がコストと管理面から複数ある蒸溜所を少数に集約したかったのかと推測されます(なお、現在オールドクロウ蒸溜所はジムビーム社の熟成庫として使われているそうです)。

したがって現在リリースされているオールドクロウは、ジムビーム社が所有するクラーモント蒸溜所、ボストン蒸溜所の原酒が使われているようです。

またジムビームがオーナーになってからはコーン比率(75〜80%)は変わらないものの、ジムビームと同じ酵母や麦芽を使うことで、買収前の味わいとは大きく変わりました。

そして2014年にサントリーがジムビームを買収し、現在ビームサントリー者のもと製造・販売が行われています。

オールドクロウの製法(作り方)

ジェイムズ・クロウの技術者としての功績

出典© The Dave Thomson Collection, Steamboats.com

オールドクロウを作ったジェイムズ・クロウはもともと化学博士で、医師としての技術も持っていました。

しかし1820年にアメリカに渡ったかと思うとその3年後には蒸溜所の技師として働いていた…というなんとも風変わりな経歴の持ち主です。

彼は化学と医学で得た知識をバーボン製造に活かし、その進歩に大きく貢献しました。

17世紀前半のバーボンは経験から得た知識や勘に頼りがちで品質のばらつきがどうしても避けられませんでした。

そこでクロウは、糖度を測る検糖計やアルコール度数を測る比重計、温度を測る温度計などを駆使し、温度や酸度、糖度がバーボンにどのように風味へ変化を与えるかを調べ、これらを調整することで品質管理を行うようになります。

様々な発見と試行錯誤

クロウはこれまでの蒸溜技師とは違うアプローチで様々な発見を行います。

石灰層でろ過された水質を調べ、石灰層によって蒸溜酒の出来を悪くする鉄塩が除去されることを最初に発見しました。

また、さまざまな化合物の生成に影響を及ぼす、発酵工程における温度の違いを記録し、温度の調節によってウイスキーの味が変わることに気がつきます。

発酵過程で生成されるジアセルという化合物はバターのような強い乳臭さがあるのですが、これまでの蒸溜業者はこの大部分をカットしていました。

この部分が多いと炒りすぎたポップコーンのような鼻につく臭いになってしまうからです。しかしごく少量のジアセルはウイスキーを豊かで口当たりなめらかなものにするのです。

クロウは秀逸なウイスキーをつくりだすため、こういった様々な要素のバランスとコントロールに注力します。

バーボンにおける画期的な製法「サワーマッシュ」とは

サワーマッシュ製法とは、粉砕したトウモロコシに他の穀物を混ぜ合わせ、2度発酵・蒸溜を行う製法のこと。

また2度目の蒸溜の際に少量の酵母と蒸溜残液を全体の30%程度加えます。

初期の蒸溜業者が採用していた「スイートマッシュ」方式では煮沸した穀物に酵母だけを加えて発酵を始めていましたが、サワーマッシュ方式では1度発酵と蒸溜を終えているマッシュの残液も一緒に加えるわけです。

残液は酸度が高いので、新しい発酵液の雑菌の繁殖を抑えて品質を保ち、酵母がよく働く環境を作ります。

これによりもろみがゆっくり時間をかけて発酵し、香り高い発酵液に仕上がるのです。

「サワーマッシュ」という名ネーミングはもろみの酸味からきているようです。

サワーマッシュを行うことにより、ウイスキーが滑らかで上質な仕上がりになります。

今では当たり前に行われているこのサワーマッシュ製法ですが化学の知識を持つクロウ氏なしではこの製法の発見はもっと遅れていたはずです。

樽熟成のメカニズムをいち早く理解していた

またクロウ氏は樽で熟成させる重要性も早い段階で理解していたといいます。

17世紀当時のアメリカでは樽で熟成されていないニュースリピリッツが当たり前にウイスキーとして売られていました。

しかし、クロウ氏が売り出していたのはレッド・リカー(赤いお酒)という愛称があったことから、樽で熟成させたスピリッツをいち早く造っていたということ。

彼はオーク樽の樹脂が凝縮し、それがウイスキーに溶け出して琥珀色になること、そして深い味わいを宿すことを理論的に理解していたのです。

2010年より味わいが変わったオールドクロウ

オールドクロウは伝統的な製造方法に基づいて、コーン比率は高めの75〜80%。

熟成には内側をチャーしたホワイトオーク樽を使使用します。このため独特の風味が楽しめるのです。

熟成年数は今まで3年としていましたが、2010年より新しくリリースされたオールド・クロウ・リザーブは、以前より1年熟成期間が長い「4年熟成」となり、より深い味わいを楽しめるようになりました。

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オールドクロウの種類/ラインナップ

オールドクロウ

オールドクロウのスタンダードボトル。

酒屋さんなどでも並んでおり、価格も1500円程度とお手頃。晩酌用にもぴったりのバーボンです。

若さがありややアルコールの立ちが強いですが、メロンが混ざったようなエステリーな香り、慣れてくるとバニラやニッキのような匂いがします。

味わいはアルコールの辛味のあとに甘みが訪れ後からメロン、ナッツ、バナナなどの風味が鼻腔を抜けます。少しだけ接着剤の風味。

余韻は短く、ビターと僅かな酸味が残ります。

フルーティで爽快なバーボンといった具合。普段飲みには良いかなと思います。

オールドクロウ ボンデッド

こちらは「BOTTLED IN BOND(ボトルド・イン・ボンド)」法という昔のバーボンの法律を忠実に守って作られたボトル。

90年代中期~後期にかけて流通していました。

ボトルド・イン・ボンド法とは1897年に発令された酒法で、

  • 熟成4年以上
  • アルコール度数50度でボトリングされたもの
  • 単一1蒸溜所(シングル・ディスティラリー)
  • 1年のうちの1シーズンに蒸溜されたスピリッツを樽詰めしたものを政府監督の保税倉庫で熟成したもの

という条件のもので、現在は廃止となっています。

香りはメローで豊か。ハイプルーフでボディに厚みがあります。重厚なバーボンの風味を感じられる逸品です。

濃厚なバニラやアンズの柔らかな甘みが印象的で、長い余韻を楽しめる一本です。

オールドクロウ トラベラー

こちらは1960~70年代流通したボトル。

スリムなボトルでカバンに忍ばせやすく

どこへでも持ち運べることからこのようなネーミングがなされました。

(実際に750mmlのウイスキーを持ち歩く方は多くないと思いますが…笑)

香りはカスタードクリーム、バニラビーンズ、焦がしたカラメル、バナナ。

味わいはブラックベリーの酸味、次にアニスやシナモンのスパイシー。

濃厚なオーク材の香りが鼻腔にはびこり、バニラビーンズ、カスタードクリームのコクのある甘味が続きます。

後半はバナナカスタードパイの香ばしさとフルーツ感。

現行品とはまるで違う出来!甘みとスパイシーさが良いバランスで同居しています。

オールドクロウ リザーブ

つい数年前まで販売していたモデル。

4年熟成で、パンチと余韻の長さを楽しめるボトルです。

ビームサントリー社が輸入していないため、日本では並行輸入品のみ入手可能でした。

香りは軽く酸味のある樽ライ麦パン、優しいカラメル、バニラビーンズ。

口に含むとアルコールの刺激は少なく、カラメルソースとバナナの甘み、カカオのビターが追いかけ、程よく長い余韻も堪能できます。

当時はかなりコストパフォーマンスが高い商品だったかと思います。

飲みやすくシャキッとしており、粋で男性的なバーボンです。

オールドクロウ ローリングK

伝統的な味わいをもつオールド・クロウというバーボンを、日本市場向けの味、パッケージ、価格で提供するために開発されたボトルです。

オールドクロウが閉鎖された1987年の翌年から瓶詰を行ったモデルで、ケンタッキーのKを、ロッキング・チェアに見たてたラベルが人気でした。

フルーティーで甘く軽快な立ち上がり、バニラとバナナとほのかなインク。

飲み口は穏やかで、非常に飲みやすい。刺激が少なくバナナと乾いた穀物の甘さ、ややタンニンの酸を感じます。

理論上だと1990年くらいまでのローリングKにはオールドクロウの原酒が使われていた可能性があります。

 

オーツカ
2018年末にツイートもしましたが、禁酒法以前のバーボンもいくつか現存しているようです。

1912年のオールドクロウとか、、、とてつもないっすねぇ。

オーツカ
と思ったら、ウイスキーブロガーのくりりんさんがらしきものを飲んでいるでありませんか!

いやぁ、これはときめきますね。鳴海昌平のような雑な飲み方はとてもじゃないけどできない。

バーボンを専門を扱うバーなどではもしかしたら出逢えるかもしれないオールドボトル。

そんなロマンを探すも良し、現行ボトルを飲みながら松田優作の処刑遊戯を見て、鳴海昌平のオーラを学んでみるもよし、色々な楽しみ方ができるオールドクロウをぜひご賞味あれ!





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