前回の「愛飲家の先輩たちからもらった良いエピソード」に続き、今回は悪い意味で印象に残ったエピソードを紹介していく。
つまり新規ファンがもらって傷ついた言葉や、嫌な思い出というやつだ。
あまり印象の良いネタではないが、あえて触れていく。
「ウイスキークラスタはいい人ばかり」などという台詞をたびたび耳にするがそんなものは幻想にすぎない。
品のない者はないし、聖人君子も存在する。
全愛飲家が聖人君子になるのは難しいが、新規ファンにはできる限り優しく接し、ウイスキー人口を増やしてほしい。
このエピソードが、現愛飲家の参考になれば幸いだ。
先輩たちからもらった悲しい台詞や悪いエピソード
すべては紹介しきれないが、アンケートからいくつかのエピソードを抜粋していく。
周りの空気を察することは大切ですな。
アードベッグ狭量。
Twitterは修羅。
こういう人いるー!
顕示的商品としての側面は否めないけれど、場が萎えますね。
これ、気を付けないと愛飲家やバーテンダーもやってしまいますね。飲む前に言わると、味の印象が引っ張られちゃうんですよね。
トバモリーのノンピート原酒マウント、僕もとられたことあります。
今やウイスキーに関する国内外の情報が簡単に手に入る時代です。知識が豊富な新規参入者もたくさんいるでしょうから、やたらとうんちくをひけらかすのは気を付けたほうがいいかもしれません。
バーテンダーを試すようなことをする人、まだいるんだ。
これ、壮絶だな。引きが強い。
今は笑い話にできているようなのでよかった。
エピソードを見た限りやはり知識マウントが多い印象。
非常に稀ではあるが、お酒を提供するバーテンダー側にも「これを飲ますに値する客かどうか見定めさせてもらおう」的な人物はいるからやっかいだ。
ウイスキーに限らず、嗜好品というのは
量や数をこなした者(飲んだ者)を正義とする風潮は確実にある。
味を正確に表現できる能力もそのうちのひとつかもしれない。
「他者に知識を伝達し、共有する」という行為そのものは非常に有意義ではある。
しかしながら時と場所、そして相手の関心度を慮っていないまま言葉を発すると、人間関係に亀裂が生じやすい。
状況に応じて的確な知識を、スマートに伝えることが大切といえそうだ。
古参に嫌われるの「新参者」もいる
ご新規に気を付けてほしい点もある。
古参だって「コイツかわいくねーなー」と思う場合があるのだ。
それは、ウイスキーを少しかじっただけで、決めつけたり、貶したりするような人。
知ったような口ぶりで的外れな発言をするため、古参からすると自らのフィールドを汚されたような気がして、勘に障るのだ。
また古参は、流行りものに飛びついて、突然ファンになった人を嫌う傾向もある。
近年のジャパニーズウイスキーブームによる買い占めなどもそれに該当する場合がある。「これは買いですか?」の台詞は古参の前では禁句だ。
古きも新しきも、尊重しながら知見を分け合うのだ
古参も元をたどれば同じ「にわか」だったはず。
新しいファンを歓迎する空気を作り、寛容な心と愛をもってその育んだ知見を分配していくべきだろう。
大切なのは「スマートで上品」であること。
ご新規がウイスキーの沼にはハマるまで、しっかり交通整備をしてあげましょう。
ちなみに「悲しいエピソード」の中には
周りにウイスキーの先輩がいないことが何より悲しい
ワインや焼酎、日本酒好きが多く、ウイスキー派はかなりマイノリティ
という意見も散見した。
ブームとは言え、まだまだウイスキー飲みは少数ということ。
また冬の時代が訪れる可能性は十分にあるので、ご新規を大切に。業界が長く反映することを祈ります。