ウイスキーに関するニッチなアンケートを投げかける「BARRELラボ」。
先週から無事可動しており、たくさんの方がアンケートに答えてくれている。
いきなりこんなに登録いただけるとは思っていなかったので大変嬉しい。
みなさまありがとうございます。
今回はウイスキー愛好家のみなさんに「ウイスキーを好きになったキッカケ」を質問してみた。
その時の状況を知ることで、既存の愛好家はどう感じてきたのか?
これからの「ウイスキー愛好家」は何をキッカケにハマるのか?
のヒントを考えていく。
「愛好家」とはなんだろう?
そもそもウイスキー愛好家の定義は何か。
ここでは「ウイスキーの香りや味のバリエーションを楽しむ人」を指すことにする。
ウイスキーはブランドごと、熟成年数、樽ごとに味の差異が愉しめる。
飲み方によっても様々な変化があるので、非常にハマり甲斐のある嗜好品だ。
ウイスキーの香りや味のバリエーションを最も理解できるのは「ストレート」で飲むことなのだが、これが日本人にはハードルである。
蒸留酒のストレートは日本人に馴染まない
ALDH2欠損率が4割を超える日本人は、アルコール分解能力が弱い。
ビールや日本酒と比べても蒸留酒であるウイスキーのアルコールアタックは強く、日本人には馴染みがない。
前回書いた
居酒屋ハイボール層→ビギナー層(愛飲家)
へ、移行できない人が多いのも、このアルコール度数の高さに一因がある。
一時期、「太らない」「二日酔いにならない」と持てはやされ、女性人気も獲得したかのように思えた蒸留酒だが、飲まれるのはもっぱらハイボール。最近流行りのジンも、基本的にはソーダやトニックで飲んでいる。
既存の愛飲家たちが、如何にこの「ストレートで飲む」ハードルを越え、嗜好品として楽しんでいるのか、今回のアンケートで探れそうである。
既存愛飲家の「ウイスキーを好きになったキッカケ」
好きになったキッカケをはじめ、その時の年齢、場所、銘柄、感情などを明記してもらった。
ウイスキーを好きな人も嫌いな人も参考にしてもらえたら嬉しい。
好きになった場所は意外に自宅が多い!
バー:56%
自宅(宅飲み):30%
居酒屋(飲食店):10%
蒸溜所や書籍:4%
ウイスキーを好きになるほとんどのキッカケはバーだと思っていたが、自宅が30%という結果に。
ここ数年に渡るコロナ禍のせいで二次会需要が減りつつあるのも大きいだろうが、興味深い結果だ。
年齢は20代前半が多いという結果に
ウイスキーを好きになった年齢は
~24歳:43%
~29歳:28%
30代:26%
40代以上:3%
という結果に。
こちらもまた興味深い。
「アクワイアード・テイスト(後天的味覚)」の代表格みたいな飲み物なので、ハマるのは比較的遅い年齢と思っていたウイスキーだが、最近ではそうでもないのかも。
LINEアンケートのため、若い回答者が多いこともあるだろうが、近年の状況を探るには逆に良いデータだろう。
こんな風に好きになった!「キッカケ」と「その時の感情」
回答の中から、ウイスキーを好きになった状況と銘柄、感情をいくつかピックアップしてみる。
答えていただいたアンケートがとてつもない量なので、ピックアップは各3つくらいで。
先輩や友人がキッカケ
BAR(バーテンダーさん)がキッカケ
親族がキッカケ
自宅(宅飲み)がキッカケ
酒屋や蒸溜所、小説がキッカケなんて方も
おぉぉ、読んでると懐かしい気持ちになる。
場所、銘柄、飲み方を言語化して客観視してみると、色々な共通点があることにも気づく。
これをヒントに新規ファン獲得に向けてやれる企画いっぱいあるな。メーカーをはじめ蒸溜所やバーにも提案できそう。
「信頼感」や「憧れ」がキッカケをつくる
たくさんの方に回答いただいたのもで、とてもじゃないが全部のエピソードは紹介しきれなったが、回答者の多くは父親や職場の先輩、バーテンダーからおすすめされたことがキッカケだった。
YouTubeや各種SNS、ブログなどで多くの情報が飛び交う現代だが、「信頼感」という意味では、インフルエンサーより身近な人が一番なのだろう。
高価で複雑そうなウイスキーのハードルは高い。
案内品やメンターになってくれる人の存在は何より大きいものだ。
もうひとつ。
心に残ったのはこんなエピソード。
憧れの人が嗜んでいるお酒がウイスキーというのはとても素敵だ。
「憧れ」という感情も信頼感を構成する大切な要素のひとつ。
ウイスキーを飲むこと=かっこいい大人の象徴
という切り口は、古いように見えるが、一周回ってトレンドになるかもしれない。
ハイボールが浸透してから14年。
ウイスキーはおじさん臭いと言っていた層も、もはやおじさんだ。
これからウイスキーは社会的、文化的、経済的条件の元、新たなライフスタイルを模索することになる。
信頼感や憧れをつくるのに、「かっこいい」は重要なエッセンスになるかもしれない。
こちらはnoteの記事を転載したものです。
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