アイラ島のキルホーマン蒸溜所が、新シリーズ『ファミリーコレクション』の第1弾を発表しました。
11年・14年・18年・20年の4本構成で、20年はキルホーマン蒸溜所が一般流通させる最長熟成となります。
創業者一族であるウィルズ家の5人が、毎年恒例の熟成庫の在庫確認の際に、それぞれ1本ずつ樽を選ぶという趣向です。
英国での希望小売価格は11年が115ポンド(約23,000円)、14年が125ポンド(約25,000円)、18年が185ポンド(約37,000円)、20年が205ポンド(約41,000円)となっています。
為替は1ポンド200円で換算しました。

2005年から数えて、ようやく届いた数字
キルホーマンがアイラ島で蒸留を始めたのは2005年です。124年ぶりに島に誕生した蒸溜所として当時話題になりましたが、その蒸溜所がいま20年ものを出せる段階に来たというのは、素直に感慨深いところがあります。
昨年、創業20周年を記念したシリーズが組まれたときは、最長が18年でした。
そこから一段上がった格好です。
新興蒸溜所にとって熟成年数は買ってくることのできない資産ですから、こればかりは待つしかありません。
4本のうち1本だけ、造りが違う

このセットで目を引くのは、実は20年ではなく14年のほうです。
11年・18年・20年の3本は、ポートエレン製麦所から仕入れたフェノール値50ppmの麦芽を使った、いわゆる通常のキルホーマンです。
ところが14年だけは、蒸溜所が自ら栽培したロッホサイドファームの大麦を使い、敷地内でフロアモルティングを行った20ppmの『100%アイラ』にあたります。2011年の蒸留です。
自社栽培から自社製麦までを完結させる100%アイラは、キルホーマンの看板であると同時に、量が作れない造りでもあります。
畑の収穫量がそのまま生産量の上限になるからです。その14年ものが、4本のうち下から2番目の価格に置かれている。

年数を揃えて造りを見せる並べ方

このコレクションの組み立て方は、単に古い順に並べたものとは少し違います。
同じ蒸溜所の原酒を、バーボン樽とシェリー樽、そして50ppmと20ppmという2つの軸で並べ、そこに年数の幅を重ねている。
つまり熟成年数を売り物にしつつ、実際に見せたいのは造り分けのほうだという構成です。
キルホーマンはこれまで、シングルカスクや小ロットの限定品を次々に出すことでファンを掴んできました。
年に何本もリリースがあるので、追いかけるのが大変な蒸溜所という印象を持っている方も多いと思います。今回はそれとは逆に、腰を据えて年数と造りを並べる方向に振っています。
第1弾ということは、当然ながら第2弾以降も想定されているわけです。毎年ウィルズ家が樽を選ぶ企画が続くのなら、来年以降にどんな年数が出てくるかで、この蒸溜所の熟成庫の厚みが見えてくることになりそうです。

ぜひこのあたりでぶち破ってほしいところ。









