ザ・マッカランシェリーオーク18年
12年と並び、マッカランを象徴すべき定番ボトル。熟成年数18年以上のシェリー原酒で構成されています。
かつてのマッカランは、同一ヴィンテージの原酒をヴァッティングにしてつくられていました。
毎年、風味が均一になるように調整されてはいるものの、若干の差が生まれることは避けられませんでした。
しかし、現在では複数ヴィンテージの原酒をブレンドしており、今までよりも安定した味わいを保っています。
2015年まで蒸留年(ヴィンテージ)が記載されていましたが、2016年からはリリース年が表記されるように改められました。
さらに2018年のラベルチェンジの際にはリリース年表記も廃止。
現在では12年と同様「シェリーオークカスク」の表記と、熟成年数が記載されています。
マッカラン18年の伝統の一つであった、ヴィンテージ表記が終了したことは少しさみしく感じます。
ザ・マッカランシェリーオーク18年の味わい
香り
レーズン、トフィー、アーモンドの香りと、オロロソシェリー。加水すると、バニラとオレンジビターズ。
味わい
甘くてなめらか。ミディアムボディでスパイシー。中盤以降はスムースでドライにまとまります。
XOクラスのコニャックのような深みのある味わいと、重厚な完熟フルーツとナッティーな香りが長く続いていきます。
総評
非常にリッチでふくよかな香りを放つウイスキーです。
いつまでも続く余韻には多くのウイスキーラヴァー達が魅了されることでしょう。
甘くてなめらかな口当たりと、スパイシーさ、程よい苦みが複雑な味わいを形成しており、「ウイスキーとは奥深いものである」という認識を改めさせてくれます。
12年と比べるとリッチな仕上がりとなっていますが、旧18年と比べるとシェリー樽由来の個性は弱まっており、ライトでクセが少ない現代的な味わい。
古くからウイスキーを飲んでいる人間にはやや物足りなさを感じるところはありますが、これぞ最新式マッカランといった万人受けする飲みやすい味わいとなっています。
ザ・マッカランシェリーオーク18年のおすすめのおいしい飲み方
ストレート
アロマが豊富で、甘さとスパイスを伴ったフィニッシュが魅力的。
食後にストレートでゆっくりと味わいたいならばストレートで。
シガーやチョコレートとあわせると、いっそうおいしく愉しめるでしょう。
トワイスアップ
骨格のある力強い味わいで、加水してもバランスが崩れることはありませんが、芳醇な味わいを愉しむためにはアルコールのボリュームが必要です。
トワイスアップはハイボール、水割り、ロックよりも加水の影響を調整することができ、風味を維持できる飲み方。ストレートのようにゆっくりと味わうことができます。
アロマが最も開花するのはアルコール度数35度前後。
そこから徐々に水を加え、アルコール度数20%前後でストップ。隠れていたフレーバーを感じ、フローラルで繊細なフィニッシュを体験できるでしょう。
ザ・マッカランシェリーオーク18年の口コミや評価評判
初めて飲んだウイスキーはマッカラン18年
レーズンのような甘く長い余韻が最高で、そこからハマっていきました。— リク ウイスキーLover (@whisky1214) December 17, 2020
〆はマッカラン18年。この店そこまでがっつりウイスキー置いてはないけどあるなら頼むわな~。柔らかい甘みに程よい樽渋、余韻も柔らかい甘み。確かに美味いねぇ。ボトルは買える気がせんけど。#TWLC pic.twitter.com/yFtmN7wV8k
— ユージ@バイソナー (@hetareyuji) November 20, 2020
というわけで本日はこのお酒で優勝していくことにするわねぇ(ねっとり(6回目
マッカラン 18年 よ。
ウイスキーが苦手って人はぜひとも飲んでいただきたい。シェリー樽の甘さ、スパイスの深みが絡み合ってもう美味すぎる一品ね♡ ちなみにこれシングル1杯3000円♡ 高ぁい♡ pic.twitter.com/2ibif3i1iG— 自堕落天狗@TSF勢_ユニオンおじさん (@jidaraku_tengu) October 31, 2020
テイスティングレベルで5種類ぐらいウイスキーをハーフのストレートで飲んだけど、素人のわしでもわかるぐらいマッカラン18年が断トツで美味い
舌に乗る直前の香りもそうだし、喉を通る時の風味や飲んで口開けた時に口の中に入る空気でふわっと感じる香りどれをとってもマッカラン18年やんって感想— けんちゃん (@braveryk7) October 1, 2020
本当はマッカラン18年も12年もあまり変わらないよねってつもりだったけど18年美味すぎて困った
— Amandava@SS撮影スタジオ (@caldwell41pso2) December 13, 2020
マッカラン18年開封!
オフィシャルは安定ですね?
美味しい!
今度はボトラーズのワッカラン開けよう(笑)#TWLC#ウイスキー#マッカラン pic.twitter.com/ugOtFC0Y1g— りょう@ (@Tennis_Ryo) November 30, 2020
ザ・マッカラン18年のバリエーション
ザ・マッカラン トリプルカスク 18年
日本でも比較的手に入りやすいトリプルカスク。
これまで「マッカラン ファインオーク 18年」として販売されていましたが、2018年のコアレンジの刷新に伴い、名前と装いを新たに「ザ・マッカラン トリプルカスク 18年」として発売されました。
長熟マッカランに感じる甘みの凝縮されたレーズン、ココナッツ、オレンジピールのアロマ。
非常にやわらかい口当たりで、オレンジ、バニラ、オークの風味。かなりスパイシーで、ナツメグやシナモンを感じさせ、余韻にはダークチョコレート。
マッカラン18年の名にふさわしい、エレガントでエキゾチックなシングルモルトです。
マッカラントリプルカスク18年と、マッカランシェリーオーク18年の違いは12年のページを参考にしてください。
ザ・マッカラン ダブルカスク 18年
2017年3月に発売された商品で、酒齢18年以上のアメリカンオークのシェリー樽と、ヨーロピアンオークのシェリー樽をブレンドしてつくられている、シェリー樽原酒100%のウイスキーです。
日本ではなかなかお目にかかれないダブルカスクの18年。オークションやフリマでも見かけませんが、個人輸入で買っているバーやマニアは存在します。
ヨーロピアンオークの繊細なスパイス香に、アメリカンオークからのバニラが加わることで、定番品のシェリーオークよりも甘みのある味わいとなっています。
また、柑橘とバタースコッチのフレーバーを感じることができ、まろやかで温かみのある個性。
ストレートはもちろん、ロックでも豊かなシェリー香と、上品な甘さが口の中に広がります。
マッカラントリプルカスク18年と、マッカランダブルカスク18年の違いは12年のページを参考にしてください。
ザ・マッカラン ファインオーク 18年
2004年に誕生したマッカランの新シリーズで、酒齢18年以上のアメリカンオーク・シェリー樽、ヨーロピアンオーク・シェリー樽、バーボン樽をブレンドした商品です。
トリプルカスクの発売と同時に終売となっていますが、まだまだ市場には出回っています。
アロマはトフィー、チョコレートがけのオレンジ。シェリー樽から紅茶のフレーバーが与えられ、バーボン樽からはウッディーな余韻を生み出しています。
加水するとクリーミーな味わい。よりスイートな香り。
バーボン樽の要素によって、巧みなバランスに仕上がっており、ハイボールや水割りでもおいしく飲むことができる味わいです。
トリプルカスクと一緒に飲んでみて、その味わいの差を見てみるのも一興です。
ザ・マッカラン グランレゼルバ18年
マッカランのストック原酒の中から上質な樽を厳選し、ボトリングされた限定商品です。
このシリーズは全て、ファーストフィルのスパニッシュオーク・シェリー樽を使用。
スペイン語で「特別に貯蔵された」という意味をもち、その名にふさわしい原酒を厳しく選び過ぎたせいか、1979年から1982年までの僅か4年間だけのリリースとなっています。
香りは芳醇なシェリー香と、柑橘、麦芽、ナッツ、レーズン。
口当たりはまろやかで、ややオイリーで力強い味わい。アルコール度数40度でありながら、カスクストレングスのウイスキーのような凝縮感があります。
歴代のマッカラの中でも非常に評価が高く、流通量が少ないこともあり、高値で取引されている人気のオールドボトルとなっています。
定価や旧ボトルの価格上昇の変遷
上昇を続けるマッカラン18年の定価
日本ではここ数年、シングルモルトスコッチウイスキー売り上げ第一位をキープし続けているマッカラン。
シングルモルトブームの追い風もあり販売量を増やしてきました。2013年以降は、シェリー樽や原材料の高騰などの理由で、毎年のように値上げが行われています。
特にシリーズの中で人気の高いシェリーオーク18年は、僅か7年間もの間に大幅に値上がりしています。
2013年までは1万円以内で購入できましたが、現在は定価3万円。流通価格では31,000円~35,000円ほどに推移しており、3倍以上の価格となっています。
時期 | 価格帯 |
2013年3月 | 10,000円~12,000円→18,000円 |
2015年4月 | 18,000円→22,000円 |
2016年4月 | 22,000円→ 27,000円 |
2017年~2018年 | 変更なし |
2019年~2020年 | 27,000円→30,000円 |
バーでの一杯の価格はどのくらい?
バーでマッカラン18年を飲むとなると、税抜き価格でワンショット3,000円~3,500円が相場。
高級ホテルやラウンジなどではサービス料がかかるため、税・サービス料込みで1杯あたり3,600円~3,900円くらいはすると思います。
オールド/特級ボトル/旧ラベルについて
ザ・マッカラン18年 1960年代ヴィンテージ
60年代に蒸留され、80年代にボトリングされた貴重なオールドボトル。
ラベル中央にはヴィンテージ(蒸留年)が大きく表記され、下部に小さめの文字でボトリング年の表記。
年数表記は肩ラベルにのみ記載されており、現代の18年とは違った高級感のあるデザインです。
マッカランは自家製樽を行う1974年までは、専属のシェリーボデガから樽を買い付けを行っており、より長いシーズニングが施されているシェリー樽を使用していました。60年代ヴィンテージには古き良き、買い付け時代ならではの個性が感じられます。
香りにはオロロソシェリー、プラムやアプリコットのような濃いフルーツと、かすかにピート香。上品な渋味・酸味を感じる見事な味わいのバランスで、リッチな余韻が長く続きます。
自家製樽の時代とは一味違う風味が人気を博し、マッカランのファンだけでなく、多くのオールドウイスキーファンを魅了する貴重なボトルです。現在では1本50万円を超える価格で取引されることも珍しくはありません。
ザ・マッカラン18年 1970年~1980年ヴィンテージ
80年代後期から90年代後期にボトリングした18年です。
60年代と比べ、ラベルデザインに大きな変化はありませんが、70年~80年に渡ってはシェリー樽が自家製樽へ移行されたり、蒸留所の蒸留器が増設されたことなど、マッカランのウイスキー造りにいろいろと変化が起きた時代となっています。
そのためヴィンテージによって味わいの差異があり、それぞれの個性の違いが楽しめる年代とも言えます。
全体的な印象としては、重厚なシェリー樽の風味とスパイス香がありながら、フレッシュですっきりとしたオーク香を感じ取ることもでき、複雑で豊かな余韻となっています。
ウイスキー評論家、故マイケル・ジャクソン氏の「モルトウィスキー・コンパニオン」では、70年~78年までの得点が、100点中94点と高評価。「これらの間には1点差以上の点数の違いはない。」とのことから、この時代の18年は高品質で安定していることが分かります。
ザ・マッカラン18年 1981年~1986年ヴィンテージ
1999年~2004年のボトリング。この時代からは肩ラベルの年数表記がなくなり、正面ラベルに記載されるようになります。
ラベル下部が紺色の帯状になったのも特徴的です。
ウイスキーの味わいは、70年代と同様、ヴィンテージによって違いがあるものの、甘さのある味わいと、まろやかでスムースな飲み心地があり、シェリー樽に安定感が感じられます。
シングルモルトとしての人気に火が付く前ということもあり、まだ豊富にあったストック原酒から、良質な物を選び抜かれている時代だったのでしょうか。オールドのマッカランとしての評価がまだまだ高い時代となっています。
ザ・マッカラン18年 1987年~1997年ヴィンテージ
2005年~2015年のボトリング。ラベルとボトルの形状が大きく変わります。ラベルの色は白が主体となり、丸瓶から楕円形となります。肩ラベルが無くなり、三角ラベルの18年表記となります。2015年にはマッカラン18年の伝統というべきヴィンテージ表記が終了。1997年がヴィンテージ表記としては最後となりました。
この時代の18年は、安定感がさらに増している印象で、ヴィンテージ同志が近ければ、ほぼ変わらない味わいです。
新ラベルとなったタイミングで味わいもリニューアルされ、これまでのマッカランと比べると個性が穏やかになり、フルーティーでまろやかな口当たり。以前のような重厚さ・複雑さに欠けているところがあるものの、バランスが整っています。
現代のボトルよりも加水に対して強く、ストレート以外でも愉しめます。
ザ・マッカラン18年 1998年ヴィンテージ(2016年)以降
2016年のボトリングからは、ヴィンテージではなくリリース年が表記されるようになりますが、2年後の2018年にはリリース年の表記もなくなり、年数表記のみとなります。
これにより、単一ヴィンテージによる制限がなくなり、異なる蒸留年の原酒が利用できるようになりました。より多くの原酒を選択できるようになることで、以前のよりも均一な味わいに仕上げることができます。
現代の18年は、ヴィンテージ時代と比べて明らかに味のバランスが変化しています。シェリー樽からの濃厚なアロマが薄れており、ゴム臭、オーク樽、青りんごの爽やかなフルーツ香が強く感じられます。
全体的にライトでスムースなバランスに変わったことで、モルト初心者にとっては飲みやすいウイスキーとなりましたが、往来の深みのある味わいと長い余韻は感じられなくなりました。
歴史の変遷を見ていくと、時代によってどう味わいやパッケージが変化したのかよくわかります。
グランレゼルバをはじめ、既に80年代蒸溜でも手が出ないほど高価格帯になってしまったマッカランのオールドボトルですが、お祝い事やハレの日にはぜひBarで一飲してみることをおすすめします。あなたのウイスキーという世界に、またひとつ新たな指標が加わるはずです。
マッカランがシングルモルトのロールスロイスと呼ばれるまでになった歴史などは、こちらのマッカランの記事で書いてます。お時間ある時に読んでみてください。
他の18年と比べても定価が高く、その価格帯に面食らうマッカラン18年ですが、ちゃんと理由があります。
なお、ザ・マッカランについて詳しく知りたい方はこちら。