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グレン・キースの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/10年・1983・ディスティラリーエディション

グレン・キースの味やおすすめの種類とおいしい飲み方/10年・1983・ディスティラリーエディション

グレン・キースの概要

グレン・キースはスコットランドのスペイサイドでつくられているシングルモルトウイスキーです。

もともと蒸溜所オーナーであるシーバス社のブレンデッド用として、ほぼ全ての原酒を提供してきたブランドです。

そのためシングルモルトとしてのオフィシャルボトルのリリース数が極端に少ないブランドでもあります。そういった意味では希少価値が高い商品といえるでしょう。

しかしグレン・キースでつくられた原酒はシーバスリーガル、バランタイン、パスポート、100パイパーズ、ロイヤル・サルートなどのキーモルトとして使われてきたため、ウイスキーを好んで飲む方であれば知らずして口に運んでいるブランドでもあります。

2000年に一度閉鎖されているため、オフィシャルよりもボトラーズからのリリースが圧倒的に多く、マニアでもない限り日常的に飲んでいる方はあまり見かけません。

しかし2014年の再稼働以降、2017年に『グレン・キース・ディスティラリー・エディション』を、2019年には『シークレット・スペイサイド・コレクション』として、21年、25年、28年をリリースしました。

グレン・キースの発祥と製造場所

スコットランドキースの町(スペイサイド)

グレン・キース蒸溜所があるのはスペイサイドのキースの町。

この町には他にストラスアイラ、ストラスミルがあり、少し郊外に出るとグレントファース、オスロスク、オルトモアなど名だたる蒸溜所がひしめき合っています。

上記6つの蒸溜所がある一帯は「キースエリア(キース地区)」と呼ばれています。

ちなみに「キース」の町の語源はゲール語ではなくケルト語の一種ブリテン語の「森(coed)」に由来するといわれています。

過去のキースエリア

創業は1957年、グレン・キースはストラスアイラの第2の蒸溜所として建てられました。

創業者はシーバスブラザーズ社。

経緯を辿ると、もともとカナダを拠点としていたシーグラム社がシーバスブラザーズと企業合同(トラスト)したときに自社の蒸溜所を所有していなかったため、1950年にストラスアイラを買収。
その後1957年にグレン・キースを設立するという運びです。

蒸溜所の建設費用はシーグラムが支払い、オーナーはシーバス社という立て付けで業務提携がなされました。

設立年のスコットランドの飲用蒸留酒の生産量は5400万ガロンに達しており、需要は増大していました。
シーバス社はグレン・キース蒸溜所が設立したのち、安定してモルトウイスキーを供給できるようになり、主力商品であるシーバスリーガルの生産・出荷量を増やし、業績を伸ばしていきました。

グレン・キースの歴史

キースタウン

photo by:VisitScotland

グレン・キース蒸溜所はキースの駅から徒歩で2〜3分、ストラスアイラ蒸溜所とアイラ川を挟んだ対岸にあります。

以前この場所にはトウモロコシの製粉工場があり、オートミールをつくっていたそうです。
その跡地に建設された蒸溜所で、なんとも落ち着いた風情ある外観です。

創業から大手シーバス社のもとで安定した稼働を行い、1994年にはオフィシャルのシングルモルト「グレン・キース10年」をリリースします。
このラベルには蒸溜年である「1983」が表記されており、これからグレン・キースの歴史が刻まれていくと考えられていました。

しかしその後、過剰生産により1999年に生産を休止。

2001年、シーバス社がペルノ・リカール社の傘下となってからもしばらく閉鎖が続きます。

この間にグレン・キース10年や人気だった1970年代のボトルがほぼ在庫切れになってしまいます。

グレンキース蒸溜所

そして2013年、ウイスキー需要の拡大からシーバス社から700〜800万ポンドの投資を受け設備投資し、グレン・キースは見事再稼働を果たします。

設備投資の結果、年間生産量が250万ℓ増加し、600万ℓのスピリッツ精製が可能となりました。

改装の際、蒸溜中に発生する熱をプロセス内でリサイクル処理できるよう再設計。
グレン・キースはシーバス社が所有する中で最もエネルギー効率の良い蒸溜所となりました。

加えて最新のスチル熱圧縮システムを初溜と再溜の両方に導入するという世界初の試みにより、他の蒸溜所よりエネルギー使用率を15%削減。
蒸溜所の設備近代化のパイオニアとなります。

しかし、いくら近代化を図り環境改善を行っても、グレン・キースで造られた原酒のほとんどがブレンデッド用に供給される状況は変わりませんでした。

隣接するストラスアイラが「ブランド本拠地」として評判の良いビジターセンターを抱えている以上、今後もグレン・キースを一般公開する予定は無いと考えられます(こっそりスタッフさんが中を覗かせてくれることはあるようです)。

寂しい現状ですが、これはストラスアイラ第2の蒸溜所として建てられた宿命なのかもしれません。

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グレン・キースの製法

グレンキース蒸溜所の正面

グレン・キースの原料となる麦芽はオプティック種とコンチェルト種のブレンドで、アンピーテッドのものを使用しています。

グレン・キースでは近年行われた改装の際、パゴダ屋根は残しつつモルティング設備を取り壊し、既存の蒸溜所と別の棟となる新たなセクションを建設しました。

そこに交代用マッシュハウス(糖化室)を作り、新しいマッシュタンを入れて発酵室を拡張し、生産能力を増加。
設置された糖化槽はフルラウター製で容量が8トン。拡張した発酵室には新たにステンレスのウォッシュバック6基を設置。

改装前の発酵槽は人が容器の中に入って手作業で洗わなければならなかったため、安全衛生上好ましくなく、自動洗浄タイプに切り替えられました。

グレンキース蒸溜所の発酵槽

また古いオレゴン松製の発酵槽9基は新しいオレゴン松材の容器へと交換されています。

発酵槽は現在ステンレス製6基、オレゴン松製9基のウォッシュバックが設置されています。

蒸溜器は創業当初3基あり、1970年まで3回蒸溜が行われていました(このあとしばらく2回蒸溜と3回蒸溜の併用が続く)。

これはグレン・キース立ち上げの際、スタッフの中にブッシュミルズで働いた経験を持つ人物がおり、ブッシュミルズと同じ3回蒸溜を試して以来続けられていたそうです。

またシーバスリーガルのキーモルトとして軽めの酒質が求められたのも一つの要因だと考えられます。

また70年代には、一時的にへヴィピートの原酒を製造していた時期があり、そのウイスキーにはグレンアイラやクレイグダフという名がつけられていました。(クレイグダフは、ストラスアイラ蒸留所で製造されていたという説もあります)。

1970年には新しく1組(2基)のスチルを設置し計5基へ。

このスチルはスチームコイルの設置こそ3年後だったものの、スコットランド初のガス燃焼式タイプでした。

グレンキース蒸溜所のポットスチル

同時期にバーボン式の連続式蒸溜機(ダブラー)が導入され、ローワインをこのスチルに通す2回蒸溜が始まりましたが、しばらくの間は3回蒸溜と交互に行われていました。

1983年に銅製の蒸溜器が1基加わり計6基へ。
これにより連続式蒸溜機が不要となり、正式に2回蒸溜に切り替えられました。現在も蒸溜器は6基(初溜3基・再溜3基)設置されています。

また1980年にマッシングと蒸溜のプロセスを管理するためのマイクロプロセッサーを設置しました。
こちらもスコットランド初の試みでした。

精製されたスピリッツは全て近くのキースの町中にあるウェアハウスまで運ばれ熟成されます。

蒸溜所の敷地内には技術センターなる施設が存在しており、ここでシーバス社の様々な実験が行われています。

現在シーバス社が所有する多くの蒸溜所ではここで開発された酵母株が使用されています。

グレン・キースのラインナップ

グレン・キース 10年

グレン・キース 10年

1994年に発売された10年もののグレン・キース。

オールドボトル販売サイトや通販サイト、ヤフオクなどでごく稀に売り出されますが、国内ではかなり入手困難なオフィシャル10年ものです。

香りは洋ナシに青リンゴ、マスカット様の爽やかなフルーツ、麦芽のウエハース、ジンジャーなどのスパイス感も。

口に含むと絹のようにさらりとした舌触り、若干オイリーさも感じます。

味わいは香りに引き続き青リンゴ、洋梨、ドライプラム、ジンジャークッキー、後半にビターチョコの余韻。

果実の風味豊かで、スペイサイドならではの華やかを持っているボトルです。

シャープですがボディはミディアム。10年とは思えない余韻の長さもあります。

食前でも食後でもいけちゃうボトル。バーなどで見かけた際には是非お試し頂きたいです。

グレン・キース 1983

グレン・キース 1983

こちらはボトルに蒸溜年である「1983」が記載されているボトルです。上記の10年より前に出たラベルです。

1983のヴィンテージ表記はその後間もなく廃止。
代わりに熟成年数が表記されるようになります。

中身は10年熟成のものと変わらないといわれています。

グレン・キース ディスティラリー・エディション

グレン・キース蒸溜所は2000年に閉鎖されましたが、2014年よりシーバス・ブラザーズによって再稼働しました。

そのグレン・キース蒸溜所が新たなオフィシャルボトルをリリース。

イギリスでのみ発売され、年数表記はありません。
アルコール度数は40%。発売当初の金額は30ポンドとのことなので、だいたい4000円前後。安いですね。

香りはとてもフレッシュでフルーティ。洋ナシとオレンジティー、ハチミツ。サラサラのバニラアイス。

味わいはとにかくライトで柔らかい。フルーティーなオレンジ、洋ナシ、アップルパイとシリアルクッキー。

ややハーバルなフィニッシュで、余韻はドライで短い。

ザ・スペイサイドモルト。面白さはあまりありませんが、出来は悪くないと思います。

国内通販やフリマでもまれに見かけます。恐らく国外から輸入して販売しているものと思われます。
再稼働後初めてのボトルなので、お好きな方は試してみるのもよいでしょう。

グレン・キース 17年 カスクストレングス・エディション 54.9%

こちらもシーバス社のビジターセンターで入手可能な17年もののオフィシャルボトル。

加水無しのカスクストレングスにてボトリングされています。

香りはすっきりとしたシトラス&バニラ、ホワイトクッキー、品の良いバタースコッチ。

味わいは青リンゴのフルーティさ、洋梨タルト、オレンジピールのフレッシュさ、僅かながらヘザーの風味も。

フィニッシュには少し、洗剤?芳香剤のような香りが。

カスクストレングスながらもアルコールの刺激は少なくすいすい飲めてしまう1本。

グレン・キース シークレット・スペイサイド・コレクション

グレン・キース シークレット・スペイサイド・コレクション

ペルノ・リカール・グループが保有するスコットランド・スペイサイド地方のウイスキー蒸留所の中から、18年以上の熟成年数を誇るシングルモルトウイスキーを精選した『シークレット スペイサイド』コレクション。

「キャパドニック」、「ロングモーン」、「ブレイズ・オブ・グレンリベット」、そして「グレン・キース」が発表されました。

発売されるのは、グレン・キース21年(160ポンド)、グレン・キース25年(336ポンド)、グレン・キース28年(442ポンド)となっており、すべてアルコール度数43%です。

グレン・キース 21年

グレン・キース 21年

選び抜かれたオーク樽とバットによる熟成で、フルーティな甘さを持っています。

香りは熟した洋梨、優しい桃、ハチミツとバニラトフィーの香り。
味わいはローストアーモンドとフルーティーさが際立ち、かすかに果皮の感じる長く、スムースな余韻が続く。

編集部未飲のため、オフィシャルより転載。

グレン・キース 25年

グレンキース 25年

ファーストフィルのアメリカンオーク樽熟成で、シロップのような甘さがスパイスに溶け合こむハーモニーが印象的。

香りはトフィーアップル、スパイスジンジャーママレード。
味わいは強いスグリの実のジャムやバニラカスタード。長く、スムースで甘い余韻。

編集部未飲のため、オフィシャルより転載。

グレン・キース 28年

グレン・キース 28年

ファーストフィルのアメリカンオーク樽熟成で、シトラスや果実、スパイスが織り成す絶妙なシングルモルト。

香りは甘く熟した桃やアプリコット、シナモンやほのかに焦がしたオーク。
味わいは甘いオレンジのフルーティーさ、バニラファッジ、そして自家製のジンジャーブレッドのようなスパイシーさ。長い余韻。

編集部未飲のため、オフィシャルより転載。

グレンキースのおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

まさに王道スペイサイド。匂い立つ夏のフルーツ。
シーバスリーガルの忠実なる腹心、それがグレン・キースです。

グレンフィディックやグレングラント、ストラスアイラなどが好きな方にはたまらないフルーティーな香味を持っていて、青リンゴや洋ナシ、アップルパイ、ジンジャークッキーといった味わいに喩えられます。

おすすめの飲み方はストレート。
もともとの酒質が強くないので、オールドオフィシャル10年だけでなく、ボトラーズからリリースされているグレン・キースも基本はストレートをおすすめします。
ディスティラリー・エディションもストレートでサラリと飲めます。
というか飲みすぎてしまうことでしょう。お気をつけて。

グレン・キースでは、過去ハイランドでは珍しい3回蒸溜が行われていたので、1960~1970年あたりのボトラーズリリースでは当時の原酒が味わえます。
この頃の味わいはクリーンでシャープで、軽快。そしてどこか青臭い。
ブッシュミルズを参考にしただけあって、ボディは弱いですが、南国フルーツのような瑞々しいフルーティさもあります。
良くも悪くも「儚い」モルトとといったイメージです。

グレン・キースは70年代後半に、へヴィピート原酒を製造しており、「グレンアイラ」なるウイスキーがシグナトリーのカスクストレングスコレクションから発売されています。

機会があったら飲んでみてくださいね。

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