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グレンアラヒーを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

グレンアラヒーの味やおすすめの種類と飲み方/12年・15年・18年・25年・10年カスク

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オーツカ

ざっくり覚える!

業界の重鎮「ビリーウォーカー」の秘蔵っ子グレンアラヒー。スコットランドスペイサイド地方でつくられるシングルモルトウイスキーです。

もともとブレンデッド用に原酒を供給するため1967年に建設された蒸溜所で、シングルモルトのリリース数は極々少なく「知る人ぞ知る」ブランドでした。しかし2017年、ベンリアックの元オーナー、ビリー・ウォーカー氏が買収し、近年は積極的なリリースを行なっています。

もともとはフルーティな芳香となめらかでキレのある飲み口を持つスペイサイドらしい佳酒といった体でしたが、昨今ではヘビーでリッチ、ボディの厚い酒質を余すところなく発揮しているといった様相。その上質さから近年最も注目を集めているブランドのひとつといえます。

日本でもかなりファンが増えてきた印象が見て取れます。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

オフィシャルシングルモルトはほぼ幻と言われていたグレンアラヒーが「ビリー・ウォーカー氏」の手により見事復活を果たしました。

ベンリアックを買収した後、様々なボトルをリリースしている「業界の風雲児」が今まさに手塩にかけて育てているウイスキーです。

グレンアラヒーで特筆する点といえば、なんといってもスタンダード12年、15年の完成度の高さです。

飲み方はぜひストレートで。
バタースコッチとシナモンが香る、そのハウススタイルを堪能してください。
加水も多少は良いと思いますが、ハイボールやロックだとえぐみや溶剤っぽさが強く出るような印象です。

もともと使用する樽のほとんどはバーボン樽だったようですが、酒質はスペイサイドでも特筆すべきヘビーさがあります。熟成に耐えられるだけのタフネスを持ったタイプと思います。

現在行われているポート、モスカテル、ライウッドなど試験的なカスクフィニッシュ、そして25年、30年の長期熟成ボトルで見せた原酒の強さを鑑みるに、今後よりリッチで個性的な味わいになっていくことでしょう。

グレンアラヒーの発祥と歴史

どこで作られているのか?

グレンアラヒー蒸溜所はクライゲラキ蒸溜所から南へ1km下った場所に建てられており、ここから2kmほど離れた場所にはアベラワー蒸溜所もあります。

創立は1967年と比較的新しめの蒸溜所で、もともとはブレンデッドウイスキー「マッキンレーズ」や「スコッツクラブ」、「キングスランサム」に原酒提供していました。

創立社はスコティッシュ・ニューカッスル社で、蒸溜所の設計はウィリアム・デルメ・エヴァンス氏が担当しました。

エヴァンス氏はアイル・オブ・ジュラやタリバーディンなど数々の蒸溜所を手掛けてきた、機能と効率を重視した建築を行うことで有名な建築家です。

チャールズ・ドイグ氏と並び、蒸溜所建設における第一人者としても知られています。

彼は水平クーラーや重力を利用したプラント配置など、様々な機能とアイデアで蒸溜所造りに新しい風を吹き込みました。
そのエヴァンス氏が最後に手掛けたのが、グレンアラヒー蒸溜所です。

機能美に優れたモダンな造形のグレンアラヒー蒸溜所はパッと見、白塗りの近代的建造物に見えます。

チャールズ・ドイグ氏が手掛けたグレンバーギーやタリスカーのような東洋風のパゴダ屋根の趣きある外観とは異なるので、その無機質な佇まいは「モーテルみたいだ」と酷評されたこともあるそうです。

コンパクトで洗練されており、今見ても古びれてないって感じがしてかっこいいですけどね。

蒸溜所は1985年にインバーゴードン社に買収されますが2年後に停止。
その後1989年にペルノリカール社が買収してしばらく操業、その後約20年間は主にブレンデッド「クランキャンベル」の原酒供給用として操業します。

グレンアラヒーにとって最も大きな変化をもたらしたのは2017年のこと。

ビリーウォーカー氏が蒸溜所を買い取ったのです。

ビリーウォーカー氏

ビリーウォーカー。写真©:Simon Price/Firstpix

ビリーウォーカー氏といえばベンリアック・カンパニーの創立者で、グレンドロナック 、グレングラッサも買い取り、見事に軌道に乗せた超やり手の人物。

彼が2016年に3つの蒸溜所をブラウンフォーマン社に売却し、翌年新たに手にしたのがグレンアラヒー蒸溜所でした。

購入の動機は、ブレンデッド用に原酒提供していた時代から続く良質な樽がウェアハウスに多く残っており、その樽ごと購入できたからだそうです。

こうしてビリーウォーカー氏はグレンアラヒー・コンソシアム社を設立。

現在は独立系蒸溜所として積極的にシングルモルトをリリースし、ファンから注目を集めています。

シングルモルトの他、現在はブレンデッドウイスキーのマクネアズ、ホワイトヘザーへの原酒提供を行っています。

グレンアラヒーの製法

グレンアラヒーに使われる麦芽はクリスプ社のポートゴードンで製麦されたものでフェノール値60〜80ppmのヘビリーピーテッドのものとノンピートのものを使用しています。

使用比率はピーテッドが85%で残りの15%がノンピートとなります。

仕込みはワンバッジ9.4t。これで43,000ℓの麦汁を精製します。

グレンアラヒー蒸溜所の発酵槽

設立されている発酵槽はステンレス製のものが6基。
使用する酵母はケリーのリキッドイーストで1基に対して250ℓ投入します。

発行時間は長めの160時間で、出来あがったモロミのアルコール度数は9.4〜9.6%といったところ。

ポットスチルは初溜2基・再溜2基の合わせて4基が設置されており、さらにここに水平式のシェル&チューブコンデンサーが置かれています。

グレンアラヒー蒸溜所のポットスチル

使用する樽はブレンデッドウイスキー「クラン・キャンベル」へ原酒提供していた時代の多様な樽を使い、様々な風味を演出しています。なお、樽詰めの度数が63.5%、68%、72%と3通りのバリエーションがあるのがグレンアラヒーのこだわりです。

グレンアラヒー蒸溜所では前述した効率重視の建築家、デルメ・エヴァンスのアイデアである「重力に従ったプラントの配置」が行われています。

これはどういうことかというと、ポットスチルが一番低い場所に設置されており、発酵槽は一段高い場所に設置されているのです。
そしてスチルにモロミをチャージするウォッシュチャージャーもスチルより高い場所に設置されている…

つまり、ウイスキーをつくる工程順に従って、上から下へ重力に従って自然に原料が流れる仕組みになっているということです。

効率重視のグレンアラヒー蒸溜所のポットスチル

そして最終的にポットスチルに落とし込まれたモロミはスチル内で気化して上へ移動し、水平クーラーによって冷却されます。

通常縦に置かれているクーラーを水平式(横向きに設置)にした理由は、その方が冷却がゆっくりと進むのと、銅と接する面積が大きくなるためです。

デルメ・エヴァンスはなによりも合理性を優先するストイックな設計士だったということが分かります。

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グレンアラヒーのラインナップ

グレンアラヒー 12年

こちらはグレンアラヒーの12年もの。

酒齢10年以上の原酒を掛け合わせており、その多くはバーボン樽で熟成を行ったものを使用。現行グレンアラヒーのスタンダードボトルで46%でボトリングされています。

香りは甘いバニラケーキ、バタースコッチ。レーズンなどのフルーツ感が漂い、クルミとカカオの香ばしさに変化。

味わいは力強くスパイシーです。蜂蜜をかけたバナナケーキやレーズンバター、ビターチョコからシナモンのフィニッシュ。

フルーティでクリーミー、フルボディで飲みごたえがあり、余韻も長くドライ。

年々出来がよくなっており、12年のオフィシャルラインナップでは他メジャー蒸留所と比べても全く遜色がありません。

驚くべきクオリティと言えます。

グレンアラヒー 15年

熟成にペドロヒメネスのシェリー樽とオロロソシェリー樽のみの原種を掛け合わせてつくった15年もののグレンアラヒー。

ノンチルフィルタード、ノンカラーリングにてボトリングされています。

香りはシェリーからくるプラム、ブルーベリージャム、アラヒーらしいバタースコッチ、シナモンスパイス。

口に含むと、香りどおりのレーズン、バタースコッチ、シナモンが広がり、後半はオレンジピールの柑橘系とダークチョコレートのビターが訪れます。
フィニッシュはミディアム。やや短めか。

チグハグな感じもなく、シェリー樽ならではの豊潤な味わいを楽しめる1本です。

グレンアラヒー 18年

熟成年数18年以上のバーボン樽、シェリー樽にて熟成を行った原種を掛け合わせてつくられたグレンアラヒーのフラッグシップ。

香りはグレンアラヒーの持つバニラエッセンスやバタースコッチ、焼きたてのバタークッキー、シナモンのスパイス感に加え、ユーカリ油やミントなどややハーバルな印象を併せ持ちます。

味わいはレーズンやバニラアイスの甘み、程よく焼き上げたトースト、なめし革、後半は生八つ橋のスパイスと甘み、ほのかにレモンピールチョコの苦み。

リッチで厚みのあるボディ、複雑な甘みとスパイシーさが見事に調和したボトルで、欠点が見当たりません。

唯一の欠点は価格でしょうか。他蒸溜所の18年ものと比べると割高です。

グレンアラヒー 25年

こちらは25年もののグレンアラヒー。

現行のオフィシャルボトルの中では最長熟のラインナップとなります。

アメリカンオークのリフィルシェリー樽で熟成させた珠玉の1本でアルコール度数は48度にて調整されており、飲みごたえ抜群のボトルです。

香りは甘いレモンケーキとサルタナレーズン。
力強い果物の香りの中にクローブやシナモンのスパイス感、レザーや葉巻タバコ、オレンジマーマレード、上品なドライプラム。

粘性を感じさせる口当たりで、味わいはアプリコットやパイナップルのようなジューシーな酸と甘みがメイン。
徐々にオレンジマーマレードのビター、そしてこってりとしたクリーム入りの生八つ橋、ライ麦パン、最後は豊潤な枝付きレーズン、カカオたっぷりのビターチョコと変化する。

余韻はミディアムロング。25年にしては少し円熟味に欠く気もしますが完成度は高いです。

しっかりしたボディでバランスの取れた優雅なウイスキー。

グレンアラヒー 10年 カスクストレングス

こちらは10年もののグレンアラヒーを加水調整せずそのままボトリングした1本。

香りはパワフルでダークチョコレートとアプリコット。蜂蜜にトフィーの甘やかさ、アールグレイの茶葉。

味わいベリー系の赤い果実のジャム、ドライプラム、メープルシロップ、バターを絡めたクルミ、濃厚なバニラ、ウッドスパイス。

フィニッシュはオークの香りが支配的で、非常に長い余韻が続きます。

個性際立つ複雑な風味とガツンとした厚みのあるボディをとことん楽しめる毎年2,000本限定にてリリースされる限定ボトル。

12年同様、バッチを増すたび評価が上がっているように思えます。

グレンアラヒー 9年 ライウッドフィニッシュ

こちらはバーボンバレル熟成した後、ケンタッキーで使われたライウイスキー樽で追熟した9年もののグレンアラヒー。

香りはリンゴと蜂蜜、レモングラス、オレンジピールの柑橘、シナモンやナツメグのスパイス感。

味わいハチミツ、バニラ、マーマレードの甘みとスコーンやバタースコッチの香ばしさ、ホワイトペッパーやショウガのニュアンスも。

甘みとライウイスキー由来のドライでスパイシーな風味が同居したグレンアラヒーで、かなり好き嫌いが分かれるかなと思います。

グレンアラヒー 11年 モスカテルウッドフフィニッシュ

こちらはバーボンバレルで熟成後、モスカテル(白ワイン)ワインの樽で追加熟成を行った11年もののグレンアラヒー。

香りはモスカテルらしい桃、アプリコット、パイナップルの缶詰、ヘザーハニー、浅煎りのコーヒー、シナモンスパイス。

味はモスカテル由来の桃のフルーツ感、オレンジピールの柑橘系、中間にヘザーハニー、フレッシュベリー、後半にシナモンやグローブなどのスパイシー感が現れます。

やや南国感のあるグレンアラヒーを楽しめるボトルです。

グレンアラヒー 11年 ポートウッドフィニッシュ

バーボンバレルで熟成後、ルビーポートワインの樽で追熟した11年もののグレンアラヒー。

香りはマイルドですが、赤く熟したベリー系の果実、ローズウォーター、カカオ、プラム、奥にシリアルとバニラ。

味わいはシェリー酒、プラム、枝付きレーズンの甘み、スモモやブラックチェリーのフルーティさ。

やや原酒の若さが目立ち水っぽさがありますが、ポートワイン樽由来の赤い果実のアロマと、タンニンを感じさせてくれます。

 

オーツカ

ゲール語で「岩だらけの谷」という名が示す通りの豊満でディープなウイスキーです。

ネックはちょっと価格が高いことですね。
ただ、なかなか代替品が出てこなくなってきたので、しっかりポジションは築けてきている気がします。

ビリー・ウォーカー氏は日本人に人気のグレンドロナック、グレングラッサなども手掛けているので、今後どんなボトルがリリースされるか楽しみに待つことにしましょう。




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