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カナディアンクラブを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

カナディアンクラブ

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オーツカ

ざっくり覚える!

スーパーでも唯一よく見かけるカナディアンウイスキーと言っていいでしょう。カナダを代表するブランド、「カナディアンクラブ」。

ライ麦を原料としたウイスキーと、その他の穀物でつくったグレーンウイスキーをブレンドした「カナディアン・ブレンデッドウイスキー」に属します。

大都市オンタリオ州にあるカナダ最大の生産量を誇る蒸溜所「ハイラム・ウォーカー蒸溜所」でつくられています。

今日に至るまで150ヵ国以上の人々に「C.C.」の愛称で親しまれ、そのすっきりとしたシャープな味わいでウイスキーファンを魅了し続けてきました。

スタンダードボトルは1,000円程度で購入できるため、ウイスキー入門用、そして晩酌の宅飲みウイスキーとしても愛されています。

長らくビーム社が経営を行ってきましたが、2014年にサントリーがビーム社を購入したため現在はビームサントリー社がオーナーとなり、製造・販売を行っています。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

主にアメリカ市場への輸出で成り立っており、日本での扱いは極端に少ないカナディアンウイスキーですが、C.C.だけは多くのバーや居酒屋にも置いてありますね。

ほぼほぼグレーンウイスキーのような製法で、低いアルコール度数が特徴。

樽感やピートは感じさせず、とにかくライトでまろやか~です。

よく言えば「超飲みやすく」悪く言えば「単調で物足りない」。

クセがないのでウイスキービギナーにはとても勧めやすくはありますが、ストレートやロックで杯を重ねると、急に飲み飽きてしまいます。

基本の飲み方はソーダ割や水割りがいいと思います。
カナディアンクラブのハイボールは中華料理などの脂っこい料理には非常におすすめで、すっきり飲みやすいゴクゴク系です。

現行オフィシャルスタンダードボトルは、まさにウイスキー界の「ほろよい」。

ライトな飲み口で心も軽く、忙しい日々にカラッと一杯だけ飲んで眠るにはちょうどいいですね。

12年は後味がとても甘くで、ホットウイスキーにしても美味しいです。

20年以上の長熟となるとイチゴジャムような味わいとアーモンドのスパイシーさが出てきます。30年以上は複雑味が増し、高級なダージリンティのような風味も。紅茶に足してもうまい!

さらに、昨今40年オーバーの超熟品を毎年出しているカナディアンクラブ。
熟成年数の割には非常に安価で、コストパフォーマンスが高い逸品です。実は隠れた銘品で、お口に合ったらボトル買いでも損しない逸品です。

カナディアンクラブの発祥と歴史

どこで作られているのか?

ハイラム・ウォーカー社

©ハイラムウォーカー

カナディアンクラブの創業者はハイラム・ウォーカー社。

ブランド立ち上げは1858年となります。

蒸溜所があるカナダ・オンタリオ州ウィンザーは清冽で豊かな水脈と自然に恵まれ、穀倉地帯にも近く、ウイスキーづくりに最適な環境にあります。

当時売られていたライウイスキーやバーボン、スコッチ、アイリッシュ、どのウイスキーも持ち得ない爽快なタッチの新しいテイストはアメリカ東部の格式高いクラブで「品格のあるウイスキー」として人気を獲得しました。

このカナディアンクラブの存在は、カナダのウイスキー業界に多大な影響を与えたのです。

カナディアンクラブという商品がカナディアンウイスキーの香味や特性を決定づけたといっても過言ではなく、まさにカナダウイスキー界の先駆者とも呼べるべき存在のブランドです。

カナディアンクラブの歴史

カナディアンクラブの歴史は、「カナディアンウイスキーそのものの歴史」といっても過言ではないため、少し掘り下げて紹介していきます。

カナディアンクラブの創始者であるハイラム・ウォーカーは非常に聡明な人物で、野心家でもありました。

彼はミシガン州デトロイトで食料品店を開業し、経営基盤を固めて行きます。穀物商として若くして頭角を現し、商人としての成功を収めていたのです。

そして憧れだったウイスキー事業への道を歩もうとしますが、当時アメリカでは禁酒運動が盛んに行われていました。

ウォーカーはアメリカでウイスキーを製造することに難しさを感じ、隣国のカナダに着目します。

そして1856年、カナダ・オンタリオ州のウィンザーに蒸溜所を建設しました。

この地域は清冽で豊かな水脈が走り、自然に恵まれ、穀倉地帯にも近く、ウイスキーづくりに最適な条件が全て揃っていました。

この地はデトロイト川を挟んだ対岸のカナダ…つまり目の前に消費大国アメリカがある好立地です。

カナダのウィンザー サンドウィッチストリート

1858年に試行錯誤を繰り返し、ライ麦由来の風味が心地よい、軽快で爽快なタッチのウイスキーを開発します。

当時出回っていたどの地域のウイスキーにもないライ麦由来の爽快なテイストは、紳士の社交場「ジェントルメンズクラブ」で大人気となり、その名は一気に広まります。

ウォーカー氏は品格あるクラブで飲むウイスキーということで、「クラブ・ウイスキー」と命名しました。

こうしてカナダ初のウイスキー「クラブ・ウイスキ-」が誕生したわけです。

 

1890年になるとクラブ・ウイスキーから「カナディアンクラブ」へとブランド名を変更します。

名称変更にはこんな裏話があります。

「クラブ・ウイスキ-」の人気が高まり、アメリカ西部までその名が轟いた頃でした。

アメリカの蒸溜業界が「クラブ・ウイスキ-」を脅威と判断。アメリカ産とカナダ産のウイスキーを明確に区別するよう政府に求めたのです。

この動きにより1890年に法律が制定され、「クラブ・ウイスキー」から「カナディアンクラブ」へと変更することとなったのです。

また事業の成長とともにウォーカーは社員住宅や警察署、消防署、教会、学校などを整えた企業城下町をウィンザーに築き上げ、その土地の発展に大きく貢献しました。

カナディアンクラブの存在はウイスキー製造業社へ多大な影響を与え、みなカナディアンクラブの風味を見習ってウイスキー製造に励みました。

現在につづくカナディアンウイスキーの特徴や個性はカナディアンクラブあってこそつくられたものなのです。 

カナディアンクラブの広告

出典©:カナディアンクラブ

1899年、ハイラム・ウォーカーが死去。

ブランド名称が変わり、創業者が逝去した後も「C.C.(カナディアンクラブ)」の人気は高まりつづけました。

その結果、1900年には40種類以上もの「C.C.」の偽物が出回り、“〜クラブ”という名前のウイスキーブランドが増えました。

しかし老舗ブランドである「C.C.」は他社を寄せ付けず、センスの良さが伺える新聞やポスターにて広告戦略を展開。

品質の高さを伝え続け、より信頼性を増していったのです。

禁酒法により「C.C.」の評価がより高まった

1920年、アメリカは禁酒法を施行します。

アルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されてしまうのです。

それまでアメリカ人は自国のアメリカンウイスキーと輸入したアイリッシュウイスキーを飲んでいましたが、急に飲めなくなってしまったのです。

するとすぐさま密造の粗悪なスピリッツが出回り、カナダやスコットランドのウイスキーがアメリカへ集まるようになります。

カナダは隣国だったため、ウイスキーを調達できなくなったアメリカの密造業者が、ここぞとばかりに集まります。

禁酒法下、粗悪な密造酒が横行する中で高い品質を保ちつづけた「C.C.」は世の中から更なる信頼を得ることになりました。

また“カナダという国はアメリカの酒庫である” とも呼ばれており、1933年の禁酒法撤廃後、不足するアメリカ酒市場に貢献したのも「C.C.」を中心としたカナディアンウイスキーメーカーでした。

何度かオーナーが入れ替わりますが、2014年に当時のオーナーだったビーム社を買収し、現在はビームサントリー社が製造・販売を行っています。

カナディアンクラブの製法(作り方)

カナディアンクラブの原料は主にトウモロコシ。その他、ライ麦など他の穀物を少々利用しています。

つまりグレーンウイスキーと捉えられるのですが、カナディアンクラブでは3つのタイプのグレーン原酒をブレンドして造られているため、一般的なグレーンウイスキーのとは風味が異なります。

  1. トウモロコシを原料に連続式蒸溜機でアルコール度数60~70%に蒸溜した、軽くマイルドな味わいの「ベースウイスキー」。
  2. 主にライ麦や大麦などを原料に連続式蒸溜機・単式蒸溜機を併用して作る、「フレーバリングウイスキー」。
  3. 麦類を原料に一塔式連続式蒸溜機でアルコール度数95%程度にて蒸溜される「フレーバリングウイスキー」

これら3つの原酒をブレンドしてカナディアンクラブが作られています。

カナディアンクラブの作り方

出典:http://www.windsoreats.com

特徴的な点は、原酒を先にブレンドしてから樽詰め・熟成していること。

これはプレ・ブレンディングと呼ばれる製法で原酒の風味をなじませるために行います。

通常スコッチにおけるブレンデッドウィスキーの場合、先に熟成を行い、できあがった原酒をブレンドしますが、カナディアンクラブの場合は先にブレンディングを行うことで風味の調整を事前に行っています。

このように「ベースウイスキー」と「フレーバリングウイスキー」をブレンドするのはカナディアンウイスキーの特徴的な製法です。

ボトルによっては一部シェリーバット仕上げのウイスキーもあります。

また熟成時に常に一定の温度にしておくことも大きな特徴といえるでしょう。

季節の温度変化をそのまま利用するスコッチやジャパニーズと大きく異なっています。

カナディアンウイスキーについてはこちらの記事でも言及しています。

カナディアンウイスキーとは

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2017年12月22日

余談ですがアメリカ禁酒法時代、ギャングが大量に酒を買い込み、アメリカ国内でさばいていたのです。

そのため蒸溜所の地下には、禁酒法時代にあの伝説のギャング「アル・カポネ」がウイスキーの取引を行なっていた小部屋が今でも残されているそうです。

オールドボトルとの味の違いについて

カナディアンクラブだけに限らず、カナディアンウイスキーの味わいは70〜80年代を境に大きく異なります。

これについて、考えられる理由は70〜80年代後半にかけてのカナディアンウイスキーの衰退です。

カナディアンは70年代までが全盛期といわれており、それ以降は人気が低迷し特に80年代以降は衰退期といわれています。

70年代以前のカナディアンは、現行のものよりもボディに厚みがあり、風味もふくよかで味の方向性は同じものの、似て非なる深みを有するものだったようです。

味の違いの理由として考えられる点としては

  • 昔は使われているフレーバリングウイスキーのブレンド比率が高かった。
  • 過去の原料のほうが質が良かった。
  • トウモロコシを使ったベースウイスキーが、今ほど効率重視ではなく、現在より低濃度アルコールで抽出されていた。

など、様々な要因が考えられます。

原価の低いトウモロコシを原料に、連続蒸溜機を使って精製されたベースウイスキーは確かに生産効率はバツグンでしょう。

しかしライ麦・大麦原料で、ビアスチルやポットスチルを使って造られたフレーバリングウイスキーの風味には到底及びません。

コストを抑えるため質を落とした原材料にシフトした可能性もあります。

とにかく、カナディアンウイスキー業界自体が冷え込んだ時期に、このような製法の変化が業界全体に染み込んだのではないか…と考えられます。

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カナディアンクラブの種類/ラインナップ

カナディアンクラブ

こちらはカナディアンクラブのスタンダードボトル。

日本のコンビニやスーパーマーケットでも見かけることができ、価格も1000円前後で販売されているため晩酌用にもぴったりの1本です。

フローラルでバニラとカラメル菓子のやさしい香り。

味わいはまず焦がしたカラメルソースを薄めたような甘み、若干のアルコールの辛み、後からバニラとうっすらオーキーな風味が鼻腔を抜けます。

非常にライトで飲みやすいカナディアンウイスキーを代表するボトルです。

カナディアンクラブ ブラックラベル

こちらは日本市場向けにリリースされた限定品。

ソーダ割りや水割りにして、繊細な味わいの料理とあわせることも多く、やわらかな口当たりと馥郁と広がる芳醇な香りが特徴です。

バーボン樽にて8年以上熟成しているため、スタンダードよりぶ厚めのボディとなります。

香りは日の当たった乾燥したオーク材、オレンジピール、カラメル。

味わいもオーク材のウッディさを感じます。他にもバニラビーンズ、ベイクドオレンジ。

甘味は強いですが、口当たりは軽め。このあたりやはりカナディアンウイスキーです。

薄口なのに旨味を感じられるだしの効いた味噌汁のような1本。

カナディアンクラブ  クラシック12年

スタンダードボトルは6年熟成ですが、こちらはその倍となる12年の熟成期間を設けた原酒を使用して作られた長熟ボトル。

バニラエッセンスやカラメル、奥から梨やりんごのようなみずみずしい香りを感じます。

味わいは梨やりんごといったジューシーでフルーティーな果実味、後からバニラやハチミツ、キャラメルの甘みが押し寄せます。

少しだけバーボンのような焦げたニュアンスがあり、ロックなどでもおいしい一品。

カナディアンクラブ 20年

こちらは12年ものよりもさらに長い20年以上熟成期間をおいた原酒を使用して造られたボトル。

現在日本で発売されているオフィシャルボトルの中では最長熟のラインナップとなります。

香りはイチゴを混ぜたバニラビーンズ、プラム、きな粉、アーモンド。

口に含むとアルコールの刺激はほぼ無く、 柔らかな口当たり。

味わい優しいバニラビーンズ、綿あめ、品の良いすももやりんご様のフルーツ感、甘みとフレッシュさが同居する芳醇な味わいのボトルです。

カナディアンクラブ 30年

こちらはハイラム・ウォーカー蒸溜所の創業150周年を記念してリリースされたボトル。香りはチョコレートを混ぜ込んだオレンジソース、パイナップル、カカオ。トウモロコシや小麦の甘さも感じます。

味わいも香りと同様にチョコ、オレンジ、後からナッツの香ばしさ、少しペタッとした糖蜜と溶けたバニラアイス。最後にカカオのビターが続きます。

20年よりさらに柔らかい口当たりなのに、余韻は長く、でもやっぱりさっぱりしている…魔法のような風味のボトルです。

ライトかつスムース、シルクのような口当たりの逸品です。

 

オーツカ

上記でも書きましたがオールドボトルはかなり味が違います。

結構なオールドボトルでも比較的安価に飲めるのがカナディアンクラブ。

ふる~いカナディアンクラブの水割りを飲みながら、モンゴメリやマーガレット・アトウッドなどのカナダ文学を読むとか、最高に素敵な時間かと思います。

ぜひ現行品との飲み比べも試してみてください。




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