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ブナハーブンを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

ブナハーブン12年のボトル

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オーツカ

ブナハーブンは、スコットランドのアイラ島で造られるシングルモルトウイスキーです。

アイラ島のウイスキーといえばラフロイグやアードベッグのようにスモーキー&ピーティなウイスキーを想像しますが、ブナハーブンはピートをほとんど炊かずに作られており、癖がなくやさしい口当たりに仕上がっています。

その飲みやすい味わいから「最も飲みやすいアイラモルトウイスキー」と呼ばれており、角のない優しい味わいが人々に愛されています。

2004年頃からスモーキーモルトも手掛けていて、現在はかなり幅広いタイプのウイスキーを作っています。

ちなみに、アメリカでも人気の高いボトルで、ブッシュ大統領の時代にホワイトハウスで行われたパーティーには必ずブナハーブンが提供されていたといいます。

まぁ、これには理由がって、ブナハーブンのラベルにある”Westering Home”(西の故郷へ)という言葉がレーガン元大統領への賛辞として使われたからです。
どうやらレーガン元大統領が西部劇の俳優出身だったことに起因しているようです。

しかし”Westering Home”の本来の理由は、漁業が盛んなアイラ島の水夫達が漁へ出て、西に見えるアイラ島やジュラ島を目印にして帰った…という意味合いでラベルに記載されているようですね。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

初心者にもとっつきやすいアイラモルトとしてブルックラディの次に名前が挙がるブナハーブンは、良い意味で「ノスタルジックを感じさせてくれるウイスキー」だと思っています。

ひとたび香りを嗅げば、平穏で凡庸な田舎の景色が広がり、都会の華やかさはまるで感じられない。麦畑の向こうからやってくる化粧っ気のない、しかし美しい肌の少女。
そう、それがブナハーブンなのです。

かなりクリーミーでミルクチョコレートのような味わいがあるブナハーブン。飾り気のない(低俗という意味ではなく)麦芽や干し草のフレーバーは、素直で心地よいです。

酒質はそんなに強くなく、樽の影響は大いに受けるのですが、オフィシャルの18年以上のラインナップは完成度が高く、和三盆や三温糖といった甘みを感じる高級なデザートモルトに進化します。まるで田舎から出てきた娘が、どこかの御曹司と結ばれて色気ある大和なでしこに成長するかのようなストーリーを感じさせますね。

 

ボトラーズからのリリースも多く、80年代後半から90年代前半は名品が多いと言われています。

ただ、20年を超えるブナハーブンの長熟ものは、木樽の影響を受けすぎているものもあり、特にシェリー樽がエグめに出ているボトルも多く存在します。
酒質がそこまで強くないからか、複雑味の調和をとるのが難しいのでしょうか。
ゴム、タール、火打石のようなミネラル感やえぐみを感じてしまう場合は、開封から少し時間を置くと良いと思います。

飲み方はストレートやロックがいいと思います。麦の甘みを感じます。ハイボールだと少しスイートさが増えすぎて物足りない感じになるかもしれません。

昨今では世界的にピートフリークが増えたのでピーティなラインナップもつくっていますが、まずはスタンダードから飲んでいくことをおすすめします。

ブナハーブンの発祥と製造場所の紹介

ブナハーブンから見えるアイラ島、ジュラ島

ブナハーブンはゲール語で「河口」を意味し、蒸溜所は人里離れた入り江に建てられています。アイラ海峡に面しており対岸にはジュラ島がくっきりと一望できます。

アイラ島で最も北に位置する蒸溜所で、島の幹線道路、A846号から路地に入り、細い農道を約5km北上してようやく辿り着けます。

蒸溜所へ向かう農道は車もすれ違えないほどの狭さで、対向車を気にしながら向かわなければならないほど…。

かなり辺鄙な場所に蒸溜所があるわけですが、静かな入江に建つ蒸溜所姿は実に味わい深く、趣きが感じられます。

僻地にあるからか、敷地内には職人・ゲストが寝泊まりできるような住居スペースが併設されています。

2017年には1,050万ポンド(約15億5千万円)の設備投資がなされ、工期がなんと3年という大規模な改築計画が発表されました。

改築計画により、海岸に面した古いウェアハウスの撤去が進められています。
ウェアハウスの跡地には年々増え続ける訪問者に対するビジターセンター、カフェやショップを備えた施設が建てられる予定です。

施設のすべてが完成したか定かではありませんが、ビジターセンターは盛況でした。

宿泊者用のコテージも6棟建てる予定もあるため、今後訪問者の数はますます増えるでしょう。

また新しいウェアハウスの設営や既存の蒸溜所の改装も行われる予定です。

この改築で排出される建築廃材は99%は、新たに建てられる施設などで再利用されるそうです。リサイクルできる建材というのは現代的でいいですね。

ブナハーブンの歴史

ブナハーブン蒸溜所

ブナハーブン蒸溜所は1881年に創業されましたが、実際に蒸溜所が稼働したのは1883年からという記録が残っています。

建設したのはグラスゴー出身のブレンダー、ウィリアム・ロバートソン。

その後、ハイランドディスティラリー社→エドリントン社→バーンスチュワート社

というように次々オーナーが入れ代わります。

ウイスキーの人気がググっと高まった19世紀後半、ブナハーブンと同時期に建てられたのがブルックラディ蒸溜所です。
両者ともスコットランド全体で見ても100年以上の歴史を誇る老舗の蒸溜所です。

しかしアイラ島だけに限ってみると

  • ボウモア 1779年〜
  • ラフロイグ 、アードベッグ 1815年〜
  • ラガヴーリン 1816年〜
  • カリラ 1846年〜

と古株ばかりなのでアイラ島の蒸溜所の中では比較的新しい蒸溜所となってしまいます。

アイラ島が如何に「ウイスキーの聖地」であるか再認できます…。

ブナハーブン蒸溜所の周りの景色

ブナハーブンは長きに渡りブレンデッド用のヘビーピートの原酒だけを蒸溜し提供し続けていました。

しかし第二次世界大戦が終わり、1960年代に入ると世界的なウイスキーの需要を受けポットスチルを増設し、ノンピートの麦芽に変更しますが、この時点ではまだシングルモルトのリリースはされていません。

ブナハーブンとしてシングルモルトをリリースしたのは創業から100年近く経った1979年のこと。

初めてリリースされた「ブナハーブン12年」の登場によりアイラモルトでは珍しい「優しく飲みやすいアイラモルト」が世界中に知れ渡り人気を博します。

ノンピートが売りのブナハーブンですが、1997年にピートタイプの麦芽の使用が再開され、現在は「トチェック」「モアンヌ(モンニャ)」といったヘビーピートタイプのボトルもリリースされています。

元々ヘビーピートを扱っていたブナハーブン。これらを飲めば創業当時のブナハーブンの味わいを思い起こすことができそうです。

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ブナハーブンの製法(作り方)

ブナハーブンの熟成庫

出典©:wikipedia

1度の仕込み12.5トンとカリラに次ぐ大きさで66,500リットルの麦汁を精製することができます。

麦芽は6割がノンピートのもの、4割がピーテッドタイプのものが使われています。

ピーテッドタイプは現在ポートエレン製麦所からフェノール値35ppmのものを仕入れ使用しています。

麦芽の粉砕に使われるモルトミルは巨大で1バッチ12.5トン、これを2時間で全て粉砕します。

仕込みや加水に使われる水はマーガデイル・スプリングの湧水。

蒸溜所から約1マイル北西で得られる湧水は、島の土壌に含まれるピートの影響を受けないよう水源から地下に埋設されたパイプで大切に運ばれます。

ピート感の無い清冽な水はブナハーブンの風味の守り神といえるかもしれません。

発酵槽は10万リットルと巨大でオレゴンパイン製のものが6基設置されています。

発酵時間は66〜100時間と長めで、これにより6〜8%のもろみが作られます。

アイラ島の中でももろみのアルコール度数は低めに設定されているそうで、こちらもブナハーブンの軽やかさに深く関係してそうです。

ポットスチルは初溜2基、再溜2基の計4基があり、いずれも背が高くくびれのないストレートヘッド型のものとなります。

沖縄名産の島らっきょうのような形をしており、これも原酒の風味に大きく関係しているといわれています。

精製された原酒のアルコール度数は69%で、これを63.5%になるよう加水調整します。

熟成は9割がバーボン樽。その他1割にシェリー樽などが使用されています。

ウイスキー「ブナハーブン」のラインナップ 

ブナハーブン 12年

ブナハーブンが1979年に初めてリリースした12年もののシングルモルトです。

熟成に使われているのはバーボン樽がメインですが風味にはシェリー樽由来の香味もしっかり感じられます。

甘みがありつつドライでキレのある味わいのボトルです。

香りは黒糖、ドライレーズン、カカオ、青リンゴ、うっすらとしたハチミツも感じ取れます。

味わいは青リンゴの酸味、レーズンの甘み、後半にビターチョコの甘み。

ボディは最初軽めに感じますが、飲み続けるとミディアムボディくらいはあることに気づきます。

加水するとメロンのようなフルーティさが出てきて、飲み方のたびに違った一面を見せてくれるボトルです。

アイラ特有のスモーキーさはほぼ感じられませんが、ハイランドモルトのように癖がなく整ったバランスの風味を楽しめるボトルです。

ブナハーブン 18年

熟成年数18年以上の原酒をヴァッティングしてつくられたボトル。

原酒の比率は40%程がシェリー樽、60%がバーボン樽で他のラインナップよりもシェリー樽の比率が高くなっています。

したがってシェリー由来のウッディな香り、シナモンやクローヴのようなスパイシーなアロマを感じます。

味わいはフルーティさと酸のバランスが絶妙でチェリーカスタードパイのよう。

チェリーの甘酸っぱさとバーボン由来のバニラ・カスタード、それにモルティもしっかり感じられます。

フルーティな洋菓子、デザートモルトにぴったりの1本です。

ブナハーブン 25年

こちらは酒齢25年以上の原酒をヴァッティングして作られたボトル。

ブナハーブンのオフィシャルボトルの上位ラインナップです。

香りはドライプラム、レーズン、アーモンドの香ばしさ。

柔らかい口当たり、どこかかりんとうや黒糖、和三盆のような和の味わい。プルーンの濃厚な甘みと若干の酸味。

木の皮のようなウッディさとカカオの長い余韻が特徴的な完成度の高いボトルです。

このプルーンの粘着質な甘みが受け入れられれば最高に楽しめるボトルですが、そうでないと途中で飲み疲れるかもしれません。それほどに甘みが全体を支配している印象です。

現行でリリースされているオフィシャルボトルの中ではブ最高峰のボトルですが好みによっては12年ものの方が好みだという方も多いかもしれません。

ブナハーブン エリーナ・グレーネ

イタリアとフランスの高品質なレッド・ワイン・カスクで熟成させたブナハーブンで、様々な熟成年数の原酒を組み合わせでつくられています。

ナチュラルカラー、ノンチルフィルター、スモールバッチでボトリング。毎年限られた数量のみ免税店向けにリリースされる商品。

酒名の“エリーナ・グレーネ(Eirigh Na Greine)”とはゲール後で“Morning Sky(朝の空)”を意味し、このウィスキーの色合いがブナハーブンの朝の空を思い起こさせることにちなみます。

ワイン樽の影響はかなり強く、ココア、ベリー、レーズンなどを感じます。

味わいはスムーズでソルティ。ボリューム感もちょうどよく、アップルパイ、チェリーパイ、塩キャラメルなどを感じます。

赤リンゴジュースを彷彿とさせるような味わいで、ブナハーブンとワイン樽の相性の良さを感じる逸品ですね。

ブナハーブン クラックモナ

通常ピートを使用しないブナハーブン蒸溜所のピートを利かせた限定品。

「クラックモナ」とは、ゲール語で“積み重なった乾燥させたレンガ状の泥炭”から由来しています。

昔からかなり評価の高い逸品で、特に海外人気は高いです。

しっかりとしたアルコール度数で飲みごたえもたっぷり。安ウマ銘柄として、しれっと色々なスコッチランキングに登場指定jます。

香りはシナモンをまとったピートスモーク。明るく爽やかなレモンピールのようなイメージもあります。干した野菜、ムール貝、ローストナッツなど、複雑なフレーバーが楽しめます。

味わいは非常にパワフルで、しっかりしたスモークの中にグレープフルーツ。やや重たいバニラ、べっこう飴、黒糖。

余韻は温かくスパイシー。非常にオイリーで、魚介を感じさせる薫香が長く続きます。

ブナハーブン モアンヌ(モンニャ)

2003年、イアン・マクミラン氏がマスターディスティラーに就任した年にブナハーブン25年と同時にリリースしたボトル。恐らく現在は終売していると思います。

ピーテット原酒をシェリー樽で熟成後、ブナハーブンでは初となるブランデー樽で3年間の後熟した限定品ボトルです。

「モアンヌ」はゲール語で泥炭を意味します。

香りは意外に素朴で軽やかなピート香、磯の香りがします。

味わいはスモークして作られたドライプラム、紅茶を連想させる風味で口当たりはマイルド。磯気も奥に潜んでいます。

後熟に使われるブランデー樽のせいかピート感がおとなしく感じるため、とっつきやすい印象のボトルです。

ブナハーブン トチェック(トチェック ア ガー)

こちらはブナハーブン蒸溜所が始めてアイラ島モルトらしいヘビーピートの麦芽を使って仕上げたボトルです。

上で紹介した「モアンヌ」とブナハーブン蒸溜所のノンピート原酒をヴァッティングして作られたものとなります。

トチェックはゲール語で「煙り」や「煙たい」を意味ということです。

アイラらしいピーティな面とブナハーブンらしいソフトな面を併せ持つボトルです。

香りはレーズンとスパシーなピートの香りがしっかりします。
口に含むとレーズンチョコと口内にまとわりつくような煙の味。ドライフルーツと乾燥イチジクの甘み、わずかなヨード香。余韻はウッディで心地よいスモーク。

続編となる「トチェック ア ガー」はバーボンとシェリーの2種類の樽で熟成されていますが、前作の「トチェック」よりもシェリーの影響が強く表れています。

ブナハーブン ステュウラーダー

こちらは、ファーストフィルのシェリー樽とセカンドフィルのシェリー樽で熟成したものをヴァッティングして造られたボトル。

「ステュウラーダー」ゲール語で「舵手」または「舵をとる人」を意味します。

香りはカラメル、シュガートーストの香ばしさと甘さ。乾燥した麦芽、干し草。

味わいもカラメル、ローストナッツの甘み、クローブ、後からシナモンのスパイスも感じます。

ドライでスパイシーな味わい、完成度の高いボトルです。

ブナハーブン、アイラ・フェス2018限定ボトル2種

2018年5月25日〜6月2日にアイラ島で年に一度行われるウイスキーの祭り「アイラフェス」に向けてボトリングされた2種類の限定ボトル。

ブナハーブン 2007 モイネ オロロソ・マチュアード」はオロロソシェリーカスクで熟成したピーテッドシングルモルト。アルコール度数は59.5%、限定1,881本。

ブナハーブン 2002 15年 スパニッシュ・オーク・フィニッシュ」は2013年までリフィルアメリカンオークカスクで熟成したのち、グラン・レゼルバというワイン(最低4〜5年熟成したスペイン産のワイン)に用いられていたスパニッシュオークバレルでフィニッシュ。アンピーテッドのシングル・モルトで、アルコール度数は58.2%、限定1,500本。

アイラ・フェスティバル期間中に蒸溜所内のショップで販売開始された希少なボトルなので、バーなどで見かけた際には是非お試しください。

 

番外:ブラックボトル

ブナハーブンが手掛けるブレンデッドウイスキー。

アイラ島にある7つの蒸溜所(ブナハーブン、アードベッグ、ブルックラディ、カリラ、ラフロイグ、ボウモア、ラガヴーリン)の原酒が使われているというウイスキー好きにはたまらない逸品。

アイラの全ての蒸溜所で造られた原酒が入っているということは、とんでもない煙たさ・ピート感があるかと思いきや、風味は意外に爽やかで甘みがしっかりとしており、飲みやすい仕上がりとなります。

どうやら2003年以降は南ハイランド(ディーンストン)やアイランズ(トバモリー)などのモルトの割合が増えたようですね。

香りはカカオ、青リンゴ、バニラ、レーズン。

味わいは青リンゴ、ブドウの爽やかさの後、カラメルの甘みが広がります。

アイラらしさを求めて飲むとその飲みやすさに面食らうかもしれません。

 

オーツカ

またブナハーブンはアイラ島の全てのモルトをブレンドして作られる「ブラックボトル」というブレンデッドウイスキーをつくっている蒸溜所でもあります。

お味は「うーん、、、」という感じでしたが、10年を飲んで驚きました。

ブラックボトル10年は普通にレベル高いです。うまい





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