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宮崎・都城クラフト蒸留所が始動。旅館と建設業のタッグが挑む2029年リリース

宮崎・都城クラフト蒸留所が始動。旅館と建設業のタッグが挑む2029年リリース

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2026年2月16日、宮崎県都城市役所で同市初となるウイスキー製造販売会社「株式会社都城クラフト蒸留所」に立地企業指定書が交付されました。

建設業や旅館業などに携わる地元の若手経営者4名が共同出資し、山田町中霧島にある老舗旅館の敷地内に製造拠点を構えます。

本格焼酎の集積地として知られる都城市で、既存事業のノウハウを活用した特異な蒸留所モデルが本格的に動き出したというわけです。

建設と旅館の知見を生かしたインフラとオーベルジュ構想

都城クラフト蒸留所最大の特徴は、出資メンバーである異業種経営者のノウハウが、設備投資の最適化に直結している点です。

ウイスキー蒸留所の設立には、銅製ポットスチルの設置に伴う耐荷重計算や防爆設備の構築など、極めて特殊なエンジニアリングが要求されます。

彼らは建設業のノウハウを活かし、設計・施工を外部委託せず内製化。

これにより初期投資の大幅な圧縮を実現していると考えられます。

さらに製造拠点として、老舗旅館「常盤荘」の敷地内にあった元レストランと倉庫を改装して利用しています。

更地からの新規建設に伴う時間的コストを回避し、既存の給排水設備をウイスキーの仕込みや発酵エリアに転用する合理的な設計だ。

旅館敷地内という立地は、製造現場を直接訪れる産業観光の拠点としても機能します。

宿泊客が発酵の香りを感じながら滞在し、都城産の黒毛和牛など地元の食材とともにウイスキーを味わう。

滞在・体験型のツーリズム展開を見据えた絶妙な配置と言えるでしょう。

熟成期間の資金繰りを支える強固な財務と行政のバックアップ

同社は事業目標として「3年後の一滴」を掲げています。

これは日本洋酒酒造組合が定めるジャパニーズウイスキーの自主基準を厳格に満たし、2029年頃にシングルモルトとして市場投入することを意味しています。

新興のクラフト蒸留所にとって、この3年間は主要製品を販売できない無収入期間。

しかし、同社は建設業や旅館業の既存収益基盤を持つため、当座の運転資金を稼ぐために未熟成のホワイトスピリッツを先行販売するといった手段をとりません。

原酒の熟成に専念できる強固な財務体制を備えているということでしょう!

さらに、都城市の行政による強力なバックアップも事業の推進力を高めています。

都城市は長年、肉類や本格焼酎を武器に、ふるさと納税で全国トップクラスの寄付額を集めてきました。

今回の立地企業指定は、3年後に完成するクラフトウイスキーを市の新たな高付加価値の返礼品として育成し、富裕層からの寄付を開拓するという行政側の出口戦略と完全に一致しています。

蒸留所側にとっても流通コストをかけずに全国の顧客へ製品を届けることができるため、極めて親和性の高い販売ルートが確保されている状態です。

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焼酎造りの技術とテロワールがもたらす独自性

生産現場の環境と人材確保の動向も見逃せません。

都城市は盆地特有の寒暖差が激しい気候であり、夏は高温多湿、冬は冷え込みます。

この温暖な環境下では樽材と原酒の相互作用が急速に進むため、水分の揮発による目減りが多い反面、樽由来の成分が強く抽出された力強い酒質に仕上がる傾向があります。

仕込み水には焼酎造りで実績のある霧島連山の良質な軟水を使用し、糖化工程の効率化や口当たりのまろやかさに寄与するはずです。

現在、同社は公的プラットフォームを通じて、月額30万円(基本給)という好待遇でウイスキー製造スタッフの採用活動を行っています。

求人要件には酒類製造の経験3年以上が掲げられており、必ずしもウイスキー経験者に限定していません。

地元宮崎や近隣の鹿児島に豊富に存在する、焼酎造りの熟練技術者の採用も視野に入れていると推測されます。

焼酎の減圧蒸留や常圧蒸留で培われた微細な温度コントロール技術。

そしてアルコールのカットポイントを見極める手法がウイスキーの製造工程に応用されれば、南九州ならではの圧倒的な独自性を獲得することに繋がると思います。

本格稼働に向けた設備の導入状況や、求める製造責任者の採用がどのように進むか。

2029年のリリースに向け、今後の動向を各メディアや酒類業界関係者も注視していくことになりそうです。




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