英国政府(Defra)は9月11日、「English Whisky(イングリッシュウイスキー)」および「English Whiskey」の名称を法的に保護する「GI(地理的表示)」を正式に付与したと発表しました。
これによりイングランド産のウイスキーは、スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、ウェルシュウイスキーと同じく、法律で定められた基準を満たした産品だけがその名称を名乗れる仕組みに加わります。
そもそも「GI」とは何か

GI(地理的表示)とは、産地や原料、製法について一定の基準を法律で定め、それを満たした産品だけが特定の名称を使える制度です。
ワインの『シャンパーニュ』や日本酒の地理的表示と同じ仕組みだと考えるとわかりやすいでしょう。
逆に言えば、これまで「イングリッシュウイスキー」という名称には法的な縛りがなく、誰でも自由に名乗れる状態だったということです。
何が「イングリッシュウイスキー」の条件になったのか

今回定められた基準では、原料の穀物と仕込み水はすべて英国産であること、イングランド国内で蒸溜し、アルコール度数94.8%未満で蒸溜されること、700リットル以下の木樽で3年以上熟成することなどが求められます。
瓶詰めは40度以上、着色料はプレーンカラメル(E150a)のみ許可。
樽材はオーク以外も使用でき、地元の醸造所と組んで仕込みを行うことも認められるなど、若い産業ならではの柔軟さも残されています。

6年がかりの申請がようやく実った

今回のGI認定は、業界団体「イングリッシュ・ウイスキー・ギルド(EWG)」が2022年2月に申請してから6年越しで実現したものです。
BARRELでも当時、ギルド設立のニュースを取り上げましたが(イングランドの各蒸留所によるイングリッシュ・ウイスキー・ギルド(EWG)が設立)、あの動きがようやく実を結んだ形になります。
2025年2月には異議申立て手続きが行われ、その後の調整を経て今回の最終承認に至りました。
現在イングランドでは70以上の蒸溜所がウイスキーを仕込んでおり、そのうち40以上はすでに商品を販売中です。
輸出先は日本を含む30カ国以上に広がっており、今後「イングリッシュウイスキー」を名乗るにはHMRCによる検証制度を通す必要も出てきます。









