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アイリッシュウイスキーの規定が改定!その他穀物5%が30%へ

アイリッシュウイスキーの規定が改定!その他穀物5%が30%へ

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アイルランド政府によるアイリッシュウイスキーの技術仕様書見直しが進んでいます。

9月4日に意見公募が締め切られる今回の改定案には、アイリッシュ・ウイスキー協会(IWA)とアイリッシュ・ウイスキー・ギルド(IWG)双方から意見が寄せられており、ポットスチルの原料規定や樽の記述など、カテゴリーの根幹に関わる変更が含まれています。

何が変わろうとしているのか

現行の規定では、アイリッシュ・ポットスチルウイスキーのマッシュビルは、モルト大麦30%以上、ノンモルト大麦30%以上を必須とし、残りの「その他穀物」は最大5%までしか使えません。

改定案はこの上限を30%まで引き上げ、対象をオーツ麦・小麦・ライ麦に specify する内容です。

ほかにも、熟成に関する「オーク樽」という樽材の限定表記を外すこと、ポットスチルの定義から「現在はノンピート」という一文を削除すること、グレーン・アイリッシュウイスキーのモルト大麦使用上限を30%から40%に引き上げることが盛り込まれています。

いずれも、2014年に制定された現行の技術仕様書が前提としていた造り方の幅を、意図的に広げる方向の改定です。

なぜ今、広げるのか

ディングル蒸溜所のエリオット・ヒューズ氏は、現行規定が「実質的に1軒の蒸溜所しかポットスチルを造っていなかった時代に書かれたもの」だと指摘しています。

この10年でポットスチルを手がける蒸溜所は大きく増え、造り手の数だけ考え方も増えました。規定を広げることは、その多様化に追いつく作業だという理解です。

一方で、これは単なる規制緩和ではなく伝統への回帰でもある、という声も目立ちます。

キロウェン蒸溜所のブレンダン・カーティ氏は「イノベーションとは、文化的な進化の外側で様式が画一化される前に、先人たちがすでにやっていたことを再発見する作業だ」と語っています。

古いマッシュビルの復活に取り組むボアン蒸溜所のような事例は、規制緩和でありながら伝統回帰でもあるという、この改定案の二面性をよく表しています。

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大手も、すでに伝統回帰を始めている

このタイミングで、ジェムソンが米国向けに新作「ディスティラーズ・バッチ」を発表しました。

シングルポットスチルのアイリッシュウイスキーで、1826年にジョン・ジェムソン2世が手書きで残したマッシュビルの記録にヒントを得たリリースだといいます。

熟成にはエクスバーボン、オロロソシェリー、ヴァージン・アイリッシュ、欧州産・米国産オークと5種の樽が使われており、樽材の記述を緩める今回の改定案とも符合する内容です。

業界最大手のジェムソンがこのタイミングで200年前のレシピに立ち返るという動きは、今回の技術仕様書改定が単なる規制論議ではなく、業界全体が向かおうとしている方向性を映していると見てよさそうです。

オーツカ
規定を緩めることと、実際に造り手が伝統に回帰することは別の話のはずですが、両方が同時に起きているというのは、面白い符号です。



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