3月25日、ロンドンのウォルドルフホテルで開催されたワールド・ウイスキーズ・アワード2026の授賞式において、ニッカウヰスキー元チーフブレンダーの佐久間正さんがウイスキー・マガジン ホール・オブ・フェイムに殿堂入りしました。
同日はウイスキーブログ「Whisky Fun」創設者のセルジュ・ヴァランタン氏も選出されており、佐久間さんはNo.111として名を刻んでいます。

40年をかけて積み上げた、ニッカの礎
佐久間さんは1982年、北海道大学農学部を卒業後にニッカウヰスキーへ入社。キャリアのスタートは余市蒸溜所でした。
1987年に東京本社の生産管理部門へ異動し、全蒸溜所・工場を統括する立場を9年間務めます。1995年にはロンドンの欧州駐在事務所に赴任。ベン・ネヴィス蒸溜所の運営監督や原料サプライヤーとの交渉を担いながら、ニッカのサプライチェーン全体を知り尽くした5年間を過ごしました。
2001年に帰国後は調達部門を経て、2012年4月にチーフブレンダーに就任。竹鶴政孝から受け継がれてきたブレンド技術の正統な継承者として、2022年3月まで10年間その職を担いました。
深刻な原酒不足という制約のなか、余市と宮城峡それぞれの個性を活かした表現を追求し続けた仕事ぶりが、今回の選出理由として挙げられています。
日本人として6人目の殿堂入り
2015年の輿水精一さん(サントリー名誉チーフブレンダー)を皮切りに、翌2016年には同じくサントリーの稲富孝一さん、2019年にはモリソン・ボウモア副社長や山崎蒸溜所工場長を歴任した宮本博義さんと、サントリー関係者が3代続いて殿堂に名を連ねました。
その後、2022年にキリン富士御殿場蒸溜所の田中城太さん、2024年に秩父蒸溜所を立ち上げてクラフトウイスキーブームを牽引した肥土伊知郎さんが続きます。
そして佐久間さんは日本人として6人目、そしてニッカから初めての受賞者となりました。輿水さんから始まったこの系譜を振り返ると、サントリー3名・キリン1名・クラフト1名と続いてきた流れに、ここでようやくニッカが加わったことになります。
ジャパニーズウイスキーの両輪を担ってきたサントリーとニッカ——その名門ニッカからの初受賞として、業界全体にとっても節目となる一本です。








