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グレンギリーを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

グレンギリーはスコットランドの東ハイランド地方で作られているシングルモルトウイスキーで、ハイランドでも最古の歴史を誇るグレンギリー蒸溜所でつくられています。

長い歴史を持つグレンギリーは幾度となくオーナーが入れ替わりましたが、現在は日本のサントリーが所有しており、製造と販売を同社が行っています。

あまり知られていませんが、昨年リリースされたワールドウイスキー「サントリー碧Ao」の(スコットランド部門の)原酒としても使われています。

サントリー社がオーナーとなってから製法が変わり、オフィシャルボトルが意欲的にリリースされらようになりました。

フルーティでエレガントな香りのグレンギリーはウイスキーファンからの評価も高く、我が国日本でも多くのファンの心を掴んでいます。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

古典的な味わいを守る東ハイランドの老舗、グレンギリー。

骨太でクリーミー、スミレの花のフローラルさとイースティなアロマを持つウイスキーです。
中庸な味わいですが、若い木を燃やしたようなピート香もあり、かなり複雑な香味を持っています。こういった古典的な味わいのウイスキーを求めているファン層は多くおり、指示されています。

おすすめの飲み方はストレートでその複雑さと豊穣さを感じていただきたいです。
数滴加水して伸ばしてみてもよいでしょう。思った以上によく伸び、内包している香味を分解できます。

ちなみにこのグレンギリーつい最近(2000年代)までダンピー型のボトルではなく、トール型のボトルでした。
21年などはまだトールボトルで販売しているのを見かけますね。
当時、国内販売していたオフィシャルリリースでは最長熟品で、ジム・マーレイの 「Whisky BIBLE“2010”」では91点という高得点がつけられたボトルでした。コーヒーフレッシュとキャラメルクロワッサン、ジンジャースパイスを感じる味だったのを記憶しています。

オールドのグレンギリーはちょっと特徴的な油脂感を持っており、90年代はカフェオレ風味が多いイメージ。フロアモルティングの影響でしょうか。
さらに80年代のオールド品になるとこの油脂にスミレっぽさ(バイオレットフィズのような)が足され、手作り石鹸のような味わいが強いです。
60年代~70年代のグレンギリーは非常に評価が高く、中でもサマローリのグレンギリー1971(8年)などは最高傑作のひとつに挙げられています。古いシェリー樽のグレンギリーは多くの方が最高の評価をしていますね。

とまぁ、めったに飲めもしないオールド品に目を向けるのはBARRELらしくありません。
オフィシャルがリリースしている12年、15年、ルネッサンスシリーズ、ヴィンテージシリーズなどは個人的にかなりレベルが高いものが多いと思っています。
まずはこのオフィシャルシリーズをチェックすべきです!

グレンギリーの発祥と製造場所、歴史の紹介

グレンギリー蒸溜所

グレンギリー蒸溜所はアバディーンとバンフを結ぶA947号線沿いのオールドメルドラム村に位置します。
この一帯はかつて 「アバディーン州の穀物庫」と呼ばれており、大麦などの生産地として知られていました。
豊富に穫れる大麦を原料に、古くからウイスキーづくりが盛んに行なわれてきた土地でもあります。

グレンギリーは、ゲール語で「谷間の荒れた土地」を意味します。
創立は1785年とされていますが、定かではありません。
多くの資料では1797年にジョン・マンソン氏とアレクサンダー・マンソン氏、二人の兄弟により創業されたとありますが、恐らく1794年が正しいです。

どちらにせよハイランドエリアでも最古の蒸溜所のひとつに数えられます。

©glen garioch

グレンギリーの創業には諸説あり、創業は1794年とされていますが、一部では1785年に蒸溜を開始したという記録も残っており、真相は謎に包まれています。
200年以上の長い歴史をもつグレンギリーですが、歩んできた道のりは決して順調ではなく、何度となくオーナーが変わり閉鎖していた時期もありました。

 

経営が安定しなかった原因のひとつとして、仕込水に使用する水源の確保がままならなかったことがあげられます。

グレンギリー蒸溜所の歴史

多くの資料で1797年創業と書いてありますが、見学に行った際、蒸溜所の年表には1974年となっていたのでこちらが正しいのでしょう。

オーナー変移を辿ると、マンソン兄弟によって創業された以降、しばらくはマンソン家による家族経営が続きます。その後、1884年にエディンバラの港町であるリースにあったJ. G. トムソン社へ売却。
1884年にブレンデッドウイスキー「VAT69」で知られるウィリアム・サンダーソンが蒸溜所を買収し、VAT69のキーモルトとして使用されますが、1937年にDCL社の傘下に入ります。

その後30年以上の長い閉鎖期間を経て、1968年にスタンリーP・モリソン社が蒸溜所を買収。

このときモリソンはアイラ島のボウモア蒸溜所を所有 しており、その後1984年にローランドのオーヘントッシャンを買収し、3つの蒸溜所を所有していました。

グレンギリー蒸溜所のウェアハウス

モリソン社が買収した際、安定した仕込み水を確保するため、近くの野原に深い井戸を掘ります。
これでグレンギリーは長年の課題だった水源確保に成功します(現在はパーコックヒルの湧水を使用)。

そして、1994年7月にサントリーがモリソンボウモア社の全株式を取得。ボウモア、グレンギリー、オーヘントッシャンの3つの蒸溜所のオーナーとなりました。

 

グレンギリーは1995年にも一時閉鎖しており、このとき売却説も流れましたが、その間改修工事をして1997年秋から操業を再開。
2005年にはビジターセンターもオープンして、多くの観光客が訪れるようになりました。

グレンギリー蒸溜所のビジターセンターにあるショップ

さらに2021年3月にはビームサントリー社が600万ポンドを投資して、改修計画を行うことを発表しました。
フロアモルティングの再導入、さらには直火蒸溜への回帰などを行う予定です。

グレンギリーの製法

グレンギリーで使われている発酵槽はステンレス×8基。
蒸溜器は初溜×2基、再溜×2基の計4基。

蒸溜器は元々ストレートヘッド型の2基が設置されていましたが、オーナーがモリソン社だった時代にポットスチル(ストレート・ヘッド型)を2基から3基に増設しました。しかし蒸溜する際に使用するのは2基のみとなります。仕込水はパーコック・ヒルの井戸水を使用しています。

優良な大麦の農地が広がる一帯に建てられたグレンギリー蒸溜所は、自社のフロアモルティング設備を持っており、原料となるモルトの半分を伝統的なフロアモルティングで賄っていました。

元々ブレンデッドウイスキーのモルト原酒として提供されていたグレンギリーは、スコッチらしいピート香やスモーキーな風味を持っていました。
ジューシーな甘みと麦芽の香ばしさの後にピートがふわりと漂う…まさしくハイランドモルトといった風味を纏っていたのです。

しかし時代が進むにつれ、クライヌリッシュをはじめとした近隣の蒸溜所でもピートを炊いた原酒の製造を行うようになり、グレンギリー蒸溜所でのピート原酒の需要は次第に少なくなっていきます。

1994年にフロアモルティングは停止。
サントリーがオーナーになるまではピート原酒の製造を続けていましたが、1995〜1997年の閉鎖期間をきっかけにノンピートモルトに切り替え、現在のようなフルーティでクセのない飲みやすい風味となりました。
またこの頃からブレンデッド用モルトはなく、シングルモルト用に蒸溜を開始するようになります。

もうひとつ。
グレンギリーの製造でユニークなところは、スチルの熱源として北海油田産の天然ガスを使用している点です。

また過去には冷却水などの余熱(温排水)と、発酵酵過程で生まれる二酸化炭素を利用して、巨大な温室をつくっていました。

この温室内ではトマトやアスパラガス、シクラメンなどの栽培が行なわれていましたが、1995年に取り壊され現在は住宅地となっています。
スコットランドの蒸溜所の中でも、余熱を利用した 温室栽培していたのはグレンギリーだけでした。

なんだかとてもエコな蒸溜所だったんですね。
現在はビームサントリー社の管理のもと、年間137万リットルのスピリッツを生産中です。

なお、今後最新の技術を駆使して、二酸化炭素の排出量を従来の15%ほどに削減することを目標としていくそうです。
さらにはフロアモルティングの復活、初溜のみ直火蒸溜に戻すことを予定しています。

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グレンギリーのラインナップ

グレンギリー 12年

12年もののグレンギリー。
オフィシャルラインナップのスタンダードボトルです。

バーボン樽をはじめとした複数の樽をヴァッティングしてつくられていますが、シェリー樽由来のフルーティ香りとスミレのようなアロマが印象的なボトルです。

香りは青リンゴ、白ブドウなどのみずみずしい果物のアロマの後にウエハース、バニラ、ビターチョコが訪れます。

味わいは香り同様青リンゴや白ブドウなどのフルーティさの後にバニラの甘み、炒ったアーモンドの香ばしさ、カカオのビター、後半にスパイシーやハーブ感も現れ複雑な風味を生み出しています。

48度とハイプルーフですが、フルーティでクセが少なく、初心者でも楽しめるスムーズな仕上がりになっています。

グレンギリー ファウンダーズ リザーブ

グレンギリー蒸溜所が200年以上モルトウイスキーを作り続けてきたことを記念し、リリースされたボトルとなります。

香りは花のようなフローラル感、お香に似たオリエンタル、バニラ、クッキーなどの甘さと香ばしさ、奥に干し草も感じます。

味わいはカスタードパイ、ベイクドオレンジ、ハニートーストの甘さと香ばしさ、ほのかにミカンの皮、ビターチョコ、干し草、後半にハーブを感じます。

フィニッシュにはヒースやヘザーのアーシーな印書も。加水に強くしっかり伸びます。

熟成感はやや弱めですが、複雑な風味がしっかりとまとまったバランス型のボトルです。

グレンギリー シェリーカスクマチュアード

こちらは熟成にオロロソシェリー樽を使用したグレンギリー。
免税店向けにリリースされたボトルです。

香りはシェリー由来のブラックベリー、ドライプラム、メイプルシロップ、チョコチップクッキー、後半にスパイシーさも感じられます。

味わいはカシス、イチゴジャム、糖蜜などの甘みの後にスコーンの香ばしさ、スパイシーさ、木酢、後半にシナモンスパイス。

リッチ&スウィート、デザートモルトにぴったりのボトルで、改めてオフィシャルの安定感を感じた一作。

グレンギリー ワインカスクマチュアード

上記は1998年ヴィンテージですが、1999もリリースされていますし、なんなら15年以上の熟成品もあります。
当初は最高級のシャトーラグランジュのワイン樽で熟成した限定品として300本のリリースでした。

ダークチェリーやチョコレート、オレンジピールを思わせる香りと、はちみつやジンジャー、熟したフルーツのような味わい。なめらかでスパイシーなオーク香の余韻。

アーシーでドライ。かなりベリー感が強く、加水に強いのでハイボールなどもおすすめです。

グレンギリー33年 1986

リフィルのバーボンホグスヘッドで33年熟成。高価格帯の長熟オフィシャルシングルカスク。

編集部未飲のためオフィシャルテイスティングコメント抜粋。

オレンジブロッサムやエキゾチックなフルーツのアロマにカモミールやジャスミンティーのようなフローラルな特徴が感じられます。

〜ルネッサンスシリーズ〜

グレンギリーはヴィンテージシリーズを限定的にリリースしています。
単発がほとんどですが、こちらのルネッサンスシリーズは4部構成でリリースされます。

蒸溜所のオーナーがサントリー社に切り替わり、1997年の操業再開を機にリリースされたボトル。
これまで使用していたピーテッドからノンピートの麦芽に切り替え、新たなグレンギリーのスタイルを伝えるべく始まったシリーズとなります。

グレンギリー15年 ルネッサンス ファーストチャプター

こちらはルネッサンスシリーズの第一弾としてリリースされたボトル。

シェリー樽とバーボン樽で熟成した原酒を使用してつくられています。

香りは、焼いたオレンジ、プラムジュース、ややミルキーなバニラ、クリーム感、ココア。

味わいはドライプラム、カシス、枝付きレーズンなどのフルーティさ、バニラエッセンス、カスタードクリームの芳醇な甘み、後半は木酢、シナモンなどのスパイシー感を楽しめます。

フルーティさ、スイート感、そしてスパイシーさがバランス良く共存するボトルです。

グレンギリー16年 ルネッサンス セカンドチャプター

こちらはルネッサンスシリーズの第二弾。

第一弾と同様、バーボン樽とシェリー樽で熟成した原酒を使用しています。

香りは、バニラ、桜の木の皮、温もりのあるオークのウッドスパイス、蜂蜜、オレンジなどの柑橘系も感じられます。

味わいは、バニラやウエハースのクリーミーな甘みと香ばしさの後、オレンジピール、ライムなどの柑橘系、ショウガ、シナモンスなどのスパイス感も訪れ、長い余韻へと続きます。

クリーミーな甘みと柑橘、スパイシーさが同居した15年とはまた違った味わいを楽しめるボトルです。

グレンギリー17年 ルネッサンス サードチャプター

こちらはルネッサンスシリーズの第三弾となるボトル。

同シリーズ15年、16年ものと同様にバーボン樽とシェリー樽で熟成した原酒にて構成されています。

香りは、オレンジとカスタードのタルト、ハニートースト、麦芽ビスケット、後半に古いオーク家具の優しいウッドネス。

味わいは、ベイクドオレンジの甘苦さ、ビターチョコ、麦芽クッキー、伊予柑のフレッシュな柑橘系。

ルネッサンスシリーズ15年、16年と比べると味わいに深みと奥行きを感じる作品です。

オーツカ

ビームサントリーが2021年3月に発表した大規模投資で、フロアモルティングや直火蒸溜などの「伝統的なプロセスへの回帰」を示したグレンギリー。
2021年後半には、その最初のスピリッツがお目見えするそうです。

グレンギリーの次章が楽しみになってきました。




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