ウイスキー「アランモルト」の味やおすすめの種類や銘柄、おいしい飲み方をご紹介

アイル・オブ・アラン アランモルト

アランモルト(アイル・オブ・アラン)の概要

「アラン」はスコットランドにある島の名前。

ひとくちにアラン島と言っても島は3つ存在していて、これを合わせてアラン諸島としています。

スコットランド西部のキンタイア半島と南部高地に挟まれたクライド湾内にぷかぷかと浮かぶアラン諸島。

観光業を主軸に農業や林業で栄えていますが、他にも「アラン・ブリュワリー:クラダック」でビールを製造したり、「アラン・アロマティクス」はイギリス中で販売されるトイレ用品を生産しています。

アランセーター、アランニットと呼ばれる手編みのセーターが特産品で日本でも有名ですよね。

このセーターは元々漁師達が防寒用に用いたセーターで、漁に使う網やロープ、浮きやカゴ、魚の骨やカモメなどをモチーフにした『アラン模様』が特徴的です。

アラン蒸溜所

この島の北部、ロックランザ村のはずれで作られているシングルモルト・スコッチ・ウイスキーが「アランモルト」です。

近くにはスカイ島やジュラ島などがあり、このような島々で作られているウイスキーはアイランズ系と称されます。

蒸溜所が創立は1995年、スコッチの中では歴史の浅い蒸溜所ですが、リッチな味わいは世界中のウイスキーファンを唸らせ、現在高い評価を受けている人気のシリーズです。

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ウイスキー「アランモルト」の発祥と製造場所の紹介

アラン諸島が浮かぶクライド湾内には多くの島が存在しますがその中でアランは1番面積の大きい島となります。

大きいとはいえど面積は約430㎡、日本でいう鹿児島県の種子島と同じくらいの大きさです。

穏やかな気候は英国王室の避暑地にもなっており別名「ロイヤルアイランド」とも呼ばれています。

アラン島

アラン島の荒涼とした大地や安定して得られる雨量はウイスキーづくりに適しており、水源にはロッホ・ナ・デュー湖にあるイーサンビオラック川からの水を使用しています。

ロッホ・ナ・デューの湧き水はミネラルを適度に含む上質な水で、アランの味を決定づけるための大きな要素となります。

アランは穏やかな環境下で製造・熟成された自然の恵み豊かなウイスキーなのです。

ウイスキー「アランモルト」の歴史

現在、アラン島にあるウイスキー蒸溜所は「アラン蒸溜所」1つかしかありません。(2019年にラッグ蒸溜所が建設予定)。

しかし今から200年以上前、1800年代のアラン島では狭い島の中になんと50もの蒸溜所が存在し、日々せっせと密造酒が作られていました。

もしこの蒸溜所の数を保てていたらアイラ系ならぬ「アラン系」というジャンルが確立されていたかもしれません。

 

アラン島の穏やかな環境はウイスキーづくりに適しており、島内で作られたウイスキーはどれも定評がありました。

当時作られていたアラン島のウイスキーは「アラン ウォーター(アランの水)」と呼ばれ島民に愛されていたのですが、時代の流れとともに蒸溜所は次々に島から姿を消し、遂に1837年のラッグ蒸溜所閉鎖を最後にアラン島ではウイスキーが全く作られなくなってしまったのです。

この原因は重税です。

スコットランドでは昔から酒類に税金がかけられて売られてしました。

特にアルコール度数の高いウイスキーは格好の課税対象であった為、その税収は製造者の首をどんどん締め付けていき、アラン島では一滴もウイスキーが作られなくなってしまいます。

アラン蒸溜所

それから158年後、1世紀半以上の月日が流れてからアラン蒸溜所は作られました。

アラン蒸溜所の創立者はハロルド・カリー氏。

カリー氏はシーグラム社やペルノー社に在勤し、敏腕マネージャーとして知られたスコッチ業界の重鎮で、「いずれは自分の蒸溜所を持ちたい」という夢を抱いていました。

その夢を実現させたのが、ウイスキーが枯渇してしまった島、アラン島だったのです。

蒸溜所創立にあたり資金繰りという大きな壁に直面したカリーでしたが、彼の息子アンドリューが今でいうクラウドファンディング的発想で資本を集めそれを乗り越えます。

アンドリューはボンド(いわゆる債権)を発行して、一口450ポンドで販売しました。

債権を購入した人には、蒸溜所が稼働する1990年から5年後(1998年)に5ケースのブレンドウイスキーを、そして8年後(2001年)に5ケースのシングルモルトを優先的に受け取ることができるという特典をつけました。

さらにその後もずっと割引価格でアランモルトを購入できる、という取引内容で債権をさばきます。

ウイスキー製造が途絶えていたアラン島民は製造復活を願っていました。

島民の後押しもあってか、カリー氏は2000人の投資家を集めることに成功します。

こうしてウイスキー製造が途絶えていたアラン島に再びウイスキーが帰ってきたのです。

稼働から24年と蒸溜所としての歴史はまだ浅いものの、アランは島民やカリー氏・アンドリュー氏、そして投資家たちの情熱をまとい作られたアラン蒸溜所。
距離の離れた日本でそれを口にできるのはなんとも有難いことに感じます。

ウイスキー「アランモルト」の製法(作り方)

アラン蒸溜所の樽

アランではこだわり抜いた製法で原酒が作られています。

まず原材料となる大麦麦芽はオプティックという品種のもの。

こちらは2000年頃から使われている比較的新しい品種で、アルコール収率が良く、ウイスキーに関わらず様々な酒類の製造において効率的な麦芽と言えます。

蒸溜器(ポットスチル)は単式のものを2基、ウォッシュバックは4槽使用しています。

新たに創設された蒸溜所では連続式のポットスチルが置かれることが多いのですが、アランでは敢えて風味・香味が力強く残る単式の蒸溜器を選んでいます。

仕込み水にはイーサンビオラック川を流れるロッホ・ナ・デューの湧水を使用。

適度なミネラル分を含む清水で、アランの原酒を作る上では欠かせない存在です。

そしてアランの香りや味わいを大きく支配する熟成樽、メインに使われる新樽はフレンチオーク材を選び抜いて使用しています。

これがバニラやキャラメル・ココナッツの香り、そしてアクセントとなるスパイス感を演出してくれます。

リフィル樽はワイン樽やシェリー樽・ポート樽を使用しています。

かっこいいアランの売り子

超絶イケメンなアランの販売担当

アランには5人のスチルマンと呼ばれる方が樽や蒸溜器の管理を行い、常に最高の原酒を作り出すよう尽力しています。

現在のマスターディスティラーはジェームス・マクタガート氏。

彼が原酒のヴァッティングレシピなどに権限を持ち、最終的なアランの味わいを決めています。

ウイスキー「アランモルト」のラインナップ 

アランモルト10年

アランモルト10年

アランモルトのレギュラーボトル的一本で、10年熟成の原酒をヴァッティングし、ボトリングしたもの。

黄色味がかった色合い。

香りはふくよかなバニラカスタードにマスクメロン、キウイのフルーツ感もあります。

口当たりは柔らかで、味わいはシトラス、シロップなどの爽やかな甘みとシナモン系のスパイスも効いており、余韻はビターとオークがしっかり存在します。

正統派の味わいですが、アランという存在をしっかりと印象づける1本です。

アランモルト14年

アランモルト14年

こちらは酒齢14年の原酒を使用したボトルです。

レギュラーの10年と比較すると色合いがより濃厚。

もちろんこれは味わいにも反映します。

10年ものに無い干しブドウやドライプルーンなどのドライフルーツの甘い香りが加わり、味わいはシトラスが若干抑えられ、オレンジチョコレート、アプリコット、などが顔を出します。

また10年ではほとんど感じられなかったアイランズ特有の塩味もほんのり感じることができます。

キウイなどの酸やフレッシュ感は少し抑えられ、熟成みを帯びたアランを感じさせます。

アランモルト18年

アランモルト18年

熟成年数18年以上の原酒を使用したボトル。

バーボン樽とシェリー樽で熟成された原酒をヴァッティングして作られています。

色合いは14年と比較すると更に色味が深まりブラウン寄りのゴールド。

香りはチャーからくるカラメル、オレンジピール、シロップ、バニラ、シナモンスパイス。

口に含むとミルクチョコレート、砂糖漬けしたオレンジピール、バニラクッキー、ジンジャー。

余韻はかなりしっかりオークとビターチョコを感じます。

複雑で奥深く、ウイスキー初心者の方でも素直に美味しい!と感じられるオールマイティなボトル。

アランのハウススタイルをよく表していると言えます。

アランモルト21年

アランモルト21年

2018年末にリリースされた新ラインナップ。

この時点でオフィシャルアランとしては最長熟。シェリーカスクとバーボンカスクを使用し、21年以上寝かせた原酒をヴァッティングして作られました。

今回は9,000本の限定リリース、次回は2019年の冬にリリースを予定しているそうです。

アルコール度数が46度のため、封開け直後でも香りはとりやすく、トフィーや蜂蜜、アプリコットジャムなどといったフルーティかつ甘みのあるアロマを感じます。

味わいはベイクドオレンジ、白桃、ラムレーズンの濃厚な甘み、中間にローストアーモンド、シナモンロール、ジンジャーなどのスパイス。

余韻はプラムと長いウッディ。

開けたてはやや酸を感じますが、数日~数週間の変化が楽しみになるボトルです。

アランモルト アマローネカスク

アランモルト アマローネカスク

ヨーロピアンオーク樽にて熟成させた原酒を更にイタリア産の辛口赤ワイン「アマローネ」樽で追熟して作られたボトル。

アマローネ樽での追熟はマスターディスティラーのジェームス・マクタガート氏が30年以上に渡り研究したそう。どのくらい難しい樽なのかわかりませんが、すごい検証時間ですね。

冷却濾過を行わず(ノンチルフィルタード)ボトリングしている為、アランモルトの力強い一面を楽しむことができます。

色合いは薄く紅みが差したゴールド。

香りは白桃、ハチミツ、アーモンド、奥にバニラも感じます。

味わいはビターチョコ、トフィー、焦がしたアプリコット、ドライフルーツ系の濃厚な甘みが全体を支配します。

余韻はベリーと深いオーク。

ジェームス・マクタガート氏の樽のマジックを堪能できる逸品です。

アランモルト ポートカスク

アランモルト ポートカスク

ヨーロピアンオーク樽で熟成後、ポルトガルの酒精強化ワイン「ポートワイン」樽で追熟して作られたボトルです。

アマローネカスク同様、ポートカスクもジェームス・マクタガート氏が慎重にモニターした結果に基づいた、最適期間追熟して完成しました。

カラーリングなし、ノンチルフィルタード、アラン本来の力強さとポート樽がコラボしたボトルです 。

色合いは明るめのブロンズ。

香りはバニラ、ドライプラム、オレンジピール、オーク。

味わいはバニラをふんだんに使った焼きリンゴ、シナモン。余韻はオーキーで、干しブドウとビターチョコを感じます。

こちらのほうが少しスパイシーな印象です。

アランモルト マディラカスク

アランモルト マディラカスク

こちらはホグスヘッドのバーボン樽にて熟成させた後、ポルトガルのマディラ等で作られる貴腐ワイン「マディラワイン」樽で追熟させ作られたボトル。

世界に向け12000本限定リリースで、日本国内には300本輸入されているそうです。

色合いは落ち着いたブラウン系ゴールド。

香りは干しブドウ・プラムなどを使ったドライフルーツパンケーキ。

味わいは干しブドウ、ビターチョコレート、トフィーなどの甘みが全体を支配しますが、余韻にオレンジピールを感じる複雑なでき栄え。

デザートモルトに最適の一本です。

アランモルト ソーテルヌカスク

アランモルト ソーテルヌカスク

アランではスパニッシュオークの新樽・ワインやシェリー樽などといった色々な樽で原酒を熟成させます。

こうしてできた原酒を掛け合わせ、最後にフランスのソーテルヌで作られる甘口貴腐ワイン「ソーテルヌワイン」を使用した樽で追熟し完成させたボトルです。

プラムやブドウ、ブランデーのように甘く気品溢れる香り。奥にバナナやメロンのエステリーも潜みます。

味わいもブドウや洋ナシ、メロンなどソーテルヌワインからくる甘みが全体を支配します。

中間に麦芽クッキーの味わいや、マスカット系の甘みと酸味、シナモンやジンジャーのスパイシーさも感じられます。

余韻は程よい長さのブドウの皮、ジャムパン、バニラなど。

ソーテルヌ樽の甘みと酸味を堪能できる個性的なボトルです。

アランモルト ザ・ボシー

アランモルト ザ・ボシー

年1回リリースされる世界13,800本の限定ボトル。

ファーストフィルのバーボンバレルで熟成した後、クォーターサイズ(約125L)のアメリカンオーク樽で18か月以上追熟し完成させたボトルです。

また加水無しのカスクストレングスでボトリングしてあります。

通常よりもサイズの小さい樽を使用しているため熟成スピードが早く、カスクストレングスの為フルボディの仕上がりとなります。

香りは爽やかなシトラス、バニラ、微かにレモン。シナモンやジンジャーのスパイシーさも感じます。

味わいは熟れたパイナップル、焼きリンゴ、焼いたクリームパン。

甘味だけでなくスパイシーなアロマがしっかりと後半部分を支え、飲み飽きません。

ボディの分厚いアランなので、食後におすすめ!

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ウイスキー「アランモルト」のおすすめのおいしい飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

アランはピートの少ない軽やかな味わいで、通常ラインナップはビギナーさんにもちょうどよいでしょう。

ライトなボディと、クセのないオークの香り、そして上品な麦芽の甘みと薄っすらとした塩気。

まずはオフィシャルの10年から順番にストレートで飲むのがおすすめです。

アランらしいシトラス感、甘じょっぱさが好きになったら、色々な樽を使ったカスクフィニッシュを試すと良いでしょう。

ほんと、たくさんのラインナップがあるので

「めっちゃシナモン!」

「ほとばしるほどアプリコット!」

みたいな体験ができます。

個人的にはアランをロックで飲むのが好きなんです。

心地よいクリーンなフルーツ香がさらに口当たりよくなり、無限に飲めちゃいます。

色の濃いどシェリーなボトルも美味しいですが、バーボン樽もうまいじゃんー!という発見をしたい人はアランを攻めてみるのも良いかと思います。

 

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