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議会調査の1週間後、関税ゼロが実現

議会調査の1週間後、関税ゼロが実現

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米国は7月24日、UK産スコッチウイスキーに課していた関税を正式に撤廃し、”ゼロ・フォー・ゼロ”の関税体制に復帰しました。

ところがそのわずか1週間ほど前、英議会ではスコッチウイスキー産業の先行きを問う調査が始まったばかりでした。追い風と逆風が、ほぼ同時に業界へ押し寄せた格好です。

関税ゼロ、王室外交が結んだ実利

今回の関税撤廃は、4月に行われたチャールズ国王の米国公式訪問時の合意がベースになっています。

トランプ大統領はこの訪問後、UK産ウイスキーへの関税撤廃方針を表明していました。

2025年4月に導入された10%関税により、対米スコッチ輸出は2025年5月から12月の間に、数量ベースで15%、金額ベースで7%落ち込んでいました

米国はスコッチにとって最大かつ最も価値の高い輸出市場で、2025年の輸出額は9億3,300万ポンド(約2,031億円)にのぼります。

スコットランド自治政府のジョン・スウィニー首相は「スコットランドにとって良い日」とコメント。

スコッチウイスキー協会(SWA)のマーク・ケントCEOは業界が”ゼロ・フォー・ゼロ”復帰へ粘り強く働きかけてきたと振り返り、米国蒸留酒協会(Discus)やペルノ・リカール幹部からも歓迎の声が上がっています。

業界側は、アイリッシュウイスキーやシャンパン、コニャックなど他カテゴリーへの関税撤廃拡大にも期待を寄せています。

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関税が消えても、蒸留所の懐事情が一気に楽になるわけではなさそうです。

その1週間前、議会は「不安」を議題にしていた

一方、7月半ばには英下院のスコットランド問題委員会が、スコッチウイスキー産業の将来をテーマにした調査を新たに開始しています。

委員長のパトリシア・ファーガソン氏は、業界が貿易面の不透明さに加え、国内のコスト上昇や規制圧力にもさらされていると指摘しています。

背景にあるのは輸出の伸び悩みです。スコッチ輸出額は2022年の62億ポンド(約1兆3,497億円)をピークに、2023年には56億ポンド(約1兆2,191億円)まで減少し、2024年に入っても下落が続きました。

SWAは今年2月、10%関税が業界に週2,000万ポンド(約43.5億円)規模の輸出損失をもたらしていると発表しています。

再建コンサルティング会社BTGの調査では、スコットランドの蒸留所の19%が「重大、または危機的」な財務状況にあるとも報告されました。

調査が扱うのは関税だけではありません。

エネルギーコストの上昇や人手不足、さらに何度も延期を重ねてきた瓶・缶のデポジット返却制度(DRS)の導入なども対象に含まれています。意見募集の締め切りは2026年9月18日です。

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追い風と逆風、同時にやってきた業界

時系列を整理すると、議会が調査開始を発表したのが7月半ば過ぎ、米国の関税撤廃が発効したのが7月24日。

業界の先行き不安を制度的に検証しようという動きが始まった直後に、不安の一因だった対米関税そのものが取り除かれるという展開になりました。

もっとも、調査の射程は関税に限らずエネルギーコストやDRSといった国内要因にも及ぶため、関税ゼロが実現したからといって調査の意義が薄れるわけではなさそうです。

むしろ外的要因である対米関税が消えたことで、国内側の課題がより浮き彫りになるとも言えるでしょう。

同じ月にはインドとの自由貿易協定発効により対印関税も150%から75%へ引き下げられており、スコッチ業界にとって7月は輸出環境が大きく動いた月になりました。

なお、対米関税ゼロはUK産に限った措置で、コニャックなどEU産スピリッツは依然10%関税の対象のままです。




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