シングルモルトウイスキー「宮城峡」の味やおすすめの種類や銘柄、おいしい飲み方をご紹介

宮城峡シングルモルト

ウイスキー「宮城峡」の概要

宮城峡は宮城県仙台市にある宮城峡蒸溜所で作られるジャパニーズシングルモルトウイスキー。

ドラマ「マッサン」で知られる竹鶴政孝が創業したニッカウヰスキーが製造しています。

同じくニッカウヰスキーの「余市」のスモーキーな原酒とは対照的で軽やかかつ華やかな味わいが特徴的です。

現在販売はアサヒビールが行っています。

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ウイスキー「宮城峡」の発祥と製造場所の紹介

仙台市都心から西に約20km離れた山形県との県境近くにあります。

辺りは深い緑に囲まれた自然豊かな土地で年間を通して霧がよく発生し、冬は雪が多く降る地帯。

この気候条件は竹鶴政孝のウイスキーづくりの修行の地、スコットランドとよく似ています。

余市蒸溜所がキャンベルタウン風なら宮城峡はローランド・スペイサイドを意識して作られた蒸溜所。

原酒の軽やかさや華やかさを追求したウイスキーづくりを目的として建てられました。

宮城峡蒸溜所

当時、竹鶴は新たな蒸溜所を建てるべく東北地方を回っていました。蒸溜所を建てる場所の条件は

  • 北海道より南であること。(余市蒸溜所がある為)
  • 平坦な土地であること
  • 付近に水質の良い河川があること

ということ。

竹鶴は仙台に立ち寄った際、新川川(にっかわがわ)のほとりに広がる雄大な平地を偶然目にします。

その河原に腰を下ろして新川の水で同社ブランド「ブラックニッカ」の水割りを作ってみたところ、その飲みやすさに衝撃を受けたそうです。

「この水を使えば理想的なウイスキーをつくることができる」と瞬間的に閃き、建設地を即決しました。

 

また竹鶴は蒸溜所を建てるにあたり3つの条件を出します。

  1. 水田を絶対に潰さない
  2. ありのままの土地を守る(敷地内の大地を削らず造形を行わない。木もできる限り伐採せず、ありのままの姿を残す)
  3. 電線は地下に埋設する

現代の企業であれば、このような自然に対する環境配慮の意識は珍しくありません。

しかし宮城峡が建てられたのは60年以上も前のこと。

竹鶴は美味いウイスキーをつくれるのは自然の恵みがあってこそ、と考えます。

だから自然に感謝し、環境に配慮する。

竹鶴の先見性のある考えがニッカウヰスキーをここまで発展させてきたといっても過言ではありません。

ウイスキー「宮城峡」の歴史

宮城峡蒸溜所外観

時代は高度成長期、

  • 団塊の世代の方々が成人を迎え、彼らの飲酒が可能になること。
  • 洋酒貿易の自由化。

といった理由からウイスキーに対しての需要増大が見込まれ、余市の次の蒸溜所である宮城峡蒸溜所設立が開始されました。

蒸溜所の始動は1969年。
様々なウイスキーをリリースする傍ら、76年には食品業界初となるコンピューターを取り入れるなど、製造における機械化をいち早く取り入れた蒸溜所でもあります。
さらに自然保護に対する意識も高くヤマメの稚魚1万匹を放流なども行いました。

また創立当初から工場敷地内の緑を大切にし、83年・86年には緑化優良工場として通商産業大臣賞を受賞しています。

2000年代に入りアサヒビールの完全子会社となってから「シングルモルト宮城峡」はISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)において金賞・銀賞を何度も獲得し、現在もウイスキーファンを唸らせています。

ウイスキー「宮城峡」の製法(作り方)

宮城峡蒸溜所のポットスチル

宮城峡蒸溜所におかれているのは蒸気関接蒸溜方式の上向きに伸びるポットスチルで、初溜4基+再溜4基、計8基が設置されています。

バルジ型とはボールのような形状で、上部ヘッドの表面積が大きなタイプとなります。

この形状から内部で還流がおこり、成分濃度の高い重い蒸気の上昇を抑え成分の少ない軽めの蒸気がヘッドを通過します。

初溜ポットスチルでアルコール8%のもろみを24%に、再溜で69%にまで濃縮します。

骨太で男性的な余市とは異なる軽やかで女性的な口当たり。

華やかでフルーティな宮城峡の風味はこのポットスチルの形状が大きく関係しているといいます。

蒸溜器の形が違うだけでウイスキーの風味が大きく違ってくるのですから…改めてウイスキー造りの繊細さに驚かされます。

 

また宮城峡ではその他に連続式蒸溜機2基が設置されています。

こちらはカフェ(コフィー)式と呼ばれる旧式の蒸溜機で、生産効率は悪いもののグレーン原酒に原料由来の豊かな風味とスムースな口当たりを与えます。

こちらは最初に竹鶴がグレーンウイスキー用として1963年に兵庫県の西宮工場に設置したもので、1999年に宮城峡蒸溜所へと移動されました。

カフェ式は新型の円筒式連続蒸溜機に比べもろみ成分が強く残りますが、これが原酒に力強い酒質をもたらし、樽の成分に風味負けしにくくなります。

長期間熟成を行ったり、個性の強い樽の中では原酒が強さがモノを言います。それに耐えうる原酒を作り出すことができるのです。

このような設備投資からも、効率性よりもあくまで品質にこだわる竹鶴の哲学がうかがえます。

ちなみにニッカ・カフェモルトという商品はこのカフェ式蒸溜機でモルトのみを原料につくられたもの。
通常グレーン原酒様に使われる連続式蒸溜器を使って作られたモルト100%のウイスキーです。
スムースでライトな飲み口なのに複雑でしっかりとした味わい・甘み・モルティーさを見事に出したボトルは、これまでの連続式蒸溜機の概念を覆しました。

蒸溜所敷地内にはクーパレッジ(樽工場)もあり、職人が樽の生産や樽材の組み替えなどを行っています。

麦芽はノンピートもしくはライトピートのものを蒸溜。

仕込水は上記でも紹介した新川川の伏流水を使用しています。

ウイスキー「宮城峡」のラインナップ 

シングルモルト 宮城峡

シングルモルト宮城峡シリーズのレギュラー的ボトル。

年数表記のないノンエイジですが、アルコールの刺激は少なくフルーティでモルティーな味わいです。

スムースな口当たりで香りはオーク、バニラ、奥に紅茶の茶葉がうっすらと感じられます。

味わいはバニラ、アールグレイの紅茶、干し柿、ビターチョコ。

甘みとビターを楽しめるボトルです。

ピーティで厚みのあるボディの余市とは対照的な味わいです。

シングルモルト 宮城峡10年

シングルモルト宮城峡10年

ノンエイジよりワンランク上のボトル。酒齢10年以上の原酒をヴァッティングして作られました。

ノンエイジと比べるとクオリティは歴然。
レギュラーボトルで感じられるアルコールからの刺激がほぼ無くなり、甘みとフルーティさを堪能できます。

香りは柔らかめの洋ナシ、紅茶、青リンゴ、ハチミツ入りのウエハース。

味わいはバニラと杏子。すっきりとした青リンゴ、若干ヘザーのような植物質な風味が続きます。

オークの余韻もしっかりあり、クドさを感じさせず実に飲みやすいボトルといえます。

シングルモルト 宮城峡12年

シングルモルト宮城峡12年

熟成年数12年以上の原酒をヴァッティングして作られたボトル。

レギュラーボトルよりボディに厚みが出てコク、甘みの深さが印象的です。

2015年頃までは平気で飲めたのですが、現在の入手は困難。

香りは杏子、イチゴジャム、仄かにビターチョコ。やや焦げたようなスモーキーさもあります。

味わいは強くバニラを感じさせた後、焼きリンゴの深い甘み、カカオのビターが訪れます。

ピートもしっかりと感じられ、複層的。宮城峡の完成系ともいえるバランスのとれた味わいの1本です。

シングルモルト 宮城峡15年

シングルモルト宮城峡15年

酒齢15年以上の原酒をヴァッティングして造られたボトル。

10,12年と比べるとシェリー樽由来のレーズン感が特徴的です。

香りはアプリコット、ヘザーハニー、ドライレーズン、バニラビーンズ、カカオ。

10年で感じられた様な紅茶や青リンゴが濃縮されてカカオやオークへと変化した様に感じます。

味わいはナッツ、バニラの甘み、カスタードクリーム、リンゴの蜜、メイプルシロップ。

加水でややフレッシュな酸。
15年の円熟味とは裏腹に生き生きとした洋ナシのアロマ。

12年が完成系なら15年は「極み」という言葉がしっくりくる円熟味溢れる1本です。

カフェモルト

カフェモルト

こちらは通常グレーン原酒に使用するカフェ式連続蒸溜器を使用して造られた100%モルトウイスキー。

カフェ式蒸溜機の「カフェ」は開発者イーニアス・カフェの名前がそのまま付けられたもの。

従って飲料のコーヒーとは全く関係はありませんが、このカフェモルトは何処かコーヒーの様な香りや甘味が感じられます。

ブラウンシュガーをたっぷり入れたコーヒーのような甘み、焦げたようなビターなカラメルを感じます。

ボディはライト、飲み口は柔らかく、果てしなくスムース。

同じニッカウヰスキーで造られた余市と飲み比べると面喰らうかもしれない、衝撃的な味わいの1本です。

シングルモルト宮城峡 1988

シングルモルト宮城峡 1988

こちらは2009年、1500本限定で発売された希少なボトル。

1988年に樽詰めして20年熟成させたタイプの異なる4種類の原酒をヴァッティングして造られました。

樽出しの風味を生かす為加水を抑え、アルコール度数50%でボトリングしています。

色合いは濃厚な琥珀色。

香りは杏子ジャム。オレンジマーマレード、バニラビーンズ入りのカスタードクリーム、深いオーク、レーズン。

味わいはカシスやラズベリーのフルーティさを皮切りに和三盆のような濃厚な和風な甘み。若干のみたらし。

後半は煮詰めたオレンジの酸と苦味、余韻はスパイシーで長く続きます。

すっきりとしたボディはそのままに原酒のコクや味わいの奥行きを感じられる珠玉の逸品です。

シングルモルト宮城峡 マンサニーリャウッドフィニッシュ

シングルモルト宮城峡 マンサリーニャウッドフィニッシュ

通常のオーク樽で熟成させた原酒をマンサニーリャ樽で追熟したボトル。

マンサニーリャとはスペインにある海辺の町、サンルーカル・デ・バラメダのボデガで熟成された辛口のシェリー酒。

宮城峡が持つスペイサイド風の華やかさやフルーティさに加え、シェリー樽由来の黒いベリー、プラム感が加わった1本です。

香りはドライレーズン、いちじく、ミルクチョコ。ややサルファリー。火打石のようなミネラル。

味わいは乾いた麦芽のイメージが強く、ドライベリー、青リンゴにバニラを感じさせます。

余韻はドライで中くらいの長さ。

華やかかつフルーティ、最初に感じるなめらかな甘さからビターへの変化が面白い味わいのボトルです。

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ウイスキー「宮城峡」のおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

酒質、ボディはさほど強くなく、余市をはじめ、ジャパニーズシングルモルトの山崎や白州と比べても飲みやすいのが宮城峡。

ウイスキー初心者が初めて飲む国産のシングルモルトにちょうどいい一品かと思います。

穏やかで瑞々しさが特徴的な宮城峡シングルモルトですが、幾つかのボトルには硫黄や火薬のような「サルファリー」と言われるフレーバーを伴っているのも特徴と言えるでしょう。
このサルファリーという風味、苦手な人は苦手なフレーバーです。
宮城峡は酒質が軽いのか、ニッカウヰスキーが扱うシェリー樽の影響を受けやすいような気がします。
特にハイプルーフな(アルコール度数の高い)ボトルに多いような気がします。

長熟品になればなるほど、ネガティブな要素は削れていき、ウッディーでりんごのコンポートのようなねっとりとした熟成香、風味が楽しめます。

宮城峡のノンエイジは様々な飲み方ができますが、ストレート、またはハイボールがおすすめです。

昨今の原酒不足から今はほとんどノンエイジのボトル以外見ることはありません。

インターネットで出回っている旧ボトルも相当な高額になっています。

リミテッドエディションという限定商品が稀にリリースされますが、毎年争奪戦が行われていますね。

ちなみに宮城峡蒸溜所ではウイスキー製造工程のご案内とウイスキーの貯蔵までを体験できる「マイウイスキー塾」をたまーにやっております。
樽づくりを体験出来たり、参加者の名前が寄せ書きされた樽にウイスキーを詰め、10年間、宮城峡の自然の中で保存。10年後にはそれをボトリングしてプレゼントしてくれるという嬉しい企画です。
数に限りがあるので興味がある方はぜひ。

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