オールドフォレスター蒸溜所が、実験的リリースシリーズ「117シリーズ」の最新作『トリプルチャー』を発表しました。2018年に再開したルイビルのメインストリート蒸留所だけで造られた原酒のみを使った、ブランド初のバーボンです。
かつては89社、生き残ったのは1社

オールドフォレスターは1870年、ジョージ・ガーヴィン・ブラウンが創業したブランドです。
当時のバーボンは樽での量り売りが主流でしたが、品質保証として自らの署名を刻んだボトルで販売するという発想は当時としては異例でした。
同ブランドは、ジャック・ダニエルも擁するブラウン・フォーマン社の看板銘柄の一つでもあります。
拠点を構えたルイビルのメインストリートは、かつて「ウイスキー・ロウ」と呼ばれ89社ものバーボン蒸留企業がひしめいていた土地です。
しかし禁酒法をまたいで操業を続けたのは同社ただ一社という状況になり、ブランドは長らく郊外の蒸留所で原酒を造り続けていました。
2018年6月14日、創業の地である119 W. メインストリートに、4,500万ドルを投じた新蒸溜所と自社樽工房を構えて里帰りを果たしています。
実験の系譜「117シリーズ」、最新作はトリプルチャー

「117シリーズ」は、この土地のかつての住所「117メイン」にちなんで名付けられた実験的リリース群で、2021年にスタートしました。過去には熟成年数の長い『1910 Extra Extra Old』や、樽材にこだわった『Whiskey Row Fire』などが登場しています。
最新作の『トリプルチャー』は、通常の3倍の時間をかけて焦がした樽で熟成させたケンタッキーストレートバーボンです(アルコール度数57.5%)。ペカンプラリネや青リンゴ、シナモンや黒胡椒を思わせる香味に、焦がしたオークの厚みが加わる仕上がりとされています。価格は64.99ドル(約1万600円)で、現時点では蒸溜所直販とケンタッキー州内の一部小売店に限定されています。

本当の「自社蒸留」に、8年
実は2018年の再開後も、オールドフォレスターの原酒の大半は、ルイビル郊外シブリーにあるブラウン・フォーマン社の主力蒸留所で造られ続けていました。
メインストリートの新蒸溜所は稼働していたものの、そこで造られた原酒だけを使い切ったボトルが出るまでには、ストレートバーボンとしての熟成期間を含めてこれだけの歳月が必要だったというわけです。
派手な演出のない、地味だが本質的な節目と言えるでしょう。
なお日本では、かつてサントリーが正規輸入を手がけていた時期もありましたが、現在は並行輸入が中心です。同じブラウン・フォーマン傘下のウッドフォードリザーブやアーリータイムズに比べると、国内での知名度はまだ控えめな存在です。









