ARTASTE(アルテイスト)から、新シリーズ『もののあはれ(MONONOAWARE)』リリースのお知らせです。
久しぶりの長期熟成品です。価格もやや張りますが。相対的に見るとかなりリーズナブルかと思います。
このレベルのウイスキーはもう手に入らないと思い、思い切ってのリリースでございます。
グレントファース1996-2024。 みんな大好き96トファース。
しかも度数が53.7%。


ラベルを描くのは、銅版画家・入江明日香氏。
京都版画トリエンナーレ大賞受賞など輝かしい経歴を持ち、三越本店や全国の高島屋で個展開催を行う実力派。
過去にはLa Maison du Whisky社×イチローズモルト秩父とのコラボボトルも手掛けられました。
今回は『もののあはれ』のロゴもオリジナルで書家の方にお願いしました!
ジークレーの高画質プリントや、サイン入り画集も同時発売します!
ぜひこの機会にストアを覗いてみてください。
もののあはれ

新シリーズ『もののあはれ(MONONOAWARE)』は、日本の思想家・本居宣長が説いた、日本人の持つ美意識の核心を表す概念です。
「物事に触れたとき、心が自然と揺さぶられる瞬間」を指しています。
たとえば春の桜が散るとき、秋の紅葉が舞うとき──私たちはそれを「桜」や「紅葉」として名前を付ける前に、圧倒的な感動や哀愁を感じることがあります。主体と客体がまだ分かれていない、主客未分の瞬間。
この一体の感覚こそ「もののあはれを知る」心にほかなりません。

ウイスキーもまた、「時間が生む深み」を愉しむ文化です。
長い年月を経て香味が変化していく過程には、自然と時間が織りなす美があります。
口に含んだときの余韻は、単なる味覚を超え、「時間の流れを味わう」体験そのもの。
ウイスキーの熟成から生まれる香りと味わいは、「もののあはれ」のように、儚くも深く心を動かす体験と響き合うのです。
言葉の由来も興味深く、「あはれ」はもともと「ああ、晴れ」という感嘆から生まれ、「あっぱれ」と同源です。
もとは感動の声であり、やがて宣長によって「哀愁」や「儚さ」を含む深い感情表現へと変化しました。
こうして「もののあはれ」は、日本人の自然観と人生観を象徴する美意識となったのです。
グレントファース1996/28年
今回のグレントファースは、共に選定したレモン・ハート古谷君と唸った名品です。
トファースのいいところが全部出ているだけでなく、非常に溌溂とパワフル。それでいて懐かしいオールド感もある。
これまで、このパワフルさは96トファースには見られませんでした。
まさに『はっ』とする感動をもたらしてくれる、『もののあはれ』なウイスキーです。
以下はリリース資料です。


内側へと膨張する、力。
内燃する生命の爪牙
セレクトしたのは28年の熟成を経たグレントファース。
スペイサイドの歴史ある蒸溜所で、比較的穏やかな酒質を持つが、今回は、原酒そのものが内包する赫然たる個性に着目した。
グラスに注いだ瞬間、濃密な果実の香気が艶やかに立ちのぼり、やがて咆哮のごとき熱を帯びて口中を満たしていく。
芽吹きのようなみずみずしさ、老木のごとき奥深さが交差するその味わいは、生命の力強さと儚さを映現する。
鮮烈な琥珀の雫は、飲む者の彼我の境に、静かに爪を立てる。
ティスティングノート
白桃とビワの花、花梨の香り。どこか和風な雰囲気を帯びる。白ブドウの柔らかな甘み。
ワクシーなオールド感と深いダージリン茶葉。森の中に差し込む陽光のような懐かしさがある。
口に含むと、張りのある様々な果実が縦方向に伸身していく。
黒スグリの酸味、タンジェリンやパパイヤの濃密な味わい。
後半はコクのある蓬莱柿、アフォガードの冷たい苦味と林檎の蜜が喉を濡らし、淡い緑の余韻で幕を閉じる。
ボディは厚く、芯が通っており、散ることを知りながらも咲く花のように、儚くも力強い。
激ウマボトルを入江さんコラボでやれたことに感謝
久しぶりの長期熟成シングルカスクでしたが、世界的に活躍する入江さんのアートワークと一緒に発表出来て感無量です。
ちょっとお高いので、時間はかかるとは思いますが、間違いなくおいしいボトルなので頑張って販売していきます。
試飲セットもやっているので、まず味を確認してから買いたい!という方はぜひご利用ください。