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グレンマレイを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

グレンマレイ

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オーツカ

ざっくり覚える!

グレンマレイはスコットランドのスペイサイド地方で造られるシングルモルトウイスキーで、比較的安価(クラシックで2,000円前後)で購入できるため、日頃から気兼ねなく飲める庶民の味方。

元々は製造したスピリッツの大半をブレンデッドウイスキー用として出荷しており、その優しい風味はブレンダーから高く評価されていました。ブレンデッドウイスキーで有名なハイランド・クィーンのキーモルトとして使用されていたりもしました。

最近フランスの飲料会社であるラ・マルティニケーズ-バルディネに買収され、生産ラインを一気に強化。ラインナップもめちゃ増えました。しかも安くておいしい。
世界的な評価も非常に高まっており、今後が楽しみなブランドでもあります。

グレンフィディックやグレンリベットの影に隠れた名酒といってよいでしょう。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

オフィシャルスタンダードがとにかく安いグレンマレイ。あまりメジャーなシングルモルトではないのですが、日本市場でも宣伝に力を入れているようで、取り扱っている酒屋さんやスーパーマーケットも増えています。

モルティで溌溂さを感じる飲み心地。アマニ油のようなオイリーなテクスチャで加水するとトーストのような芳ばしい味わいになります。

スタンダード品のおすすめの飲み方は水割りもしくはハイボール。

ライトで食事にも合わせやすい、近年のスペイサイドっぽいつくりですが、結構ハーブやスパイスを感じる方も多いと思うのでハイボールはいいかなと思います。

18年を超える長熟品も少量ですがリリースされていて、25年30年なども存在します。

長熟品は加水ながらも凝縮したリンゴの蜜のフレーバー、そして短熟品には感じられなかった白桃やアプリコット、トロピカルフルーツなどが感じられる一級品です。長熟品とはいえ、他の人気蒸溜所と比べるとだいぶリーズナブルなのがいいですね。

グレンマレイの発祥と製造場所の紹介

グレンマレイ蒸溜所

グレンマレイはスペイサイド地方の中心地、エルギンに蒸溜所を構えています。

ロッシー川のほとりに建てられており、この川の水が仕込水として使われています。

グレンマレイ蒸溜所の設立は1897年、創業者は地元エルギンの実業家となります。

マレイ州は大麦の産地の産地として知られ、ダラス・ムアの良質な湧き水を利用できる環境にあったためビール産業が盛んでした。

そのためグレンマレイ蒸溜所の前身はビール工場で、これを改装して蒸溜所が造られました。

ウイスキーとビールは蒸溜工程の直前(糖化〜発酵)までは製造工程がよく似ているため、グレンマレイのようにビール工場がウイスキー蒸溜所へと改装された例は珍しくありません。

ロッホサイド蒸溜所やグレンモーレンジィ蒸溜所、アイルランドのウォーターフォールド蒸溜所もビール工場を改装して造られています。

またビール工場が建つ前は処刑場があり、絞首刑が行われていた場所でもあります。

今やエルギンの街は発展し、中心地から徒歩10ほど離れた閑静な住宅街に建つグレンマレイ蒸溜所ですが、なんと1962年に新しい熟成庫を建設している最中に地中から数個の頭蓋骨が出てきたことがあるのだとか。

ちょっと怖い事実です!

グレンマレイの歴史

グレンマレイは元々ビール工場だったまず、グレンマレイ蒸溜所の建物は1828年にヘンリー・アーノット&カンパニーズ・ウエスト醸造所(ビール工場)としてスタートします。

ここは元々農場で、北海(マレイ湾)に面したマレイ州一帯はレアック・オ・マレイと呼ばれ大麦の産地として古くから有名でした。

1897年にグレンマレイ・グレンリベット蒸溜所株式会社が改修し、現在のグレンマレイ蒸溜所が完成しました。

しかしグレンマレイ創立のわずか数年後、イギリス恐慌の影響を受け、スコッチウイスキー業界は深刻な不況に陥り多くの蒸溜所が閉鎖を余儀なくされます。

残念ながらグレンマレイも1910年、ウイスキーの生産を中止することになりました。

しかしその10年後の1920年、ウイスキーの蒸溜やブレンドを手掛けるマクドナルド&ミュア社が工場を購入。

購入から3年後(1923年)に蒸溜を始め蒸溜所は完全復活しました。

当時グレンモーレンジィ蒸溜所の株40%を所有していたマクドナルド&ミュアー社は、2つめの蒸溜所を獲得しようと探しており、当時のグレンモーレンジィのマネージャーに

  • アベラワー
  • グレンマレイ

この2つのどちらかを選ぶように指示し、選ばれたのがグレンマレイだったそうです。

ここでアベラワーが選ばれていたらグレンマイの運命はまた変わっていたのでしょう。

グレンマレイをロックで

その後、1958年にフロアモルティングをサラディンボックス式の製麦に切り替える大改修を実行。

蒸溜所内での製麦も1978年には終了し、翌年にポットスチルが追加されて生産量を増やしました。

1996年、マクドナルド&ミュアー社は「グレンモーレンジィ社」へと改名。そう、みなさんもご存知、あのグレンモーレンジィと姉妹蒸溜所なんですね。

そして2004年にフランスのラグジュアリーブランド、モエ・ヘネシー・ルイ ヴィトン(以下LVMH)に買収されます。

LVMHはグレンマレイのビジター用施設を作るなどして設備投資をおこない、限定エディションやヴィンテージボトルをリリースしました。

しかしこうした新しいアクションを起こしても同社が所有するグレンモーレンジィやカリラ、アードベッグなどといったブランドに比べ、残念ながらグレンマレイは知名度で全く及びませんでした。

投資をしても売れる見込みがないと悟ったLVMHは2008年グレンマレイを売却。

当時のグレンマレイはスーパーなどで売られているデュワーズ12年やジョニーウォーカーブラックラベルなどそこそこのブレンデッドウイスキーと同じような値段で売られていました。

つまり販売方針として「格安モルト」の位置付けだったのです。

このような状況からグレンマレイが売却されたことに周りからの驚きはありませんでした。

グレンマレイ蒸溜所の新たなオーナーは、フランスの飲料会社であるラ・マルティニケーズ-バルディネとなり現在に至ります。

〜グレンマレイの逆襲〜

グレンマレイ蒸溜所

ラ・マルティニケーズは、フランスで大人気のブレンデッドスコッチウイスキー「ラベルファイブ」とブレンデッドモルトウイスキー「グレンターナー」を製造しており、昨今ではあの「カティサーク」ブランドを傘下に収めて話題となりました。

2010年に創設されたグレーンウイスキーのスターロー蒸溜所も所有しています。

このラ・マルティニケーズに買い取られたグレンマレイ蒸溜所は、年間生産量をメキメキと増やし、2万Lから5.7万Lへと大幅に増大。
現在、全生産量の30%がシングルモルトとしてボトリングされています。

現在のシングルモルトブームの中、人々の嗜好に合わせるためにシングルモルトのバラエティを増やしたことが功を奏したようです。

以前より多様なファン層がグレンマレイのシングルモルトに関心を示したことで、ブランドの知名度が上がり、露出が増え、売り上げ総計は5年で2倍以上に!!

現在マーケットの中心は英国ですがアメリカやオーストラリアなどでも大きく販売実績を伸ばしています。

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グレンマレイの製法(作り方)

グレンマレイ蒸溜所では、以前は糖化槽が1つ、発酵槽が5つ。

ポットスチルはストレートヘッド型の背が低い玉ねぎ状のポットスチル初溜2基、再溜2基の合わせて4基が使用されていました。

しかしラ・マルティニケーズ社の運営になってから生産拡大計画が打ち出され、まず蒸溜所外に6槽の発酵槽が設置されると、2016年には更に8槽の発酵槽を追加。

グレンマレイ蒸溜所のポットスチル

同年にはロイター式のマッシュタンも導入しています。

もともと蒸溜棟にあった計6基のスチルをスピリットスチル(再溜釜)として再改修、イタリアのフリッリ社製の3基の新しいウォッシュスチル(初溜釜)を追加して、年間生産量を大幅に増大させました。

このようにラ・マルティニケーズは設備投資を惜しまず行い、世界からのニーズに耐えうる強靭な蒸溜所を作り上げました。

また糖化棟と蒸溜棟を、コンピューターを使って管理するなど先進的な環境を躊躇せず取り入れているのも特徴的です。

使用する麦芽は産地である地元マレイ州のものを中心に、仕込水は近くを流れるロッシー川の水を使用しています。

造られる麦芽の半数はノンピーテッドですが、残りの半数はピーテッドで両者ともにシングルモルトとしてはもちろん、ブレンデッドの原種としても提供されています。

樽はバーボン樽を主体にさまざまな後熟を併用。

グレンマレイ蒸溜所の熟成庫

約80%のニューメイクはバーボン樽に詰めますが、他は様々なタイプと大きさの樽に入れて原酒のバリエーションを増やしています。

特にグレンモーレンジィ傘下の際にはじまった「ワイン樽フィニッシュ」のスキルが豊富で、グレンマレイのコアレンジだけで15種類のウイスキーをつくっています。

蒸溜所の敷地内には、10棟の貯蔵庫があり、ダンネージ式とパレット式の両方を用いた、新しい貯蔵庫を2棟も建築中とのこと。

グレンマレイのラインナップ

グレンマレイ クラシック

こちらはグレンマレイのフラッグシップ・ボトル。

熟成年を表記しないノンエイジのラインナップとなります。

バーボン樽で熟成させた原種を使用。

香りはシトラス、若草、レモングラスなどのハーブ感、ややアルコールの刺激も感じます。

樽感、ピートは感じず、味わいはほんのり甘い口当たりからクッキーやバナナ、アルコールの辛味は若干あるもののスイスイ飲めます。

飲みやすく上品な晩酌用シングルモルトといえます。

ボトル買いする場合、グラス付きもたいして金額が違わないのでお得です。

グレンマレイ クラシック ポートカスクフィニッシュ

こちらはスタンダードとなるバーボン樽熟成の「クラシック」を8ヶ月ポート樽でフィニッシュしたボトル。

クラシックにラムレーズンやプラムなどポート樽由来のほんのりとした甘みや香りをまとった風味となります。

ハーバルなグレンマレイに赤みがかった甘みをプラス。下で紹介するシェリーよりはタンニンを強く感じるかと思います。

グレンマレイ クラシック シェリーカスクフィニッシュ

こちらも「クラシック」をシェリー樽にて熟成させたボトル。

「クラシックポート」と甘み・香りの方向性は同じ部分がありますがこちらは幾分スパイシーさを纏った味わい。

後半にかけてフルーティな甘みがふわりと訪れます。

上品なグレンマレイを少しスパイシーに楽しみたい時にはこちらがおすすめ。

グレンマレイ クラシック シャルドネカスクフィニッシュ

こちらは「クラシック」をシャルドネ(白ワイン)の樽でフィニッシュさせたボトル。

フルーティさとコク、スパイシーで爽快な風味を纏っています。

ハーブ感はやや強調されていますが、飲み口がキレイなので、初心者には一番飲みやすく感じるボトルかもしれません。

ロックは酸がたつ印象なのでストレートで。

グレンマレイ クラシック ピーテッド

こちらはピーテッドモルトを使用して作られたタイプ。

クラシックらしいバニラや麦芽クッキーの中に潜むスモーキーフレーバーが最大の特徴です。

同価格帯の若いアイラモルトと比較しても完成度は高い商品。

クラシックに「スモーク」を求める方にオススメのボトルです。

グレンマレイ 12年

酒齢12年の熟成原酒を使用したボトル。

まずは飲んで欲しいグレンマレイのフラッグシップボトルがこちらです。

バーボン樽熟成の原酒をファーストフィル、セカンドフィル、サードフィルがそれぞれ6:3:1という比率でヴァッティング。

香りは非常にフルーティ。シトラス、バニラ、クッキー。

味わいは白ブドウの爽やかな甘みの後にホワイトペッパーのスパイシーさを感じます。

オイリーな口当たりで比較的飲みごたえもありバランスもよい。

現在のスペイサイドモルトを代表するかのような飲み心地のよいウイスキーです。

グレンマレイ 15年

以前のオフィシャルラインナップだったグレンマレイ16年の後継的ボトル。

16年よりシェリー樽原種の比率を多くヴァッティングして仕上げられたボトル。

香りはバニラ、オレンジ、ミルキー。はちみつとグレープフルーツも感じます。

味わいは甘みの強いハチミツ、レモンの爽やかさ、紅茶、プラムが続きます。

やや蝋っぽさのあるテクスチャで、15年のボディを感じるグレンマレイのハウススタイルが詰まった一品。

グレンマレイ 18年

こちらはオフィシャルリリースされている中で最上位となるボトルです。

厳選された上質なバーボン樽で18年以上熟成された原種が使用されています。

香りはバニラとメイプルシロップ、はちみつ。バターシュガートースト。

味わいはスムースなメイプルシロップとバニラやカラメルの風味。上品なココナッツシュガー、ドライフラワーのような香り。後からホワイトペッパー・

中間で鼻腔をくすぐるスモーキー感、まろやかで長い余韻も堪能できる素晴らしきボトルです。

グレンマレイ マスタリー

こちらはシェリー樽、マデイラ樽、ポート樽など、グレンマレイが誇る5種類のヴィンテージ原酒からつくられたボトル。

これはクール氏が蒸溜所の創設120周年を祝ってボトリングされました。ボトル数は限定1000本。

香りはフルーティでスパイシーで複層的。リンゴの蜜とアプリコット。ポートカスクが強い印象。その後メイプルシロップと濃厚なオークのアロマ、バニラ、トフィー。

味わいは焼き林檎、メイプルシロップをたっぷりとかけたスポンジケーキ、濃厚なカスタードクリーム、中間からはミルクチョコレート、トーストしたパン、焼きたてのビスケット。

クリーミーで口の中で多彩な変化があります。後にはブドウの皮、シナモンとホワイトペッパー。ナツメグのような印象も。

複雑で深い味わいの1本です。

グレンマレイのおすすめの飲み方

オーツカ

2008年からプロデュースを行うラ・マルティニケーズですが、フランス国内でスーパーマーケットも展開しているプロモーション能力に長けた会社。自社の販売網を持っているというのは非常に強いです。

今後はよりオンラインのマーケティングにも力を入れていくことでしょう。

知名度をあげ、グレンフィディックやグレンリベット、グレンモーレンジィといった低価格帯のシングルモルトと比肩されるのがひとまずの目標といえそうです。





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