ウイスキーの中でも世界的に有名なスコッチウイスキー。
日本では1989年の酒税法改正後まで値段が高く、なかなか手が出ない高級品として一般消費者からは羨望の目で見られていました。
値段が適正なものとなり、比較的手に入りやすくなった今でも、昔からのイメージからスコッチウイスキーは「高級品」や「高価なもの」として考えている方は少なくないのではないでしょうか。

しかし、実際調べてみると必ずしもスコッチウイスキーは高いものではありません。
流通が確立されつつある現代においては、スコッチウイスキーであっても安くて美味しいウイスキーを飲むことができるのです。
今回はスコッチウイスキーの中でも特に味わい深い「モルト」に絞って、
【低価格帯(~3,000円)】
【中価格帯(~4,000円)】
からコストパフォーマンスの高い銘柄をランキング形式でおすすめしていきます。
どれも価格に見合ったコスパ最強格安ウイスキーばかりです。
一応見やすくランキングという形をとりましたが、上位のとは言わず、気になった様々な銘柄をどんどんお試しいただければと思います。
ブレンデッド版も執筆しました!
こちらでは1000円以下でもおいしいウイスキーを紹介しています。ぜひどうぞ。
この記事の目次
- 1 【低価格帯ランキング】味わい深さを堪能できる格安モルトベスト10
- 2 【中価格帯ランキング】コスパ絶妙な家飲みモルトベスト20
- 2.1 20位:スペイバーン 10年
- 2.2 19位:ノッカンドゥ12年
- 2.3 18位:グレン エルギン 12年
- 2.4 17位:クラガンモア 12年
- 2.5 16位:グレンゴイン 10年
- 2.6 15位:アードベッグ 10年
- 2.7 14位:ザ シングルトン ダフタウン 12年
- 2.8 13位:アイル オブ ジュラ 10年
- 2.9 12位:グレンファークラス 12年
- 2.10 11位:オールドプルトニー 12年
- 2.11 10位:カーデュ 12年
- 2.12 9位:アラン ロックランザリザーブ
- 2.13 8位:アイリーク(イーラッハ)
- 2.14 7位:ロイヤルロッホナガー 12年
- 2.15 6位:タリスカー 10年
- 2.16 5位:アイラストーム
- 2.17 4位:ボウモア 12年
- 2.18 3位:ロッホローモンド クラシック
- 2.19 2位:アンノック12年
- 2.20 1位:アベラワー 10年
- 3 惜しくも選外! 魅力的なコスパ優良ウイスキー
- 4 価格と味のバランスを考える
【低価格帯ランキング】味わい深さを堪能できる格安モルトベスト10
「安い」けど味はイマイチ……。
「美味しい」けど値段が高い……。
ウイスキーを選ぶときに陥りがちなのがこんな悩みです。
特に「安い」を追い求めると、「美味しさ」が失われがちです。
しかしこの【低価格帯ランキング】では3,000円以下のボトルを中心に、じっくりと味わうことのできるコスパの高い銘柄を選出しています。
スコッチウイスキーの入門にもピッタリのラインナップですので、格安ウイスキーを探しているだけではなく、初心者の方もぜひご参考ください。
※価格は2018年10月のものです。時間が経つとボトル自体が終売したり、価格に差異が出ると思いますのでご了承ください。
10位:マクレランズ ハイランド
マクラレンズには4本のシリーズがあり、今回選んだのはハイランドのシングルモルトウイスキー。
フォートウィリアムの山岳地帯が描かれたラベル。中身は恐らくグレンギリーと言われています。
安価ながらきちんと北ハイランドのピートを実現しており、土地由来の力強さが感じられます。
グラスを近づけた時の香りや口当たりには若い原酒特有の個性が感じられます。飲んだ後はあっさりしており、軽く飲めてしまう印象です。
気軽にハイボールなどでスコッチを楽しみたいときには候補に入れておきたい銘柄です。
9位:グレンデヴェロン 10年

引き続きハイランド地方からのシングルモルト。
マクダフ蒸溜所から出ているブランドです。
ハイランドの中でもスムースな口当たりで飲みやすく、モルトの甘さ・香ばしさを感じることができます。
バランスがよくとっつきやすい味わいですが、じっくりと向き合うことでモルトの膨らみを楽しむことができるポテンシャルを秘めています。
食前食後ともに向いていますのでトワイスアップでちびりちびりと確かめながら味わってみましょう。
8位:グレンフィディック 12年
ウイスキーになじみが少ない人でも見たこと・聞いたことがあるではないだろうかというほど、有名なシングルモルトウイスキー。
数あるシングルモルトの中でもトップセールスに君臨し続ける理由には、買い求めやすさもあるのでしょう。
味わいは芳醇、エステリーが漂い、洋ナシや青りんごなどのフレッシュな果実も感じられます。
何とも上品なこの一本が格安でお買い求めいただけます。コスパと安定の味わいが欲しい方はぜひお試しください。
7位:グレンターナー 12年
ロンドンに本社を置くグレンターナー・ブレンディング社の商品です。
ここは蒸溜所を持たず、スコットランド各地の約100ヶ所の蒸溜所からモルトを契約購入し、ブレンディング工場でヴァッティングしています。
樽由来の甘さがあり、微かに感じられるスパイスが鼻腔をくすぐります。
【低価格帯】のウイスキーにしては香りに特徴があり、ちょっと気分を変えたいときなどにもおすすめ。
食後のデザートと一緒にさっと楽しみたい。そんなウイスキーです。
6位:フィンラガン オリジナルピーティ
個性の強いアイラモルトのシングルモルトウイスキー。
【低価格帯】では珍しくピート香と呼ばれる強烈な香りを持つ飲みごたえのあるタイプです。
香りの強いアイラモルトと比べると全体的に丸みを帯びた味わいで、インスタントに楽しめるアイラモルトといった印象です。
入門としてスモーキー(煙の香り)、ピーティー(ピート香)、潮の香りといった個性的なアイラ・スコッチを味わいたい方にはぴったりの一本でしょう。
5位:グレングラント メジャーリザーブ
淡い黄金色とクリーンで爽やかな味わいが特徴的なシングルモルト。
その歴史は古く、170年以上にもわたってスペイサイドのウイスキーシーンをけん引し続けた味わいには、その伝統が強く染みついています。
ほのかな果実香はリンゴの爽やかさ。ボディもしっかりしており、水割り・ハイボールでもしっかりと味わうことができます。
ロックにするとブリの照り焼きに合うという意外な一面も見せてきます。
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4位:グレンマレイ クラシック

予想を(いい意味で)裏切ってくれるスペイサイドのシングルモルトウイスキー。
『グレングラント』の項でも触れた通り、スペイサイド地方はライト&スムース、果実や花の香りで飲みやすい印象のウイスキーが多いですが、この『グレンマレイ』は一味違います。
まず口当たりに弾力があり、舌に絡みつくオイリーさを感じることでしょう。
味わいには果実香・ハーブ由来の薬品系の香りがありますが、なにより個性的な塩辛さが襲い掛かってきます。
最初は取っ付きにくいかもしれませんが、はまるとクセになるので、まずは徐々にハイボール→ロックなどでならしてから、ストレートでその味わってみてください。
3位:アードモア レガシー
魅力あふれるスモーキーフレーバー。個性的なシングルモルトウイスキーです。
【低価格帯】では他よりも高めの価格ですが、それでも十分値段と味のコスパに優れているので3位に選ばせていただきました。
2016年に発売されたこのボトルは、『アードモア』の力強さ・強烈な香りを気軽に味わえる贅沢な仕上げとなっております。
嫌味にならない程度の煙の香りと潮の味わいは、フィニッシュの酸味とピリリを香る辛さと混ざり合い、口の中いっぱいに楽しませてくれます。
個人的にはレモンをかじって、ショットでその切れ味を楽しみたいところです。
2位:グレンモーレンジィ オリジナル

芳しい上品な香りが特徴的な北ハイランド産ウイスキー。
端正な印象ですが完成度が高く、複雑な香りで奥深さも感じさせてくれます。
黄金色のボディから受けるイメージに違わず、柑橘系の香りもありスッキリと楽しむことができるでしょう。
原料の麦芽からは想像できないほどのフルーティー&スウィーティーな香りに初めて飲んだ方は感動すら覚えるほど。
クオリティとは打って変わってのお買い得価格となっているので、まだ試されたことのない方はぜひお試しあれ。
1位:トマーティン レガシー
奥深い複雑な円熟味を持つハイランドモルト。【低価格帯】の中でもバランスが総じて高いシングルモルト。
モルティと呼ばれる麦由来のパンのような甘みや熟れた果実の優しい香り、さらに年月を重ねた樽で寝かせた熟成香が幾重にも絡み合って格別のハーモニーを与えてくれます。
質の悪いウイスキーにありがちなアルコール感は感じられることなく、よい雰囲気を残したままふわりと消えていく後味も印象的。
「そんなにお金はかけられないけど、美味しいウイスキーを楽しみたい!」という当ランキングにはジャストマッチなボトルです。何卒お試しいただきたいことこの上なし。
【中価格帯ランキング】コスパ絶妙な家飲みモルトベスト20
値段も美味しさも妥協したくない。
そんな貴方に贈るのがこの【中価格帯】のウイスキーです。
こちらのランキングでは、3,000円~4,000円といった価格帯のボトルを中心に、より味わい深い銘柄を紹介しています。(もしかしたら現在の価格高騰により少しだけはみ出るかも)
価格の上を見続けているときりがありませんが、今回はあえて「~4,000円」という上限を設定してのランキング。
日常的にウイスキーをたしなまれる方や、常日頃からウイスキーを愛飲されている家飲み派にとっては見逃せないランキングとなることでしょう。
値段設定に対する適正な味・香りをしっかり把握して、自分に合ったコスパの良いウイスキーを見つけていきましょう。
20位:スペイバーン 10年
スペイサイドモルトの中ではマイナーですが、アメリカでの知名度はそこそこあるスペイバーン10年。
レモンイエローの元気のよい琥珀色。華やかで軽やかな味わいが魅力的です。
酸味、甘味がちょうどよく、ハイボール、水割り、ストレートと万能に味わえます。
その爽やかでさらさらとしたのど越しは女性にもおすすめ。気づくとぐびぐび飲んでしまうちょっと危ないモルトです。
19位:ノッカンドゥ12年
こちらもスペイ川中流にあるノッカンドゥ蒸溜所の商品。
ノッカンドゥ最大の特徴は、同じシーズンに蒸溜したシングルモルトしか詰められていない点。きっちり12年熟成されたノッカンドゥの原酒が入っています。
香りは白い花、リンゴやパイナップル、グレープフルーツを連想させるフルーティなアロマ。味わいはやや酸が強めでかすかなスモーキーさがあります。
複雑でいて繊細。高いバランスを持つスペイサイドらしいボトルです。
18位:グレン エルギン 12年

豊富な水源を利用した水力で蒸溜所の電力を賄っているというエコな蒸溜所がグレンエルギン。
ハチミツなナッツのような甘くエレガントな香味が特徴的。口に含むとハチミツのフルーティーさ、モルトの甘さ、切れの良いスパイシーさが感じられます。
ブレンデッドウイスキーであるホワイトホースの原酒として使われています。
ウイスキーのジャーナリストであるチャールズ・マクリーン氏が「あまりにも長い間隠されていたすばらしいモルト」と称すように、スペイサイドの良さを体現した味わいと言ってよいでしょう。
17位:クラガンモア 12年
過去UD社という会社が「各地域の特徴を代表する蒸溜所」ということでクラシック・モルト・シリーズというのを作ったのですが、そのスペイサイド代表に選ばれているのがこのクラガンモア(他には北ハイランドのダルウィニー、西ハイランドのオーバン、ローランドのグレンキンチー、アイランズのタリスカー、アイラのラガヴーリン)。
つまりスペイサイドの中でも最も中間的で、スペイサイドの特徴を知るには最適な教材とされています。
まず感じられるのは紅茶のようなタンニンの香り。オレンジピールやシナモンのようなアロマを感じられます。
味は軽やかなアタックと、しっとりと強いモルトの甘み。そしてわずかな渋みが残ります。とても穏やかでささやかな味わいと言えます。
加水すると甘くウッディでスモーキーさが誇張されます。
16位:グレンゴイン 10年
南ハイランドの雄、グレンゴイン蒸溜所。カティサークのキーモルトとして使われています。
最大の特徴は全くピートを焚きこまない伝統のスタイルで作ること。そしてスコッチで一番長く蒸溜に時間をかけると言われています。
モルト感を楽しむならグレンゴインと言われるほど、麦芽由来の芳醇な香りが楽しめます。
スイートでライトに飲めますが、余韻は中~長く、食後向きなスコッチウイスキーです。トワイスアップもおすすめですよ。
15位:アードベッグ 10年

個性派ぞろいのアイラ島ウイスキーの中でも爆発的な香りを誇るシングルモルト。
驚くほどの香りが詰まっており、煙、ヨード、海風、スパイスなどピートに由来する様々な強い香りを体感することができるでしょう。
この香りに慣れてくると、さらに奥底に眠るバニラ、青リンゴの香り、そしてモルティと呼ばれるパンのような香ばしさを楽しめます。
まさに癖は強いが奥深いウイスキー。飲みごたえのあるこのウイスキーは【中価格帯】でもお買い求めいただけます。
上記リンクだとやや高値ですが、ちょっと探すとお安く手に入るので、気になる方はチェックしてみてください。
14位:ザ シングルトン ダフタウン 12年
スペイサイド地区の中心部で1896年に食品工場だった建物を改装して造られたのがダフタウン蒸溜所。
ザ・シングルトンは、そもそもスペイサイドにあるオスロスク蒸溜所のブランドとして誕生したのですが、現在はダフタウンをはじめ、グレンオード、グレンデュランなどのシングルモルトをリリースしています。
ヨーロピアンオーク(シェリー樽)・アメリカンオーク(バーボン樽)両方で熟成されたウイスキーを使い、ナッツの香りがするのが特徴です。
味はレーズンやサクランボなどややベリー系の風味を感じます。全体的にフルーティーでバランスがよくとっつきやすい。実家に来たかのような親近感を感じさせるウイスキーです。
ナッツの入っているアイスにかけるとすごくおいしい(笑)
13位:アイル オブ ジュラ 10年

ジュラ島のアイランズ・シングルモルト。
アイランズの印象とは180度真逆なスウィーティー&フルーティーなボトルはライトボディ。
香りにほだされてすいすいと飲むことができます。
1810年から造り続けてなんと200年もの歴史があるジュラ蒸溜所ですが、しかしその歴史とは裏腹に格安でお買い求めいただけます。
初心者や飲みなれていない女性にもおすすめ。ストレートで細やかな味をつぶさに確かめてみましょう。
12位:グレンファークラス 12年

シェリー樽の特徴をふんだんに楽しめるスペイサイド・シングルモルト。
上品な甘さと何層にもわたるフルーツの香りが心地よく、シャキッとしたシェリードライが後味を引き締めてくれます。
↑のリンクから探した方は「あれ、意外と高くない?」と思うかもしれませんが、なんと1000mlボトル。
完成されたグレンファークラスを長く楽しむことができます。
おすすめの飲み方は、ストレートから徐々に水を足していくトワイスアップスタイル。味の移り変わりが顕著に感じられます。
11位:オールドプルトニー 12年

スコットランド本土の最北、ニシン漁で栄えたウィックの街にある蒸溜所がオールド・プルトニー蒸溜所。
ボトルの形は蒸溜所で使用しているポットスチルを表しており、ずんぐりむっくりとした非常にユニークな形状をしています。
香りは洋梨、ベリー、杏、そしてハイランドの港町らしい潮風を感じるピートフレーバー。
口に含むとかなりオイリーで柑橘系のフルーティさと甘さが感じられます。辛口でボディは厚め。
加水しても崩れず非常にコクのあるボトルです。タリスカーやハイランドパークなどの島モノの「甘じょっぱさ」が好きな方には最適です。
10位:カーデュ 12年

ジョニーウォーカーのキーモルトとしても有名なカーデュ。
あまり日本では有名ではありませんが、シングルモルト愛好家には好まれ、非常にファンが多いスコッチでもあります。
青りんごのアロマと複層的なスモーキーさ。そしてなんといっても後味と余韻に定評があり、じっとりと舌に沁みこむタンニンのやわらかな渋みが魅力。
飲食店ではこのカーデュのハイボールをとっっっても推しているところが何軒か見受けられます。玄人にも好まれる美味しさかと思います。
9位:アラン ロックランザリザーブ
アイラ島……ではなくアラン島のシングルモルトウイスキー。
荒涼としたアイラ島と比較すると、穏やかな内海に存在するアラン島はまるで『天国』。
島特有の荒々しさと穏やかな気候が育む安定した味わいが、個性を引き出しつつも上品にとどめて飲みやすさを実現してくれています。
全体的に切れ味がよく、飲めば気分爽快。初夏の陽光を思わせる味わいです。
気軽にアイランズ・モルトを楽しみたいなら外せないのが『アラン』でしょう。
8位:アイリーク(イーラッハ)

蒸溜所が明かされていないアイラ・モルト。
しかし、正真正銘アイラ島で造られたウイスキーらしく鮮烈なピーティー&スモーキーを感じさせてくれます。
しかもお値段は3,000円程度と格安。
熟成年数が若いと思いきや、熟れたまろやかさもありモルティな熟成香もしっかりと味わうことができます。
【低価格帯】に入れるか【中価格帯】に入れるか悩みましたが、それならいっそ番外として紹介させていただきました。お値段的にも味わいとしても優れたシングルモルトです。
7位:ロイヤルロッホナガー 12年

古い歴史を持つハイランド・スコッチ。
ロイヤルの名が意味するのは「王室御用達」。ヴィクトリア女王をはじめとする数々の貴賓に愛されたウイスキーです。
味わいは繊細かつラグジュアリー。口に含むだけで重奏の調べが広がります。
その秘密はヨーロピアンオークとアメリカンオークの熟成にあり、オークの上品さがふんだんに生きています。
そんな高貴さも4,000円以下のお値段で楽しめちゃいます。味・価格・気品の三方良しウイスキー。
6位:タリスカー 10年

エッジの効いたアイランズ・ウイスキー。
定番品ながらも鋭い個性で多くのウイスキーファンを魅了してやまない一本です。
『タリスカー』の評価にはよく「スモーキー」や「潮っぽさ」「スパイシー」が使われますが、なんと言っても個性的なのは後半からの味・香りの伸びでしょう。
さらっとした舌触りから口の中で一気に広がる鮮烈な印象。ちょっと飲んでみないことにはこの爽快感はわからないかもしれません。
おすすめの飲み方はロック。そこからハイボールやストレートと変化をつけて楽しみましょう。
5位:アイラストーム

アイラ島の「嵐」の名を冠したウイスキー。
名前やラベルに漏れず荒々しい個性をお持ちかと思いきや、意外と口当たりには優しさが感じられます。
しかし後半から伸びのあるアイラ特有の煙の香り・ピート香が押し寄せ、フィニッシュにはスパイシーさも。
他のアイランズと比べ全体的なバランスが良く、3,000円前半という手に取りやすさを考え、高評価となりました。
ポテンシャルが高いので炭酸の強いハイボールでも十分楽しめます。アイランズ入門にはぴったりのウイスキーでしょう。
4位:ボウモア 12年
アイラの女王と呼ばれるアイラ島のシングルモルト。
海の香り・潮の香り・海藻の香り……。それらはすべて荒々しくも美しいアイラ島を象徴する香りです。
初めて口にする方は普段と異なる味・香りに驚きますが、しかしのど越しはさらりとしており、後味はグレープフルーツのような爽やかさがあるためハマる人が続出。
ゆっくりと時間をかけて飲みたいウイスキーという意味でもコスパの高いウイスキーです。
ロックや水割りで腰を据えて飲んでみましょう。
3位:ロッホローモンド クラシック

安さと個性が高水準なシングルモルトウイスキー。
お買い求めやすさは【低価格帯】にも匹敵し、さらに土地ならではの力強い味わいを感じさせてくれる飲みごたえあるボトルです。
イギリス最大級の湖が名前の由来となっており、その名に負けない蒸溜所の多彩さが際立ちます。
蒸溜所内には複数のローモンドスチルが存在し、さらにグレーンウイスキー製造には欠かせない連続式蒸溜機も。
厳選されたオークカスクの香りと、ローモンド特有のじんわりと漂うピートをお楽しみください。
2位:アンノック12年
ハイランドのノックドゥー蒸溜所が出しているブランド、アンノック。本来は人気銘柄「ヘイグ」の原酒供給用の蒸溜所でした。
前に紹介した「ノッカンドゥ」や「カーデュ」と名前が似てることから1993年に「アンノック」というブランド名で販売されるようになりました。
最大の特徴はライトでスパイシーな柑橘系の芳香。そしてバターや砂糖、キャラメルを彷彿とさせる温かみと長い余韻が魅力です。
ストレート、ロック、水割り、ソーダ割り、カクテル、どれでも立ち回れるオールラウンダー。この価格帯ではなかなかに素晴らしいバランスかと思います。
1位:アベラワー 10年

豊かな香りとコクのある味わいのスペイサイド・スコッチ。
色を見ても分かる通り、レーズンやアプリコットのようなシェリー樽由来の香りがふんわり漂います。
最初は甘く蜜を思わせる香りが膨らみますが、次第に酸味に似たフレッシュさが奥からじわじわと感じられるでしょう。
また加水することによって味が移ろいます。このように時間経過や飲み方で数多くの楽しみが考えられることからも1位に選ばせていただきました。
4,000円以下で買うことのできるウイスキーとしては破格と言えるでしょう。
惜しくも選外! 魅力的なコスパ優良ウイスキー
今回は【低価格帯(~3,000円)】【中価格帯(~4,000円)】というランキングのため、ラインナップに入れることができなかった銘柄がたくさんあります。
ただ「完全に外してしまうのも惜しい!」ということで、番外編としてコスパに優れたスコッチ・シングルモルトを紹介させていただきたいと思います。
コスパ最強という面ではランキングに入った銘柄にも引けを取りませんので、こちらもご参考ください。
ディーンストン ヴァージンオーク

若々しさにあふれる南ハイランドのシングルモルト。
淡い色合いに象徴されるようにオーク材の新樽の香りがはっきりとわかるフレッシュな仕上がりとなっております。
果実というよりは花の香り・木のアロマといったニュアンスが強く、木造新築のコテージといった印象を覚えます。
レモンやライムなどと相性が良く、ハーブを落としてもそのフレッシュさを楽しめるでしょう。
【中価格帯】で味わえるウイスキーとしてはなかなかの変化球ですので、さわやかな香りを楽しみたいという方にはおすすめしたいボトルです。
アバフェルディ 12年

重厚感あふれるビター&スパイシー。南ハイランドを代表するスコッチウイスキー。
世界中で人気の高い『デュワーズ』のキーモルトであり、どっしりとしたボディの太さが特徴的です。
年月の経った木材・カカオ・オレンジピールが漂いますが、口を乾かすようなシワシワ感はなく、舌の上に味わい深い苦みを残します。
同時に甘さも感じられるため、カカオの高いチョコレートを味わっているかのよう。
ドライフルーツやチョコレートと一緒に楽しむのも◎。安くどっしりとしたウイスキーを楽しみたいという時におすすめのウイスキーです。
気に入った方は16年、21年、そしてラヴァーズ達が超高評価の28年とぜひ飲んでみてください。
グレンジストン ハイランド シェリーカスク

ダブルカスク(2つの樽)フィニッシュのシングルモルト。
上記に挙げた「グレンファークラス」や「マッカラン」とは違い、蒸溜所は未公開となっており、そのため比較的安価となっているのでしょう。
しかし、その味わいは本物。特にこの価格帯でシェリーを味わう選択肢が非常に少ないので、シェリー好きが毎日飲むにはおすすめしたい一本です。
原酒の若さは否めませんがサラサラと飲めるシェリーがお好みな人にはよいでしょう。
加水することでじわじわと芽吹きが感じられます。贅沢にハイボールでシェリーを感じながらライトに楽めるウイスキーとしてもイチオシウイスキーです。
カリラ 12年
アイラモルトの中でもフレッシュで甘くフルーティな柑橘系のフレーバーが魅力のカリラ。
ボウモア、ラフロイグ、アードベッグなど他のアイラモルトにはないクリーンな爽快感が持ち味です。
重さが目立つアイラモルトの中でもスマートな印象で、余韻も短め。長熟ものは打って変わってボディが厚くなるので、これから縦飲みをしていく方には長く楽しめるであろうモルトです。
カリラとはゲール語で「アイラ海峡」を意味し、アイラ島にある蒸溜所の中では最大の生産量を誇ります。風光明媚な入り江に建つ蒸溜所で近年非常に人気です。
オーヘントッシャン 12年
ローランド地方を代表するシングルモルト。名前はゲール語のオーヒャドォ・オッシン(野原の片隅)からきており、伝統製法の「3回蒸溜」を守り続けている蒸溜所。
ローランドの特徴はそのオイリーさと酒質の軽さ。ライトで繊細なのですが、ふとすると見落としてしまうほどのフレーバーの中に驚くほど多くの情報量が入っています。
キャラメルのような甘さ、オレンジやシトラスの酸味を有しています。クリーミーで粘性が高く、ジンジャーやナッツのような余韻があります。
アメリカンオークよりも12年のほうがオーヘントッシャンの特徴を捉えやすいと思います。
フレーバーの中に「甘くておいしいクリームブリュレ」を感じさせるウイスキーなので、その「クリームブリュレ」の存在をより感じたいのであればちょっとお値段は張りますが「オーヘントッシャン スリーウッド」はおすすめできます。
価格と味のバランスを考える

ウイスキーを買う時の参考として、値段は外すことのできないチェックポイントとなります。
値段を考えなければ、本当に多彩な味や香りを味わえるウイスキーが手に入れることができます。しかし上はまさに青天井。
それこそオークションで出回るようなウイスキーであれば数百万円、数千万円ととんでもないお値段になってしまうでしょう。
だからといって安い順からウイスキーを選ぶというのも感心できません。
質の悪いウイスキーや、どうしても好きになれない苦手なウイスキーにあたってしまった時の悲しみは筆舌に尽くしがたいです。
ランキング形式ではありますが価格帯や解説も載せていますので、気になった銘柄から試しつつ、ご自分なりの好みを見つけていただければと思います。
順位にとらわれず、気に入る銘柄があればぜひ試してみてください。