【プロ執筆】スコッチウイスキーのおすすめ銘柄と種類。

おすすめスコッチウイスキーを教えます

こんにちはウイスキーオーガナイザーのオーツカです。

前回のバーボンウイスキーの記事が大好評でして、ウイスキーに興味を持った多くの方(安室透クラスタも含む)にご利用いただけているようです。

というわけで第2弾はスコッチウイスキーをテーマにしたおすすめ銘柄の記事です。

今回も、すげえ気合が入っています。

スコッチウイスキーのチャートも、もちろんのこと永久保存版。

それ以外にもスコッチウイスキーをもっと知りたい人に向けての素敵なコラム記事もご用意してあります。

是非最後までお楽しみください。

おすすめスコッチウイスキーのチャートだけ見たい方は下のボタンをクリック。

 

はじめに

スコッチウイスキーといえば、日本ではなんとなく「本場」「本物」「本格」というイメージがあるのではないかと思います。

本場スコットランドのドラムフェス

それは、竹鶴政孝氏がウイスキーづくりを勉強しにスコットランドに留学し、その知識をベースに日本のウイスキーは造られるようになったという背景や、昭和時代にスコッチウイスキーを「本格ウイスキー」と宣伝していたことなどが影響しているように思えます。

そのおかげもあってか、現在の日本で最も多くの飲めるウイスキーの種類は、スコッチウイスキーです。

ウイスキー専門のバーやハイボール専門の店舗も次々と増えています。

しかし、スコッチウイスキーには多様な種類があり、味の幅も広いため、少々分かりづらい側面があります。

そのため、初心者の方は「よく聞く名前の無難なスコッチ」や「マスターにおまかせ」を選択してしまうのではないでしょうか?

今回は「あなたにピッタリなおすすめのスコッチウイスキーを探そう」というテーマでチャートを作っていきます。

あなたの「お気に入りのウイスキー」を選ぶヒントとしていただければと思います。

この記事でスコッチの味の傾向を頭に入れて、より楽しいウイスキーの世界を堪能してください!

特記戦力

オーツカ
以前のバーボンチャートに引き続き、特記戦力はVisionの小林さんです。

どうも、小林さん。

またやってきましたね。この時が。

ウイスキープロフェッショナル 小林渉さん小林 渉
1977年東京生まれ。 
吉祥寺「Bar Vision」にて勤務。 
ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーレクチャラー、ウイスキープロフェッショナル取得。
オークラ出版発行「基本のウイスキー」監修。
Bar Visionは価格上限1000円という値段設定のため、初心者から上級者まで幅広くご来店いただく店舗で、The Scotch Malt Whisky Society オフィシャルパートナーバーにも認定されました。 
そのため、初心者にもわかりやすく、上級者にもより満足していただける説明を心がけています。
小林さん
はい、今回も真面目に頑張ります。よろしくお願いいたします。
オーツカ
はい、真面目に。我々の肝臓が壊れない程度にいきましょう。

スコッチウイスキーの定義

小林さん
まず最初にスコッチウイスキーについておさらいしておきましょう。

簡単にですがスコッチウイスキーの定義は以下です。

  • 水とイースト菌と穀物を原材料とする。
  • スコットランドの蒸留所で糖化、発酵、蒸留を行う。
  • アルコール度数94.8%以下で蒸留。
  • 容量700リットル以下のオーク樽に詰める。
  • スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成させる。
  • 水と(色調整のための)スピリッツカラメル(プレーンカラメル E150a)以外の添加は認めない。
  • 最低瓶詰めアルコール度数は40%
  • シングルモルトウイスキーはスコットランド国内で瓶詰め、ラベリングを行う(樽でのシングルモルトの輸出は認めない)

と決められています。

アードベッグ蒸溜所

このような方法で造られたもののみが、「スコッチウイスキー」と呼ぶことができます。

最低限の品質管理を目的とした定義となっていて、信頼性の証となっています。

コラム:日本のウイスキーの定義はあいまい?
スコッチと比べると日本のウイスキーの定義はあいまいで、樽熟成に関する規定や瓶詰め時のアルコール度数に関する規定がなく、生産場所に関する規定もありません。

つまり品質管理の定義になっておらず、海外のウイスキーをブレンドしただけでジャパニーズウイスキーと称して販売しているものが出たりなど、問題が出ています。

スコッチウイスキーの分類

スコッチウイスキーには大きく3つの分類があります。

ウイスキーの原料

原料に大麦麦芽だけを使用したものを「モルトウイスキー」、大麦麦芽以外の穀物を使用したものを「グレーンウイスキー」、それらをブレンドしたものを「ブレンデッドウイスキー」と呼びます。

まずは名前だけでも憶えておきましょう。

お分かりの方は飛ばして構いません。詳しく知りたい方は以下をクリックしてみましょう↓

より詳しく分類を読む

モルトウイスキーとは

大麦麦芽を原材料に、単式蒸留器で2回蒸留(一部3回以上のところもある)、熟成したものをモルトウイスキーといいます。

1つの蒸留所のみで造られたものをブレンドして瓶詰めされるものを「シングルモルト」といいます。

ブレンドされずにそのまま1つの樽から瓶詰めされるものを「シングルカスク」といいます。

例えば、ザ・グレンリベット、ザ・マッカラン、ラフロイグなどという蒸留所の名前のラベルが貼られて販売されているものはシングルモルトとなります。

蒸留所の特徴が色濃く出るため、個性が強すぎて飲みづらいと言われるようなものも存在します。

ここ20年くらいの流れで、その個性を楽しむというのが主流となりつつありますが、ブレンデッドウイスキーより高価なものが多く、全体の流通量は少ないです。

 

グレーンウイスキーとは

穀物(トウモロコシやライ麦)を原材料に、連続式蒸留機で蒸留、熟成したものをグレーンウイスキーといいます。

グレーンウイスキーはそのまま瓶詰めされることはほとんど無く、モルトウイスキーとブレンドしてブレンデッドウイスキーとしてリリースされます。

グレーンウイスキーは連続式蒸留機で蒸留され、クリアでスムーズな味わいがモルトウイスキーとブレンドすると調和をもたらすという特性があり、また原料が安価で大量生産が可能なため、ウイスキー自体の価格を下げる役割もしています。

 

ブレンデッドウイスキーとは

上記、モルトウイスキーを複数種類とグレーンウイスキーを複数種類ブレンドし、リリースされるウイスキーです。

モルトウイスキーより安価でバランスがよく、まとまった味わいになります。

現在では「シングルモルト」の名称が示す通り、モルトウイスキーのほうが主流に思われがちですが、約30年前まではモルトウイスキーはほとんど流通していませんでした。

 

コラム:ブレンデッドウイスキーの歴史と物語

ブレンデッドウイスキーは、味わい的にバランスが取れていて飲みやすく普段飲みに適しているということもありますが、ブレンデッドウイスキーにまつわる歴史も面白みのひとつです。

例えばジョニーウォーカーブランドは、創業者のジョン・ウォーカー氏が14歳で食料品店を開き、息子のアレクサンダー・ウォーカー氏がジョニーウォーカーブラックラベルの原型になるウイスキーをブレンド、更にその息子のジョージ氏とアレック氏の時代に四角いボトル、斜めのラベルが出来上がり、世界で最も流通しているスコッチの座に上り詰めるという3世代の立身出世伝が背景にあります。

また、100パイパーやホワイトホースというブランドの名前の由来になっているのは、1745年〜1746年のジャコバイトの反乱のエピソードに由来します。

100パイパーは勇敢な100人のバグパイパーが戦場を鼓舞したというエピソード。

ホワイトホースは反乱の主役であるボニープリンスチャーリー率いるジャコバイト軍がホワイトホースセラーという宿を常宿としていたことに由来します。

もし好きなブレンデッドウイスキーがある場合、ぜひその背景や名前の由来、創業者のエピソードなどを検索してみてください。

コラム:モルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの背景

連続式蒸留機は、1831年にイーニアス・コフィーが発明、特許を取得したことで一気に広まりました。

これによりグレーンウイスキーが造られることになるので、それまでは世の中にはシングルモルトのみが存在していたことになります。

1853年にアンドリュー・アッシャー氏がウイスキーのブレンドを発明、グレンリベット蒸留所で造られた原酒をブレンドしたと記録にあります。

つまりこれは現代でいうシングルモルト。

実際に複数の蒸留所がブレンドされるのは、1860年に複数の蒸留所の原酒をブレンドしても良いという酒税法改正以降です。

1905年頃から、グレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーはウイスキーと呼んで良いのかという議論がなされます。

これはウイスキー論争と呼ばれますが、最終的にはグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーもウイスキーと呼ばれることになります。

第一次世界大戦前の情勢不安定な状況で、消毒用アルコールの原材料である酵母を供給する会社を、子会社として持っていたグレーンウイスキー業者が、酵母を出し渋ったという業界圧力が密接に絡んでいると言われます。

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スコッチの生産地と各地域の味の特徴

スコッチ6大生産地

次にスコッチの製造エリアによる味の違いを解説していきます。

モルトウイスキーは製造している地域により、便宜上6つの地域に分類されるケースが多く、それらをベースに商品を選ぶ方が多くいます。

こちらも理解なさっている方は飛ばしても結構です。詳しく知りたい方は以下をクリックしてみましょう↓

エリアの特徴の詳細を読む

では、6つの地域の特徴を見ていきましょう。

ハイランド

スコットランドの北部、分類の便宜上、グリーノックという町とダンディーという町を結ぶ線より北がハイランドとされています。

山や谷が多く、荒涼とした大地から、ウイスキーを密造するに適した地域でした。

なので古くから多くの密造蒸留所があり、現在もその流れで多くの蒸留所が存在します。

また、キルトやバグパイプ、クラン制度というようなスコットランド文化はハイランドが発祥のため、スコットランド人にとってハイランドは特別な意味のある地域といえます。

スコッチの中では力強く、重く、特徴的な味わいの蒸留所が多いと言われていますが、それも蒸留所の設備や樽熟成の考え方によりまちまちで、すべての蒸留所がそういう傾向にあるとは限りません。

最近では地域が大きいのでハイランドを東西南北に細分化する分類もあります。

コラム:境界線上の蒸留所
グリーノックとダンディーを結ぶ線のちょうど真上にある蒸留所があります。

それはグレンゴイン蒸留所です。蒸留器とウイスキーの仕込み水の水源が北にあり、熟成庫が南にあります。

蒸留器と水源が北にあることから、ハイランドに分類されます。

スペイサイド

ハイランドの中の一部地域で、スペイ川という川の流域に多くの蒸留所が集中していることから、この地域を分割してスペイサイドと呼んでいます。

ハイランドに比べて華やかでバランスに優れた蒸留所が多いのが特徴。

これはこの地域に大規模蒸留所が多く存在することにより、安定的に良いウイスキーを大量生産できる体制が整っていることも理由の一つです。

モルトウイスキー全体の約60%がスペイサイド産。

ザ・グレンリベット、グレンフィディック、ザ・マッカランという有名蒸留所もこの地域にあります。

コラム:スペイサイドがなぜウイスキーの一大生産地になったか
一般的に水が良いからというエピソードが語られます。

それも一つの側面ですが、実はいち早く鉄道が敷かれ、大都市への物流が整備されたという背景もあります。

スコッチウイスキーの発展の歴史は、ちょうど産業革命による鉄道網整備の時期と重なる部分があります。

コラム:スペイサイドという名前の蒸留所
スペイサイドという名前の蒸留所があります。

この蒸溜所、日本での地域の分類は実は「ハイランド」。

これは、ウイスキー評論家の土屋守さんが「スペイサイドとはここからここまでの地域のことをいう」という定義を明確に紹介した際に、その範囲から外れてしまったためです。

スコットランドでは地域はスペイサイドとして紹介されています。

ローランド

上記ハイランドとローランドの境界線より南の地域です。

ローランドは平地が多く、ハイランドで造られる力強い風味が出にくいことから、ハイランドウイスキーに対抗できませんでした。

そのかわり、エジンバラ、グラスゴーという大都市に近いことから、グレーンウイスキーの蒸留所が多く、大都市に安定的にウイスキーを供給する役割を負っていました。

ローランドにはグレーンウイスキーの蒸留所が多くあり、モルトウイスキーもライトボディの飲みやすいウイスキーが多かったのですが、昨今はモルトウイスキーの蒸留所は減少しています。

しかしながら、最近のクラフトディスティラリー建設ブームにより、ローランドに蒸留所を建設する業者も多く、今後が注目です。

また、大都市圏の近くにあるので、見学施設が充実している蒸留所があるのも特徴です。

キャンベルタウン

キンタイア半島の先端にあるキャンベルタウンという街は、かつて30を超える蒸留所が存在する一大生産地でした。

1920年〜33年のアメリカの禁酒法の影響からアメリカ市場を失ったことが原因で、蒸留所が一気に閉鎖し、現在は3つの蒸留所(スプリングバンク、グレンスコシア、グレンガイル)が稼働するのみとなっています。

しかしながら根強い人気の地域でもあり、生産量がスペイサイドなどと比べて明らかに少ないため、モルトマニアからは注目を浴びている地域でもあります。

アイラ

スコットランド南西に位置するアイラ島という小さな島だけが、”アイラ”という別のエリアとして独立して扱います。

この島を「スコッチウイスキーの聖地」と位置づけている人たちも多く、スコッチ好きは一度は訪れたいと思う場所の一つです。

現在8箇所の蒸留所が稼働中で、大麦を乾燥させて麦芽にする工程でピートと言われる燃料を使用することで、麦芽に独特な燻煙が付き、その麦芽で造られたウイスキーが大変特徴的な燻製香、消毒香があり、癖のあるウイスキーが好きな方にたいへん好まれています。

アイランズ

スコットランドの北部から南西部に点在する、アイラ島以外の島で造られるウイスキーをまとめてアイランズと呼びます。

広範囲に点在し、設備や製法、気候的な特徴もまちまちなため、一概にこういう味と表現することが難しいのですが、海沿いにあること、ピートが取れる場所が多いことなどから、本土のウイスキーと比べて特徴的な味わいの蒸留所が多くあります。

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スコッチウイスキーの味やフレーバーはこう分類する!

おすすめスコッチを見つけていくにあたり、重要となるキーワードは「樽熟成」と「ピートの有無」です。

樽やピートでどのような風味の違いが出るのか、ざっと解説します。

樽熟成での風味の違い

樽熟成での味の違いを分類する

まずは樽の分類です。

スコッチウイスキーは樽で熟成を行います。

ウイスキーの製造工程において、樽熟成が味に影響する割合は数年前までは50%と言われていたのですが、現在では70%〜80%と言われています。

スコッチウイスキーの熟成に使われる樽は、他のアルコール飲料を熟成した後の「古樽」を使うことが殆どで、バーボン樽とシェリー樽が主流です。

自分の好みのウイスキーが何の樽を使っているのかは知っておいたほうが良いでしょう。

バーボン樽の特徴

文字通りバーボンウイスキーの熟成に使用された古樽です。

バーボンウイスキーを造る際には必ず新しい樽を使わなければいけない法律があることから、熟成後には必ず古樽が出ます。

それをスコッチに流用したものがバーボン樽です。

1949年にグレンモーレンジィ社がバーボン樽を初めてスコッチに使用して以降、徐々にシェアを伸ばし、現在ではバーボン樽熟成のウイスキーが9割を占めていると言われます。

アメリカンホワイトオークという木材が使用されており、主にバニラやはちみつ、青りんごなどの爽やかなフルーティさをウイスキーに付与するのが特徴。

シェリー樽の特徴

こちらはシェリー酒の熟成に使用された古樽。

シェリー酒よりもウイスキーのほうが消費量が大きく、シェリー樽の供給が追いつかないことから、現在はウイスキー熟成用にシェリー酒を作ってもらい、樽だけをウイスキーの熟成に使い、作ったシェリー酒は蒸留して次のシェリー酒の原材料にしたり、シェリービネガーにしたりという形で流用されるケースが多いです。

そのため、アメリカンホワイトオークやヨーロピアンオークなど、様々な木材でシェリー酒をつけてシェリー樽を作り、ウイスキーの熟成に使われています。

バーボン樽に比べるとレーズン、ドライフルーツ、黒糖、メープルシロップなどの重めで甘い風味が多いです。

ピートの有無での風味の違い

スコットランドのピート

次にピートを焚くか焚かないかの分類です。

ピートを焚く蒸留所と焚かない蒸留所は大きな味わいの違いがあります。

ピートとは、スコットランドで採掘される、植物が堆積してできた泥炭です。

掘り出して乾燥させることで燃料として使用でき、スコットランドでは手軽に入手できる燃料として古くから使用されてきました。

これらがウイスキーづくりに使われるのはごく自然なことで、大麦麦芽を乾燥させる工程で使用する蒸留所が多くあります。

主にアイラ島やアイランズに多いのですが、味わいに幅をもたせることができるので、それ以外の地域の多くの蒸留所でも使用しています。

ピートを焚くことによって、フェノール化合物が麦芽につきます。

このフェノール化合物の含有量により味わいが大きく変わり、ppm(100万分の1%)という単位で表されます。

癖が強い弱いはこの数値で違いが出ます。

ピートを焚く蒸留所のウイスキーは、フェノール化合物がつくことにより、燻製、消毒、焦げ、タールのような香りが特徴です。

ピートを焚かない蒸留所は、これらの風味がない、フルーティで飲みやすく、癖のないウイスキーとなります。

こコラム:ピートを焚いてないウイスキーからピートを感じる?
ピートを感じないトバモリー蒸溜所のウイスキー

トバモリーというブランドはノンピートのウイスキーですが、ピートを感じるという方がいます。

実際にテイスティングコメントで「ピートの香り」と書かれているものもあります。

「ノンピートなのにピートを感じるのはなぜなのか??」ということを、とあるセミナーで質問した方がいます。

その際に、セミナー講師をしていた生産者の方が、

「トバモリーはノンピートで、私達はピートを感じない。私達とピートの捉え方が違うのかも知れない。あなたは非常に繊細でイマジネーションのある素晴らしいテイスターなのですね。」

との回答。

日本人とスコットランド人のイメージするピートの香りは違うのかも知れません。

日本人は潮や海のフレーバーもピートと捉える傾向にあるように思いますが、スコットランド人は具体的にはグアヤコール(グアイアコール)という成分からくる焦げ臭をピートと感じるそうです。

トバモリーは潮の香りはありますが、焦げは確かにありません。

私はそれ以降、潮っぽさをピートと表現するのをやめました。

樽の特徴とピートの有り無しを明確に分けられるのか?

ブレンデッドウイスキーにせよ、モルトウイスキーにせよ、バーボン樽とシェリー樽をブレンドしてバランスを取っているところがほとんどです。

ピートに関しても、一部ピートを焚いた原酒をブレンドしていたり、ピート主流で作っている蒸留所もたまにノンピートを作ったりと言った形で、明確に分類は厳しいです。

しかしながら、「ここの蒸留所はバーボン樽がほとんど」「ここはピートがほとんど」という形で傾向分類することが可能です。

つまり

  • ピート弱めのブレンデッド
  • ピート強めのブレンデッド
  • バーボン樽でノンピートのシングルモルト
  • シェリー樽でノンピートのシングルモルト
  • バーボン樽+シェリー樽でノンピートのシングルモルト
  • バーボン樽でピート有のシングルモルト
  • シェリー樽でピート有のシングルモルト
  • バーボン樽+シェリー樽でピート有のシングルモルト

とイメージしながらスコッチを考えると味の傾向はわかりやすくなります。

上記を踏まえ、おすすめ銘柄紹介を見ていきましょう。

※ラベルデザイン、名称は変更される場合があります

ピート弱めのブレンデッド

オールドパー 12年

オールドパー 12年

日本では岩倉具視使節団がお土産にしたことや、吉田茂や田中角栄が好きだったことで有名なブランド。

もともとオールドパーは、152歳まで生きたと言われるトーマス・パー氏の長寿にあやかった名前で、またボトルが何故か斜めに立つことでも有名。

ブラッドオレンジのすっきりとした甘さ、はちみつの香りと、温かい余韻が特徴です。

主要原酒はクラガンモアで、飲みやすく甘みもあるフレーバーなので、ご自宅で常飲するのに最適なウイスキーです。

オススメの飲み方:ロック

シーバスリーガル 12年

シーバスリーガル 12年

オールドパーに続いて、吉田茂が愛飲していたことで有名なシーバスリーガル。

もともとは1870年代にブレンドした「グレンディー」というブランドがあったのですが、それを作ったジェームズ・シーバスと、その事業を引き継いだ息子が立て続けに亡くなってしまい、そのブレンドを1891年に復活させたものがシーバスリーガルと言われています。

主要原酒はストラスアイラで、それ以外にもロングモーンやグレングラント、ブレイヴァルなどの原酒が含まれている、香り高く、かつ飲みやすく、熟成感もあるバランスの良いウイスキーです。

オススメの飲み方:ロック、ハイボール

デュワーズ ホワイトラベル

デュワーズ ホワイトラベル

1860年台に初めてウイスキーをボトルに入れて販売したことでも知られる由緒正しきブランド。

1900年台、ブキャナン社と人気を二分するほどの名声をほこり、現在でも非常に人気の高いブランドです。

原酒確保のためにアバフェルディ蒸留所を建設、これはブレンディングを目的として建てられた最初の蒸留所としても有名です。

非常に飲みやすくスムーズで、ハイボールでグイグイ行けるのがポイント。

オススメの飲み方:ハイボール

ピート強めのブレンデッド

ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年

ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年

世界で最も流通しているスコッチウイスキーとして有名なのが、このジョニーウォーカーブランドです。

ボトル棚で目立つようにデザインされた斜めのラベルと、輸送中に割れづらいという目的から採用された四角いボトル、横向きに歩いている紳士のデザインなど、目を引くブランドです。

主要原酒は、甘くクリーミーなフレーバーのあるカードゥで、そこにクラガンモアやリンクウッド、カリラなどをブレンド。

万人受けするようなバランスの良いフレーバーと、スコッチらしいスモーキー感が特徴です。

オススメの飲み方:万能

バランタイン 17年

バランタイン 17年

バランタイン17年といえば、スコッチの王道中の王道という認識を持っている方も多いのではないでしょうか?

お父さん、お母さん世代がよく飲んでいたという方もいらっしゃると思います。

ジョニーウォーカーには及ばないものの、スコッチで2位の売上となっているブレンデッドウイスキーです。

味の中核となっているのが、スキャパ、ミルトンダフ、グレンバーギ、グレントファースの4つの蒸留所と言われています。

以前は「バランタイン魔法の7柱」と呼ばれる7つの蒸留所が主要原酒と言われていました。

バランタインの中でも特に力が入っているのが17年で、近年、主要原酒である蒸留所の特別エディション「バランタイン17年スキャパエディション」「ミルトンダフエディション」「グレンバーギエディション」「グレントファースエディション」がスペシャルボトルがリリースされています。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

ホワイトホース 12年

ホワイトホース 12年

“ホワイトホースセラー”という宿場(兼酒場)から名付けられたウイスキーで、1745〜1746年のジャコバイトの反乱の際に、軍を率いていたボニープリンスチャーリーがホワイトホースセラーを常宿にしていたことでも有名です。

もともと、ラガヴーリン蒸留所で働いていたピーター・マッキー氏が、ラガヴーリンやグレンエルギン、クレイゲラキなどをブレンドして造られ、スモーキーなラガヴーリンのフレーバーが感じられるブレンデッドウイスキーとして人気でした。

最近では以前ほどのスモーキーさは感じられませんが、缶ハイボールなども登場し、若者にも飲まれています。(特級時代のボトルはなかなかにスモーキーです)

オススメの飲み方:ストレート、ロック

ビッグピート

ビッグピート

ボトラーズの「ダグラスレイン社」がブレンドし、販売している【ブレンデッドモルトウイスキー】

ブレンデッドモルトウイスキーとは、グレーンウイスキーをブレンドせず、モルトウイスキーだけをブレンドしたものです。ボトルデザインには、アードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレンがブレンドされていると記載されています。

非常に貴重な閉鎖蒸留所のポートエレンがブレンドされているということですが、果たしてどれだけの量入っているのでしょうか?

また、蒸留所名は非公開ですが、それ以外のアイラの蒸留所もブレンドされているとのことです。

最近では、アイラフェスや日本のウイスキー祭りの特別ボトルなどもリリースしており、ボトラーズならではのフットワークの軽さを活かしたリリースを行っています。

グレーンが入っておらず、ピートを際立たせているため、他のブレンデッドと比較するとピートが強めです。

オススメの飲み方:ストレート、ロック、ハイボール

ピートモンスター

ピートモンスター

ジョニーウォーカーのグローバル・マーケティングディレクターをしていたジョン・グレイザー氏が、コンパスボックスという自身のブランドを立ち上げ、リリースしているブレンデッドモルトウイスキー。

コンパスボックスはブレンド技術をフル活用して様々なテーマで素晴らしいブレンデッドウイスキーをリリースしており、品質の高さは様々な賞を獲得していることでも証明されています。

ピートモンスターはアイラモルトだけでなく、ハイランドやアイランズのモルトもブレンドしていますが、ピートの強さは非常に強く感じる、まさにモンスターと言えるブレンド。

また、コンパスボックスはラベルデザインも素晴らしいことで知られています。

オススメの飲み方:ストレート

バーボン樽でノンピートのシングルモルト

ザ・グレンリベット 12年

ザ・グレンリベット 12年

1824年に政府公認第一号蒸留所になった由緒正しい蒸留所。

そのきっかけも、1822年に当時の国王のジョージ4世がグレンリベットを所望したことから、酒税法が改正され大幅に酒税が引き下げられたため、政府公認蒸留所になったという経緯があります。

名前の由来はゲール語で「静かな谷」。

非常に飲みやすく、フルーティな味わいは初心者にも馴染みやすく、常飲用としても飲み疲れないおすすめモルト。

シングルモルトの入り口の1本と言えるウイスキーです。

オススメの飲み方:ロック、ハイボール

グレンフィディック 12年

グレンフィディック 12年

1887年創業の蒸留所で、創業者はウィリアム・グラント。名前の由来は「鹿の谷」。

その名のとおり、鹿のマークがトレードマークです。1960年にシングルモルトを発売。

その当時はシングルモルトはほとんど飲まれていなかったため、無謀な行為と言われていたのですが、グレンフィディックがもともと呑みやすく、すぐに世界中で飲まれるようになり、現在でもシングルモルト出荷数1位をキープしています。

ザ・グレンリベットよりもさらに飲みやすくフルーティで、飽きることなく長く飲めるウイスキーです。

オススメの飲み方:ロック、ハイボール

クラガンモア 12年

クラガンモア 12年

1869年創業。創業者はジョン・スミスで、グレンリベットの創業者のジョージ・スミスの私生児とも言われている人物。蒸留所はバリンダルロッホという場所に建設されました。

クラガンモアの丘から湧き出る名水があったこと、創業当時、ストラススペイ鉄道が近くを走っていて輸送の便が良いということ、ジョン・スミスが鉄道マニアだったことから直接蒸留所に引込線を敷き大量輸送を可能にしたことなどから、この土地を選んだと言われています。また、ラベルデザインは線路をイメージしてデザインされています。

蒸留器はT型シェイプと言われる特殊な機材となっており、それの影響かとても複雑でデリケート、麦芽の甘味や紅茶の茶葉を感じる、豊かなフレーバーとなっており、様々なブレンデッドウイスキーの原酒として使われています。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

クライヌリッシュ 14年

クライヌリッシュ 14年

1819年に北ハイランドのブローラという場所に建設された蒸留所で、名前の由来は「金色の湿地」だと言われています。

ラベルの山猫は創業者のサザーランド公爵の副紋章で、ハイランド山中に現在も生息しているとのことです。

現在のクライヌリッシュ蒸留所は、当時の蒸留所の隣に建設された新しい蒸留所で、古い蒸留所は新しい蒸留所の稼働以降、「ブローラ」と呼ばれることとなりますが、ブローラは1983年に閉鎖してしまっています。

味わいは、非常にリッチで複雑、やや重めの印象があり、初心者から上級者にまで好まれるウイスキー。

ザ・グレンリベットやグレンフィディックなどと比較すると出会う機会が減ることもあり、一通りモルトの入り口となるものを飲んだ次に好きになる方が多いウイスキーです。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

グレンモーレンジィ オリジナル

グレンモーレンジィ オリジナル

名前の由来はゲール語で「大いなる静寂の谷間」という意味だと言われています。

樽のパイオニアとしても有名で、モルトウイスキー蒸留所で初めてバーボン樽に原酒を詰めた蒸留所です。

もともとジン用に作られた、異様に首の長い中古の蒸留器を使用しており、偶然それが素晴らしい風味を生み出したということから、現在も設備増強する際には同じ首の長い蒸留器を入れています。

樽熟成の研究が非常に進んでおり、上記のようにバーボン樽を最初に使い始めた蒸留所という以外にも、バーボン樽で熟成させた後に他の樽に移し替えて追加熟成を行う「ウッドフィニッシュ」「カスクフィニッシュ」という方法をいち早く開発、採用しました。

シェリー樽フィニッシュの「ラサンタ」、ポートワイン樽フィニッシュの「キンタルバン」、ソーテルヌ樽フィニッシュの「ネクタードール」など種類も豊富。

また、年に1回程度リリースされる特別ボトルも大変魅力的な物が多いです。

オススメの飲み方:ストレート、ロック、ハイボール、冷凍ハイボール

コラム:キリンの首

グレンモーレンジィの蒸留器の首の長さは5.14メートル。

比較対象としてはキリンの首の長さとほぼ同じということから、実際にグレンモーレンジィの蒸留器と並べて写真を撮ろうという計画があったそうです。

しかし、キリンは大変デリケートな動物で、ストレスを与えないようにゆっくり移動しなければいけないこと、動物園からのレンタル費用と移動日数を計算したところなかなかいい価格になったとのことでこの計画はなしになったとか。

オーヘントッシャン 12年

オーヘントッシャン 12年

ローランド地方にある3回蒸留を行っている蒸留所。

ローランドでは、軽くフルーティなウイスキーを作るために3回蒸留を行っている蒸留所が多かったのですが、現在はほとんどが閉鎖してしまい、ローランドで3回蒸留を続けているのはオーヘントッシャンだけです。
名前の由来は「野原の片隅」。

1941年の第二次世界大戦中にドイツ軍の空襲にあい、大量のウイスキーがクライド川に流れ出したというエピソードがあります。現在の蒸留所は大戦後に再建されたものです。

3回蒸留由来のライトで飲みやすくスムーズながら、私の飲んだ経験からは、3回蒸留のほうが2回蒸留よりも樽の風味がウイスキーに乗りやすいという印象。

そのため、複数の樽を使ったもの(スリーウッド)や、ボトラーズの20年前後の熟成のものは非常に良いフルーティ香のあるものが多いと感じます。

現在は日本のビームサントリーが所有しています。

オススメの飲み方:ロック、ハイボール

スキャパ スキレン

スキャパ スキレン

スコットランド本土のさらに北にある、オークニー諸島のメインランド島にある蒸留所。

メインランド島にはもう一つハイランドパークという蒸留所がありますが、濃厚で重厚感のあるハイランドパークとは大きく違い、軽く飲みやすいのが特徴。

そのような軽い風味は、初留釜に内側の仕切りを取り外したローモンド型のスチルを使用していることが理由と言われています。

バランタインの主要原酒の一つで、バランタインの香りを嗅いだときに一番最初に感じるフルーティな香りを司る原酒と言われており、人気の高い蒸留所です。

オススメの飲み方:ストレート、ハイボール

ロイヤルロッホナガー 12年

ロイヤルロッホナガー 12年

ロッホナガー蒸留所ははジョンベッグにより1845年創立。

1848年にヴィクトリア女王とアルバート公が蒸留所の隣のバルモラル城を夏の離宮としたことから、近くにあった蒸留所の見学に招待。その翌年に王室御用達の証”ロイヤル”の冠を獲得しました。

モルトウイスキーの蒸留所で「ロイヤルワラント(王室御用達)」をもらっている蒸留所はロイヤルロッホナガー、ロイヤルブラックラ、グレンユーリーロイヤルの3箇所です。グレンユーリーロイヤルは閉鎖してしまったため、現在稼働中は2箇所となります。

そのため知名度は高いのですが、生産規模は実は非常に少なく、12年ものがオフィシャルとしてリリースされていますが、それ以外はなかなか飲む機会は少ない蒸留所です。

甘いフレーバーとピリッとした酸味、そしてジャパニーズにも感じられる香木(白檀)のような香りと長めの余韻が魅力です。

オススメの飲み方:ストレート

トバモリー 10年

トバモリー 10年

マル島にある蒸留所で、名前の由来はゲール語で「メアリーの井戸」と言われています。

同じ蒸留所で、ノンピートの「トバモリー」と35ppmのヘビーピートの「レダイグ」を製造しています。

ライトボディで飲みやすいという特徴ながら、島にある蒸留所ということで若干の潮っぽさ、魚介系の風味がほんの少しくせがあるように感じるウイスキーです。

オーツカ氏はトバモリーのファンのようですね。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

ブルックラディ ザ・クラシックラディ

ブルックラディ ザ・クラシックラディ

1881年創業のアイラ島の蒸留所。アイラ島はピートの強いウイスキーを多くつくる産地ですが、こちらのウイスキーはノンピートでフルーティな味わいを追求したウイスキー。

数々のオーナーに買収され、所有者が変わっており、1993年に一時閉鎖していましたが、2000年にマーク・レイニエ氏が買収したことにより再建され、現在は同じ蒸留所で40ppmのヘビーピートの「ポートシャーロット」と、80ppm以上のスーパーへビーピートの「オクトモア」を作っています。

軽くスムーズで飲みやすいフレーバーですが、海沿いの熟成庫で熟成されることが理由とされるほんのりとした塩っぽさが特徴です。

また、ウイスキーらしいフレーバーを味わってもらいたいということから、オフィシャルにしては珍しい50%という高いアルコール度数でボトリングされるのも特徴です。

オススメの飲み方:ストレート、ハイボール

オーバン 14年

オーバン 14年

西ハイランドに位置する蒸留所。

西ハイランドは比較的蒸留所の数が少なく、その中では知名度の高い代表的な蒸留所です。

現在はディアジオ社が所有しており、クラシックモルトシリーズと言われる各地域の代表的なモルトウイスキーをリリースするシリーズの1本で、現在はほとんどがシングルモルトとしてリリースされています。

オススメの飲み方:ストレート、ハイボール

シェリー樽でノンピートのシングルモルト

ザ・マッカラン 12年

ザ・マッカラン 12年

「シングルモルトのロールスロイス」と呼ばれる、シングルモルトを代表する1本。

スペイサイドで最も小さい蒸留器を使用することで、力強いフレーバーを生み出しています。

また、シェリー樽熟成にこだわりを持っていることでも有名で、現在ではマッカランが指定したスペックで特別にシェリー酒の熟成をシェリー業者に依頼し、シェリー樽を調達するという方法で味を維持しています。(この方法をシェリーシーズニングと呼ばれます)

2018年5月に第二蒸留所がオープンし、非常に荘厳な雰囲気の蒸留設備が話題となっています。

https://scotchwhisky.com/magazine/video/magazine/19118/how-macallan-built-its-new-distillery/

オススメの飲み方:ストレート、水割り

アバフェルディ 12年

アバフェルディ 12年

1896年創業で、創業はジョンデュワー&サンズ社。ブレンデッドウイスキーのデュワーズの原酒確保のために建設された蒸留所。

大型の蒸留器でネックが高く、ライトな風味を生み出すのが特徴で、また、シェリー樽の使用比率が高いため、フルーティで上品、スイートな風味が特徴です。

モルトの甘みもしっかりと感じることができ、丸みのあるドライな味わいが感じられます。

オススメの飲み方:ハイボール

グレンドロナック 12年

グレンドロナック 12年

名前の由来はゲール語で「ブラックベリーの谷」を意味すると言われています。

グレンドロナックはシェリー樽熟成にこだわりを持つ蒸留所として有名で、こちらの12年は非常に濃厚なフレーバーがあります。

熟成にはオロロソシェリーの樽とペドロヒメネスシェリー樽を使用。

ドロナックの干しブドウとビターチョコの特徴が存分に発揮されている逸品です。

ブレンデッドウイスキーのティーチャーズの主要原酒です。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

グレンゴイン 12年

グレンゴイン 12年

仕込み水の水源と蒸留設備はハイランドにあり、熟成庫はローランドにあるという珍しい蒸留所。分類は一応ハイランドです。

非常に手間ひまかけたウイスキーづくりにこだわりを持っており、ノンピートの麦芽を使用することでピートの味にごまかされない上質な原酒づくりを行うことがポリシー

シェリー樽熟成にもこだわりを持っており、独自の調達ルートから上質なシェリー樽を確保し、そのシェリー樽と、リフィルと呼ばれる2回目以降ウイスキーを詰められた樽をブレンドすることによりバランスの良い風味を生み出しています。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

グレンファークラス 12年

グレンファークラス 12年

J&Gグラント社が経営。家族経営を続ける数少ない蒸留所の一つです。

シェリー樽熟成に強く、リリースされるウイスキーのほとんどは濃厚なシェリー樽のフレーバーがあるもの(一部ボトラーズや特別ボトルはバーボン樽)です。

マッカランがスペイサイド最小の蒸留器なのに対して、グレンファークラスは大きい蒸留器を使用しており、その大きさはマッカランの7倍。

加熱方法もガスバーナーによる直接加熱を使用しており、大きい蒸留器ながら力強いフレーバーを生み出します。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

ブナハーブン 12年

ブナハーブン 12年

アイラ島の北東に位置する蒸留所で、名前の由来は「河口」。河とは、仕込み水を取っているマーガデール川に由来します。

アイラ島ではブルックラディとともに、ピートを焚かない麦芽を使用するのが特徴です。

しかし、総生産量の10%を約35ppmのヘビーピート麦芽を使ったものを製造しており、ボトラーズやブレンデッド用の原酒に使われています。

オフィシャルのブナハーブンはシェリー樽の風味が強いことが特徴で、一口飲むとなんとなくスペイサイドのシェリー樽熟成と間違うような風味がありますが、アイラ島特有の潮っぽさも感じ取れる複雑な風味のウイスキーです。

オススメの飲み方:ストレート

バーボン樽+シェリー樽でノンピートのシングルモルト

バルヴェニー 12年

バルヴェニー 12年

グレンフィディックの姉妹蒸留所で、1982年にグレンフィディックに隣接した土地に建てられた蒸留所で、原材料も酵母もグレンフィディックと同じものを使用しているにもかかわらず、全く違う性格の原酒が造られています。

蒸留所の特徴は伝統的な製法のフロアモルティングを行っており、最初の12時間はピートを炊き、残りの44時間は無煙炭という煙が出ない熱源で乾燥させています。これは非常に手間隙のかかった製法です。

12年は、バーボン樽とシェリー樽で別々に熟成されたものをブレンドしています。ピートを炊き込むと書きましたが、そこまで強いピート香ではなく、飲みやすくリッチなフレーバーが特徴

オススメの飲み方:ストレート、ロック、ハイボール

アベラワー 12年

アベラワー 12年

ペルノ・リカール社が所有し、ザ・グレンリベットとともにシングルモルトの生産に注力している蒸留所。

ダブルカスクマチュアードと副題がついているので、シェリー樽、バーボン樽の2種類の樽で熟成されてはいるのですが、シェリー樽熟成の比率が高いのが特徴で、甘みのつよいレーズンやプラム、カシスという香りが特徴。

こちらの12年はバーボン樽とのブレンドですが、シェリーのほうを強めに感じる1本。

オススメの飲み方:ストレート、水割り

ロイヤルブラックラ 12年

ロイヤルブラックラ 12年

バカルディ社が所有する5箇所の蒸留所からリリースした「ラスト・グレート・モルト」シリーズのひとつ。

バカルディ社はデュワーズの生産も行っていることから、ロイヤルブラックラもデュワーズの原酒として使用されています。

1835年にその当時の国王ウィリアム4世のお気に入りになったということからロイヤルワラントを獲得しています。

12年は、オロロソやペドロヒメネスなどのシェリー樽で追加熟成を行うことでフルーティな甘さを引き出しています。

特にペドロヒメネスの味わいを感じ取れる、高貴な甘みを感じさせるウイスキーです。

オススメの飲み方:ストレート、水割り

コラム:ピートにいくその前に

フェノール値の表記が多数出てきますので、おさらいです。

フェノール値とは、ピートを炊き込むことにより大麦麦芽にフェノール化合物がどれだけ付いたかを表す数値で、この数値が高いほどピート香が強いという扱いでだいたい間違いないです。

フェノール値はppm(1万分の1%)という単位で表されます。

フェノール値の値は各蒸留所でだいたい決まっており、大雑把ですが、下記にまとめておきますので参考にしてみてください。

 

フェノール値

スコッチの銘柄

0

ブナハーブン・ブルックラディ

20

キルホーマン(100%アイラシリーズ)

25

ボウモア

35

カリラ・ラガヴーリン・ブナハーブン(ピーテッド)

40

ポートシャーロット(ブルックラディのヘビーピート)

45

ラフロイグ

50

キルホーマン(100%アイラ以外)

60

アードベッグ

80以上

オクトモア(ブルックラディのスーパーへビーピート)

 

バーボン樽でピート有のシングルモルト

ラフロイグ 10年

ラフロイグ 10年

チャールズ皇太子愛飲のモルトで、プリンス・オブ・ウェールズ御用達を持つ蒸留所。

非常に癖が強く、薬品や消毒のフレーバーは、好きな人は好き、嫌いな人は徹底的に嫌いと言われる蒸留所です。

特徴は伝統的なフロアモルティングを行っており、蒸留所でピートを焚いた麦芽と、モルトスター(精麦業者)で製麦された35ppmの麦芽とブレンドすることで独特のフレーバーを生み出しています。

また、ファーストフィルのバーボン樽での熟成にこだわっていましたが、最近はバーボン樽以外の樽熟成も行っている模様です。

オススメの飲み方:ストレート、ロック、ハイボール

アードベッグ 10年

アードベッグ 10年

限定リリース品のオクトモア(ブルックラディ蒸留所)を除いた場合、スコッチで最大のフェノール値60ppmのウイスキーを安定的に作っている蒸留所です。

非常に強い燻製のフレーバーなのですが、実は蒸留器の形はランタンヘッド型で、精留機と呼ばれる蒸留液を再度蒸留器に戻す設備がついていたりと、ライトタイプのウイスキーができやすい作りになっており、実は飲みやすさを感じることもある珍しいタイプのウイスキー。

実際に強いスモーキーフレーバーの中に隠された甘く爽やかな果実の風味を見出す方は多く、人気の秘訣でもあります。

5月末〜6月頭にかけて行われるアイラフェスの中でアードベッグデーという日があり、その日に毎年、その年の限定ボトルがリリースされます。

オススメの飲み方:ストレート、ハイボール

レダイグ 10年

レダイグ 10年

アイラ島のすぐ近く、マル島のトバモリー蒸留所で造られる、ヘビーピートタイプのウイスキー。35ppmの麦芽を使用しています。

レダイグの特徴は、これは私の主観ですが、鰹節や昆布だしのような和風のフレーバーが感じられることでしょうか?そのため、結構ハマるお客様が多いです。

非常にポテンシャルの高いウイスキーで、ボトラーズではシェリー樽熟成のものも出回っています。

本来の味の骨格がわかりやすいカスクストレングスのものを見つけたらぜひ飲んでみてください。

オススメの飲み方:ストレート

ポートシャーロット スコティッシュバーレイ

ポートシャーロット スコティッシュバーレイ

ブルックラディ蒸留所で造られる40ppmのヘビーピートタイプのウイスキー。

ブルックラディは製麦をスコットランド本土のモルトスターに発注しており、本土のピートを使用していることから、他のアイラ島のウイスキーとは少し違うフレーバーがします。

アイラ島のピートはどちらかというと、消毒、薬品のフレーバーが全面に出るのに対して、本土のピートは燻製、タールといった少し重めのフレーバーに感じます。

ブルックラディ蒸留所の設備は、軽くフルーティなウイスキーを造る首の長い蒸留器が特徴なため、それらの重厚なフレーバーが混ざり合い、好バランスな原酒となっています。

そんなポートシャーロットですが2018年9月に新商品として、10年熟成が発売になります。

これまでは10年以下の原酒がブレンドされていましたが、10年以上の熟成のもののブレンドを安定供給できるということで、今後が大変期待できる銘柄です。

オススメの飲み方:ストレート

タリスカー 10年

タリスカー 10年

アイラ島の北にあるスカイ島で造られるウイスキー。

ピートは強すぎず、弱すぎずの20ppm前後の麦芽を使用しており、ドライでキレのある風味は、樽の甘さやフルーティさを売りにしているウイスキーと一線を画しています。

これは蒸留設備がライトタイプのウイスキーができやすいことが要因と思われます。

ハイボールに非常に向いており、ブラックペッパーや山椒などを振りかける、色々な飲み方も人気の商品。

1杯目にとりあえずタリスカーハイボールというお客様が多く、当店ではハイボールが一番良く出ます。

BARRELの記事でもかなり推しているタリスカーですが、まだ角ハイボールやトリスハイボールしか飲んだことがないという方は、是非飲んでもらいたいと思える一本です。

オススメの飲み方:ハイボール

シェリー樽でピート有のシングルモルト

ボウモア 12年

ボウモア 12年

1779年創業と、アイラ島で最も古い蒸留所。25ppmと他のアイラの蒸留所より低めのピートとシェリー樽熟成が多めのブレンドとの組み合わせが非常にフルーティで甘みのあるウイスキーを作り出すことから、「アイラの女王」と言われています。

伝統的なフロアモルティングを行っており、モルトスターから購入した麦芽とブレンドして使用しています。

『伝説級に美味い』と言われるボトルが多い蒸留所でもあり、そういったものは何十万円といった価格で取引されていたり、バーでも1杯数万円という価格のものがあったりします。

また、1980年代蒸留のものは、ウイスキー好きにはあまり好まれない「パフューム」と言われるフレーバーがあるものがあります。

ぜひそのようなフレーバーのする原酒も経験してみてください。

オススメの飲み方:ストレート、ロック

アードベッグ ウーガダール

アードベッグ ウーガダール

アードベッグ蒸留所が造るシェリー樽で後熟したカスクストレングスのウイスキー。

アルコール度数が50%台であることと、シェリー樽の重厚な風味が加わることで、ビギナーにはやや飲みにくい上級者向けのウイスキーに変貌しています。

ウーガダールと比べるとスタンダード品であるアードベッグ10年は比較的軽いと感じることでしょう。

アイラのレギュラー品をだいたい制覇した頃に、その次に是非飲んでいただきたい1本。

オススメの飲み方:ストレート

タリスカーポートリー

タリスカーポートリー

タリスカーが生産されるスカイ島では19世紀からポートワイン貿易を盛んに行っていました。

最大の港町、ポートリーにてポートワインの買い付けを行っていたのです。

タリスカーの原酒をそのポートワインの樽で追加熟成させ、港町ポートリーの名前を冠したのがタリスカーポートリーです。

ポートワイン樽フィニッシュをしているので、比較的ドライな風味が売りのタリスカーに甘さを加え、カシスやプラム、ラズベリーのようなニュアンスを含みます。

タリスカーの特徴的なブラックペッパーの味わいに、赤い果実のフレーバーが華を添えます。

オススメの飲み方:ストレート

バーボン樽+シェリー樽でピート有のシングルモルト

ラガヴーリン 16年

ラガヴーリン 16年

アイラ島の南に3つ蒸留所が並んでいます。アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグです。いずれもピートが強く、消毒や薬品の香りの強いウイスキーが特徴の場所です。

名前はゲール語で「水車小屋のある窪地」が由来と言われています。

ポートエレンから供給されるヘビーピート麦芽を使用し、重めのウイスキーができやすいオニオン型の蒸留器で蒸留することで、どっしりとしたボディとなめらかな舌触りが大変リッチな味わいを感じさせます。

ホワイトホースの主要原酒の一つで、ホワイトホースのピート感の強さはラガヴーリンの原酒が大きな役割を果たしています。

オススメの飲み方:ストレート

ハイランドパーク 12年

ハイランドパーク 12年

オークニー諸島に位置するハイランドパークは、スコットランドで最も緯度が高いところにある蒸留所です。

オークニー諸島はヴァイキングが支配していた土地でもあり、近年ではラベルデザインがヴァイキングの模様をあしらったものに変更されてきています。

約10ppmのミディアムピートでシェリー樽熟成の比率が多めなのが特徴で、リッチでフルーティ、かつピートのフレーバーが適度な飲みごたえを与えており、非常にバランスの良いウイスキー。

オススメの飲み方:ストレート

スプリングバンク 10年

スプリングバンク 10年

キャンベルタウンに現存する3つの蒸留所のうちの一つ。

伝統的なフロアモルティングを行っており、他のフロアモルティングをしている蒸留所が、蒸留所内でフロアモルティングをしたものとモルトスターから購入したものをブレンドしているのに対し、スプリングバンクは100%自家製麦を行っています。フェノール値は8ppmと抑えめ。

また、2.5回蒸留という複雑な蒸留をしているのも特徴。

キャンベルタウンのウイスキーの特徴は塩っぽさで、それが熟成を重ねると非常にフルーティなフレーバーに変わるのが不思議です。

スプリングバング蒸留所では、ノンピートで3回蒸留の「ヘーゼルバーン」と、50ppmで2回蒸留の「ロングロウ」も生産しています。

オススメの飲み方:ストレート

オーツカ
久しぶりにスコッチのオフィシャルスタンダード品を、総なめしましたが、再確認する点が多かったです。

このスタンダード品を一通り飲んで、オールドボトルなどと比べるのも面白そうですね。

小林さん
チャートにすると、特徴がわかりやすくなりますね。

自分の好みのブランドを深堀りするのも良し、香りや味、フレーバーから近しいものを攻めるのも良し、自由に楽しんでいただきたいですね。

オーツカ
まだまだ続きます。次からは章ごとにページを分けます。

スコッチウイスキーの上手な飲み方

続いてスコッチウイスキーの飲み方について解説していきましょう。

ウイスキーには様々な飲み方がありますが、生産者側の意図を汲みながら「飲み方から決める」手法をご説明いたします。

オーツカ
スコッチだけではなくウイスキー全般に使える上手な加水方法や、ウイスキーを飲む順番、チェイサーの特性などについて、バーテンダーとしてのご意見を語っていただきます。

スコッチウイスキーとのマリアージュ

今度はペアリングです。

スコッチウイスキーに合う料理やつまみはどんなものかをご説明します。

シガーと合わせる場合のコツや、スコッチを飲みながら聴きたい音楽、見たい映画などもご紹介したいと思います。

オーツカ
スコッチウイスキーの肴となるペアリングを様々な角度から解説してもらいましょう。

スコッチウイスキーをもっと詳しく知るためには

過去から現代に至るまで様々な変遷を繰り返してきたスコッチウイスキーを学び、もっとハマるために何をするべきか、お話したいと思います。

今以上にスコッチウイスキーを好きになりたい、趣味にしたいと思っている方はどういう風に情報を集めていけば良いのか。

私の思う方法を幾つか記しておきます。みなさまのヒントになればと思います。

オーツカ
まだスコッチを飲んで間もないビギナーも、今までたくさんのスコッチを飲んできた玄人も、今後どんなふうにスコッチと向き合っていけばよいかを指南していただきましょう。

最近のスコッチ事情

ビールを好んで飲まれる方は、最近のクラフトビールブームをご存知かと思います。

この流れは他のお酒でも同様で、スコットランドでもクラフト蒸留所が多数建設されています。

現在建設中や建設予定で蒸留免許取得中のところなども含めると10〜15くらいの蒸留所が予定されています。

アードナムルッカン蒸留所

すでに稼働中のところもあり、日本ではクレイジージャーニーというTV番組で放映されて一時期話題になった『アードナムルッカン蒸留所』があります。(Youtube動画に上がっていますのでご興味ある方はぜひ。)

また、クラフト蒸留所以外の大手の蒸留所では、世界的なウイスキーブームに対応するため、蒸留所の増築を行っているところが多く、先日ではマッカラン第二蒸留所の完成披露が行われ、非常に豪華で美しい建物と蒸留設備が話題となりました。

 

今後、スコッチは大きく二極化していくと考えられます。

これまで安定的にウイスキーを作り続けていた大手の蒸留所は、現状維持、もしくは設備増強と販売網を拡大をしていく流れ。

クラフト蒸留所はこれまで大手が実施してこなかった革新的なウイスキーを作る、もしくは大手が効率化や設備増強のために実施しなくなった、非効率な伝統的な製造方法を復活させ、伝統的なウイスキーを啓蒙していく流れです。

例えば、革新的なウイスキーを作るであろう蒸留所として注目されているのはローンウルフ蒸留所で、こちらはクラフトビールの会社のブリュードッグが運営しています。現在日本ではジンが流通しています。

ローンウルフ蒸留所

他にも伝統的な製法でウイスキーを作る蒸留所として、2000年に復活したブルックラディや、2011年創業のウルフバーンなどがあげられます。(既にクラフトとは呼べない規模になっていますが)

大手には大手の強みと魅力が、クラフトにはクラフトの魅力があります。

その両方を楽しんでいきたいですね。

おわりに

オーツカ
さぁ、みなさん、いかがだったでしょうか?

おさらいを含んでいるとはいえ、今回もとんでもないボリュームとなりました。

小林さん
どうしても思い入れの強いスコッチは、説明したくなることが多々ありまして長くなってしまいました。長文失礼いたしました。
オーツカ
4万字超えそうだったんで流石に分けました。。。

しかし、ビギナーさんは知っておくとよい情報ばかりだったと思いますし、愛好家の方も再確認できるポイントがあったのではないでしょうか。

小林さん
ウイスキー好きの方の中でもスコッチを普段から飲むという方は多いと思います。

そんな方にさらに一歩進んで楽しんでいただけるように、こんな楽しみ方もありますよという小話や、ウイスキーを日常に取り入れ身近に感じるエピソードを多く入れたつもりです。

まだまだ書ききれていない小話はいっぱいありますので、そのあたりは後日。

またBARRELの記事でお会いできることを楽しみにしています。

オーツカ
ウイスキーの世界はなかなか語りつくせませんからね。

こういった体系化した記事は今後も作っていきたいと思いますので、読者のみなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

ABOUTこの記事をかいた人

オーツカ

ウイスキーをもっと身近に!小難しいウイスキーの世界を分解し、わかりやすく整理する「ウイスキーオーガナイザー」。 これからウイスキーを知りたいビギナーさんの味方になります!日本最大級のウイスキーメディアBARRELを運営、編集長及びカメラマン、さらには執筆もしています。 他にも1000万PVを超える大規模サイトも運営しており、集客コンサルティングなど行っています。コラボやお仕事のご依頼はお問い合わせフォームから。