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ブッカーズを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

ブッカーズを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

ジムビームがつくるスモールバッチ・コレクションの最高峰として位置づけられる「ブッカーズ」。

水での希釈やフィルターでの濾過を一切行わず、そのままボトリングされるストロングスタイルのバーボンウイスキー。

「かつてのバーボンがそうだったように、樽からストレートにだ。」を地で行くプレミアムバーボンです。

アルコール度数はそのバッチ毎に異なり、およそ60度~65度。高度数を感じさせない、しなやかで滑らかな口当たりと深い熟成感が魅力です。

ビーム・サントリー社が製造・販売を行っている数量限定商品で、カルト的な人気を誇ります。
非常に人気が高くプレミアム価格になっているネット通販ショップもチラホラ見かけます(旧ラベルはとんでもない高値になってますね)。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

「これでバーボンを好きになった」という方も多い、コクてウマいプレミアムなバレルプルーフ・バーボン。

「加水?軟弱だな。樽から直接飲むバーボンが一番うまいに決まってるだろう。」というブッカー・ノウ氏の声が聞こえてきそうなほど、とにかくアルコール度数が高く、旨味が強いです。

しかしストレートで飲み続けると舌が痺れてしまって、ブッカーズ以外のウイスキーの味がわからなくなります。
つまりブッカーズは飲み初めにチョイスするウイスキーではありません。

長く飲むならおすすめはトワイスアップ。
それも数滴ずつゆっくりと加水していくと、樽感の凝縮したアロマがストレッチされ、色気のある馥郁としたフレーバーが伸び伸びと楽しめます。

バーボンウイスキーなのでロックで葉巻と合わすという飲み方ももちろんおいしいですが、強いアルコール度数を利用してミストでいただくというのも美味です。

『あまりバーボンを飲んだことがない』という方にこそ、ぜひ飲んでいただきたいのがこのブッカーズです。
「ウイスキーって旨味と温かさを感じるお酒だ」と思ってもらえるはずです。

ちなみに25周年、30周年には以下のようなアニバーサリー リミテッド・エディションを発売しています。
2018年末に出た「30th アニバーサリー リミテッド・エディション」は原酒には熟成9年の物を70%、16年の物を30%使用し、アルコール度数125.8プルーフ(62.9%)でボトリング。価格はUS$199.99。
化粧箱には、近年改修工事が行われた熟成庫の床板が使用されていて、ブッカーズ愛好家にはたまらないデザインとなっています。

ブッカーズ 30周年記念ボトル

30周年記念ボトル

ブッカーズ 25周年記念ボトル

25周年記念ボトル

ブッカーズの発祥と歴史

どこで作られているのか?

ジムビームの歴史

ブッカーズはアメリカのケンタッキー州にて造られているバーボン・ウイスキーで、ジムビームがつくるスモールバッチ・コレクションの最高峰として位置づけられています。

ブランド名は6代目に当たる偉大なマスターディスティラーのブッカー・ノウ(1929〜2004年)の名に由来します。

ブッカー・ノウが生み出した最高傑作とも言われるカスクストレングスタイプのクラフトバーボンで、「バーボンの頂点に立つ逸品」とも呼ばれています。

ブッカーズの箱とボトル

ブッカーズは元々市販されてはおらず、蒸溜所のオーナーだったビーム家で行われるバーベキューパーティーで振舞われていた特別なボトルでした。

それを世に出したところ、各方面で評判を呼んだため1988年に正式リリースに至りました。

あまり意識されていませんが、ブッカーズはジムビームの上位ボトルなので、造られている蒸溜所はジムビーム蒸溜所となります。

ブッカーズの説明を見るとバレルストレングスやスモールバッチにこだわった…などという情報をよく目にしますがブッカー・ノウ氏が掲げた本来のコンセプトは「禁酒法以前の本来のバーボン」でした。

アメリカでの禁酒法が施行されたのが1920〜1933年の13年間。

ブッカー・ノウ氏は1926年生まれですので禁酒法時代に生まれ、7歳になる年に禁酒法が解かれたことになります。

出典©:jimbeam

ノウ氏が禁酒法以前のバーボンの味わいを知っていたかは微妙なところですが、ビーム家に残る伝統のレシピなどを再度洗い直し、ブッカーズのレシピを完成させました。

そのためバーボンウイスキーとしての風味の骨太さ、力強さを追求し、管理の行き届く少量生産のスモールバッチに辿り着いたというわけです。

ブッカーズの歴史

ジムビーム蒸溜所

「禁酒法以前のバーボン」を追求したクラフトバーボン「ブッカーズ」は1988年に始めて世に出されました。

ブランドの歴史は浅いものの、レシピは禁酒法が施行される以前19世紀後半〜20世紀前半バーボンを意識して作られた本作は瞬く間に人気に。
近年では販売中止と言いながらも限定数量にて毎年リリース、そして即完売という流れ。売り切れ状態が続くのでその価格は高騰しつつあります。

しかし、なぜ巨匠ブッカー・ノウ氏は禁酒法時代以前のバーボンを目指したのでしょう。

禁酒法が施行される以前、特に19世紀末から20世紀はじめにかけてのバーボンは最低でも4年以上熟成し、アルコール度数100プルーフ(50%)以上でボトリングされていました。
現在のバーボンは43%~46%程度まで加水し度数調整したものが多いですが、当時は少なかったようです。

ブッカーズのラベル

つまり熟成年数が長く、アルコール度数も高い
禁酒法以前のバーボンはとにかく「力強く深い」味わいだったということです。

こういった事実を知ると当時のバーボンの味がどんなだったか、確かめたくなりますね…。

このようにノウ氏は禁酒法以前の力強いバーボン本来の姿・味わいを現代に甦らせることに注力しました。

そして原料選び・蒸溜方法・徹底した樽の貯蔵管理などを行うことで他にはない力強さを持つクラフトバーボンを作り出すことに成功しました。

またノウ氏はブッカーズの他に

  • ノブクリーク
  • ベイカーズ
  • ベイゼルヘイデン

というクラフトバーボンも考案。こちらも現在人気を博しています。

クラフトバーボンコレクション

ブッカーズの製法(作り方)

ブッカーズ についての製法ですが、元々ビーム家はクラフトバーボンの製法を明かしていません。

現在のブッカー・ノウ氏の子息で現在ジムビームのマスターディスティラー、フレッド・ノウ氏は「製法は門外不出」と断言しています。

従って詳細は謎に包まれていますが、公開されているもので分かり得ることは

  • 原材料の選定
  • 清冽な天然水(ライムストーンウォーター)
  • 創業時当時から200年以上自家培養している酵母
  • 樽の選定「ハニーバレル/シュガーバレル」
  • 熟成庫での貯蔵管理

これらひとつひとつの工程をとにかく丁寧に行なっているということ。

普段行われている作業を見直すことで一層上質な原酒が造られている、ということですね。

ブッカーズをロックで

ブッカーズはスモールバッチで熟成されている…とよく説明書きされていますが、スモールバッチとは「10樽以下で少量生産」されていることを意味します。
スモールバッチという名の樽で熟成しているわけではありませんのでご注意ください。

少数樽にすることでより管理の目がゆき届き、上質なバーボンを作れる、ということです。

ちなみにブッカーズが熟成されるのは、内側を強くチャーしたアメリカンオークの新樽。
こちらは俗に言うバーボン・バレル(180L)と呼ばれるもの。
ブッカーズは樽材の選定から始まり、熟成に至るまでキッチリ管理されます。

またブッカーズはアルコール度数を法律で定められる62.5度に合わせて樽詰めされます。

原酒にこれを超えるアルコール度数がある場合は、加水調整して62.5度以下にしなければバーボンとして売り出すことができません。

ブッカーズをつくる樽

ブッカーズは原酒の力強さをなるべく活かすため、加水せずに済むギリギリの度数に合わせて樽詰めしているのです。

しかし実際ボトリングされたブッカーズのラベルにはアルコール度数63〜65%などという表記のものをよく見かけます。
これは熟成期間中に余計な水分が飛び、樽内でアルコール度数が自然に上がったということです。

樽詰めされた後はクレアモントにある敷地の中で最も良いとされる貯蔵庫にて6〜8年熟成されます。
熟成のピークは現マスターディスティラーであるフレッド・ノウ氏によって見極められます。

ブッカーズはボトリングする際も加水を行いません。

樽出しのまま、カスクストレングスの珍しいバーボンなのです。

このような徹底管理のもと、不朽の名作と呼ばれるクラフトバーボン、ブッカーズが誕生するのです。

ちなみに、ブッカーズのラベルに描かれた筆記体の文字は、ブッカー・ノウ本人の手書きのメモを複製だそうで、内容は自身のバーボンストーリーの解説のようです。

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ブッカーズの種類/ラインナップ 

ブッカーズ

ブッカー・ノウが世に残した最高傑作「ブッカーズ」のスタンダード品です。

一切希釈されていない赤みがかった色合いはまるで特別濃いめの紅茶のよう。

香りは特濃のバニラとバナナの甘さの中にスパイシーが同居します。
加水すると一気に花開きベリーやカラメル感が強く前に出ます。

味わいはどっさり盛った果物。ジューシーでフルーティ。赤ワインのようなタンニンもあります。

60度を超えるアルコール度数ですが刺激はそれ程感じられず、マイルドな印象。

後半は焦がしたカラメルのビター、そして渋みが残ります。

余韻は非常に長く、ウッディで芳醇。何度も口に運びたくなる中毒性を秘めています。

ブッカーノゥズ(ブッカーノエ)

1990年頃に流通したボトル。
オークションでも人気の商品で、かなり高値で取引されています。

香りは非常に強く、まさに「生」を感じるバーボンウイスキー。
ネイルポリッシュリムーバーのような薬品香をスタートに感じますが、徐々に柔らかくトウモロコシの袋を感じる粉っぽいフレーバー。
禁酒法以前の風景が生き生きと蘇るよう。

味わいはカシスリキュールのような酸、メレンゲ、バタークリーム。
ブルーベリーを散りばめたホットケーキにたっぷりとメープルシロップをかけたイメージ。

とろりとした濃厚な口当たりはオールドボトルの良さを含んでいます。

ブッカーズ ライ

これまでにないライウイスキー用のマッシュビル(原料比率のレシピ)を使用して13年以上熟成された超熟のボトル。

これはブッカー・ノウ氏が生前に仕込んだもので、現時点で彼の最高傑作と称される樽の原酒を使用しています。

『ジム・マレー ウイスキー・バイブル』では、「ウイスキーの真髄を見事に体現した、堂々たるライウイスキー」と高い評価を受けました。

編集部一同、まだ日本で見かけたことがないのでテイスティングできていません。

数量限定、超希少なボトルなので万が一お見かけした際には試してみてくださいね!レビューも聞きたいです。

ブッカーズ Fred Noe Select for Seijo ishii(成城石井)

なかなかお目にかかることのできない、ラベルがおしゃれなブッカーズの限定ボトル。

7代目マスターディスティラー、フレッド・ノウ氏が日本の高級スーパー「成城石井」のためだけに300本だけリリースした希少なボトル。
2009年には成城石井でサイン会なども行っていました。

中身はスタンダードと変わりませんがラベルにはフレッド氏の直筆サインが入っています。

番外編:リトルブック

リトルブック

ブッカーズにそっくりなボトルの形をしていますが、こちらはジムビームの創業者、ジェイコブ・ビーム氏から8代目の子孫となる30歳のフレディ・ノウ氏が初めて手がけたボトル。

ブッカーズが終売の噂→後継とてリトルブックがリリース、という流れに見えますがそもそもモノが違います。

「リトルブック」は「ブッカーズ」と同じように製作者のフレディ氏のニックネームに由来しています。

4年物ストレートバーボンと13年物のコーン・ウィスキー、それにモルト・ウイスキーとライウイスキーもブレンドしたという、個性あふれるウイスキーです。

アルコールのアタックはかなり強く、カベルネソーヴィニヨンワインのようなタンニンを感じるアロマ。メープルシロップ、ほのかですが若草を茎を切ったようなハーバルさ。

味わいはキャラメルナッツと完熟バナナのケーキ。フロランタンの香ばしさ。カラメルの甘みとほろ苦さアーモンドの甘みと香ばしさが絶妙です。

ブッカーズ同様、パワフルで濃厚さが魅力のボトルです。

 

オーツカ

1987年のブッカーズリリース直前には、蒸溜所のスタッフたちで写真を撮り、

「このブッカーズが気に入らなかったら送り返してくれ。おれたちが飲むから」

というコピーを入れた宣伝用のポスターを作ったそうです。

ブッカーズの味わいに相当自信があったのでしょう。

このようなユーモアを効かせた宣伝で、ブッカーズは上手に市場価値を高めていきました。




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