アイルランドの蒸溜所を訪れた人が、2025年6月からの1年間で104万人に達し、2年連続で100万人を超えました。
一方で、2025年のアイリッシュウイスキーの輸出は、前の年より5%減っています。
来場者は104万人。前年より約3万人増

正確な数字は1,040,159人で、前の年の約101万人から、約3万人増えました。
前の年は、2019年以来の100万人超でした。規制が解けた2022年の67万7,000人からは、5割以上増えています。
来場者の出身は、多い順に、米国、アイルランド国内、英国、ドイツ、フランスです。現地で酒を飲まない人も、全体の3分の1を超えています。
人気の上位5か所は、ダブリンのジェムソン(ブー・ストリート蒸溜所)、アントリムのブッシュミルズ、ダブリンのティーリング、コークのミドルトン、リートリムのThe Shed Distilleryです。伸び率でいちばんだったのは、クレアのJJ Corryの+85%でした。ドニゴールのArdara Distilleryが+33%、ケリーのSkelligが+20%と、小さな蒸溜所の伸びが目立ちます。

1人あたりの支出は、40ユーロ台前半から50ユーロに

来場者1人あたりの支出は、前の年の40ユーロ台前半から、50ユーロ(約9,000円)に増えました。約2割増です。
アイルランドウイスキー協会(IWA)は、高価格の見学コースを選ぶ人が増えたことが理由だと説明しています。
同じ時期、アイルランド全体では、海外からの旅行者の数と支出が、2025年の多くの期間で減っていました。
そのなかで、ウイスキーの見学だけは目立って伸びています。IWAのディレクターは、訪れる人がより多くのお金を使い、より遠くから来ていると話しています。
輸出は約9.3億ユーロに。米国の関税とドル安が重なる

2025年のアイリッシュウイスキーの輸出額は、約9.3億ユーロ(約1,700億円)でした。過去最高だった2024年の約10億ユーロ(約1,800億円)から、5%減っています。理由は、2025年8月に始まった米国の関税と、ドルが約12%安くなったことです。米国は最大の市場です。
米国のトランプ大統領は9月に、アイリッシュウイスキーへの関税を撤廃する意向を示しました。現在の関税は10%です。この表明は、BARRELでも取り上げました。
そして人気3位のティーリングは、6月にバカルディの完全子会社になりました。
輸出が細るなかで、蒸溜所で直接ボトルや体験を売れる見学は、各社にとって頼りになる収入源なのではないでしょうか。

見学のルートを島全体で作れる「Irish Whiskey Way」が始まっている

IWAは2025年11月に、食と酒のルートを自分で組める「Irish Whiskey Way」を始めました。
アイルランド共和国と北アイルランドの両方にまたがります。
蒸溜所の73%は、地方にあります。ルートを組むことで、旅行者が首都以外の地方にも足を運びやすくなるのではないでしょうか。
アイルランド政府も、観光計画で、食や体験を軸にした旅行に力を入れています。










