茨城県水戸市の明利酒類が、高藏蒸留所の初のシングルモルト『高藏 the First』を10月16日に発売しました。
2022年の蒸留再開後に、この蒸留所で造った3年熟成のモルト原酒だけを使っています。中心は、梅酒『百年梅酒』を熟成した樽の原酒です。
梅酒樽を軸に、バーボン樽とピノ・デ・シャラント樽を合わせる

商品は2種類です。
スタンダードは48%・700mlで1万2,100円(税込)、5,800本。カスクストレングスは加水しない61%・700mlで1万6,500円(税込)、500本です。合わせて6,300本になります。
原酒は3種類をブレンドしています。中心は百年梅酒を熟成した樽の原酒です。百年梅酒は、第二回大阪天満天神梅酒大会で優勝した、明利酒類の看板の梅酒です。ここにバーボン樽と、ブドウ果汁にコニャックを加えて造るフランスの酒、ピノ・デ・シャラントの樽で熟成した原酒を合わせました。
スタンダードは、梅酒樽由来の果実味を軸に、バニラを思わせる甘みと厚みがあります。加水で香りが広がり、飲みやすく仕上げています。カスクストレングスは、3年熟成なのでアルコールの刺激はやや強めで、若々しい力強さと樽の香味をそのまま味わえます。スポイトで少しずつ加水しながら飲むことを勧めています。

2年物は3本とも金賞で完売。次の一本が初のシングルモルト

高藏蒸留所は、1952年に創業者の加藤高藏がウイスキー造りを始めましたが、1959年の火災で途絶えました。
2022年に約60年ぶりに製造免許を取り、本社の敷地内で再開しています。
2022年の立ち上げは、BARRELでも取り上げました。
立ち上げのときの構想は、ニューメイクから3年まで、熟成の途中経過を段階的に出して、顧客と一緒に楽しむことでした。その3年目にあたるのが、今回のシングルモルトです。
1年熟成の『高藏 REBORN』は、梅酒樽で熟成した原酒が中心です。香りはプラムのように軽やかで、味わいは干しぶどうの甘みから始まり、最後にスパイシーさが出ます。2025年10月に出した2年目の限定4,100本は、ファーストフィルのバーボン樽で熟成していて、梅酒樽からバーボン樽に切り替えています。1年物と2年物は東京ウイスキー&スピリッツコンペティションで金賞を受け、2026年は2年物の3商品がすべて金賞で、在庫は完売しています。
3年熟成は、日本洋酒酒造組合の自主基準でジャパニーズウイスキーを名乗るために必要な、木製樽での貯蔵期間の最短(3年以上)にあたります。蒸留を再開して3年で、初のシングルモルトまでたどり着きました。
直売所は即完売。独自酵母と県産麦芽で、次の高藏を仕込む

10月16日、水戸の直売所『別春館』には開店前から行列ができ、即完売しました。カスクストレングスは、直売所に用意した60本が売り切れています。公式オンラインショップでも、同じ日の12時に販売が始まりました。
同じ日のセミナーで、常務の加藤喬大氏は、この蒸留所の独自性として、自社で開発したウイスキー酵母、梅酒樽、県産の大麦麦芽を使うローカルバレイ構想を挙げました。酵母の『T310』は約4年の研究を経て開発し、2026年から仕込みに使っています。将来の高藏を形づくる原酒として、いま熟成中です。
麦芽は、県内の製麦工場と組んで調達します。明利酒類は、茨城県のフロアモルティング工場『サトーモルティング』の創業を支援し、茨城県産のピート麦芽を使った製造を始めました。この麦芽を生かした製品は、今後、別のシリーズで出す予定です。

今回の度数の48%は、飲み慣れていない人でもアルコールの強さを感じにくいよう設定しました。カスクストレングスは、バー関係者の声を受けて商品にしています。今後は年2回、6,000本ほどずつの販売を目指しています。次回の発売日は発表されていません。加藤氏は、100年続く蒸留所として『水戸から世界へ出て、世界から愛される』存在を目指すと話しています。

高藏 the First」

⚫︎内容量:700ml
⚫︎アルコール分:48%
⚫︎希望小売価格:12,100円(税込)
⚫︎限定本数:5,800本
プラムワインカスクの華やかな果実味を核に、フルーティで厚みのあるバニラ香を表現。
加水48%で香りの広がりと飲みやすさを両立し、高藏蒸留所が目指す個性をバランスよく表現しています。
「高藏 the First CASK STRENGTH」

⚫︎内容量:700ml
⚫︎アルコール分:61%
⚫︎希望小売価格:16,500円(税込)
⚫︎限定本数:500本
同じヴァッティング原酒を加水せず瓶詰めし、原酒が持つ厚み、果実味、余韻をそのまま残した限定タイプです。
3年熟成のため、モルト原酒特有のまだアルコールのアタックがあるものの、若々しい力強さと樽由来の香味を、直接的に感じられる、記念碑的なリリース。
スポイトでぜひ加水しながらお愉しみください。










