アイラ島の風土が育んだ、ウイスキーの新たな地平線がここに開かれます。
サステナビリティを追求するブルックラディ蒸留所が、数年にわたる挑戦の末、アイラ島で栽培されたライ麦を使用した画期的なシングルグレーン・スコッチウイスキー「ザ・ラディ・ライ」のリリースを正式に発表しました。
サステナビリティから生まれた、運命的な出会い
アイラ島のウイスキー造りにはピート（泥炭）が欠かせません。しかし、その採掘が環境に与える影響は無視できない問題です。
環境や社会に配慮した企業に与えられる国際的な認証「B Corp」を既に取得しているブルックラディは、かねてより持続可能なウイスキー造りを模索してきました。
その気づきは長年のパートナーである農家、アンドリュー・ジョーンズ氏が、きっかけでした。
ジョーンズ氏は単一栽培を避け、土壌の健康を改善するために、自身のクール農園で作物のローテーションにライ麦を加えているという事実を語ったのです。
この挑戦に共感したブルックラディは、収穫されるライ麦の全量を買い取り、ウイスキーを造ることを約束しました。
蒸留所と農家の固い絆が、アイラ島初のライウイスキーを生み出す原動力となりました。この協業は、2023年に限定発売され大きな話題を呼んだ「ザ・リジェネレーション・プロジェクト」として初めて結実し、そして今回、待望のフラッグシップボトル「ザ・ラディ・ライ」として、そのベールを脱ぐこととなります。
「ザ・ラディ・ライ」その全貌
満を持して登場する「ザ・ラディ・ライ」は、ブルックラディの哲学とアイラ島のテロワールが見事に融合した一本と言えるでしょう。
- 原材料: 2017年に収穫されたアイラ島産ライ麦と、同じくアイラ島で育った大麦麦芽を使用。
- 熟成: アメリカンオーク樽で7年間熟成。北大西洋の冷涼で塩気を含んだ潮風が、樽に絶え間なく吹き付け、独特の風味を醸します。
- アルコール度数: 50%
- テイスティングノート: ココナッツやバニラ、チョコレートのような甘美なアロマ。そこにライ麦由来のスパイシーなペッパーのアクセントと、大麦がもたらすフレッシュなグリーンフルーツの爽やかさが絶妙なバランスを生み出します。ほのかに感じる潮の香りが、アイラ島で生まれた証です。
- こだわり: ブルックラディの信念に基づき、冷却濾過を行わない（アンチルフィルタード）、着色料を一切加えない自然な色合い、そして仕込み水にはアイラ島の湧き水を使用しています。
ブルックラディの広報担当は次のように語っています。
「『ザ・ラディ・ライ』は、私たち蒸留家と農家が同じ未来を見つめることで生まれました。土壌を再生させるライ麦を育てることは、画一的な農業からの挑戦です。私たちは農家のパートナーと苦楽を共にし、農業の未来とウイスキーの新たな可能性を切り拓いています。アイラ産の原料で、アイラ島で造り上げる。この一本には、私たちの土地、仲間、そしてウイスキーへの愛情、そのすべてが詰まっています。」
この一本は、単なる新商品ではありません。
ウイスキー造りの未来、そして地球環境との共存のあり方を示す、ブルックラディからの力強いメッセージと言えるでしょう。
